鋼鉄ノ水平線   作:ツメナシカワウソ

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第一話『アウター』

2010年代初頭、突如として深海棲艦と呼ばれる謎に包まれた者達が日本近海に襲来。日本は自衛隊及び各国の支援があったものの、圧倒的な数と従来の武装を弾く装甲を前に敗北。日本の排他的経済水域は大きく狭まることとなる。これを好機と見たアジアの某大国は日本へ向けて進軍するも、近海を占領していた深海棲艦と交戦の末、全滅。その後も幾度となく深海棲艦と人類との戦争は続いたが、結果的に深海棲艦の領海を拡大するのみとなった。しかし、2013年某日、日本で発見された艦娘と呼ばれる存在により、その形成は逆転した。彼女らは唯一深海棲艦を倒せる存在であり、かつて沈んだ艦の魂を鋼材や弾薬、燃料、そしてボーキサイトなどで錬成し、人の身体を与えられた者達である。だが、深海棲艦も彼女らに対抗するため姿形を変え、今日まで戦争を続けてきた。その一方、人類は艦娘に代わる深海棲艦への新たな切り札を発見したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本近海。数年前まで深海棲艦が巡回する殺伐とした光景が広がっていたとは考えられない程澄みきった青空を、全長4mはあろうかという漆黒の機械が飛び回る。頭部は中世ヨーロッパの鎧を思わせる形状で、人間の目に当る部分のスリットからは赤い光が溢れている。首元からはボロボロのマフラーのような布が巻かれており、風にたなびいている。胴体はX字の赤いラインが入っており、背部にマフラーと干渉しない絶妙な位置に装着された推進機構。そして両腕には巨大なガトリングが黒く光っている。脚部も例外ではなく、それらの重量に十二分に耐えられるよう設計されている。そして、その背後には無数の黒い小型の飛行機のような物体・・・深海棲艦の艦載機が追っていた。

 

「こりゃ参ったなぁ。蜂の巣突いたみてぇな大騒ぎじゃねえか」

 

漆黒の機械に乗った者はそう言うと、握った操縦レバーを一気に倒す。すると、機体は180度回転して艦載機と向かい合い、両腕のガトリングを向けた。

 

「思わぬ試し撃ちになっちまったぜ!」

 

そしてガトリングは凄まじいスピードで弾丸を次々と艦載機に撃ち込み、みるみるうちに海の藻屑へと変えていく。だが、それは水上にいた深海棲艦も例外ではない。

 

「残念だが俺のアーセナルはテメェらに攻撃が通るらしいな・・・まぁ、相手が悪かったと思って成仏しな!」

 

そして弾丸の雨が再び降り注ぎ、深海棲艦は全滅した。

 

「フュー・・・さてと、さっさと帰るか」

 

機械の搭乗者がそう呟くと、今度は女性の声が搭乗者の耳に入る。

 

『ドラガ。通信が入っております』

 

「ハァ?このアーセナルにそんなモンなかったと思うんだが」

 

ドラガと呼ばれた者は首を傾げるも、直ぐに元の体勢へ戻った。

 

「まぁいい。そんで?何処からだ?」

 

『大本営からです』

 

「・・・ほう?」

 

こうして、人類は勝利への一歩を踏み出した。

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