猛視点
「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!!???」
猗窩座からすれば今日という日は災難だろうな。
無惨とか言うパワハラ上司からちょっと鬼殺隊殺してこいよ。近いだろ?おん?て言われて来てみれば、猗窩座的には黒死牟と無惨を足しっぱなしにしたような柱とやり合う羽目になったわけだし。
猗窩座のストイックさにはファンも多いけど、アイリスには合わない。
アイツはバッサリと
「知らんよ。使えるなら使うでしょ」
とシステム的に恐らくチートを使ったことに対してキレた猗窩座に対して言い放った。
言ったとおりアイリスは昔から使えるものなら何でも使うタイプだ。
ホグワーツに入学したら秒でスリザリンと言われるに違いない。
何故ならアイツは正攻法で勝てない体だからだ。
生まれつき鍛えれば鍛えれる程筋肉量が落ちる。
適切な治療を受けてるから日常生活には困らないが、普通に働くなんてまず無理だ。
投資でお金が儲けられる資本主義万歳だ。
アイツと鬼舞辻はよく似ている。
どちらも生まれ持った身体で不便を強いられた。
だけど同情こそすれ共感はしないだろう。
アイリスにとって鬼になると言うのは正しく無駄だからな。
『好き勝手外で歩けないとか今より不便じゃん』
同じ悩みを持っているのに、見ている方向は真逆だもんな。
アイリス視点
「雲の呼吸 上層の型 巻雲」
「炎の呼吸 壱の型 不知火!」
そろそろタイムリミットだな。
いやー、敗北イベントを覚悟したけど良かった良かった。
僕一人でも割とオーバーキルだけど、雲の呼吸の出来を見たかったからちょっと不安だったんだよね。
そこに煉獄さんも加わったわけだしそりゃー余裕だ。
うん。決して私怨なんか混じらせてないよ?
チートカッコ悪いとか、人の気も知らねぇで男なら鍛えてなんぼだろJKとか、そもそも女みてーな顔してるから悪いとか言われて良し。フラグとかしーらね!とかなったわけじゃない。断じて。
猗窩座はどんなに強くてもドラゴンボールで言う所のナッパクラスだ。強いは強いが、今の僕の敵じゃない。
シナリオの都合上、死にはしないけど、僕らも死ぬ事はない。
あと1分もすれば夜明けだ。
ふっ、勝ったな。
「うおおおおぉぉぉぉ!!!許せぬ!貴様だけでも討つ!!!!」
叫びながら猗窩座が構えを取る。
あれは!!
「滅びろ!終式 青銀乱残光!!」
「煉獄ーーー!!!離れろーーーー!!!」
やっべぇ!!ブチ切れやがった!!
くそっ!やれるか?!いや防ぎ切ってみせる!!
時間によって変わるがこんな所で死者を出せるものか!
限界を超えろ!!
「界王拳!!6倍だーーーー!!!!!」
そう叫ぶと身体が赤いオーラに包まれる。
同時にHPが物凄い速度で減っている。
ぐきぎ…!やはり満足に使える2倍より明らかに負担がかかる。
だけどこれなら間に合う!
ステータスをフルに、いやそれ以上に活かして飛び回る。全方位同時に100発の拳が乱れ飛ぶ。
原作では冨岡さんですから避けれなかったが、避けるだけなら僕には可能だ。
しかし衝撃波までは如何ともし難い。
そしてそれは、ブチ切れて半ばヤケになっている猗窩座のパワーによって衝撃弾と化している。
これら全てを打ち消してしまわないといけない。
これは煉獄さんにも無理だ。
一発でも誰かに当たればそれは僕の負けだ!
ゲーム上では勝っても、僕の中のゲーマーとしてのプライドが許さない!
間に合わせてみせる!!
舐めるなよ!こちとら食柱だ!!!
炭治郎視点
離れろと言われた煉獄さんは、すぐさま俺たちの場所まで一気に下がってきた。
その瞬間だった。
ドムン!!!
凄まじい音がしたかと思うと、猗窩座とアイリスさんのいる地面が割れたいた。
もうもうと上がる土煙の中、背後から陽の光が差してきた。
その光を感じたのだろうを土煙から何かが森の中へと入っていった。
「貴様は殺す!!武を極める者を侮辱する貴様は!俺の手で必ず殺す!!」
そう叫んだ猗窩座の気配は向こうへと去っていった。
そして土煙が晴れると
そこには
倒れ伏したアイリスさんの姿があった。