私は護る小人を   作:丸亀導師

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第19話 揺れるもの這い出すもの

あの日からまた数年の月日が流れた。

ウェルスはアノール・ロンドの中に捕らわれていた。

人間にとっては長い年月ではあるが、最初の小人や、神々にとってそれはあまりにも短いもの、従ってそれほど気にもしなかった。

 

ウェルスは、あの日グウィンがウェルスの事を『神』と紹介したのを疑問に感じ、グウィンへ問いただした。

帰って来た返答は、小人に対する偏見のため仕方ないことだと、そういうことだった。

 

実際はウェルスの存在を『神』とすることで、かつて強い小人が、この世に存在していたことを秘匿するという情報の偽造を行うという事だった。

 

ウェルスは、あの日から銀騎士達と混ざり、日々訓練をしていた。初め銀騎士達はウェルスを、訝しんでいたが年月というものの力は絶大で次第に信頼関係が生まれていた。

 

その中でもアルトリウスとの関係は、非常に良好なものとなった。

それでも、王の刃の監視を置かれいつでも殺せるようにと、されておりその事情を知るキアランは、彼を哀れんでいた。

 

そんな時、また龍狩りが行われた。

今度は小人の王たちが列席するなか、その騎士達も龍狩りに参加するのだという。

 

今の小人に龍狩りは、不可能に近い。何故ならば、彼等の力はその殆どが失われており、お世辞にも強いと言うものではなかった。ウェルスは、落胆していた。あまりにも矮小なその力に、絶望に打ちひしがれるなか、四人の若き小人が現れた。

 

彼等はダークソウルの力を使い、龍狩りを行っていた。グウィンはそれに恐れを抱いた。そして、ある疑問を抱いた。火の封が弱っているのでは?と。そして、四人を、監視するために褒美として王のソウルと、小ロンドという小人の国を納めさせた。それが、過ちだとわかった時には手遅れだった。

 

 

 

《帝都・悪所》ウェルス

 

外が騒がしい、地揺れが起こるだとかかなり騒いでいたりする。

あんなもの珍しくもない、だいたい星が落ちてくる方が余程恐ろしいのだがな。あの得体の知れない生物、今でも夢に見る。

 

さて、騒ぎが大きくなる前に外に出るとするか?建物が崩れてきて下敷きになったら、いちいち壊さなければならなくなるからな。

下に降りると、黒川や、伊丹、栗林等が勢揃いしていた。

 

「騒々しいな?地揺れが起こるのか?別に星が落ちてくる訳じゃないんだ、騒ぎすぎではないか?」

 

「おお、あんたか。地震の知識はあるんだな。皆を安心させてくれ、と言っても無理だと思うけど、それより隕石が落ちたところを見たことが有るのか?」

 

「ああ、あれは痛かった。身が焼ける思いだったよ。ついでに、奇妙な生物が出てきてな?全部殺すのに手間取った。」

 

ひきつった顔をしておる。隕石がそんなに珍しいか?

そんな事より、このごった返した人数を何とかせねばな。

 

「避難誘導は手伝える。指示を願う。」

 

その後、建物の中にいる連中を物があまり無い、広場へと誘導し、調度その頃地震が発生した。

ものが落ちてこないよう、少々【結界】を張ってやったが、なかなかどうして、上手く張れたな。

長いこと使っていなかったが、自分の腕が訛っていない事に自身を再確認できた。

 

もっとも気が付く者は殆どいない、ロウリィ位なものだろう。

彼女はこちらを見ると、ニヤリと笑った。まるで私にも人間のような心が有ることが分かり、非常に愉快だと思っているかのようだ。非常に不愉快だ。

伊丹達はどうやら、皇帝のもとへ向かうようだ。

 

 

《皇宮》伊丹

 

付いてこなくても良いと、言ったにも関わらずウェルスは付いてきた。何やら感じ取ったらしい。

そしたらロウリィもついてきて少々大所帯となっちまった。

 

宮殿に近付くに連れてウェルスの機嫌が悪くなって言ったのが、空気を感じて伝わってくる。いったい何が彼の逆鱗に触れたのか…。こいつはかなり変わり者だから普通の感覚がわからない、そんな奴だが流石にこんな場所で騒ぎは起こさないだろう。そう思っていた。

 

事の発端はゾルザルが、奴隷たちを連れてきた時の事、拉致被害者に激怒した俺たちにも否はある。散々ゾルザルをボコボコにして、その取り巻き連中を殺した。

だが、あの時の奴は俺達の度を超越()えていた。

 

奴隷の中にエルフがいた、彼はエルフに対して非常に神経を使っているのを、テュカを見て知っている俺から見てもそのときは、時間が止まったかのようになった。

 

まず、体から何か得体の知れないオーラのような暗い何かが放出され、それに触れた取り巻きの一人がミイラのようにボロボロになった。

 

それどころか、ロウリィですらその暗い力に体が震え始めていた。そして、こう言った。

「先に行け、鬱憤を晴らさねば貴様等諸とも潰してしまう。彼女の事を頼むぞ。」

 

そう言って、俺たちを先に行かせた。

その後、暗い雷が宮殿から上がり、何事もなかったかのように俺達に追い付いてきた。

わかったことがある、こいつにエルフの事を話すときは確りと考えて話すこと、そしてこいつは人ではない何かだということだ。

 

 

 

《ICPO本部》IRT所属員

 

世界中で殺人が起きている。それも非常に大規模で、計画性の無い無差別な最初はテロかと疑われた。

それにより、各国の協力要請のもとIRTが組織化された。

 

それでも、世界中でのそのまるで類似性の無さそうな無差別テロは、どんな組織によるものなのかまるでわからなかった。

 

ただ、現状で手掛かりとなるものは、赤い人影、霧の壁、多種多様な鎧を纏ったものたち。

一貫性の全く無いものたちだが、これだけの共通点がある。従って、何かしらの組織によるものだと確定した。問題はそれが、既存のあらゆる組織の形態の括りに括られない連中だ。

 

それを未然に防ぐことは出来ないと、思われた。犯人が現れる場所には必ずあるものも一緒に、あった。

それは、床や通路に描かれた何かしらの文字だ。しかも、光輝いているこれを世界中の警察に知らせた。

 

既に知っているものも、いるだろうがそれでも信憑性の有るものだと知らせるには、我々の言葉が一番であろう。既に警察組織にも被害が出始めている。

これが浸透するまでに、どれ程の犠牲が出るかわからないが、それでもやらないよりは良いだろう。

 

 

《???》ピラミッド調査員

 

俺たちは今、何処にいるんだろうか?

回りはひどく暗い、神殿の中心にあった盃に触れた瞬間、光に飲み込まれた。

 

その後、辺りは暗くなった。神殿の中には変わり無いがそれでも、外に出てわかったことがある。そう、暗い世界中が暗い、電話も無線も何も使えない。

 

この世界は何なのか、誰にもわからなかった。一つ、壁画が変わっていた、描かれた神はエジプト神話の闇の神

アペプを中心とした世界。いや、世界中の闇の神それが描かれている。

 

それだけじゃない、世界地図が描かれていて、各地に点々とした火の模様が描かれている。

メソポタミア、ヨーロッパ、エジプト、南アフリカ、南北中央アメリカ、中国、日本、東南アジア、インド、オーストラリア、南極、そして本来有るはずの無い大西洋、太平洋に有る二つの大陸。

特に二つの大陸の火は非常に大きく描かれていた。

 

ピラミッドの謎は以外とわかった、そう、扉だ。こっちとあっちを繋ぐゲート、我々の使命は何だろうか?ただ一つ、我々は目覚めさせた。なら眠りに着かせなければならないのかも知れない。




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