私は護る小人を   作:丸亀導師

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第38話 神話

小さき者たちが、海を越え別の大陸へと渡っていく。その大陸には、力無き神々が住まい生きていた。

ウェルスとの契約のもと、神々はエルフ達を受け入れる。

 

その時の神側の代表として、一人の戦いの神アルトリウスがいた。横には小さき神である、キアランを侍らせ更に大狼シフが並ぶ。

 

力無き神々はウェルスと対等に話すには、こうする他無かった。恩人であるものの、もはやウェルスはある種の亡者のようでもあり、いつか太陽の王の長子のようになるのではと、警戒されていた。

 

既に数千年が経過し、新たな神々が産まれることにより、ウェルスの事をよく知らないものもいる。

ただ、火の大陸と違い神々に勢いが有るのが唯一の救いだろう。もはやあの大陸は腐り始めている。

 

そんな全盛期のファルマートへ、ウェルスはエルフ達を預け、火の大陸へと戻る。それが、彼の行動原理となっていた。それから、月日は流れる。

 

幾度も火継ぎが行われ、火は弱り、深淵は封を抉じ開けて外へと流れ出ている。ファランにて、遂に不死人を中心とする組織、深淵狩りの部隊が編成された。

 

その部隊は、深淵の兆しを探り兆しある国を滅ぼし、深淵を食い止める。不吉の象徴と呼ばれる部隊。彼等がウォルニールの国を滅ぼそうとしていたとき

彼等は、そんな時にウェルスと出会った。

 

最初、彼等はウェルスを殺そうとした。偽りのシフと共にウェルスを殺そうとした。だが、彼等程度ではウェルスを殺すことは愚か、傷を着けることすら至難の技だ。

 

それでも食らいつこうとするその姿は、正しく狼である。だが、この中でも一際剣技が冴えていた者が初めてウェルスに、剣を抜かせた。

 

ホークウッド、その男は理想を掲げずただ現実をのみ直視する者。

それゆえに、彼は絶望するだろう、自分達の真実を知ったときに。

 

その後、見事ウェルスは不死隊から逃げ延び、エルフを探す旅を続けていた。道中不死隊は、生け贄となり火を継いだ。長い長い旅の末、多くのエルフをファルマートへと送った。そんな旅のなかある国で足を休ませた、未だ英華に染まっていた罪の都へと立ち寄るのであった。

 

 

《深層・最初の火の炉》

一夜を宿で過ごし鋭気を養った一行は、直ぐ様ボーレタリア遺跡から出発した。

そして、大城門から出て直ぐに有ることが起こった。

 

後ろに有った筈のボーレタリアは消滅し、有るのは風化した瓦礫だけ、何が有ったのかすら判別できない、それほど迄の見事なものだった。

 

時空が歪む、正しくその通りもしかしたらあのままあそこにいたらと思うと、一同背筋が氷るおもいである。

更に前へと進むと、辺り一面が真っ暗となり灯りをともさなければ何も見えない。星の光すらない。

 

だが、しっかりと声だけは聞こえる。暫く歩いていると、辺りがうっすらと明るくなっていく、足元に灰が満ちていく。

そして、目に入った光景は何とも奇妙なものだ。建物が上へ下へ左へ右へ、縦横無尽にへばり着き、何もかもがぐちゃぐちゃにかき混ぜられたようなそんな風景。

 

生き物の気配も、草木も何もかもが無く、有るのは風化した建物と灰だけだ。

亡者すら存在しない、完全に燃え尽きている。

そんな中に一際目立つ、円形にまっさらになった土地がある。

 

昔は恐らくは巨大な円形の建物が有ったであろうそこには、何やらポツンと淡く光輝いている。良く良く見れば、ソラールやバルドの良く使う薪の剣が突き刺さっている。

「ここが最初の火の炉か?伝説には聞いたことが有ったが、まさかこんなにもなにもない場所であったのか?俺の目指した太陽は、こんなにも何もない場所に有ったのか?」

 

目の前の光景にソラールは、かつての自分を嘆いた。伊丹達には何の事か解らないが、ふと周囲を見渡すと何やら気配がする。

それも、一人や二人ではないもっと大勢の気配が。

 

「ソラール、昔はここに大きな円柱状の建物があったんだ、それこそアノール・ロンドよりも遥かに大きいね。」

 

突如として、声が聞こえた。そして、ソラールの目の前に現れたるは、上級騎士の鎧に身を包んだ男。

それだけではない、周囲を様々な者たちが取り囲みこちらを見ている。理性のある目で。

 

「こんなところじゃなんだ、こっちに来て話をしよう。」

 

「まった!それよりも栗林の安否を確認してからだ!」

 

「彼女なら、火守女と話をしているよ。色々と質問していたようだが、女心と言うものは俺には良くわからないからな。」

騎士の男、(名前が解らないがソラールの知り合い)に連れられ淡く光輝く薪に近付いていく、そこには古そうでありながら、何処か美しい服を着ている栗林と、3メートルはありそうな女性。そして、物静かな傍らから見ても美しい女性が談笑していた。

 

 

《帝都》

 

地球がヤバイ事になっていることなど欠片も知らない、新皇帝ピニャは激務の中から逃げ出し、久々に騎士団へとやって来た。

 

訓練に明け暮れている面々を見て(時分も参加したいなぁー)と思っていると、ふとある人物がいないことに気が付いた。

 

いつも自分を助けてくれた、幼馴染であり騎士団での実質ピニャの補佐官となっていたアリスの姿が見当たらないのだ。執務室にここ数ヶ月位いたが、それでも騎士団として治安維持のため動いてくれているのかな?と思っていたのだが、

 

(あやつがそんなに顔を見せないことなど、早々有りはしなかったが、もしやアリスの身に何かあったのでわなかろうか?)

 

そう思っていると、騎士団の面々がピニャの存在に気が付いたのか、こちらに近付いてくる。

 

「殿下、お久し振りです。何か所要が有ってこちらに来られたのですか?」

 

「いや、そう言うことではない。少し羽を伸ばしにな。それよりもアリスを見ていないか?ここ数ヶ月、妾の周りに現れないのだが、誰か何か知っているものはおらぬか?」

 

互いに顔を見合われて、誰も答えられるものはいないかと思われた。

 

「…確か、アルヌスに行くとか言ってたようだけど、あの玉ねぎの叔父さんと、何か太陽のマークを着けた騎士と一緒に行ってしまった筈です。」

 

「なんと、妾に相談もなくか?そんなにも切羽詰まっていたのか?」

 

一様に首を横に降る、もしやアリスは何かに巻き込まれたか、だがもし向こうの世界の事に巻き込まれたなら、ピニャの手には追えない。

ただ、彼女の無事を祈るばかりである。

 

 

《中国》

 

戦線が膠着した。今まで順調に推し進めていた筈の戦線が、突如として動かなくなった。

前兆はなかった、便箋上深淵と呼ばれる存在が突如として、戦線を後退させていたのを止め、固体のように固まった。

 

兵器で攻撃しようが、傷1つ付かないドロドロが鉄よりも硬い鉱物へと変化し対応を協議するために、各方面軍司令官相当が終結し、人工衛星からの画像によって検討する。

 

リアルタイム画像では、深淵の中心部でとてつもないエネルギーがぶつかり合っていることが、閃光で確認できた。彼等はあの自衛隊が連れてきたウェルスと言う男の事を思い出し、『人の所業ではない』と言う感想を抱いた。

 

時間の経過と共に閃光は更に強大になり、10メガトン規模のエネルギーが炸裂していた。正しく、神々の戦いだろうか。

それでも、人として出きる最善の事を彼等は考えていた。『どうにかして、援軍を送ることは出来ないのか』と。

 

だが、彼等は知らない。何故深淵が彼等を呑み込もうとしているのか、自分達人類の本当の姿を。

ウェルスは、そのために戦っていると言うことを。

 

そして、その間にも地表は融解し、また1つクレーターが形成された。

 

 

《灰色の世界》

大荒れの日本海を突き進むは、遣唐使に使用されたガレー船。それは帆船としては大型で以外と頑丈なものだが、日本海の荒波に勝つのは並みの操船ではこんなを極めた時代。

 

日本に向かって、進む一行に遂に陸地が見え始めた。その地は、暗黒。いや深い暗闇に包まれている。

良く良く見れば解るのだが、木が余りにも生い茂り、人の住んでいるようすが、これと行って見当たらないのだ。

 

何とか到着したのは、鳥取砂丘。そこに打ち上げられた直後船は瞬く間に灰となり姿を消した。

暗闇の砂丘、遠くに見えるは何かしら祭りをしているのだろうか?火の光が見える。

 

近付くに連れてそれらがはっきりと見え、強大なソウルが一ヶ所に集まって何かをしようとしているようだ。

興味が沸いて近付くと、何やら女性が躍りを踊る練習をしていた所にばったりと出くわした。

 

そして聞いた、「何をしているのですか?」と、すると返答が有った。「岩戸を開くための取って置きの秘策をやろうと思いまして、皆で祭りの準備をしていたのです。」と。

 

何故だか、それに関わらなければと言う思いが込み上げ、協力する事になる。

そして、時は経ちそれは行われた。

 

多くの強大なソウルが一ヶ所に集まって、盛大に唄い飲み食いし、話し合う。垣根を越えた宴会とでも言えるのだろう、だがその規模はとてつもない。

 

そして、メインイベントである天岩戸を開ける為に更に盛大な催しになっていく。

そして、踊り子が踊り始めそれに興味を示したか、中の者が現れる。

 

とても大きい女性が現れた、髪は黒くカラスの濡れ羽のような艶やかさ。

それを強引に引っ張り出す、そこでスコーラー達を神々が見始めた。それは、奇異の目。何故ここに得たいの知れないものがいるのか、と言う現れか?

 

だが、スコーラーは挫けない、自分達の目的を話し始めた。




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