日本代表、通称[イナズマジャパン]が結成され代表メンバーは宿舎の中へ。
そしたら選考試合で相手チームだったメンバーが俺に事情聴取と言い問い詰めてきた。
穂乃果:「大海君どういうこと!! 何で私達の技が使えるの!?」
吹雪:「うん…しかも最終進化で打ってたよね?」
少し怖くなっていたら、松浦さんが間にはいって皆を落ち着かせて代わりに事情を話してくれた。
ー ー ー ー 事情説明中 ー ー ー ー
果南:「~というのが私達が響木さんから聞いた話だよ。」
やはり相手チームだったメンバーも戸惑っている。
龍也:(皆黙りこくってる。やっぱり…受け入れては……)
円堂:「……す、」
龍也・果南:「す?」
円堂:「凄ぇええっ!!! お前そんな凄い奴だったのか!?」
龍也:「!?」
すごい勢いで来た円堂に軽く引きながらも、俺は戸惑っていた。だって俺の力を知った奴らの今までの反応と、全く違うから。
聖良:「確かに凄い……」
吹雪:「試合になって大海君の実力が広まれば相手は恐らく大海君1人に2人以上人数を割かなきゃいけないだろうから有利にはなるね」
円堂:「それってキーパー技も出来るのか!?」
龍也:「キーパー自体をやったことないけど、出来るとおもうぞ? ちょっと確めて見るか…吹雪、シュート頼む。(もしかして……受け入れてくれるのか?)」
龍也はそんな淡い期待をしながら、皆グラウンドに出て円堂にキーパーグローブを貸してもらい龍也はキーパー、吹雪がキッカーに入る。
龍也:「来い!!」
吹雪:「ウォォオオオッ!! [ウルフレジェンド・G3]!!」
吹雪のシュートはG2からG3に進化し、より鋭さを増したシュートがゴールを襲う。
龍也は左足を大きく振り上げ、その足を一気に踏み込み腰から上体の動きを連動させて右腕をグーでつき出した。
龍也:「[正義の鉄拳・G5]!!」
ダンッッ! ギュウゥウゥウウンッッ!!
ドゴォオォオォオオオオォオッ!!
俺の背後から、円堂の物よりも巨大な黄金色の拳が虹色の光を放ち高速回転しながらシュートに激突。俺の[正義の鉄拳]は吹雪のシュートを軽々と吹き飛ばした。
円堂:「俺の[正義の鉄拳]より強い……!!」
龍也:「吹雪!! もう一本頼む!!!」
吹雪:「行くよっ! [エターナル・・ブリザァアアアドッ・V2]!!」
ボールは氷づけになり激しい吹雪を纏いながら向かって来た。
龍也:「[ムゲン・ザ・ハンド・G5]!!」
龍也の[ムゲン・ザ・ハンド]は立向居のそれより手の本数が多くかつ一本一本が力強かった。手はガシガシとボールを掴み[エターナルブリザード]を楽々止めた。
そしたら、皆が黙りこくっていることに気付いて不安になった。「やはり駄目なのか?」と。
円堂:「なぁ? 1つ聞いて良いか?」
龍也:「な、何?」
円堂:「俺たちがもっと力をつけて技のレベルも上がれば、此処までの威力になるのか?」
龍也:「それはもちろん。むしろ俺の正規ポジションはキーパーじゃないから円堂の[正義の鉄拳]がG5になったら俺より強いと思う……」
立向居:「つまり大海さんのコピー技は俺たちの技の可能性ってことですか?」
龍也:「平たく言えばそうだけど…」
千歌:「それを聞いたら寧ろワクワクしてきたよ!!」
あんじゅ:「もっともっと力をつけるわ!!」
円堂:「大海! お前がこのチームに居てくれてよかったぜ!!」
龍也:「っ!?」
俺が……"居てくれて良かった"? この人たちは俺を必要としてくれるのか?
果南:「大海君? 泣いてるの?」
龍也:「へ? あ、あれ!?」
必死に涙を拭うが俺の両目からはボロボロと涙が溢れていた。
果南:クスッ「良かったね? 皆、宿舎に戻ろう?」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
さて、代表メンバーは各々2人1部屋なのだが、メンバー16人中7人が女子で9人が男子。男子と女子が1人ずつ余ってしまった。
マネージャー:「本当にスミマセン!! 女子の余りが「大海君と一緒じゃなきゃやだ!!」と言って聞かないんです。部屋数は人数ぴったりで余り部屋も無いですし………」
龍也:「……分かったけど誰?」
マネージャー:「この人です」
果南:「大海く~ん!!」
ハグゥッ
龍也:「ちょっ……松浦さん何やって!?」
果南:「何って……愛情表現のハグだよ?」
こ、この人は……もう少し自分の魅力を理解して貰えないだろうか。
こんなグラマラスな女性にハグなんかされたら、そこらの男は野獣化してもおかしく無いというのに……。
果南:「それにね? 響木さんからも頼まれたんだ。大海の心を支えてやってくれって」
龍也:「……あの協会長は」
仕方無いので諦める事にした。そしたら松浦さんのハグの力が強くなった。
果南:「今まで辛かったよね? 全部私に吐き出してくれて良いんだよ?」
そう言いながら俺の頭を優しく撫でる松浦さん。俺はこの6年間の気持ちがこみ上げ、耐えきれず松浦さんの腕の中で思いきり泣き、今までの想いを吐露した。
仲間に邪険にされたこと。
それでもサッカーがやりたかったこと。
しかしまた同じ目に遭うのが恐くて出来なかったこと。
俺の中でくすぶっていた気持ちも全部。それを松浦さんは嫌な顔一つせずにうけとめてくれた。
この人…母性の塊みたいな人だな……
― 2時間後 ―
龍也:「すみません……」
果南:「良いよ? 大海君の気持ちは良く分かったから」
ヤバい……また泣きそう。
果南:「そろそろ夕飯行く?」
龍也:「……うん」
~ 食堂 ~
龍也:「おばちゃん!! 塩チャーシュー麺大盛り!!」
果南:「私は焼き魚定食お願いします」
おばちゃん:「はいよ。……はいお待ちどう様」
食事を受け取り2人で一緒に食べようと空いている席につく。
果南:「大海君ラーメン好きなの?」
龍也:「はい、結構好きですね。松浦さんは魚好きなんですか? 焼き魚」
果南:「実は私の実家が静岡県沼津市の内浦っていう地域の淡島っていう島でダイビングショップやっててさ、海の仕事だから自然とそういう食事が多いんだよね」
龍也:「なるほど。しかしダイビングですか、俺もやってみたいな」
果南:「是非来てよ! 大海君ならサービスするよ?」
龍也:「分かりました。大会が終わったら行きますね?」
果南:「だからってわざと負けたら駄目だからね?」
龍也:「当たり前です」
そしてその日の夜、お互いに別のベッドで寝ていた筈なのに、朝起きたら松浦さんは俺をハグした状態で一緒に寝ており、それをマネージャーに見つかり誤解を解くのに1時間要したのは別の話。
俺、生き残れるかな? 精神的にも社会的にも………
― 続く ―
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