居場所~戸塚彩加ルート~   作:おたふみ

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4話

四人でベストプレイスで昼食を食べる。最初で最後の光景。

楽しい時間も長くない。

「比企谷、戸塚、見送りに行くから」

「わ、我も行くぞ」

「ありがとな、川崎、材木座」

「またね、川崎さん、材木座君」

二人が教室に戻るのを見送る。川崎さんの目に涙が見えたけど、黙っておこう。

最後下校時間まで空き教室を貸してもらえたので、そこで時間を潰す。

その間は、今までの八幡の話を聞いた。

中学時代の告白とその後、入学式当日の事故、奉仕部での出来事、文化祭。そして、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんへの憧れ…。そして憧れてた人達からの拒絶。心が痛くなるような話も彼は、もうどうでもいいという。僕に辿り着くまでの過程だと思えばなんてことはないと言った。彼のことを益々好きになってしまった。

 

下校時間を過ぎて静かになった教室で荷物をまとめる。これを玄関まで運べば従者が取りに来てくれる。この教室ともお別れだ。

「ねぇ、八幡」

「ん、どうした?」

「なんか、感慨深いね」

「彩加はそうかもな。おれには良い思い出なんてないから…」

「じゃあ、良い思い出にするために…」

彼に駆け寄りキスをした。

「お、おおおおおお、な、なななななな!!」

「誰も居ない教室でキスなんて、リア充みたい…でしょ?」

「可愛いな、ちくしょう」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

作業を終えて、最後に職員室に挨拶をしに行く。

「平塚先生、お世話になりました」

「比企谷、何かあったらいつでも言ってくれ。地球の裏側からでも飛んでいくからな」

「貴方はルパンですか…。ありがとうございます。結婚式にはチケット送るので、パスポート準備しておいてください」

「まさか、生徒に先をこされるとは…。元気でな」

「先生も…」

 

校門を出て、帰りは手を繋ぐ…。数日前には考えられなかったことだ。

しばらく歩いていると、声をかけられた。

「あれ~、比企谷君だ」

「げっ!雪ノ下さん」

「『げっ!』とは失礼ね。隣に居る娘は誰かな?」

「こんにちは、雪ノ下さん。八幡、行こう」

「雪乃ちゃんに隠れて浮気とは。ダメだぞ」

「雪ノ下は関係ないですよ。嫌われてはいても好かれてはないでしょうから」

「そんなことないよ。雪乃ちゃんは不器用だから」

「まぁ、どうでもいいですけどね。とりあえず、このことは明日までは誰にも言わないでください」

「それって、私にメリットはあるのかな?」

「たぶん、面白いことになります」

「ふ~ん。わかった」

「あと、俺と彩加に深入りすると、貴方では手に負えなくなるので、やめた方がいいですよ」

「それは、私への挑戦かな?」

「いえ、忠告です。彩加、行こう」

「では、ごきげんよう。雪ノ下さん」

 

雪ノ下さんと距離が出来たら、八幡は大きくため息をついた。

「あの人の相手は疲れる」

「なんか凄い人だったね」

「もうそれも終わりだ」

「うん、そうだね」

 

そうこうしてると、八幡の家に着いた。

「じゃあ、深夜3時に迎えに来るからね」

「なんか夜逃げみたいで、すまないな」

「荷物は必要最低限で。残りは使いが取りに来るから」

「わかった」

彼の頬にキスをして、その場を後にする。

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