居場所~戸塚彩加ルート~   作:おたふみ

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3話

次の日、八幡を迎えに行く。

この格好、驚くかな。

 

「おはよう、八幡♪」

「お、おはよう…」

「どう…かな?制服のスカートって初めて着るから…」

「すげぇ、可愛い…」

「良かった。じゃあ、行こうか」

彼の腕をとる。

「お、おい、戸塚」

「戸塚じゃない。ちゃんと彩加って呼んでよ」

「お、おう、彩加」

「うん、何かな八幡」

「は、恥ずかしいんだけど…」

彼の顔は真っ赤だ。

「僕たち、婚約者なんだからいいの」

「そ、そうか…」

「八幡…」

「ん?」

「その…、ご両親はなんて言ってた?」

「色々、すまなかったって。親父が泣くところ、初めてみたよ。あと、彩加にも挨拶したいってさ」

「ご両親からしたら、僕は息子さんを奪ってしまうんだよね…」

「でも、喜んでくれたよ。俺みたいなひねくれたヤツと婚約してくれてさ」

「そっか…」

「なぁ」

「なに?」

「川崎と材木座だけでも、話をしたいんだが…」

「そうだね。あの二人も八幡のこと心配してたからね」

そんな話をしながら登校すると、凄い視線だった。昨日までジャージやズボンで登下校してたのに、いきなりスカート姿になったからだろう。

視線は向けて来るものの、誰も話かけてくることはなく、そのまま校長室へ。

「失礼します」

「し、失礼しまふ」

八幡ちょっと噛んだ。可愛い。

「殿下、話は聞いております。まずは御掛けください」

「ありがとう」

ソファーに腰掛け話を始める。

「校長、急な要望を聞いていただき感謝します」

「いえいえ。それで、隣に居るのが…」

「はい。婚約者の比企谷八幡さんです」

「ど、どうも…」

「今日は私と彼の荷物をまとめに来ました」

「では、そのように。彼のご両親からも連絡は受けてます」

「はい。お世話になりました」

「校長、川崎沙希と材木座義輝という生徒を呼んでいただきたいのですが…」

「あと平塚先生も、お願いします」

校長が席を外し、二人になった校長室。

「本当に彩加はお姫様なんだな」

「そう言ったじゃん」

「いや、少しずつ実感してきたんだ」

「ちょっと急過ぎたかな」

「いや、大丈夫だろ」

彼の手を握る…。

「不安かもしれないけど、僕はずっと側に居るからね」

「ありがとう、彩加」

 

校長が三人を連れて戻ってきた。

「戸塚、比企谷…」

「八幡、戸塚殿」

「校長、これはどういう…」

「僕から話します」

「平塚先生は、僕の事情をご存知ですよね?」

「まぁ、聞いてはいたが…」

「川崎さん、材木座君。僕はとある国の王族なんだ」

「え?」

「戸塚殿?」

「それに、女の子なんだよ」

「待って、戸塚…。お姫様ってこと?」

「そうだよ、川崎さん」

「八幡!我らの目に狂いはなかったぞ」

「うぜぇ、材木座」

「今朝、スカート姿の戸塚と比企谷が腕を組んで登校したって噂になってたから…。そしたら、二人とも教室には来てないし…」

「うん。僕は学校を辞めて国に帰るんだ。八幡を連れてね」

「ちょっと待ってよ」

川崎さんが狼狽している。無理もない。

「八幡は昨日、死のうとしてたんだ…」

「比企谷…それって…」

「あぁ、本当だ」

「八幡!何故我に話してくれぬ!」

「悪かったよ。それを彩加が止めてくれたんだ」

「僕は前々から八幡のことが好きだった。昨日の夜、死ぬぐらいなら、僕の婚約者として国に行こうって言ったんだ」

「俺も彩加が女だったらって思ってたからな。その話を受けた」

「そう…なんだね…」

「川崎と材木座は、なんだかんだ言っても、俺のこと心配してくれてたからな。最後に挨拶したかったんだ」

「比企谷…」

「八幡…」

平塚先生が声を出す。

「戸塚と比企谷の婚約はわかった」

ん?小声で結婚したいって言った?

「なぁ、比企谷。何故死のうなんて考えた。私だって、教師のはしくれだ。何故私に言ってくれなかった」

「平塚先生、すいません。あの時は、もう余裕がなかったのかもしれません。我慢して我慢して…、気がついたら海に向かって歩いてました」

「比企谷、すまなかった。お前の異変に気づいてやれなかった」

平塚先生が土下座をする。

「や、止めてください」

「だが…」

「もういいんです」

「すまん、すまん、比企谷…」

平塚先生は涙でボロボロだ。

 

平塚先生が落ち着くのを待って、八幡が事情を話した。

 

「比企谷、本当にすまなかった」

「それで、奉仕部の二人は居ないんだね」

「我に力になれることがあれば…」

「もういいんだ。そのおかげで彩加と結ばれた訳だしな」

「でも、アイツらは許せない。平塚先生…」

「うむ、それなりの処罰は受けてもらう」

「それはお任せしますが、明日以降にしてください」

「今日やれば、君に謝罪させることも可能だぞ」

「騒ぎになると面倒なので」

「君がそういうのなら…」

「比企谷、未練はないの?」

「無いといったら嘘になるが、川崎と材木座と平塚先生と話せたから、もう充分だ」

「そっか…」

「ねぇ、川崎さん、材木座君。一緒にお昼食べない?」

「いいのかい?邪魔して」

「わ、我もいいのか?」

「八幡のベストプレイスで食べようよ。あそこなら人目につかないし」

「購買でパン買わないとな」

「八幡、僕お弁当作ってきたんだ」

「彩加の手作りか?」

「うん。八幡の為に作ったんだ」

「ありがとう、彩加」

「なんか、もう夫婦みたいだね」

「ぐぬぬ、八幡…」

昼休みの約束をして、川崎さんと材木座君は教室へ戻った。

 

 

 

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