決勝トーナメント一回戦の4戦が終わりベスト4が出揃った。
1つはイタリアvsコロンビアの勝者イタリア代表「オルフェウス」
2つめはベルギーvsコトアールの勝者コトアール代表「リトルギガント」
3つめ、チリvsブラジルの勝者ブラジル代表「ザ・キングタム」
そして4つめ、日本vsロシアの勝者日本代表「イナズマジャパン」。
そして準決勝でイタリアvsコトアール、日本vsブラジルが激突する。
そして一回戦の次の日の早朝、俺は朝ごはんまで少し身体を動かそうとグラウンドに出るところだった。
龍也:「ふわぁ~、よく寝た~!! 少し身体を動かすか」
?:「すまない、少しいいか?」
声のした方を見るとパーカーのフードで顔を隠した男が立っていた。
龍也:「あん? 何だお前?」
?:「ああ悪い。これでいいか?」
男がフードを脱いで顔を表す。
龍也:「!? マック・・・ロニージョ!?」
ブラジル史上最強、「キング・オブ・ファンタジスタ」と呼ばれる男が立っていた。
ロニージョ:「すまない。ミスター円堂と話をしたいんだ。呼んできてくれないか?」
龍也:「あ、ああ。分かった。裏の海岸で待っててくれるか?」
そう言ってロニージョに待っててもらい、俺は円堂を呼びに行った。
円堂:「悪い!! 待ったか!?」
ロニージョ:「あぁ・・・良いよ・・・ 」
円堂:「? どうした?」
ロニージョ:「イナズマジャパンはとても強いチームだ。本当なら、全力で闘いたかったけど・・・・・」
そして、ロニージョは信じられない言葉を口にする。
ロニージョ:「イナズマジャパン、今度の試合・・・「敗けてくれ」」
円堂・龍也:「「え?」」
ロニージョ:「勿論タダでとは言わない。俺たちが優勝したら、優勝賞金から金を・・・」
龍也:「ふざけるな!! お前は仮にも代表のキャプテンだろ!? そんなお前が、八百長を頼みにくるなんて、ふざけるのも大概にしろ!!」
円堂:「まさか、これまでの試合もそうやって勝ってきたのか?」
ロニージョ:「それは違う!!! 今までの勝利は、俺たちが自分たちの力で勝ち取った物だ!!!」
円堂:「だったら、俺たちは全力で闘う!! 負けていい試合何て無いからな」
ロニージョ:「・・・そうだよな」トボトボ
円堂:「ロニージョ!!」
ポーン!!
円堂はボールをロニージョに投げて渡した。
円堂:「ロニージョ!! 撃ってこい!!」
ロニージョ:「っ!! ・・・ハアァァアアアアア!!!」
ドガァアァァアアアン!!!
ロニージョのまるで弾丸の様な鋭いシュートが円堂に迫る。円堂はそれを正面から受け止める。
バシィィイイイッッ! ギャルルルル ドカァッ!!
円堂:「うわぁっ!?」
ロニージョ:「・・・・・・」
そして、ロニージョは無言で帰って行った。とても悲しそうな瞳をしながら・・・・・・
龍也:「まさか世界最高とまで言われてる奴が八百長頼みに来る何て・・・」
円堂:「でも、ロニージョのボールは本気だった。あいつも本気で闘いたいと思ってるんだ」
龍也:「ザ・キングタムに、何かあったのかもしれないな」
そして俺と円堂は朝ごはんの時にロニージョの事を皆に話すと、八百長を頼みに来たことは怒っていたが、それと同時に何かおかしいと言っていた。
実際俺もおかしいと思ってる。そして俺と円堂、果南と鬼道でブラジルのデータを調べる事にした。
円堂:「キーパーのセーブ成功率91.2%!?」
龍也:「ボール支配率は94.1%もあるぜ?」
果南:「おまけに得点率は88:6%って、」
龍也:「普通じゃないな。こんなチームが八百長頼みに来るなんてやっぱり変だぞ?」
鬼道:「これを見てくれ。ブラジルがこんなデタラメなチームになったのは、ガルシルドが監督になってからみたいだ」
龍也:「ガルシルド・・・あいつか」
円堂:「なぁ? ブラジルエリアに行って見ないか?」
そして俺たち四人はブラジルエリアに向かった。
果南:「ロニージョは・・・居ないね」
?:「返して!!!」
ん? 何だ今の声?
黒服の男:「これはガルシルド様が与えたものだ!! 役たたずの弟には必要無い!!」
?:「そんな!? お願いします!! もう一度だけ、チャンスを下さい!! 今度こそ役に立ちます!! だから!!」
黒服の男:「チャンスか、お前たちのデータは全てチェックしている。分かってるな?」
?:「はい!! もう二度とミスはしません!!!」
円堂:「おい!! 何やってる!?」
黒服の男:「チッ、余計なことは喋るなよ?」
謎の黒服の男達はその場を去っていった。
龍也:「何なんだ? アイツら?」
子供:「ちくしょう!! ガルシルドめ!!!」
?:「よせ!!」
龍也:「あんた、ブラジル代表のDF「ラガルート」だよな? 弟くん、何か変だぜ? 自分たちの国の監督をそんな風に言うなんて。ロニージョが八百長頼みに来たことと何か関係があるのか?」
ラガルート:「何だって!? アイツ・・・そこまで思い詰めて・・・・」
果南:「ねぇ? どういうこと?」
子供:「兄ちゃん達が苦しい思いをしてるのは、みんなガルシルドのせいなんだ!! 皆騙されたんだよ!!!」
鬼道:「騙された?」
ラガルート:「君たちは、ブラジルの財政状況が、どんなことになってるか知ってるかい?」
果南:「授業で習った範囲なら。まだまだ開発途上で決して裕福な国では無いってことくらいは」
ラガルート:「だいたい合ってるよ。俺たちザ・キングタムは、皆貧しい生まれなんだ。けどサッカーが好きで、毎日ベコベコのボールを蹴ってたよ。そんなある日、ガルシルドが現れたんだ。アイツは俺たちにサッカーが出来る場所と設備、ボールを与えてくれて、家族には仕事まで与えてくれた。あの時は本気で神様かと思ったよ。でもアイツは、突然本性を表したんだ」
龍也:「本性?」
ラガルート:「ああ。試合で俺たちがミスしたり、動けなくなれば、酷い罰を受けるようになったんだ。最近は家族にまで・・・」
龍也:「そんな・・・そんなの、家族を人質に取られてる様なもんじゃねぇか!!!」
ラガルート:「その通りだよ。それに既に、オーバーワークで潰れてしまった者も居るんだ。このままじゃあ次に誰がサッカーが出来なくなるか分からない。ロニージョは、君たちが確実に勝てるとは言えない強いチームだと認めたからそんなことを頼んだんだと思う。家族や仲間を、守るために」
円堂:「そう・・・だったのか」
ラガルート:「行くぞ」
子供:「う、うん・・・・・」
そう言って去って行ったラガルートの顔はとても悲しそうで、辛そうに見えた。
そして、話を聞いた俺達四人は、怒りではらわたが煮え繰り返っていた。
円堂:「許せない・・・」
龍也:「ああ」
果南:「私もぶちギレたよ」
鬼道:「危険だが、手がない事もない。ガルシルドの屋敷に、もしかしたら悪事の証拠が残ってるかもしれない。それを手に入れられれば」
龍也:「忍び込むって事か?」
果南:「私はやるよ。ロニージョたちをこのままになんかしておけない」
円堂:「俺もだ」
龍也:「よし!! 行くぞ!!」
― 続く ―
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