私は護る小人を   作:丸亀導師

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飛龍の大きさは最低でも“ヘルカイト”サイズ


第15話 狩り

雷雲が空を覆う中、飛龍たちが激突する。片や鱗に王家の紋章を刻みしものたち、片や無垢のものたち。

空中で激突する。

 

それを急襲するかのように横合いから、王家のものたちを捉えようと巨大な古龍たちが現れる。

それを、更に下から多くの巨大な矢が、雷を纏った矢が降り注ぐ。

 

それらを掻い潜り上空で数瞬古龍は滞空する。

古龍たちは飛龍ほど本能に縛られない、何処からの攻撃か判断した瞬間散開し急降下を始める。

口にブレスを、溜めつつ自らの残された命を使い、仲間を殺し、傀儡とした憎き神グウィンと刺し違えるため。自分達を裏切ったシースに復讐するために。

 

その時だ、戦闘の一体に一際大きな矢が胴体を貫く。

溜め込まれたエネルギーが暴発し、周囲に巨大な火球(半径300mくらい)として広がる。

爆風が吹き荒れ雲が晴れると同時に、火球から出た古龍たちは目にする。

 

眼前まで迫った龍狩りの矢を。

それでも止まらぬものたち、自らを犠牲にし後続に道を託して死んでいく、朽ちぬ古龍は力を喪いもはやただの獣と同様。

 

しかし、それでも100いた内の40は地上に舞い降りた。それは60mは優に有ろうかという巨体。

それが銀騎士達の前に立ちはだかる。

腕の一振りで、騎士達はバラバラに飛ばされ、地面に叩き付けられる。

 

だが、やられているだけではない。巨人が幾人も現れ複数で取り囲む。その横合いから騎士が数で圧倒していく。手に掲げるは雷の杭、鱗を穿ち身に打ち付ける。

岩のようなものが、龍の頭を潰す。

 

身の焼ける音、龍の絶叫。それでも、空に未だ滞空していたものが、グウィンに上から襲いかかる。

横から矢に貫かれ脱落するも、それでもまだいる。

 

龍の前に一人、黄金の鎧が立ちはだかり雷を纏った槍を持って龍を穿ち一つ一つ命を刈り取っていく。

この戦場にアルトリウスと、キアランの姿はない。

 

彼等がいる場は、龍の苗床。

ここの主は大樹の龍。灰の時代から生きる古き古龍。

その巨体が悲鳴をあげている。幾本もあった腕はその悉くが切り採られ、再生をしようとする場所は腐り始めている。

 

もはや死に体の古龍。そこにいるは二人、とても息のあった動きで古龍を翻弄し息の根を止めていく。

そして、アルトリウスの一撃が龍の顎を破壊し、キアランの毒が更に蝕んでいく。

遂には動きを止め、死んだと思われた。

最後の力を振り絞り、全盛の時代の力を最後にグウィンへ向け放った。アルトリウスはそれに間に合わなかった。

 

グウィンへと一本の熱光線が迫る。そこにグウィンの遥か後方から同じような暗い熱光線が激突し、上空へと反らされる。

 

グウィンには確信があった、自らが手出しをしなくともやつが動くと。龍がこちらを狙えば、後ろにある小人の村は滅ぶ。ウェルスの情報は、オーンスタインから得ていた。ウェルスは村を守るために来た。必ず動く。それでも動かなければ村がなくなる。

 

ウェルスが動かなくてもグウィンが動けば良い、そうすれば益々信仰が深くなる。

 

ただ、今グウィンは背に冷や汗を流している。ウェルスが、こちらに敵意をむき出しにしている事がわかっているからだ。

 

 

 

~前話ウェルスとの会話同時刻~

《アルヌス》栗林

 

ヤバいなぁ~凄くヤバい、このままだと隊長社会的に死ぬかもなぁ。最近あのテュカって子が、ますます隊長に依存してきてるから、訓練すら上司から止められてるみたいだし。

 

かと言って、無理やりやると壊れるかもしれないとなると、どうすれば良いのか。

ロウリィに聞いても、強行手段しか言わないし。黒川に相談しても難しいと言われた。

 

そこであの騎士に聞いた、そしたら出来ないことはない。その分、記憶も、想いでも、その人物の事も完全に忘れると、言われて絶句した。やはりとんでもない人物ではあるのだろう。狙って記憶を消せるとか、最早現代の科学超えてない?

隊長には最終手段として伝えないでおこうと思う。

 

だけど、誰かが方法を知っているとは言っていた。長年合っていないから場所はわからないと言っていたが、希望はあるのだろうなぁ。

 

にしても、初対面の時も思ったんだけど、あの人とどっかで合ったこと無い筈なのに、懐かしく感じたんだよなぁ。今ですら、懐かしく感じるし、似た人と合ったことあるのかな。

 

 

~また数日後夜間~

《アルヌス》ウェルス

暗い魂を見に宿した、ソウルが近付いている。

だが、少し…。土?いや岩か。ハベル、かの神の加護が弱くも宿っているか。

 

会うのは楽しみだな。

どれ向かうとするか。

「お~い、ちょっと来てくれ。」

 

「へい、隊長何でしょう。」

 

「ちょっと外出してくる。机にあるのはだいたい終わらせて置いたから、後は任せるよ。」

 

「え?あ、はい。いつ終わらせたんですか?」

 

「秘密。」

 

全く転写の魔術様々だ。インクもそのままに、まるごとやってくれるからな。本当に生活用の魔術は便利だよ、マヌス。

 

~歩くこと十数分~

ソウルを見るにここに来るな、ちょうど良い数日ぶりに飯でも食うか。

伊丹とロウリィ、黒川、後誰だったか。まあ良いいるようだしな。ちょっと混ぜてもらおうか?

 

「なんだ伊丹の、愚痴を聞いているのかな?」

 

黒川は、驚いたようだ。もう一人はああ、冨田か。

 

「おお、あんたか。あんたも聞いてくれないか。」

 

「それなら栗林君から聞いてるよ。テュカの件だろ?」

 

席に着いていた4人の手が止まった。

 

「ねぇ、貴方いつから栗林さんとそんな中になったの?」

 

「何をいってるだ?何も疚しいことはないが?」

 

早く会いたいものだな、暗い魂の持ち主に。

 

 

 

~同時刻~

《アメリカ》FBI捜査官

 

これで何件目だ?かれこれ500件以上は行ってるんじゃないかこんな、変死体。

 

彼の目の前に有るのは一つの死体。体を何か巨大なハンマーか何かで潰されたような、そんな死体。

 

「先月から数えてこれで729件です。」

 

「ボリスか?」

 

後ろからもう一人ボリスという捜査官が現れた。

 

「データベースから抜き出したんですけど、これに似た事件は64年頃から確認されてます。しかも、全ての事件がFBIの未解決事件記録になってます。大変だったすよ。探すまで、6日かけましたから。」

 

「そりゃご苦労様。そんな昔からいるんじゃ同一犯じゃ無さそうだな。」

 

データを見ながら

 

「なんだこら、最初の年は12人、五年後には40人に増えている?胸を抉られたり、刃物で刺されたり、矢で射られたり類似点が無さそうに見えて、確かに存在する。赤い石。これが唯一の手掛かりか。」

 

赤い石、これが何を表しているかわからないが、このままだと、この国を揺るがしかねない。何としてでも突き止めなければ。

 

「それと、CIAからの情報なんだがJAPANで、同じように工作員が殺されたそうですよ?」

 

だとすると、この国だけの問題でもなくなるな。FBIだけじゃ無理だな。最悪インターポールの力も借りなきゃならないかもな。

 

「上はこの事は知ってるのか?」

 

「いつも通り、知っててまだ知らぬを突き通すつもりです。」

 

大事になったら、そのときは手遅れだぞ?

最悪、俺の首をかける必要があるな。

 

地球上での狩りが本格的に広がっていく。

 

 

 

《エジプト》

ここでは、先のピラミッドの影響で再度多くの墓の調査を執り行っていた。この中でもまた一つ、部屋が見つかる。そこの空間は先のピラミッドの空間ほど広くなく、調度品も無い、周囲は灰で覆われており、より狭くなっている。

 

そして、中心に『石突きが二又に別れた長い杖』が突き立てられていた。それは炎に包まれた暖かいものだ。

 

いや、エジプトだけではない。

世界中の学者が何かに掻き立てられ、古い遺跡をピンポイントで探り世界中でそれらが発掘されていく。

そこには、剣、斧、メイス、弓、槍、様々なもの。

それぞれの文明、国の神話ごとに存在した。

 

学者らの動きを誰も気にも止めず、誰も疑問にも思わない。当然そこにあると、誰もが納得し全てが収まっていた。

 

 

そんな頃ピラミッドを探ったものたちは部屋の中から出てくることはなく。忽然と姿を消す。

確実に世界が 狂い( 元に戻り ) 始めていた。




誤字、感想、評価等よろしくお願いします。

それでは良いお年を
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