ジャンプワールドオールスターズ 鬼滅の刃編   作:犬原もとき

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君ならどうする?

猛視点

 

「生きてはいます。生きてはいますが、いつ目覚めるのか検討も付きません」

蝶屋敷に運ばれたアイリスはそう診断された。

んー、てことはシステム的には24時間超えのクールタイムってところか。

現実での24時間クールタイムはなかなかしんどいぞ。

ゲーム内でどれくらい経ってるか分からんし。

まぁそれでもアイツが調整した鬼殺隊なら余裕だろう。

都合よく日輪刀もボロボロになってるし、刀鍛冶の里に帰るって名目で俺もリアルに帰るか。

「あの…」

「ん?」

そうやって俺が腰を浮かして直ぐに声をかけてきたのはしのぶさんだった

 

しのぶさんの話は、自分の診断が合ってるかどうかの確認だった。

まぁしのぶさんからしたら意味分からんわな。

絶対無傷で帰ってくると思ってた人が、日輪刀は壊すわ倒れたまま目を覚まさないわ。

とりあえず界王拳のざっとした説明をしておいて、死んだわけじゃないならそのうち目を覚ます。とだけ言っておいた。

現実に帰らんと時間わからんし。

「ちゅーわけだ。お前さんがそこまで不安に感じる必要はねぇと思うぞ」

第一NPCだろ。そこまで考えなくても問題ないっしょ。

まるで恋してるみたいに・・・

「それでも」

ん?

「それでも私は不安なんです」

ん〜?

「気づいてしまったから…私が…私が彼の事を好きだと」

ん〜ふっふっふっ♪

そこからの告白劇はまぁ面白いものだった。

出るわ出るわ。

恋してる子特有の気になる相手の所作が魅力に見える惚気。

はにかんだ顔が好き。

怒ってる顔も好き。

困った顔も悩んでる顔も。

ちょっと失敗した時も嬉しそうな時も。

そういった何気ないもの全てが愛おしい感情。

だから俺はあいつの本性を全部教えた。

割といや、かなりドスケベな事。

目的の為なら犯罪も辞さない事。

まぁ実際にはしないけど、ヒロアカ世界じゃ結構やってたみたいだし一緒一緒。

そしてほんのちょっぴりリアルの話を。

怒ったり戸惑ったり笑ったり泣いたりした。

だから俺はこう聞いた。

「それでもあんたはアイツが好きだって言えるかい?」

その返事だけど・・・まぁ俺から言うのも野暮だろ。

 

しのぶ視点

 

友人だと言うエルガルド(発音しにくいなぁ)さんから聞かされたのは、聞きそびれてた彼自身の話だ。

驚いたのは彼は私と同じ…いや、もっと酷い身体をしていたという話だ。

鍛えれば鍛えるほど衰えてしまう…。

私だって人より筋肉量が少ないのに、彼はそれ以前の問題だ。鬼殺隊でなかろうと普通に働いて生きていく事すら難しい。

それでもと彼は足掻いて、もがいて、今を掴み取っている。

その努力の程は、私では推し量れないだろう。

だからこそより惹かれた。

そして・・・・・真実。

正直に言うと聞かされた時は目の前が真っ暗になった、それならどうあっても私達は・・・。

「それでもあんたはアイツが好きだって言えるかい?」

その残酷な質問を前に私は・・・。


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