金色のガッシュベル!!シン   作:レベルス

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ガッシュがブラゴを仲間に加えたころ、清麿の元にかつての仲間やライバルから連絡が入る。

日常パートが多いです


LEVEL5 魔物が運んだ縁

=人間界 東京==

 

魔界でガッシュがブラゴとの共闘を確約させていた頃、清麿は自身が通う東栄大学の屋上で 瞑想をしていた。『答えを出す者』の力に頼らずに勝つと決めた以上、心の力を持続出来るように長時間の精神集中をしていたのである。

 

(思ったよりも集中できている。身体にまだ感覚が染み付いていたんだな…)

 

確かな手ごたえを感じながら目を閉じて戦闘のイメージを続ける。海外を股にかけて死線をくぐり抜けた中学時代の経験が、清麿にとって確かな自信につながっていた。

 

研究中も、全体と細部をバランス良く考えながら行うようにする事で、穴のない作戦の布石にもなる場合もある。

日常生活そのものが修行と言っても過言ではなかった。

 

5時過ぎになって自宅へ戻ろうとした時、自身の携帯電話に着信が鳴り出した。見覚えのない番号である。

 

清麿は恐る恐る発信ボタンを押した。

 

「はぃ、高嶺ですが?」

 

「久しぶりね、赤い本の持ち主・高嶺 清麿」

 

声の主はフランスにいるシェリーであった。王座を賭けた最終戦以来、連絡が途絶えていた宿敵からの電話に驚きを隠せない。

 

「あの時以来だな…。突然過ぎて驚いたぞ?」

 

「昔話をしている暇はないの。急ぎだから手短に話すけど…」

 

(まさか告白じゃないだろうか?いいや、奴に限ってそれはないな)

 

「日本…。いいえ、あなたの住んでいるあたりでもいいわ。最近何か変わった事はなかったかしら?」

 

自分のくだらない予測が見事に外れ、胸をなでおろす清麿。

 

「信じられないかもしれないが、ガッシュが1日だけ魔界に戻ってきてな。その時にランスロットという奴とたたかったくらいだ」

 

「ガッシュが?」

 

清麿はシェリーに冥界の戦士のことを話した。

シェリーも、先日起こった水色の稲光について説明をする。

 

「あなたの言い分が確かなら、あの戦いをはるかにしのぐことが起こるかもしれないわ。何かあったら伝えてちょうだい。

それから…、私の友達が仕事の関係で日本にいるから、戦いに巻き込まないように協力して欲しいの」

 

シェリーが言う友達の正体はかつてゾフィスに操られていたココであることは清麿にも容易に想像できた。

 

通話を終えて黒いインスライド(モデルはMITSUBISHIのアウトランダー)に乗って自宅に着いた。高校在学中に免許を取得し、クイズ番組の入賞金で購入した愛車である。

車検に出して、今日戻ってきたので綺麗に磨かれていた。

 

今日は恵が人気音楽番組である『ウィークリー・ミュージック(モデルはご存知ミュージック・ステーション)』に出演するため帰りが遅くなることになっている。

 

カギを開けて家の掃除をしているとドアホンが鳴りだした。出てきたのは茶色い短髪に鋭い目つきをした青年である。

手には大量の食材を持っていた。

 

「オ〜ッス、清麿!!」

 

「泳太!?」

 

「愛しのメグちゃんじゃなくて、残念だったな。野郎2人ってのも、悪くねえだろ?」

 

やってきたのは清麿の高校時代の同級生であり、 窪塚 泳太だった。泳太は風使いの魔物・ハイドのパートナーであり、清麿がガッシュと出会ったばかりの頃に初めて戦った相手である。

それ以降はハイドの能力を利用して不良まがいな行為をしていたが、ガッシュ達との再戦でハイドとの友情や自分の小ささを痛感し、彼らを認めるようになった。

 

高校では清麿と同じクラスになり、パートナーになる前の境遇も似ていたことから意気投合。現在は陽気な性格と音楽センスを活かし、ラッパーとして都内で活躍している。

「話変わるけど、その食材どうしたんだ?」

 

「腹減ったし1人で食うのも味気ねぇからよ。男の料理で晩飯でも食おうと思ってな。メグに食わせたら喜ぶぜ?」

 

「お前が構って欲しいだけだろうが!!」

 

「BINGO!!」

 

やいやい言いながら2人で夕飯を作っていると、清麿の携帯が鳴り出す。今度は非通知だった。

 

「出てこいよ。鍋見とくから」

 

「悪い、頼む」

 

携帯を取り出し、リビングへ移る清麿。非通知からの着信は珍しいことだった。

 

「久しいな。清麿君」

 

「この声…。あんた、ナゾナゾ博士!?」

 

「左様。なんでも知っている不思議な博士だ。しかしながら、駆け出しの学者にタメ口を聞かれるとは随分なものじゃな」

 

博士は冗談めかしたように笑う。

 

「すみません…。急に博士から電話をいただいたくらいです。何か重大なことがあったって事ですか?」

 

博士の声からおふざけがなくなった。

 

「君は最近奇妙な奴らと一戦交えたようだね?」

 

「ええ。少しでも油断したらやられるところ…ってどこからその情報仕入れたんですか!?」

 

「‘’冥界の王‘’・アーサーとやらが私の夢に出てきてな、‘’人材を確保するにはどうすれば良いか?‘’とだけ聞いてきたのだ」

 

(アーサー…?)

 

話を整理するために目を閉じて、考えを巡らせる。

人材確保ということは、パートナーになる人間を探すことではないかと言う仮説が立った。

 

ちらりと目を横にずらすと、机の上にある

棚に一冊の読み物が目に留まった。

西洋の騎士達による冒険物語「聖剣物語」と題されたカラー漫画が机の中心に置かれている。

 

(俺達と戦った奴がランスロット…、リーダーがアーサー…。そうか!)

 

清麿の中で一つの答えが生まれた。

 

「推測ですけどおそらく仲間の名前は、ガウェイン、トリスタン、パーシヴァル、モルドレット、バハムートのいずれかがいるはずです。円卓の騎士、知ってますよね?」

 

「ああ、紀元前にヨーロッパで活躍したキリストの従者か…。全員で何人いるかはわからないがそ奴らが冥界を牛耳っていると言うことで間違いないか?」

 

「冥界と関わりがあることは確かです。こっちでも調査中なんですけどここまでしか…」

 

それを聞いた博士は顎をしゃくりながら答えた。

 

「いいや、そこまで行けば上出来だ。魔界にまで手が伸びるとなればガッシュ君達やキッドが…」

 

「あいつらなら大丈夫ですよ。もしもの時は力を貸して欲しいと言ってましたけど、もちろんそのつもりです!」

 

「はっはっは。さすが清麿君だ。私も出来るならキッドにまた会いたいものだ。最後になるが…」

 

力強い清麿の答えを聴き終えた博士の口調が意地悪そうなものに変わり、ニヤニヤと笑いだした。

 

「清麿君、最近小耳に挟んだのだが、ついに恵君と恋仲になったそうではないか?

遺跡での戦いから君達を見てきたが、夫婦のような仲の良さだったからなぁ。老爺心を働かせた甲斐があったよ」

 

清麿は顔を真っ赤にして盛大に吹き出してしまった。

戦いの期間中に泊まった先ではだいたい、清麿&ガッシュ、恵&ティオの2組が同じ部屋に必ずと言っていいほどあてがわれ仲間達によくからかわれたものである。

 

「今関係あんのかよ、その話!?」

 

「心眼で君たちのキスシーンも見たんだぞ?」

 

嫌な予感を覚えつつあえて訪ねた。

 

「本当にそんな能力あるんですか…?」

 

「ウ・ソ♡」

 

おきまりの展開にとうとう我慢ができなかった。

 

「いい加減にしろ、このホラ吹きジジイ!!!」

 

たまらず激昂しで通話は幕を閉じた。

 

 

料理作りが佳境を迎えた頃、収録を終えた恵が息を切らして帰ってきた。

 

「ただ今〜。ふう、やっと着いた!」

 

恵がフロアに着くと鍋いっぱいのカレーライスが見え、テーブルにはほうれん草とニンジンのお浸しが盛られていた。

 

「あら、美味しそう!?」

 

できの良さに目を奪われていると、ミキサーの音が響いた。

 

「お帰り、恵。もうちょっとでできるよ!」

 

キッチンから清麿が顔を出す。エプロンを羽織る彼の姿は滅多に見られないので新鮮な気持ちだった。

 

「良かったな〜、姫様プリンセスが帰ってきてよぉ!」

 

 

‘’黙っていろ‘’と言わんばかりに茶化す泳太をにらみ、仕上げを終えた。

 

ミキサーで作ったのはハチミツとレモンにリンゴ、ヨーグルトを合わせたドリンクである。疲労回復に最適な果物をヨーグルトと合わせて飲みやすくしたものだった。

今日は気分を変えて、和室で夕飯をいただく。3人の食器を動かす手が休まることはなかった。

 

カレーにはトマトとチーズが含まれており、ジャガイモの代わりにサツマイモとアスパラガスがある。野菜の甘さとルーの辛味が絶妙だった。

 

「カレー、美味しい!これ2人で作ったの?」

 

「ほとんど清麿がやったんだぜ。最近まで調理、壊滅的だったのにな〜」

 

「二言多い…!でもありがとうな。わざわざ」

 

ツッコミを入れつつも丁寧に礼を言う。それを聞いて泳太はニヤニヤと笑っていた。

 

「ありがと、清麿。疲れ、吹き飛んじゃった♡」

 

ウィンクしながら笑顔を見せる恵を見てちょっぴり頰を赤らめる清麿。しかし恵の喜ぶ姿は清麿にとっても幸せなことだった。

 

(この笑顔をを毎日間近で見れるって、ガッシュと出会う前は考えすらしなかったなあ)

 

 

悪がる恵を先に入浴させ、2人が片付けを済ませると泳太がリビングのソファーに寝転びそれとなく口を開いた。

 

 

「なぁ、あいつらどうしてるかな?」

 

「ガッシュとティオ、魔界から1日だけ戻ってきたぞ」

 

清麿の言葉に、泳太は驚きを隠せなかった。

 

 

「おい…、マジかよ。その情報たしかなんだろうな!?」

 

「この状況で嘘がつける訳ないだろ?」

 

泳太とハイドは1000年前の魔物、パムーンに敗北したことで脱落となって以降、音沙汰がない状態だった。

短い間だったとはいえ、苦楽をともにした戦友との再会は、泳太にとって願ってもないことだった。

 

 

「いい湯加減だったー。お風呂どうぞ!」

 

湯上がりの恵は程よい具合にはねた髪と、シャンプーの良い香りがしてどこか色気が漂っていた。

 

 

「メグ、ちょっと聞きたいんだけど?」

 

 

「どうしたの?」

 

「メグと組んでたティオって魔物が帰ってきたって今、清麿から聞いたんだけど、ハイドも一時的に帰って来れるのか?

 

 

「えぇ。ガッシュ君が魔界と人間界を往復できるトンネルを作ったみたいだけど、作動すれば帰って来れるかもしれないって」

 

 

恵は冥界との戦いのことを泳太に説明した。清麿からの補足も受け、闘志をみなぎらせる。

 

「許せねえ野郎だな。向かい風で追い返してやるぜ!」

 

「その時は追い風で勢い付けてくれよ?」

 

気合十分の泳太を見た清麿が力強く返事をした。

 

「おぅ、俺たちのすぐ横には女神様がいるからな!」

 

恵の目を見て格好つけた返答する泳太だったが、それを見逃さない清麿ではなかった。目の色と顔つきが悪魔のようなものに変わる。

 

「テメェ、どさくさに紛れて 人の彼女に何を…!?」

 

清麿の形相に何かを察した恵は、清麿の腕をひねる。合気道の経験者だけあって、押さえ方も完璧だった

 

「色目使ってもダメよ。なんてったって私にはたった1人の ダーリンがいるんだから!」

 

笑顔で寄りかかる恵に、清麿の顔が真っ赤になる。怒気はあっという間に消えていた。

即座に突っぱねられたものの、仲睦まじい2人の姿に、泳太は感心するばかりだった。

 

(さすが10年に1度のスーパーカップルってだけあって、プライベートはアツアツだな。あの戦いが、2人をここまで結びつけたんだよな…)

 

羨ましくおもいながら、家路を急ぐのだった。

 

 

見送った清麿は皿洗いを、その近くでは恵が洗濯の下準備をしていた。泳太にいじられっぱなしだったのか疲れ気味である。

 

「全く。あいつの女グセと調子にのるのはどうにかならねえのか?」

 

不満げにぼやく清麿にも恵が動じることはなかった。

 

「あんまり、いじめちゃダメよ?みんな私達のこと心配してくれてるんだから。こないだ言ったこと、もう忘れた?」

 

‘’いじめる‘’という単語に動揺しながらも、なだめられていくらか冷静さを取り戻す清麿。

 

泳太と豊永は高校で知り合ってから清麿と恵の仲をサポートしてくれたので内心では感謝していた。泳太達もまた、いざという時は清麿を頼りにしている。

 

それをよく理解している恵は、付き合い始めてからツッコミが激しい清麿をよく諌めていた。

 

寝る準備を済ませ、寝室へ入った清麿は恵に先ほどの電話の件を伝えた。

今日は恵に収録を頑張ったご褒美をせがまれて、2人そろって同じベッドに並んでいる。

 

「あの2人なら、確かにあそこまで動くわね。」

 

「だろう?ガッシュ達の方でも色々動きは見せていると思いたいんだけど…。ブラゴやバリーのようなタイプは余程のことがない限り協力したがらないだろうな」

 

「確かにあの2人みたいなタイプはそうかもしれないし戦力的には痛手だけど、キャンチョメ君やウマゴン君達がいるんですもの。きっと大丈夫よ!」

 

「そうだな。泳太の奴も張り切ってたし、ガッシュもあれだけ頑張ってるんだ。今は俺たちができることをやろう」

 

清麿が決心したとき

 

「えぃっ!」

 

(!?)

 

‘’ムニュッ‘’という柔らかな音と共に清麿の顔はGカップはあるであろう恵の胸に埋まっていた。顔を真っ赤にすると恵は嬉しそうに笑っている。

 

「\\\\びっくりした\\\\」

 

「隣で寝るの久々だから嬉しくなって…。そして美味しいご飯のお礼!」

 

「窒息するかと思った…」

 

「ごめんね。でも、正直どうだった?」

 

少し顔を赤くしながら返事をする。

 

「相変わらず温かくて、柔らかかった。」

 

「清麿以外にはこんなことしないし、したくもないんだから…。シェリーから電話きたって聞いた時は一瞬疑っちゃったのよ?」

 

それで自分以外の女性に心が向かないようにしたのかと清麿は察知した。そして恵の髪を優しく撫でる。

 

「俺が好きな女の子は後にも先にも恵だけだから心配するなよ。他の女子と友達以上にはならない」

 

「本当?」

 

甘えた声でささやく恵が何を求めているかを清麿はすぐに理解したのか、ちょっぴり顔を赤くした。

覚悟を決めるかのように小さく息をして目をつむり、彼女の唇に優しいキスを返して抱きしめる。

 

数秒後、唇を離して目を開けた清麿が見たのは、ニッコリ微笑む恵の姿だった。

 

 

「合格♡だいぶわかるようになってきたね」

 

「お気に召したようで何よりです、 お姫様」

 

「付き合い始めの頃が嘘みたい!」

 

「研究済みなのさ、喜ばせるための方法はね。」

 

研究者らしい返事をして、清麿は笑みを浮かべる。しかしやり取りはそれで終わらなかった。

 

「それ、他の女の子にも言ってないわよね?」

 

「口が裂けても恵にしか言えません。だって…」

 

(?)

 

「なんでもない。」

 

「ずるいじゃない、教えてよ〜!!」

 

顔を真っ赤にして布団に潜ったが、すぐに恵に捕まった。彼女のいたずらな笑顔が向けられる。

 

 

戦いがあった5年前は、このような台詞が自分に言えるはずもなく全身が真っ赤になって動揺するだけだった。

 

しかし付き合った事でそう言った口説き文句を言える自分が恥ずかしくもあり、それだけ恵に素直に接することができるようになったのだと清麿自身も感じていた。

 

あの時は仲間としてのみだったが、今は言葉に出せなくても最愛の存在としても隣にいる。

 

 

互いの温もりを感じながら、愛し合う2人は

隣同士でぐっすり眠った。

 




今回もご覧いただきありがとうございます。

最後のシーンは2人がイチャイチャしてるシーンにちょっとサービスを入れてみました(でも2人が言わないセリフもありますが)。

ナゾナゾ博士の隠れた思いやり(?)や敵リーダーの名前明かしなどを書いてみましたがアーサーはただの敵役として書きたくないという気持ちがあります。

泳太は神谷浩史先生が担当されてましたがもう少し活躍して欲しかったですね。

次回は魔物の中でインパクトのあったあのお方を出してみたいと思います。

仲間探しはまだ続きますよ!

登場して欲しい魔物やキャラクター、入れて欲しいフレーズ(セリフはありますか)

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