代表になって初めての朝、部屋数とメンバーの男女数が合わなくて龍也と同室になった松浦さんがマネージャーさんに怒られていた。
龍也:(……どうしてこうなった?)
マネージャー:「まったく果南さんは!! 年頃の女の子が男の子の布団に潜り込むなんて何を考えてるんですか!?」
果南:「い、いや…そのぉ……大海君、あったかそうだな~って思って……」
龍也:「松浦さん、あんなこと毎晩されたら俺には「絶対に襲わない!!」と言い切る自信が無いから止めてください」
いや、冗談抜きでマジで襲いかねない。しっかりと反省してもらわないと。
果南:「はい……」シュン
シュンとする松浦さん。不覚にも可愛いと思ってしまった。
まぁ松浦さん素っぴんでもはっきり言ってめちゃくちゃ美人だしなぁ……。
あんじゅ:「果南も大胆なことするわね」
豪炎寺:「松浦……お前は今何のために自分がここに居るのかわすれたのか?」
果南:「忘れて無いよ!! サッカーで世界の強豪達と戦って勝って世界一になる為だよ!!!」
円堂:「まあ、何も無くて良かったよ。それより皆速く飯食ってサッカー協会行こうぜ? 今日はアジア予選の組み合わせ抽選会だろ?」
そして俺達は急いで朝飯を食べて、サッカー協会に向かった。
~ AM10:00 日本サッカー協会 ~
司会:「お待たせしました。此より、FFIアジアAブロック予選の組み合わせ抽選会を始めます。では此より各チームの監督さんにクジを引いていただきます」
アナウンサー:「まずはアジア最強と呼び声たかい韓国代表[ファイアードラゴン]・・・1ーA」
アナウンサー:「続けてサウジアラビア代表[ザ・バラクーダ]・・・2ーB」
アナウンサー:「そして「アラブの獅子」カタール代表[デザートライオン]・・・4ーA」
アナウンサー:「次にこちらも優勝候補、オーストラリア代表[ビッグウェイブス]・・・3ーA」
司会:「続いていよいよ日本代表、[イナズマジャパン]の抽選です。果たして相手は韓国かサウジアラビアか、はたまたカタールかオーストラリアか!!」
アナウンサー:「日本代表[イナズマジャパン]・・・3ーB」
TV:「決まりました!! 日本の初戦の相手は、オーストラリア代表[ビッグウェイブス]です!!」
そして残った国の抽選も終わり、俺達は宿舎に帰ってきた。
すると見馴れない外国人が4人宿舎の管理人のおじいさんと口論していた。
?:「だから!! Ms.松浦は何処かって聞いてるんだよ!!」
管理人:「組み合わせ抽選会に行ってるよ?」
果南:「あの~? 松浦は私ですけど?」
?:「え? 貴女が[イナズマジャパン]の松浦果南さん?」
果南:「はい」
?:「これは……体力雌ゴリラと聞いていたんだが、実に美しいお嬢さんじゃないか。誰だ? あんな噂流したのは?」
果南:「ちょっ!? 誰が雌ゴリラよ失礼な!! 私そんな噂流れてるの!?」
鬼道:「オーストラリア代表のメンバーが、試合前に何のようだ?」
全員:『『え!?』』
野坂:「オーストラリア代表キャプテン[ニース・ドルフィン]。サッカーだけでなく、サーファーとしても有名な選手だと聞いています。そして[ビッグウェイブス]というチーム名には、[海の戦士たち]という意味も込められているとか」
果南:「へぇ~。私もたまにサーフィンするし海大好きだよ? 今度一緒に海について話さない?」
綱海:「俺もサーフィン大好きだぜ? 良かったら今度一緒にどうだ?」
ニース:「ハッ、冗談はよしてくれ。オーストラリアのビッグな波で鍛えた俺達が、日本のちんけな波を相手にするわけ無いだろ」
龍也:(あ? コイツ今なんつった?)
果南:「ちょっと!! 私の故郷の海を馬鹿にしないでよ!! 許せない!!!」
綱海:「俺もだ! 沖縄の海をバカにすんじゃねぇ!!」
ニース:「やれやれ、お前たち!」
3人:「「「おう!!」」」
相手の4人は四角形に松浦さんと綱海を包囲した。なんだ……あのディフェンス? あれが世界のレベルなのか?
ニース:「まぁレディをイジメるのは俺たちの流儀に反するんでね。今日はこの辺で失礼させてもらうよ。試合で会おう」
そう言い残し、4人は帰っていった。俺は急いで松浦さんに駆け寄った。
龍也:「松浦さん? 大丈夫?」
果南:「あいつらっ……!! 海は私にとって、大切な場所なのに…なんで馬鹿にされなきゃならないの……?」ポロポロ
龍也:「っ!!」
見ると、松浦さんは泣いていた。
それを見た瞬間―――、俺のなかで何かがプツンと音を立ててキレた。
鬼道:「松浦、奴らのディフェンスはどうだった?」
果南:「凄く息苦しい感じで………まるで密閉された箱の中に入れられたかのような」
鬼道:「とにかく、あのディフェンスを破る練習が必要だな」
久遠:「集合!! これからオーストラリア戦までの練習方針を伝える。……全員、練習禁止だ」
全員:「ええーーーっ!?」
龍也:(成る程な。そういうことか)
久遠:「宿舎から出る事も許さん」
鬼道:「待ってください!! 俺達はオーストラリアのディフェンスを見ました。あのディフェンスは、生半可なオフェンスでは破れません!! 試合までオフェンス力強化の練習をするべきです!!」
久遠:「言うことを聞けないなら、代表をやめろ」
鬼道:「くっ!!」
龍也:「分かりました。部屋同士の行き来は良いんでしょうか?」
久遠:「それは許可する」
龍也:「じゃあ俺は宿舎入りますね?」
円堂:「お、おい大海!?」
聖良:「行ってしまいましたね」
風丸:「アイツも監督も、何を考えているんだ?」
~ 部屋 ~
私が部屋に戻ると、大海君は部屋の中でボールを蹴り、壁に当てて跳ね返ってきたボールを別方向に蹴りを繰り返し練習? をしていた。
果南:「大海君? 何やってるの? 練習禁止だって……」
龍也:「ああ大丈夫です。だってこれが監督が俺達にやらせたい対オーストラリアの練習なんですから」
果南:「え!?」
私には、大海君の言ってる意味が分からなかった。
龍也:「部屋を見渡してみてください。ヒントがありますから」
私の目に写るのは、2つのベッドに2つの机。前後左右の壁に、床に天井。考えたが全く分からなかった。
龍也:「松浦さんもやれば? あいつらにギャフンと言わせたいでしょ?」
果南:「ううん。それだけじゃあ足りない!! 試合で地べたを舐めさせてやらないと気が済まない!!!」
暫くして、他の部屋からも壁にボールが当たる音が聞こえてきた。
でも、大海君は理解してるみたいだけど、一体監督の意図って?
― 続く ―
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