とある残された者達の埋葬曲 作:ムリーヌ
研修生サリー
SO10地区の戦いから数十年。
グリフィンと鉄血の戦いは依然として続くが、落ち着いた情勢となった。
SO10地区は酷い戦闘によって荒廃していたが終戦後、戻ってきた人々により徐々に復興の目処が着きつつあった。
そんなSO10地区の一角にあるマンションで一人の少女サリーが玄関を勢いよく開け放って出てきた。
「遅刻しちゃった!!!」
少女は慌てて着たのかグリフィンの制服が乱れた状態にも関わらず気にせずに出た所を玄関から出てきたサリーの母親であるイェーガーに呼び止められた。
「サリー!お弁当忘れてるわよ!」
サリーはそれを聞いてすぐに戻って来ると引ったくる様にお弁当を受けとると、走り出していく。
「行ってきます!」
サリーは一瞬、イェーガーの方を向いてそう言うとまた走り出して行き、イェーガーは呆れながら溜め息をついた後、微笑む。
「行ってらっしゃい。サリー」
イェーガーはそう言うと家に戻った。
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暫くして、サリーがグリフィンの指揮官養成所の一室まで来ると、少し扉を開けて内部をこっそりと見る。
内部では他の研修生が教卓を前にサリーの教官であるリーが戦術指揮に関する講義を行っている姿を見て内心、怯えながら姿勢を低くし、静かに入って席に座ろうとしたが、リーは今回の講義内容を写したモニターに体を向けて背中後を見せている状態の筈なのにサリーを呼び止める。
「サリー。無駄な事はしてないで早く座りなさい。後で遅刻した理由を聞かせて貰います」
「は、はい!」
あっさりと見つかったサリーは背筋を伸ばして返事をすると、回りからクスクスと笑う声が聞こえ、サリーは顔を赤くしながら席に着いた。
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サリーはリーの研修後、リーの執務室に呼び出されたサリーは冷や汗をかきながら無表情でサリーを見つめるリーと対峙していた。
「それで?また寝坊で遅刻ですか?」
「は、はい・・・寝坊しました・・・つい、また二度寝しちゃいまして・・・それに目覚まし時計も止まってまして・・・」
「言い訳無用です。戦場ではそんな事は許されませんよ。一時の油断が仲間を危険に晒す。そんな事が分からなければグリフィンの指揮官になるなんて夢のまた夢です」
「すみません・・・」
サリーはリーの無表情ながら威圧感のある声に震えながら謝ると、リーは溜め息を吐く。
「全く・・・良いですか?貴方は指揮官としての能力は他の研修生よりも上です。しかし、いつまでもその様な態度ではこの先苦労しますし、何より指揮官として戦場に立てるのかと回りから考えられかねません。その寝坊癖を直す様に心掛けなさい。分かりましたね?」
「はい・・・」
リーの説教にサリーは落ち込みながら退出すると、サリーの肩を叩かれる感触を感じ、振り替えるとそこにはWA2000がいた。
「ワーちゃん・・・」
「ワーちゃん言うな。辛気臭い顔をしてるわね。今度も遅刻してお小言を貰ったの?」
「うん・・・私、なんでこんなに寝坊助なんだろ・・・」
思いっきり落ち込んでいるサリーにWA2000は溜め息をつく。
「あのね・・・普通に目覚ましをセットすれば起きれるでしょ?遅くまで起きてなければの話だけど」
「目覚ましが止まってるんだもん・・・何でかな?」
「聞かれても困るわ・・・全く、いい加減に落ち込むのは止めなさい。ほら、次は模擬戦の講義よ。準備しに行くわよ」
「はーい・・・」
サリーはまだ落ち込みつつも、WA2000に促されながら模擬戦場に向かった。