◆イアイドー重点◆ニンジャスレイヤー ラオモト撃破RTA◆ガバはない◆   作:いらえ丸

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誤字報告兄貴ありがとナス!

ところで、本作には女の子が全く出てこないのでフラストレーションが溜まっちま010101011100100101010010101010――


ノンケスレイヤー Part4

――0101010110100100010101010101001010101010絶え間なく降り注ぐ重金属酸性雨は、今日も今日とてシガキ・サイゼンの身体を濡らし、苛んでいた。薄汚いコンクリートに下げられた両腕はもう、ぴくりとも動かない。シガキは目の前にいる半神を見るでもなく眺め、痛む身体に飽きて心中では黒白の世界を創造していた。

「チッ、手掛かり無しかよクソッタレめ!」ネオン光を放つビル街、その影が覆う隙間で一人のニンジャが悪態を吐いていた。彼――イエローパンダの苛立ちの矛先はモータル時代から常に他人であり、今回もその例に漏れなかった。

「イヤーッ!」「アバーッ!」イエローパンダの無慈悲なヤクザ・キックがシガキの腹に直撃。吐瀉物を吐き切った口からは、もう濁った胃液しか出てこない。

「本当に、この男の事は知らないってんだな!? エ!」満身創痍のモータルに対し、イエローパンダが一枚の紙を見せた。イエローパンダ作の人相書きである。描かれているのは虚空を移す暗い目をした男――装束を着ていない素顔のノンケスレイヤーだ。「アイエエエ……知りません」真実である。見覚えこそあったが、シガキは人相書きの男とは面識はない。ただ一度、助けられただけだ。

「フン!」「アバーッ!」素直に答えたシガキへ、無慈悲なヤクザキックが叩き込まれた。先ほどから何度もリピートされた光景である。「クソッタレめ! クソッタレめ! 俺にもっと強いカラテがありゃあよ!」復讐に燃える元ヤクザは悔し気に顔を歪めた。一方的にシガキを嬲る様とは裏腹に、彼のカラテはニンジャとしては脆弱に過ぎた。

 イエローパンダのカラテは弱く、フィジカルも下の下、いわゆるサンシタのニンジャであった。しかし、幸か不幸か復讐者は希少なソウルとジツを持って蘇った。そのジツは死の残滓から死亡直前の五感情報を読み取るという裏方向きのものであり、彼の欲する直接的暴力とは縁遠いものであった。おまけにソウルの影響で彼の体は半死人のような姿へと変化していた。これではオイランとネンゴロになる事もできない。

 舌打ちひとつ、連鎖して想起された記憶と感情に晒されたイエローパンダの苛立ちは臨界点へと到達した。「ザッケンナコラーッ!」ニンジャとしては貧弱な。されどモータルには致死の右腕が振り上げられた、その時である。

 ソウカイヤから支給された小型UNIXに着信。復讐相手の情報に飢えたイエローパンダは即座に応答した。それは本部からの直々の指令であり、イエローパンダにとってはこれ以上ない朗報であった。

「尻尾をつかんだぞ! クソッタレ黒ニンジャめ!」言うが早いか、メンポの奥に狂暴な笑みを浮かべ、黄色の半死人ニンジャは走り去っていった。彼のニューロンに先ほどまで苛立ちをぶつけていたモータルの事など記憶されてはいなかった。

 残されたケブラーコートの男は呆然とネオサイタマの光を見た。妖しく、猥雑で、欲望に満ちた汚れた街を。美しくない、とシガキは思った。

 ――ならば、美しく描き直せばいいだろう?

 胸中の誰かが嘯く。どうやって? シガキは原色の光群を避けるように目を閉じ、瞼の裏に空想の墨絵を描いた。

 やがて、白と黒で構成された世界に、シガキの思う通りの風景が現出していく。長大な山々、瑞々しいナスビ、飛び立つ鷹の群れ。

 ――方法はある。私がインストラクションしてやる。

 またも胸中の何某かが云った。その声色には、隠す事ない歓喜の感情だけがあった。

 やがて、白黒世界に日の光が差した。それと同時に、モノトーンの風景に暴威の化身のような大波が流れ込んできた。偉大な海流はシガキの創造した凡庸な墨絵を塗りつぶし、一面を深い青の海へと変えていった。シガキの情熱は、いとも容易く洗い流され、祝福とともに新生した。

 ――どれ、教えてやったぞ。今から私はお前で、お前は私だ。思う存分、描き0101010101110100101010010010100101010――

 

 

 

 ――0101010110101001010010100101ギョ・ムッジョの響きありスギィ! なRTAはーじまーるよー。

 

 はい前回の続きから。直前のイクサではスタミナ以外特に消耗はしてないので、回復次第続けて小規模ニンジャ抗争に乱入してどんどん経験値を頂いていきましょう。

 てなわけでどの方向でもいいんで走ります。走っている途中でニンジャ感覚に反応があればそこに向かう感じで。

 実際、ニンジャ抗争の場所というのは一部イベントを除いて完全ランダムなので、この日の釣果は89.3パーセント運で決まります。

 では、甥の木村、加速します。

 

(ニンジャダッシュ中……)

 

 ん?

 ニンジャ感覚に反応がありました。向かってみましょう。

 野良ニンジャの小競り合いだとうれしいのですが、反応からしてたぶん違いますね。

 

 おや? あれはヤクザ天狗=サンですね。どうやら野良ニンジャと戦っている模様です。

 このヤクザ天狗=サンというキャラクターはネオサイタマのみで見かける事のできる徘徊型イベントキャラクターの1人です。プレイヤーのニンジャ邪悪さが一定のラインを超えていると問答無用で襲い掛かってくるやべーやつなのですが、キレイなニンジャの場合は交渉次第でいくつか有用なアイテムや情報を渡してくれる忍殺界きっての癒し系マスコットキャラでもあります。ついでに第一弾DLCでプレイアブルキャラにもなっていましたね。実際ネタ枠な。

 残念ながら今のノンケスレイヤーくんはニンジャとしてはやや邪悪なので、あまり接触したい相手ではありません。殺しても経験値が渋すぎてケツを拭く紙にもなりゃしねぇのでスルー安定です。

 ……と思ったのですが、珍しい事にヤクザ天狗=サンが逃げてきましたね。何気に激レアシーンです、反射的にスクショを取ってしまいました。今度アップしときます。

 撮影した画像を見るに相当なダメージを受けているようで今回は生存を優先したみたいです。

 都合がいいですね。いらないならこのニンジャはもらっていきましょう。

 

 ビルの向かいから勢いをつけて窓からノンケ殺しのエントリー! はい決まりました、ミカで一撃です。フン、ザコカ!

 どうやらマジのサンシタだったらしく、拾った財布の中身がクッソ少ないです。これは悪いノンケですね間違いない。加えて床も壁もモータルの血やらでベトベトに汚れていてそのせいで装束がもう、ビショビショだよ。買い物をする場合、またお風呂に入らないといけません。これはもしかすると微ロスなのでは? ボブは訝しんだ。

 ですが、よく見ると何の偶然か隅っこにある金庫が開けっ放しになっています。これぞサイオーホース!

 やったぜ。さっそく確認しましょう。

 

 これは……この色、間違いない(ONDISK)

 幻のブドウ……じゃなくて普通のカタナですねクォレハ。

 性能を見ても特に見るべきところのないちょっと良質なだけのカタナですね。売れば財布の足しくらいにはなってくれるでしょう。もらっておきます。

 さて、もうここには用はありません。次行こうぜ。

 

 ファッ!?

 

 素でビックリしてコントローラー落としそうになりました。私びっくり系ホラーとか苦手なんですよ。

 どうやらいきなりドアを蹴破ってエントリーしてきたのはザイバツ・ニンジャくんの様です、許しておけません、お前には、正義の鉄槌でその……腐った心を矯正してやる(HRN)

 

 彼の名前はクラブハンド=サンというらしく、しかもマスター位階だとか、ほんとぉ? 私は初めて見る相手です。

 RTA勢的にロスい感じはありますが、仕方がないのでこちらもアイサツを返してガチりましょう。ドーモ、クラブハンド=サン、ソウカイヤのノンケスレイヤーです。

 そして絶対先攻で切りかかりましょう、じゃないとロスな上に上手い流れに持ってきにくいです。もちろん、武器は木刀に持ち替えて下さい。

 突撃して切りかかるとクラブハンドくんは……というか一定以下のカラテのニンジャは大概防ぐか避けるかの二択をしてくるので、それに合わせてスリ・アシで先回りして切りつける感じで。

 お見合い状態でのミカミカラッシュは画的にはオモシロイですが単なるネタ儀式でしかないのでミカは基本封印安定です。ザコ戦の場合、普通にイアイド斬撃で十分です。リシンにあるまじき事に現状それしかロクな攻撃技を習得していないので通常攻撃しか打つ手がないとも言えますが。まぁいざとなったらコテツで防ぐのでダイジョブです。

 

 どうやらクラブハンドくんは上半身の割に下半身が貧弱みたいなので、すぐよろけてくれる良いノンケの様ですね。間髪入れず攻撃しましょう。

 殴ってる感じクラブハンドくんはパワーと防御力こそ強いですが、それだけのようです。両手のハサミにだけ注意していれば無問題。それに、カラテ以前にクラブハンドくんにはいくつか足りないモノがあります。

 クラブハンドに足りないものは、それは情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ、そして何よりも、速さが足りない!(兄貴)

 

 イヤーッ! ノンケスレイヤーの木刀がノンケの心臓を貫いた! クラブハンドは爆発四散! ノーカラテ・ノーニンジャ!

 

 ふぅ、時間こそかかりましたが思いの外あっけなく倒せましたね。

 なんかクラブハンドくんは自称マスター位階とか何とか自慢げに言っていましたが、たぶんネンコと賄賂で得た地位でしょう。ニンジャの屑がこの野郎(憤慨)

 このように、ソウカイヤと違ってザイバツのニンジャは位階と実力がちぐはぐな奴がちょこちょこ出てくる事があるので、まずは一度切りかかってから逃げるなり殺すなり決めた方が場合によってはうま味です。

 その点でいえば、自称とはいえマスターをノーダメで倒せたのは普通にうま味です。これは世界記録も狙えそうですねぇ!

 

 クラブハンドくんが弱かったおかげでスタミナ消費は少なく済みましたが、太くて堅いクラブハンドくんに何度も攻撃した為、木刀の耐久度の方がちょっと心配です。スレイ活動を再開する前に一度お風呂で汚れを落とし、ショップでカタナを売って新しい木刀を買いに行きましょう。急いだヒキャクがカロウシしたってそれ一番言われてるから。

 近くにセントーは……ありましたね。あそこに行きましょう。

 じゃ。流しますね。

 

(3倍速……)

 

 アッツゥー……! 早くビール飲もうぜぇ(風呂上り大先輩)

 さて、イクサの汚れを落としてキレイキレイになったので、パパパッと着替えて雑貨屋に急ぎましょう。早くしないと売却価格のうま味なショップが閉まってしまいます。

 

 あっ……(遭遇)

 

 な、なんでここにダークニンジャ=サンがいるんですかねぇ?

 

 ……すいませんすいません、ちょっと止めてもらっていいですか?(閉廷おじさん)

 

(ニンジャアドレナリン全開……)

 

 あぁん? 何で?(レ)

 状況は分かりませんが、急いで隠れて装備を整えましょう。まだ目と目で通じ合ってないので今のうちに現状を確認します。

 現状、はっきり言って意味不明です。これは私の知らない銭湯のランダムイベントか何かでしょうか? いやいや、ウィキにそんなん載ってなかったし、他の方の動画でも一度も遭遇した事のない展開ですねこれは。

 銭湯という場所を考慮せずに判断するなら、私がヘイト管理をミスってソウカイヤに狙われてるってとこが妥当っぽいですが、どうなんでしょう。

 ……まま、ええわ(思考放棄)

 

 とりあえず、ニンジャアドレナリンが働いてくれてるうちにもっと詳しく状況を把握しておきましょう。

 今のダークカカオくんは抜刀状態でザンシンモーションの途中ですね。よく見ると彼の愛刀から血が滴ってます。どうやら直前に刃傷沙汰があった模様です。

 だとすると、ぶっ倒れてる体とあそこで転がってる生首はダークニンジャ=サンによるものでしょうか。ついでに番頭のおばあちゃんの頭がパーンしてますね、たぶん銃で撃たれたんでしょう。これは今死体になってる奴のせいかな? なんてことを……!

 フーム、なるほど、だいたい見えてきました。

 

 ただのランダムイベントじゃあないか!(憤怒)

 

 ざざざ、ザッケンナコラー! バカハドッチダー! ブッダファック!

 

 なんてこった! どんな糞乱数引けばこんな事になるんだよ! マジふざけんな! 今までいい感じだったのに! なんでここでロスの擬人化みてぇな奴が出てくるんじゃい!

 グワーッ! グワーッチャート! チャートがこわれる! お兄さん許してチャートこわれるー!

 

 こ、これはもしかして再走案件なのでは……?

 

 いやだ、もうリセマラはしたくない……!

 

 家帰ってソウル厳選してひとつも良いの来ずに就寝……。

 頑張って走ってる途中に野良死神に縊り殺され再走……。

 ヘイト買い過ぎてグラマス派遣からの超絶ロス……。

 

 スゥーッ! ハァーッ! スゥーッ! ハァーッ!(深呼吸)

 

 決めました。

 

(ニンジャアドレナリン分泌低下……)

 

 続行します(鋼の意志)

 

 隠れててもすぐ見つかるので、まずはアイサツ前に武器を木刀からさっき手に入れたカタナに持ち替えます。今は出来るだけ強い方を使います。ついでにすぐ取り出せるように妨害アイテムはあらかじめセットしておきましょう。

 予想通り、このタイミングでアイサツしてきました。一応まだ向き合ってる訳ではないのですが、凄まじいカラテの持ち主であるケツベッピンくんはこちらが隠れていても一定範囲内にいるプレイヤーを感知してきます。

 こちらも姿を現してアイサツしましょう。ドーモ、ダークニンジャ=サン、ノンケスレイヤーです。

 さて、アイサツが終わったら即撤退しましょう。(持ってるグレを)バラまくぞこの野郎! スタコラサッサだぜ!

 オタッシャデー! ダークニンジャ=サンが何か言いかけていましたが、どうでもいいです。勝手に言わせときゃいいんだ、さっさと逃げましょう。

 逃げる方向はどこでもいいです。グレネードで稼げる時間なんて大した事ないので、とにかく距離を取りましょう。

 ちなみにですが、ここでザイバツ・ニンジャを装う意味はありません、相手がシックス・ゲイツかそれに準ずる位階のニンジャの場合には通じない手なのでやる意味ないです。やるにしてもやらないにしても、六門系とのアイサツ以降は私の情報が共有され、ソウカイヤの警戒度が高くなります。ヤンナルネ。

 

 よし、奴さん予想通り余裕こいて通信してから追っかけてきましたね。残念チャフも撒いてるのでそれ意味ないです。その間にスラムの路地裏に逃げ込み、ありったけのスモークグレネードを辺り一帯に巻き散らします。こういった場所は風通しが悪く、煙の効果が長く維持されるのであるだけ全部使っちゃいましょう。

 ポイしたらフックロープやらスリ・アシやら物もスタミナも消耗度外視でとにかく安全なところまで逃げます。うまく撒いてもいずれ見つけて追っかけてきますが、ある程度の時間さえ稼げればいいのでその辺のビルの空き部屋辺りにでも避難しましょう。

 

 避難が完了したらどこでもいいのでアグラをします。ホントはドージョーのタタミでやりたかったのですが贅沢言ってられないのでポータブル・タタミ敷いてそこでやります。

 アグラをしたらパパッと取得ポイントを飛ばしてすぐに経験値振り分け画面に移ります。おっ、コバシリ取れるやんけ! 取ります取ります(食い気味)

 必要な分のポイント残して、余りは全部イアイドーにぶち込んで、したら真ん中にある「ソウル同調率上昇」を取得します。

 

 この「ソウル同調率上昇」は取得時に大量のポイントを消費する上、取得後は他のスキル習得時やスキルレベル上げの際に通常より多くのポイントを消費するハメになったり強制的にクッソ邪悪になったりしますが、それを補って余りある恩恵があります。アーチ級ソウル憑依者にしか許されないお手軽強化ですね。

 

 つまり、自我をソウルに傾けて各種能力値を爆上げするという事、スミカ・ユーティライネンです(´・ω・`)

 

 これにより、通常攻撃の威力やアンブッシュ成功率等々が飛躍的に上昇し、ダークニンジャ=サンをはじめグラマス級のニンジャともまともにやりあえるようになったという訳です。だから、本チャートはアーチ必須だったんですね。

 でもまぁ、本チャートではどっちみち取得する予定でしたが、それはラオモト=サン撃破直前の予定で、今取得すべきスキルでは断じてなかったんですよね。

 あーもう滅茶苦茶だよ(チャート)

 

 閑話休題、ソウルとの親和性が高まり、いっそう強くなったノンケスレイヤーくんですが、ここで強制イベントが挟まります。

 立ち上がるとプレイヤーのローカル・コトダマ空間にログインし、ソウルとの対話とは名ばかりの「はい」以外選べない選択肢が出てきます。このイベントはスキップできないのでボタン連打でOK。

 コトダマ空間イベが終わると、リシンの場合は強制的にこの青い羽織を装備させられる事になります。これによりイアイドーに更なる補正が入りますが、同時に「ニンジャ学」スキルを持つ相手にはプレイヤーのソウルがバレてしまいます。ちなみにこの羽織は外せません。呪いの装備か何か?

 ついでに同調率が上がったので「キク・エンハンス・ジツ」が使えるようになりました。これさえあれば何とか戦えます。説明は今度したりしなかったりします。

 

 さて、ふわっと出てきた羽織を着たらさっそく外に出てダークニンジャ=サンを迎撃しましょう。

 見つけました。既にこっちには気づいているようですね。どうせ当たりませんが、落下攻撃をお見舞いしてやりましょう。まぁ防がれるんですけどね、初見さん。とはいえ先手は取れたので、間髪入れずに攻めかか0101010101101001010101010――

 

 

 

 ――0101010101001010101010101010101010100100111010101010「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 白刃が縦横無尽に駆け巡り、黒衣のニンジャ二人は足を止める事なく超高速イアイド攻防を繰り返していた。「イヤーッ!」ダークニンジャの斜めイアイド斬撃!「イヤーッ!」ノンケスレイヤーの斜めイアイド斬撃!「「ヌゥーッ!」」カタナとカタナが軋みを上げ、スラムの闇にカラテの火花が散った!

「イヤーッ!」「グワーッ!」数瞬のカラテ比べに勝利したのはダークニンジャ! 妖刀ベッピンが閃き、ノンケスレイヤーの胸に渾身のイアイド斬撃が差し込まれる! しかし、「イヤーッ!」「グワーッ!」キヨミズ! 相打ち覚悟の一閃がダークニンジャの胸を切り裂いた! 

 両者は同タイミングでバックフリップし、呼吸を整えた。なんたるイクサ、そしてなんたる極まった覚悟か。ダークニンジャは胸の切り傷を抑え、カラテを込めて止血を試みた。想定外のダメージである、オブシディアンの装束に鮮血が染みる、傷は浅く、イクサに支障なし。ダークニンジャは常になく猛りかけたセイシンテキを整え、ゼンと調和しカタナを構えた。

 対するノンケスレイヤーは胸の出血を顧みることなく、硫黄の蒸気を吐いて腰の木刀を引き抜いた。瞬間、周囲のアトモスフィアが張り詰め、ゼンというゼンがイクサの混沌に飲まれていく。ノンケスレイヤーの相貌に凄まじいカラテが漲った。左目に虚無の漆黒、右目に野生肉食動物めいた金色を宿し、アサギ色の羽織を着たニンジャは手慣れた所作で二刀の構えを取った。

「「イヤーッ!」」二度、激突! 二者のイアイドーが閃き、その余波は辺りの壁や地面にショドーめいて亀裂を生じさせた。続いて三つのカタナが乱れ舞い、上下左右を問わずイクサの範囲を拡大していった。それはまるで、古代に生きた猛獣同士の縄張り争いめいて凄惨で、近代都市には似ても似つかぬ原始的闘争そのものであった。

「イヤーッ!」ノンケスレイヤーの二刀流クロス斬撃が迫り、「イヤーッ!」ダークニンジャのカタナがそれを迎撃!「イヤーッ!」ベッピンの刀身が妖しく光る!「イヤーッ!」小石を蹴り飛ばしてけん制! それらイクサ攻防に要した時間、実に二秒以下! ハヤイ! ハヤイすぎる!「「イヤーッ!」」しかもまだ止まらない!

 これ以上時間をかけてはいられない。ダークニンジャはメンポの奥で歯を軋ませた。彼のミッションスケジュールは常に押し入れのフートンめいて詰まっている。これ以上のイクサは次の任務に響く。焦燥の念を自覚しつつも、ダークニンジャの冷静なマルチタスクは攻め時を過たなかった。

「イヤーッ!」ダークニンジャ渾身の大上段斬撃!「イヤーッ!」ノンケスレイヤーは右手のカタナを合わせ防御! だが、ダークニンジャの全力カラテは並みのカタナで防ぎきる事など不可能!「イィヤァーッ!」

 ベッピンの刀身がノンケスレイヤーのカタナに食い込んだ、その時である!「イヤーッ!」妖刀の一撃を受けた名もなきカタナが鈍く輝き、その刀身で以てダークニンジャのイアイドーを抑え込んだのである! ダークニンジャの脳裏に膨大なニンジャ学的電流が迸る。これぞまさに、コテツ・アティチュード!

「グワーッ!」一瞬の忘我、しかしニンジャ同士のイクサにあってはそれはあまりにも大きすぎる隙であった。ノンケスレイヤーの左の木刀が振るわれ、ダークニンジャの頭部を強か打ち据えた! 見れば、本来何のギミックも無いはずの彼の木刀には、眩いばかりの金色カラテ粒子が揺らめいていた。キク・エンハンス・ジツである。

 一度バックフリップで態勢を整えるダークニンジャだったが、瞬きの後にはノンケスレイヤーの振るうカタナが眼前に迫っていた。羽織から読み取れる情報、リシン・ニンジャクラン由来ではない特殊歩法コバシリである。「イヤーッ!」迫る切っ先をチョップ迎撃! 木刀が迫る! ベッピン迎撃!「グワーッ!」ダークニンジャの鳩尾に細やかなケリ・キックが突き刺さる!

 ダークニンジャは反動を用いて後転回避、その間に生成されたクナイ・ダート三本同時投擲。「イヤーッ!」「ヌゥーッ!」ノンケスレイヤーは致命傷に繋がる二本のみ切り払い、残る一本を横腹に受けつつも特殊歩法で接近! 肉を切らせすぎるヤバレ・カバレめいた動き!

「イヤーッ!」「イヤーッ!」クロス斬撃とベッピンが交錯し、生じたカラテエネルギーが空間を震わせ、ドーム状の衝撃波を生み出した! つばぜり合い!「狂人め! ソウルに自我をあけ渡したか!」我知らず、ダークニンジャの胸中にはこれまで感じた事のない類の怒りの念が渦巻き、ついに表出した。

「答えろ! 貴様の目的は! 動機は! 完全に飲まれていないというのならば答えろ!」猛るハガネの瞳と、空虚を映す黒の瞳が交錯する。が、ノンケスレイヤーは黙して語らない。その右目の金色だけが、殺意のみを雄弁に語っていた。「ならば、イヤーッ!」激しい怒りに任せ、妖刀ベッピンに更なるカラテが010010101010101010101010100101001001111001010101010――

 

 

 

 ――01010100100101001010010100こで対ダークニンジャ戦の解説。攻撃は最大の防御なのでガンガンいきましょう。第一部一戦目のフジオはある程度のダメージ受けたら逃げてく可能性が高いのでとにかく与ダメを重点した戦法でOK。以上です。

 ……いや本当にこれしか手はありません。

 普通に戦いたいならもっとカラテを高めてから戦うべきですし、何より少しでも時間をくれてやると容赦なくデス・キリぶち込んでくるので、そしたらもう負け確定なのでとにかくデス・キリを出させない事を重点して攻めまくりましょう。

 ある程度攻撃したら、ダークカカオくんはカッコつけて大きく距離を取ってデス・キリの準備に入りますが、させません。コバシリで近づき、スリアシで勢いをつけて強攻撃をぶち込みます。

 さしものダークニンジャくんもこれには堪らず大ダメージを受けてくれます。ついでに頭の軍艦巻きも取れました。あまりない事ですがこの時点で撤退してくれるパターンもあるのでちょっと様子を見ましょう。無論、暴れ対策にコテツ・アティチュードの準備もしておいてください。

 

 なんかもっかい名を訊いてきましたが無視します。さっきアイサツしたじゃんアゼルバイジャン。どうやら撤退してくれないようなので斬りかかりましょう。死ね! ダークニンジャ=サン! 死ね!

 

 おや、何回か攻撃したら逃げていきましたね。勘違いしてました、今の会話は撤退パターンのひとつだったようです。

 不幸中の幸いと言うべきか、お互い死なずにやり過ごせました。なんとかなった……んでしょうかね?

 とはいえとんでもないロスには違いありません。本来チャート終盤に取る予定だったスキルを今取得してしまったせいで、もう立ててた計画が全部パーです。一応リカバリー策は考えてはいますが、どうにも安定感のないものになっており、今後はいっそう集中してやる必要がありそうです。

 

 ふと見ると、あらまぁカタナが折れちゃってますね。悲しいなぁ。けど君がいなけりゃ今のイクサを越える事はできなかったでしょう。ありがとう名もなきカタナくん。

 

 てなわけで今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。




◆キク・エンハンス・ジツ◆
 本作オリジナルのユニーク・ジツ。原作のエンハンス系ジツの亜種。
 血中カラテを消費し、カタナに黄金のカラテ粒子を纏わせ、カタナの強度を上げる。
 ゲーム的に言えばMPを消費して攻撃力とか上げたりする奴。それと武器の耐久力を回復させる。壊れたのは無理。
 元ネタは某剣士のカタナ。ガーベラ・ストレート的な何か。

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