メギド72オリスト「太古の災厄と新生する憤怒」 作:水郷アコホ
時間を戻して、リジェネレイトしたベレトが立ち回る戦場。
ベレトは仲間を復活させる「技」のために、戦いつつフォトンを蓄積。シャックスはそのサポート。バルバトスは交代要員として控える傍ら、音楽でパエトンに呼びかけ続けている。
バルバトスが演奏と並行して、ソロモンに戦況を打開する「鍵」について説明を終えた。
バルバトス
「俺がベレトに語った内容は、これで全部だ」
「何度か繰り返し話していたら、急にベレトが光って目の前から消えた」
「その後は急いで穴の奥からここまで駆け戻って、期待通りの光景に立ち会ったって次第さ」
「ベレトがこの話に何を見出したかまでは知る由もないけど……今のベレトが答えって所かな」
ソロモン
「大体は、分かったと思う」
答えるソロモンはバルバトスに背を向け、ベレト達の戦いを凝視している。
ソロモンの声は所々ぎこちなく、時折発声を中断しかけるように音量が落ちる。不調ではなく、前線に意識を集中しているためだ。
しかし、ソロモンは左手を胸元まで持ち上げ、その手首を右手で握りしめ、支えるようにしている。
その後ろ姿だけで、バルバトスには極寒と指輪の操作による消耗の度合いが鮮明に感じ取れた。
ソロモン
「つまりベレトが持ってる『石』を、もう一度パエトンに飲み込ませれば、意識が戻るかもしれないんだな?」
バルバトス
「ああ。確証までは無いけどね」
「小さくなってしまうほど効果が衰えるのは、『石』もアンガーストーンも変わらないはずだ」
「そして『石』は元が小さい。二年前の形よりほんの少し削れただけでも、割合で考えれば楽観はできない」
「もしかしたら最悪、記憶や感情の、それも重大な部分が失われている可能性も……」
ソロモン
「それでも……希望がある事だけ確かなら、十分だ!」
前線では、ベレトが旗竿でパエトンの巨大な脚を払い、体勢を崩した隙に、その脚へと飛び乗った。
ベレト
「シャックス! 片時も手を止めるなよ!」
シャックス
「おっけーおっけー! まだまだいけちゃうよー!」
ベレトは指示を出しながらも更に跳ねてパエトンの体を登っていく。
迎撃に迫るパエトンの腕を叩き落としてその腕に移り、腕が再び持ち上がる勢いに乗せて腰へ、更に胸へと跳んだ。
バルバトス
「動いた。先にパエトンとの勝負を着けるつもりだ!」
ソロモン
「ここでパエトンが止まってくれれば、後は皆が生きてさえいれば十分に余裕が持てる……!」
バルバトス
「(現状でパエトンの口は、メギド体の腹と頭、そしてヴィータ体に残る分の3つ)」
「(どこからだろうが『食べる』という儀式に変化は無いだろうが、ここはヴィータ体から取り込ませた方が適切だな)」
「(パエトンだけでなく、ポーにも『石』を届けられれば、それが一番良い事のはずなんだから)」
リジェネ前にはどうにかこうにか辿り着いていたパエトンの肩に、再びベレトが立った。今度は確かな足取りで、パエトンの頭部へと駆けていく。
シャックス
「うぉっほー♪ ベレベレあっという間に高いたか──おわっぷぁっ!?」
王手の予感に興奮したシャックス思わず余所見した。その瞬間、シャックスはパエトンの脚に跳ね飛ばされた。
ソロモン
「シャックス!?」
シャックス
「あぶぁイタたタたい……」
ド迫力に引っ叩かれた頬を擦りながらすぐに起き上がるシャックス。ダメージはほぼ無かった。
パエトンは不安定な三本脚で体勢を維持するため、絶えず脚の置き場を調整し続けていた。
シャックスは、そのちょっとしたフラつきに巻き込まれただけのようだ。
ソロモン
「良かった、あの調子なら大丈夫そうだ……」
バルバトス
「『シャックスは』ね……!」
「ベレト! 連携が途切れた!!」
ソロモン
「あっ、そうか……!」
慌てて見上げるソロモン。
首元まで到達したベレト目掛けて、蚊を潰すかのようにパエトンの掌が迫っている。
バルバトス
「シャックスの撹乱と『引き金』が無い今、パエトンがベレトを止める『手』は一つきりじゃない……!」
ソロモン
「ベレト! 一旦飛び降りるんだ!」
「パエトンの手はすぐ止められる勢いじゃない。避ければ、またパエトンの自滅を狙える!」
ベレト
「アホウが! メギドが勝負所で退いてたまるか!」
「それに、光弾で無いなら──!」
迎撃するパエトンの掌を見据えたベレトが、パエトンから遠ざかるような軌道で跳んだ。
視界全てを覆い尽くして迫る巨大な水晶質の塊へと自ら飛び込み、空中で姿勢を変えて、この極寒の中でも健康的な赤みが差してさえいる裸足を前方に突き出した。
壁のような掌に着地したベレトは、押し寄せる質量と慣性を不死者の足腰でこらえながら、パエトンの頭部を見据えて旗竿を構え直した。
石突を、ポーの顔が埋まる位置からやや下、人体で言えば鼻と上前歯の境、メギド体の人中を捉えるよう突き出す。
ソロモン
「もしかして、パエトンの攻撃の勢いを利用するつもりか……!?」
バルバトス
「(いや、だが……未だ露出してるポーの顔……その位置から考えると……)」
「……!? ベ、ベレト待て! 冷静になるんだ! 俺達の目的は──!」
ベレト
「儂のぉ、勝ちだぁっ!!」
映画ならじっくり3カメほど回しそうな轟音と衝撃を伴って、狙い通りの場所に旗竿が深々と突き立った。
旗竿の先端の意匠から下が殆どメギド体にうずまった。
反動で旗布が舞い上がり、少しの間、ベレトとポーとの間を遮る。
舞い上がった旗布が下がらない内から、旗竿の刺さった地点を中心に、パエトンのメギド体がビシビシと音を立て、ヒビが広がっていく。
ソロモン
「効いた……大ダメージだ! 今の内に『石』を飲ませれば!」
バルバトス
「本当に、かい……本当に、ただの『大ダメージ』で済んでるんだね?」
ソロモン
「え……」
シャックス
「モ、モンモン~……パエパエがどんどんボロボロだけど……こ、これだいじょぶなの……?」
ソロモン
「あ……メギド体の、フォトンが……!」
バルバトスの言わんとする事の意味を、ソロモンは目で見て理解した。
ソロモン
「メギド体のフォトンがどんどん、空気に散ってる……ヒビも広がり続けて……まさか!?」
旗布がゆっくりと下がり、ベレトとパエトンが再び対面した瞬間に、パエトンの頭だけのヴィータ体が大きく震えた。
パエトン
「グ、ガ……!」
ベレト
「おとなしくしていろ、今……むっ?」
メギド体の顔面部分に手頃な凹凸を見つけ、足をかけて立つベレト。
片手を肩程の高さに上げ、何かを手に取ろうとする仕草を見せるが、パエトンのヴィータ体の顔が跳ねるように二度三度、上を向くような動きを見せた事に異状を察し、中途の姿勢のままパエトンの動向を注視した。
パエトン
「グ……カ……ガゴホッ!?」
ベレト
「うぶっ!?」
ベレトの顔をビシャリと何かが覆った。
反射的に拭うと、それが液体であり、熱を持ち、若干のぬめりを含んでいるとわかる。
ベレトが再び目を開くと、パエトンの大顎から夥しい量の、赤黒い液体が滴っていた。
バルバトス
「やはり、『致命傷』だ……やりすぎたんだ!」
「完全にメギド体に変身しきってない以上、あくまで本体はヴィータ体の方だったんだ!」
「覆い隠されたポーの体は、まだメギド体の中に残っていた。ベレトは、それを貫いてしまったんだ。あの勢いで……!」
ソロモン
「そんな……じゃあ……!」
見上げるソロモン。パエトンの脚がペンキ塗装が剥げるようにひとりでに崩れ、自重を支えきれず砕けた。パエトンの全高が1メートルほど落ち込む。
それでも、向かい合う2人は未だ高く遠い。ソロモン達から細かな様子は伺えない。
パエトン
「カ……ハ、カ……ガハッ……」
ベレト
「……」
ベレトは眉根を寄せて震わせながら、目を見開いてパエトンを凝視している。
しかしその表情には、自分の招いた結果による焦りや絶望と言った物はなかった。
パエトンの額の眼は焦点を失い、虚空を見上げたまま、か細く震えている。
ベレトの視線は、静かに閉じられたままの、パエトンのヴィータとしての双眸だけを捉えていた。
ベレト
「……」
ベレトが旗竿を強く握り直した。
その全身から、紫色のオーラが立ち昇った。
ベレト
「……」
「よ み が え れぇぇぇーーー!!!」
躊躇なく、ベレトが旗竿を引き抜いた。傷口から勢いよく血が吹き出す。
ベレトが見据える先で、パエトンが更に血反吐を絞りながら、顔だけで激しく痙攣していた。
ソロモン
「よ、よせベレト! そんな事したらますます……!」
バルバトス
「いや……ソロモン、ベレトにフォトンだ!」
「『蘇れ』と言った。何か、『技』を使う気だ!」
完全に旗竿を引き抜ききると同時、ベレトの体が光に包まれた。
バルバトス
「ぐっ……!?」
シャックス
「ふおぉお!?」
ソロモン
「ど、どうした二人とも!?」
バルバトスが胸を押さえて屈んだ。
シャックスは背筋に電気でも流れたようにビクッと体を反らせ、頭髪が軽く逆立っている。
ソロモンが2人の容態を確認する間もなく、空間に地響きが鳴り渡る。
ベレト
「お前の成すべきは、『そんなもの』では無ぁぁーーーい!!」
王冠を頂く直立二足の大蛙と化したベレトが、パエトンの正面に立っていた。
そして対峙するパエトンにも異変が有った。
パエトンのヒビの進行が止まり、むしろ若干塞がってさえ居る。
砕けた脚もパエトン自ら吹き飛ばした分まで含めて見る間に再生していく。
パエトン自身にも予想外の事だったのか、再び生えた足を岩肌を引っ掻くように無秩序に暴れさせた後、ようやくギクシャクと立ち上がった。
ソロモン
「ベレトがメギド体に変身した……『技』を使ったのか!」
「じゃあ、バルバトス達が苦しそうなのも、何だかパエトンのダメージが回復してるのも、ベレトが……?」
バルバトス
「ゲッホ……苦しいというより、『驚かされた』って感じかな……いきなり受けると、ちょっとキツイなこれは……」
ソロモン
「バルバトス、だ、大丈夫か……?」
バルバトス
「大丈夫。むしろ、この状況では願ってもない……ウェパルとフォラスにとってもね」
ソロモン
「ウェパルとフォラス……そうか、復活の『技』か!」
「確かに、普段からベレトの『技』は少し極端な所あるけど……」
重く巨大な物がぶつかり合う音が響いた。
メギド体のベレトが、鎖に繋がれた髑髏の群れのような武器を振り回し、パエトンに叩きつけている。
ベレト
「召喚者ぁっ! さっさと手下共をここに寄越せぇ!」
ソロモン
「メ、メギド体のまま戦い続けてる!?」
「お、俺、そんなにフォトン送ってないぞ? そもそも維持するだけでも大変なのに……」
バルバトス
「感情でフォトンを増幅して、補填し続けてるんだろうね」
「ラウムだって、暴走したとはいえメギド体を何日も維持し続けたんだ。理論上は可能ってやつさ」
ソロモン
「い、いやいやいや……」
バルバトス
「呆気にとられてる場合じゃないぞ、ソロモン。やって見せた以上は出来てる、ベレトの事はそこまでだ」
「ベレトはパエトンと距離を置いて、近づいてくれば押し返すように戦ってる。『足止め』してるんだ」
「早く皆の容態を確かめて、ベレトの加勢を頼もう。あれじゃあ『石』を飲ませる暇も無いからね」
ソロモン
「わ、わかった……!」
丁度、横たえていたウェパルとフォラスがぐったりと起き上がっていた。
ウェパル
「ハァ……最っ低の目覚めね……しかも何か暑いし」
フォラス
「まったくだ。冬空に潰れるほど呑んで寝たって、こうはならねえぞ多分……」
「活動するためのフォトンを、魂から無理やり絞り出されてるみてえな感覚……ベレトに起こされるといつもコレだ。慣れねえなあ」
駆け寄るソロモン。二人とも、少し疲れた程度の様子で、さっきまで意識を失っていたようには見えない。心なしか血色まで良いように思えた。
ソロモン
「二人とも、目が覚めたか!」
「動けるか? 立ち直ってくれたのは良いんだけど、今は治療はちょっと……」
フォラス
「問題無え。あー……少なくとも今のところはな」
「服の上からあちこち火傷負うわ、アバラにヒビが入るわで息するのもキツかったんだが……」
「今はちょっとピリピリする程度だ。痛みが紛れてるだけかも知れねえが、脱いで確かめるわけにもいかねえしな」
ウェパル
「同じく。治療されたのか動けるようにだけされたのか微妙ってとこまでね」
「左手の小指、ソロモンに指輪で呼ばれる前に変な方を向いてたの無理やり直して、治療も後回しになってたんだけど、今はちょっとダルい程度で普通に動かせる」
「それでも指自体はすっかり変色しちゃってるから、終わったらユフィールでも呼んどいて」
ソロモン
「は、判断に困るな……」
バルバトス
「俺もベレトが変身してすぐ、胸が内から弾け飛ぶような感覚に襲われたよ」
「けど今では、何だかここまでのダメージも疲れも吹っ飛んだ気分だ。回復というより強心作用かもね」
ソロモン
「さっき胸を押さえてたのって、そういう事か」
シャックス
「あたしもあたしもー! 元気注入イッパーツって感じだよね!」
ウェパル
「気絶した所に冷や水ぶっかけられて起こされたって感じだけどね」
フォラス
「いつものベレトの『技』受けた後より調子良いくらいだが……」
「何っつーかな。心臓を直接ブン殴られたみたいに体が奮い立ってるっつーか……」
「滋養強壮の薬ガブ飲みで眠気ごま化してるような……このツケは、一日眠ったくらいじゃ戻りきらねえな、絶対」
バルバトス
「どうあれ、これで戦線は立て直せた。『炎』の向こうに居るモラクスも、きっと同じ状態のはずだ」
「ソロモンは改めて、場のフォトンを維持しつつ全員にフォトンを配ってくれ」
「モラクスも、自分にフォトンが届けば、大体は把握してくれるはずだ」
「『アニキが近くに居なくても戦えるよう準備してくれてある』ってね」
ソロモン
「ああ。仮にそこまで伝わらなくても、フォラス達の様子なら、モラクスも俺の所まで自力で戻るくらいはできそうだ」
バルバトス
「それと……」
ソロモン
「わかってる。皆、聞いてくれ」
「ベレト、ウェパル、フォラス、シャックス……それと、今は近くに居ないけどモラクス。この5人でいく」
「指輪の支援は5人までだ。バルバトスは、もしもの場合に備えて待機していてくれ」
「(──無理強いする気は無いよ。余りに士気が低いと、仲間の足を引っ張りかねない……それで良いな?)」
バルバトス
「ああ。承知した」
「(──建前までどうも。埋め合わせは、必ずさせてもらうよ。俺自身のけじめとして)」
ウェパル
「『倒されて立ち直って』みたいな戦い方できるメギドが増えてから、一段と人使いが荒い気がするわね」
「まあ良いわ。ベレトの『技』のせいか、何だかジッとしていられないし」
フォラス
「つーかバルバトス、お前さん、いつの間に着替えたんだ?」
バルバトス
「ま、色々あってね。だが見ての通り、悪いが君達が傷付いてもすぐに回復するのは難しい」
「今はベレトがあの調子で何とかしてくれてるけど、肝心の打開の『鍵』はベレトが握ってる」
「そして『鍵』を使うためには、一度変身を解く必要があるんだ」
フォラス
「応急処置は期待できねえ、倒れたら今みたいに叩き起こされるしかねえってか」
「しかもベレトに余裕持たせなきゃならんから、メギド体の勢いに頼ってばかりもいられねえと」
「さっきまで以上に、ダメージに気を配らにゃならんか。まあ、ここまで来たら、やるだけやってみるしかねえが」
シャックス
「でもでも、パエパエさっき、何だか危なそうだったよ?」
「バキバキでボロボロで……皆で戦っちゃっても、ほんとに良いの?」
ウェパル
「そういえば、頭の辺りから物凄いヒビが入ってるけど……」
「パエトンとポー、どっちでもあるのよね。下手したらトドメ刺しちゃわない?」
バルバトス
「ベレトがまさにトドメを刺しかけて、直後に『技』を使って、この場に居る全員が立ち直ったって状況だよ」
「そして死にかけたパエトンもまた見ての通り、若干動きが鈍いながらもベレトと戦い続けてる」
フォラス
「って事は、ベレトのやつ……」
バルバトス
「ああ。味方も『敵も』復活させたんだ」
「ちょっと発動までに手間がかかるようだけど、ベレトにフォトンの用意が万全でさえあれば、最悪の事態はある程度防げるはずだ」
「それに悔しいけど、さっきまでの無傷のパエトン相手に俺達は全滅しかけたんだ」
「今くらいでようやく、エリダヌスやアバドンを相手にするのと同じレベルかもしれないよ」
ウェパル
「本気でどうこうするなら、あの状態から追い込んでようやくって事ね……ほんと、ヴィータの身が歯痒いわ」
「それにしても、相手が相手とはいえ、ベレトも何だってそんな馬鹿みたいな『技』を……」
ソロモン
「それはそれで気になるけど、今はベレトのサポートを急ごう」
「皆、フォトンを回す。もちろんダメージを与える事も必要になるけど、動きを封じる事を最優先で頼む!」
「ベレトがヴィータの姿でポーの元に辿り着く、その状況さえ作れば、後はベレトが何とかしてくれる!」
ウェパル
「死にかけても正気に戻らないような相手に、本当に何とかする方法があるのかしらね」
「ま、気絶してた私が文句言ってもしょうがないわね。その代わり、後でちゃんと説明しなさいよ」
ソロモン
「もちろんだ。皆、頼む!」
シャックス
「えい、えい、おー!」
フォトンを受けて、それぞれの役割を果たせる位置へ自ずから散っていく仲間たち。
戦闘メンバーを見送って、再び楽器の弦に弓をかけるバルバトス。
バルバトス
「(……基本的に、追放後にしろ、そこから更にリジェネしたにしろ、俺達の能力は、ある意味で『変わってない』)」
「(一見して別物に見える事も珍しくないが、どれもメギドラル時代に使った『力の一部』に変わりは無いからだ)」
「(俺にしたって、癒しも怒涛の攻撃も、その戦法を使ってた時期の違いや、追放後の心境の変化から応用を試みたにすぎない)」
「(であれば……ベレトの『技』も、メギドラル時代に実際にやってのけてた可能性がある)」
「(のべつ幕なしに『炎』を広げるのも、敵味方まとめて復活させるのも)」
「(でもベレトの性格で、敵まで立ち上がらせる理由なんて、なあ……)」
「(『戦い足りない』って腹を立てて、気の済むまで死んでも戦い合わせて、敵も味方も派手に焼き尽くして……それくらいしか……)」
「(もしそうなら……そりゃあ追放されもするよなあ……勝手な憶測でこんなこと思うのもかなり失礼ではあるけど)」
パエトンが何度目かのパンチをベレトへ敢行した。
飛び上がったベレトがメギド体の巨大な腹でこれを受け止め、そのまま全身の質量と弾力で跳ね返した。
怪獣映画さながらに、互いに一歩後方へよろめいて、地面を震わせながら重心を置き直し、そして再び睨み合う。
ベレト
「何度でも殺す! 何度でも生かす! 儂がここに立つ限り、全ての命は儂が預かる!!」
※ここからあとがき
ベレト(バーストトルーパー)
・特性
ターン開始時、○%の確率でスキルを獲得し、○%の確率で覚醒ゲージ上昇(戦闘可能なパーティが五人に満たないほど増える)。アタックで覚醒ゲージが上昇しない。
・スキル
○ターンの間、味方のアタックに自身が炎ダメージで追撃する状態になる。○%の確率でランダムな自分以外の味方単体にスキルを追加。
・覚醒スキル
敵味方全体に○ターンの炎上地形効果。自身が致死ダメージを受けた時、1度踏みとどまる状態になる(戦闘可能なパーティーが5人に満たないほど踏みとどまる回数上昇)。
・奥義
敵味方全体を蘇生し攻撃力○倍で回復し呪いにする。
○ターンの間シフトして性能とクラスが変化(トルーパー→スナイパー)
・シフト時特性
シフト状態開始時、最大HP○%のアーマー獲得。
自身呪い時、全ての状態変化を無効にする。
アーマーが解除されるとシフトも解除される。
・シフトスキル
敵単体に攻撃○倍のダメージ。自身に○ターンの追撃状態。
・シフト覚醒スキル
味方全体にアタック追加。
・シフト奥義
味方全体をHP100%で蘇生または回復しアタックを強化し、呪い状態にして自身のアーマーを解除。
・マスエフェクト
Bスナ、Bファイ、ベレト、Bスナ、Bファイ
ベレ1:炎上の地形効果を受けない。
べレ2:追撃時、対象が炎上の地形効果を受けているなら直ちに地形ダメージを与える(地形のターンは減少しない)。
共通:炎上の地形効果を受けない。
両隣:蘇生された時、一度だけ覚醒ゲージが最大になる。
両端:奥義でダメージを与えた時、○%の確率で対象のフォトンを破壊する。
原典のベレトも火を吐くらしいので炎はセーフかなと。
シフトは皆の関門スナイパーベレトを取り入れたかっただけで完全に蛇足です。
ゲーム的にはオーバースペックかも知れませんが、あくまで二次創作という事で。
全く余談の自分語りですが、ストーリーを考える時は好みの音楽で脳のエンジンかけて歌詞にこじつけたりしながら話の細部を詰めてます。
今回は主に「ソロモン王の帰還」と「魂メラめら一兆℃!」と「ロストワンの号哭」などを聞いてました。