今日は練習が休みなので私、松浦果南は一人でセントラルエリアにあるショッピングモールでショッピングをしていた。
果南:「まったく龍也ってば、誘ったのに来てくれないなんて・・・!!」
私は少し不機嫌になった気分を晴らそうとカフェに入った。
果南:「カフェラテ1つ」
店員:「畏まりました」
果南・?:「「龍也(さん)・・・」」
ん、龍也? 私は声がした後ろを振り返ると綺麗な銀髪と碧眼が目に入った。
果南:「あっ!! イタリア代表の「システィーナ・フィーベル」さん!!」
システィ:「日本代表の松浦果南さん!!」
せっかくなので私たちは相席して二人で話すことにした。
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果南:「システィさんって龍也と仲良いの?」
システィ:「嫌われてはいないと思いますけど確実に意識はされてないと思います」
果南:「システィさんって龍也のこと好きでしょ?」ニヤニヤ
システィ:「フェエエッ!? そ、そんなことは・・・」
果南:「バレバレだよ?」
システィ:「そ、そう言う果南さんは?」
果南:「うん。好きだよ」
システィ:「そ、そうですか・・・」
果南:「システィさんと龍也が初めて普通に話したのってこの間のチームKのときだよね?」
システィ:「そうです。あの時私を助けてくれて・・・カッコ良くて・・・///」
あ―成る程ね。ピンチを救われてそのい勢いで好きになっちゃったのか。
システィ:「果南さんが龍也さんと初めて会ったのって何時ですか?」
果南:「日本代表選考に呼ばれた時だね。龍也ってね? 日本でまったく名前が知られてなくて、それなのに監督たちが凄い期待してたからよくわからなかったんだよねぇ」
システィ:「えっ? あれだけ上手いのに無名? どういうことですか?」
果南:「実はね? 龍也、小学生のときにチームメイトから「努力泥棒」とか「お前と一緒にサッカーしたくない。気分が悪い」とか色々言われたらしくてね。それから今回までサッカーやってなかったんだよ。ほら、龍也技を見ただけで真似しちゃうから」
確かに龍也さんの技コピーは反則級だけど・・・、っていうか私の大好きな龍也さんにそんなことを言った奴がいるの!? もし会ったらとっちめてやる!!
システィ:「じゃあ龍也さん5~7年位ブランクが?」
果南:「ある筈なんだけどねぇ・・・・・・全然感じなくて」
システィ:「確かに。それで果南さんはなんで龍也さんの事を?」
果南:「あれはアジア予選一回戦のオーストラリア戦のときだったね。私の実家ってダイビングショップをやっててね? 小さいときからすぐそばに海があったから、故郷の海が凄く大切な物だったの。それなのにオーストラリアのメンバーが「日本のチンケな海」ってバカにしてきて、私悔しくて泣いちゃったんだ。そしたら龍也が試合でオーストラリアをボコボコにしてくれて。「俺の大切な人を傷つける奴は誰であろうと許さん!!」って!! もう~///そんな風に言われたら一発だよ~///」クネクネ
システィ:「果南さん、動きが気持ち悪いです」
でもそっか。龍也さんが自分の為に怒ってくれて墜ちちゃったのね。っていうか俺の大切な人!? 私男子からそんなこと言われたこと無い!!
システィ:「確かにそれは嬉しすぎますね。あっ、そう言えば果南さん!! 龍也さんに頭をヨシヨシしてもらってるって本当ですか!?」
果南:「どうしてそれを!?」
システィ:「いや、チームK戦の時ハーフタイムに私がどうぞってドリンク渡したらヨシヨシしてくれて「果南にやる癖でやっちゃった。ゴメン。」って。」
龍也そんなことを!? あれは私だけの特権なのに!! 帰ったらオシオキしてやるんだから!!
システィ:「龍也さんの手、暖かくて安心しますよねぇ・・・気持ちよくなっちゃいましたよ」
果南:「そう!! そうなんだよ!! システィさんよく分かってるね!!」
そうだよ!! だから私だけの物にしたかったのに・・・・・龍也の奴!!
システィ:「本当果南さんが羨ましいです。ずっと近くに居られて・・・」
果南:「えっ?」
システィ:「ほら、私はイタリアの代表だからチームも違うし。だから龍也さんと一緒に闘ったり一緒に過ごせる果南さんが羨ましいです」
果南:「・・・・・・」スッ
ピッ、ピッピッ
プルルルルル
システィ:「果南さん?」
龍也:「果南? どうした?」
果南:「あっ、龍也? 今ね、システィさんと一緒に居るんだけど」
えっ!? 龍也さん!? 何を!?
果南:「今度二人で都合つけてさ、システィさんと二人でデートしてあげて欲しいんだよね」
?! デ、デート!?/// なんで!?
龍也:「は!? なんで!?」
果南:「お願い!! 私の女の友情の為なの!!」
龍也:「はぁ・・・? まぁ良いけど」
!? 龍也さんとデート!? 本当に!?
果南:「それだけだから。じゃあね」
龍也:「へ!? ちょっ、果n・・・」ピッ
果南:「これでよし!!」
システィ:「あの・・・なんで・・・?」
果南:「私がシスティさんを恋のライバルと認めたから。それなのにこんなハンデがあったら不公平でしょ? 私、恋の勝負は真剣勝負って決めてるの!!」
!? 果南さんが光り輝いて見える!! カッコ良すぎて直視出来ない!!
システィ:「分かりました!! 正々堂々勝負しましょう!!」
果南:「うん!! 後さ、システィって呼んで良いかな? 丁寧なしゃべり方って苦手でさ」
システィ:「じゃあ私も果南って呼んで良い? 敬語も無しで!」
果南:「もちろん!! よろしくシスティ!!」
システィ:「よろしく果南!!」
それから二人でお買いものしてそれぞれの宿舎に帰った。そしてその日の夜、1人の男の断末魔が日本代表宿舎から聞こえてきたのは別の話だ。
― 終わり ―
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