ジャンプワールドオールスターズ 鬼滅の刃編   作:犬原もとき

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じっさい機能回復訓練ってどの辺り迄が合格ラインなんだろ?
リハビリ的なあれなのかな?


別に身長差を妬んだわけじゃない 蝶屋敷定住のPC

アイリス視点

 

「やいちび!俺にも権八郎に食べさせた肉を寄越しやがれ!」

「おい!そんな言い方するなよ!食べさせてもらえないかもしれないだろ!?」

翌日、伊之助と善逸が押しかけてきた。

恐らく炭治郎から聞いたのだろう。

「権八郎ってだれ?」

「すいません。炭治郎の事です。コイツよく人の名前間違えるんです。あ、俺は吾妻善逸です」

知ってるけどね。

「ふむふむ…それで二人はアレを食べたいと?」

「権八郎は食った。なら俺も食える!」

「どういう理屈だよ」

全くだ。

「うーん…とはいえあれは何回負けてもめげない炭治郎君だから食べさせたんだよねぇ」

「うっ…」

「ぐっ…」

僕がそう言うと二人はバツが悪そうな顔をする。

炭治郎が頑張っている間、二人は遊び回っていたからね。

「伊之助くんは昨日までどこで何をしていたのかな?善逸くん。こっそり食べるご飯は美味しかったかい?」

「げぇ!?き、気づいてたの!?」

「お、俺は山の主だ!山にいて何が悪い!」

「気づくとも。僕が君達のご飯を作っているからね。それと山の主とか言うけど、女の子一人にも勝てないんじゃ主とは言えないんじゃないかい?」

善逸は恐怖で顔を青くしてガタガタ、伊之助は怒りで顔を赤くしてブルブルと身体を震わせている。

面白い対比だな。

「まぁ、ついて行けないなら無理しなくても構わないよ。その代わり回復の見込みなし。ってことで鬼殺隊を辞めて貰うだけだから」

「なんだと!?」

「一度の瀕死で使えなくなる奴は要らないってことさ」

残酷だがこれは彼らを守る為でもある。

下弦ですらこれならより強い上弦に会えば、何の情報も得られずに死ぬだろう。

そも機能回復訓練はアオイに勝った時点で実戦復帰の判定になる。

一般の隊士なら。

だが彼等は仮にも下弦の鬼に迫る実力がある。アオイでは役不足だ。

継子であるカナヲに勝てなければ、今後下弦の鬼に遭遇する度に瀕死になる。

ギリギリの戦いばかりすれば、何時再起不能の重症を負うかわからない。

特に善逸はそれをひしひしと感じているだろうね。

「あの…もし隊士をクビになったらどうなるんですか?」

「そうだね…その隊士の育手が育手の権利を失ったり、引退を取り消して現役に戻すかもしれないね」

「え…」

実際の所どうなんだろうね?

そこんところは明かされてないから僕も良くわからないんだよね。

「爺ちゃんは…俺の育手は片脚ないしもう歳なのに?」

「そりゃそうだよ。その人が育てて送り出した子が駄目だったんだ。その人自身がその身を以て責任を取る。当たり前でしょ?」

「だって…だって逃げたのは俺だよ?俺が悪いのに、どうして爺ちゃんが悪いってことになるんだよ!?」

「それが隊服と刀の重さだよ」

 

善逸視点

 

「それが隊服と刀の重さだよ」

眼の前が真っ暗になった。

この人は本気で言っている。

俺がここでサボりまくってたら本気で辞めさせる気だ。

そこには勿論優しい音もある。

けれど大半は駄目なら仕方ないって感じの音だ。

そりゃそうだよ。俺は死にたくない。

全然弱いし。

正直辞めさせるって聞いたとき嬉しかった。

俺にしては良くやったんだって爺ちゃんに報告して、怒られながらも暮らそうなんて考えてた。

でも…もし俺がここで辞めたら、今度は爺ちゃんが死ぬ様な目にあう。

俺のせいで。

俺が逃げたせいで。

爺ちゃん怒るかな?

いや怒るだけなら全然良い。

もし…もし…爺ちゃんが今度こそ見捨てたら?

見捨てなくとも、爺ちゃんが自分を責めたりしたら?

………嫌だ。それこそ俺は俺が許せない。

大好きな爺ちゃんを俺自身の手で傷つけたんだ。

きっと自殺する。

鬼にもひょっとするとなるかもしれない。

俺は…俺は…。

「まぁ、まだ時間はあるんだ。ゆっくりしていきなよ」

その言葉にはあからさまな嘘と少し申し訳無さそうな音がした。

 

アイリス視点

 

「……やり過ぎちゃったかな?」

はっきり言って善逸は強い。

原作ではなんのかんの言って成り立てとはいえ上限の鬼を一撃で倒せる実力を身につけるし。

あの時は気絶してない状態だったし。

そのパフォーマンスを常に保てれば3人の中でも一番の実力者だろう。

ヒノカミ炭治郎は除くとして。

荒療治とは思うけど、ガッツリ関わると決めたなら、あの三人の強化は急務だ。

無限列車までに、猗窩座を倒せなくても煉獄さんの援護はできる程度にはしておきたい。

悪いとは思うけど要な事だ。発破をかけておかなくちゃね。

 

そんなこんなで不安な所もあったけど、三人は無事に全集中常中を会得し、更にはグルメ細胞にも適合した。

グルメ細胞のことを話した三人の反応は

「好物を食べるほど強くなるって何だか子どもみたいですね」

「はい!明日から高いもの下さい!好物なんで!!」

「天ぷらだ!天ぷらよこせ!!」

ある意味予想通りだった。

三人はこれから無限列車に乗るわけだけど…正直不安だ。

だけどその前に日輪刀をが届く。

一応鍛冶屋の里に行ったとき、伊之助の刀の担当の鉄穴盛さんには刃をギザギザにする様に伝えておいたけどちゃんとしてるかな。

それと同時に僕の日輪刀も届く。

どんな形でどんな色になるんだろ?

楽しみだなぁ。

 


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