「ウェルス聞いてくれ」
「何だ」
「私に恋人が出来たんだ。これでもっと小人を導く勇気をもらえる。」
今二人は国を勃興しようとしていた。
旅を続け、見聞を広め、世界中に散っている小人と、魔術を扱えるもの、巨人、神々の追放者。様々なもの達がそこを目指し集落を形成していた。
その土地は、長い間放置され荒れ果てていたがそれでも嘗ての名残を残し城があったところには巨木がたっていた。そこは『分け隔てなき王』名も無き小人が暮らしていた場所。
ウェルスにとっての懐かしき都。
数々の種族が手を取り合うのをマヌスは望んだ。それ故のこの土地、神話が未だ削られる前のこの土地に国を築こうとした。
「それは、良かった。マヌス、私は旅を続けようと思う。」
「なぜだ!共にこの地を豊かにしていかないのか?」
「私は全ての小人を見る事が使命だと気付いた。それに、友が先に死ぬのは見たくない。」
後にその地はウーラシールと呼ばれる。
神々はマヌスの死後、その才覚を恐れ、祭壇とは名ばかりの封印の社を施す地。それによって封印が弱かったマヌスは力に飲み込まれる事となる。
全てはウェルスは知らぬ事であった。
《アルヌス~議事堂》ウェルス
今私は着物を着るために試着室に入っている。
『すーつ』なる服を用立てて来てくれたのは、非常に嬉しく思っているのだが、このように足の長さや体格でそこまできめ細かく決めるものなのだな。
この『とれんちこーと』なる着物は少々重いが、良い素材で有ることは間違いないだろう。
しかし、防寒着まで用意するとなるとゲートの向こうは冬であるのか。
いくら冬と言っても、イルシールやロイエスの様ではないことを祈るばかりだな。
さて、確か待ち合わせはここだった筈なのだが。
おお、来た来た。伊丹殿が物凄く暑そうに歩いてきている。
「待っていたぞ、それにしても暑そうだな。」
「いやいや、暑くないわけないじゃないの。今こっちは夏とは言わないけど、それでも気候が暑いんだから。なのに、あんたはなんでケロッとしてるんだ。」
「私は新陳代謝というものが無いからな。
暑さも寒さも、あまり感じない。まあ、不便な事もあるが。お嬢さん方も、綺麗に着飾って来ているかね?」
見るからに普段と変わらない姿をしている少女達、防寒着を着ているだけで、その他はそれぞれ着やすいものを着れば良いな。
それからあの『車』という乗り物で移動し手来たのだが。そこで見た景色はさながら、牢獄のような狭い世界が広がっていた。
横にいた皇女が言えば摩天楼とでも言うのだろうが、正直私としては、何もかもを詰め込みすぎた箱のような息苦しさを感じる。
それから駒門とか言う、この国の警備機構の人間が指揮する車に乗り、方々回ってこの国の議事堂へと到着した。
どうやら時間が少々押しているらしく、すぐさま内部へと案内された。(皇女達は別室で待機)
中に入ると、まず最初に拍手が我々を襲った。
そして、議場に立つと質問の雨が我々を襲った。
質問はかなりの時間行われ、自衛隊の現地での行動、竜の被害者に対する不適切な事を行っているか?
等の質問を行った。
多くの批判を浴びせる者達を、ロウリィが言葉で説き伏せる。確かに竜は力の象徴。我等の時代でも、龍狩りは騎士の名誉であった。それを否定されるのは、私でも頭にと来るものはある。
だから、彼女の言葉の後に政府側が提出したものの後にも関わらずそれでも諦めぬ奴等に、言ってやった。
「貴様等は、まるで犬ネズミのようだな。」と。
初めは『?』と言った顔をしたのだが、私が分かりやすく「わかるように言ってやろう。貴様等は溝鼠以下だ」
そういうと、奴等は激怒した。言葉遣いがなっていないだとか、歳上に失礼だだとか。
正直に言えば、私よりも歳が上の存在は今のところ会ったことは無い。いたとしても、始まりの火の王達位のものだ。
冷静さを取り戻した議場に、年齢を訪ねるもの達が現れた。テュカ達の年齢を聞き安堵と驚きを見せていたが、私の番となった。
「私の年齢はそうだな、現在80万と1319年生きたか。」
議場は嘘のようなものを見た、そんな感じに凍りついた。失笑とは言えない。なんせ先程、ロウリィという前例がある。だから、もしや本当ではないか、と疑うのだ。
80万年、人類が多くの親類と殺しあいをしていたそんな時代、それくらいの昔から生きているそんな奴が目の前で堂々と言い放った。それはもう、見事なまで。世界中に広がった。
そして、こう思う奴がいる。『特地に不老不死の薬が有るんじゃないか?』と。
《議事堂》レレイ
あの騎士が、意味が解らない事を言い出した。
それほど長く生きる生物は存在しないのではないか?
確かに龍は、長く生きるが、彼は龍じゃなく自らを小人と言っているし、私と同じ寿命の筈。
しかし、あの本の事もある。
世界の何処の言語とも違う、そんな文字を読むことができる唯一の存在。
テュカの言うエルフの古い伝承の中の言葉を、一字一句意味を違わず言い表す事ができる。
まさかと、そう思ってしまう。そんな彼は、ファルマート大陸の過去の出来事に矢鱈と詳しく、逆にここ200年の事はほとんど知らない。
あまりにも歪な歴史を語っていたのを思い出す。
もしかするとテュカの言っていた、不死人とは彼の事をもしくは彼の近しい人物の事を指すのかもしれない。
と言うことは、あの本に対する忠告は本当に意味のあるものではないだろうか?
過去に恐ろしい出来事が会ったのだとしたら、私はそんな忠告を無視して、とてつもない事をやらかそうとしたのでは?
なんにせよ、この議事堂の中では一番冷静でいられるのは私。
そして、議員の一人が彼に質問していた。
私の最も気になる疑問、
「貴方は一体何者なのですか?」
彼は答えた。
「真の意味での不死人。始まりの火に惹かれし幾匹かの生き物のうちの一人だ。」
始まりの火、彼が言っていた歴史の始まりだった。
《特地・グラス半島ピド村》
マーメイドが泳ぎ、男達も共に魚をとって生計をたてている。そんなマーメイドの一族の村、そんな村にある時漂流者?漂流物?が流れ着いた。
バケツヘルメットに極々普通の甲冑を見に纏い、どうやって打ち上げられたのか解らないそんなものがそこには、いた。
マーメイド達は、人間かと一瞬思ったが、もう事切れている様子。
次の瞬間、それは起き上がり『うおー!』と叫びだした。
何事かと、辺りを男達が取り囲むもそれを無視してとてつもない胆力で、男達を引き剥がし、太陽が一番良く見えるところに立ってそれは、行動をした。大きな声を出して。
\Y/<太陽万歳!!
それは可笑しいものであったが、それでもとても神聖なものにも見えた。
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最後の人はダクソ知ってる人なら誰でも知ってそうな、あの方です。