私は護る小人を   作:丸亀導師

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第40話 灰となり

ああ、火継ぎが行われる。ああ賢者よ、我が友よ、火継ぎを行ってはならない、その奥にあるのは暗い喰らい神々の真実よ。

 

賢者ルドレスよ、我が友よ。そこまでして、火継ぎを行うのか。

賢者ルドレスよ、それでも私は火継ぎを止める例え何が有ろうとも、このロスリックから全てを変えてみせる。

この血塗られた国から。神々の未来は当の昔に終わっているのだ。故に私は、深みを信じる。

 

火継ぎは世界を壊した、大地は生命を失い水は毒となり全てが腐敗していく。

それでも尚、愚かな小人たちは神々の戯言により火継ぎを繰り返す。

 

蛇の神は姿を隠しつつ父のその権威を振るい、世界へ復讐をするがごとく小人達を殺し続け、最後には喰われるのだろう。

 

そして、そのときはやって来た。遂に火が潰える時が来たのだ。ロスリックは火継ぎを否定し、それに賛同するものと反対するものとで内乱となり、地続きとなったイルシールの外征騎士を味方につけたロスリック王子側が優勢となる。

 

だが、そこでルドレスの遺産が発動する。古き時代のソウルの業を使い、火継ぎの王達の復活による、継ぎ火。

だが、一度焼かれた王達は肯定することはなく、自らの故郷へ旅立ち使命を全うしようとする。

 

そして、それを阻止する、或いは成就するために灰が副産物として共に甦る。

だが、想定していないものすら甦った。

最初の火継ぎ、その不死が甦る。どれ程強いソウルを持っていたとしても、燃え尽きるであろうその火を持ってして、彼のものを燃やし尽くすこと叶わず。

 

唯一の未練、ソラールとの約束を果たさんが為に、太陽を真実の太陽を再び空へと輝かせること、それのみを果たすために。きっと彼は火継ぎをすることは無いであろう。何故ならば、全てを見てきたから、そして彼の自分との殺し会が始まる。

 

それを尻目に火継ぎの終わりを眺めるものがいる、全ての元凶の一人であるウェルス。

神々にすがり付く愚かな小人を見捨て、神々を頼らない強き小人を逃がしたもの。

 

最早自分には役目は無いと言わんばかりだが、彼には1つだけ残ったものがある。

深淵の墓を守り、心を失った王を閉じ込める事である。

本来の自分が解らないままにその諸行を行う、そして自らの力を使い、不死人達を甦らせる。

最後の船団を、小人を守るためという使命を着せて灰として甦らせる。

 

迫り来るは、深淵に惑わされし亡者達、迎え撃つは正気を保った不死の軍団。それらはぶつかり合い、歴史の表から消えていった。

 

《中国》

 

戦線が再び動き出した、今まで後退していた筈の深淵の闇は再び拡散を始めた。

ボルトアクションライフルや、榴弾によりその進行を送らせることが可能となったために、その進行具合は最初期の頃よりも遥かに劣るものではあるが、それでも食い止めることは難しい。

 

いつの間にか、中心部から聞こえていた音が嘘のように無くなり、辺りを静寂が包み込んでからの攻撃は以外と予測ができた為、後退も順調に行われている。

 

だが、上層部ではそうも行かない。中心からの音と閃光が無くなっているという事実に絶望が感じられた。

あの男が負ける、そうなった場合最早止める術は残されたのは僅かな選択のみ。

 

物量で押すことが出来ない敵に、各国の首脳陣は恐怖にうち振るえている。そんな中での敵の大攻勢、戦線を構築する兵隊は果敢に応戦しているのだが、世界はパニックに陥る。

 

もしかするとこのまま人類は負けてしまうのかもしれない、そんな不安が世界を覆っているとき、再びある情報が入る。

世界中で人を殺そうとしていた赤い人影が、前線にも突如として出現し、深淵の味方をしていると。

この情報が入ると、各国は更に緊張を高める。

 

だが、実際は違う。確かに赤い人影が敵だというのは正解だが、白い人影と黄金の人影がそれに相対し赤い人影を人数で押しているという点だ。

更には、火のように燃え盛る化け物達が現れ、それらも深淵と戦っている。それと、燃える人形が深淵を取り囲むように、凄まじい熱量を放ちながら前進しているとも。

いったいそれらが何なのか、首脳達は再び頭を抱えることになる。

 

そしてその大地を宇宙から眺めることが出来るのなら、さぞや美しく見えるだろう。まるで、日食のように闇を包む炎のような灯り。

しかし、日食とは違い中心で一際大きく輝く炎が上がる。

 

《中心部》

 

周囲が闇に覆われているなか、突如として霧が発生し伊丹やソラール等13名がそこに現れた。

 

周囲に同僚がいればきっと驚いたことだろう、伊丹達が姿を消してから早4ヶ月、伊丹の体感では4日しか経っていない。

時間のずれが生じている、そうしたなかでの帰還となれば、いったい何が起こっているのか把握することも儘ならないだろう。

 

だが、そこにあるのは何かにもたれるように座る、左腕を失ったウェルスと、それを正面から見下ろす一人の老人?そして、その間に割り込むように佇む、火継ぎの騎士。

 

「ウェルス、随分とやられたな。昔のあんたなら、こいつと戦ってこうはならなかったんじゃないか?」

 

「いや、ただ単に相性が悪いだけさ。お前も良くやっていたことだろう?」

 

それを聞くと同時に、騎士は動き出し炎の牢獄を作り出して、老人を封じた。

 

「さて、諸君等をここに呼んだのは他でもない、君らが手にしている首飾りのウェルスへの譲渡と、あの世界の封鎖を行って欲しいからだ。」

 

と言うと、テュカの方へと向き直り首飾りを指差した。

 

「俺はこれを触ることが出来ないからな。もし触れば、封印されてしまう。だから、彼に渡すんだ。」

 

テュカは恐る恐るであるがウェルスへと近付き、首飾りを渡そうとする。

 

「すまないが、手甲を外してくれまいか?片腕だけでは無理なのでな。幸いなことに、指はまだ五本あるそれを扱うには充分だ。それにしても、君は本当に彼女に良く似ている。私に懐いていた、あの子に。」

 

「あの子?ちょっと待ってください。それってもしかして私のご先祖様、なのかもしれません。」

 

「そうだったら嬉しいな。さて、やるとしようか。」

 

彼は立ち上がり、残った腕に剣を握る。その剣は折れ最早刃物として使うにはあまりにも弱々しいものだろう。だが、その剣は力を宿す。4つの指輪は、在りし日の彼の姿を取り戻す。

 

腕は元へと戻り、朽ちかけた鎧は真新しいものとなり、彼の瞳から濁りは消え失せる。そればかりか、纏う力ダークソウルが綺麗さっぱり消えている。

もはや何者でもない、最初の火を見いだした四匹いや、四人の内の一人へと回帰する。

刀身に宿るは白い炎。左腕に掲げるは白い雷。

 

騎士が封じている中へと進む、その入り口はいつの間にか白い霧が覆っており、そこは力無き者は何人たりとも

通すことの無い、結界。

 

「さあ、第2ラウンドの幕開けだ。」

 

そう言って中へと消える。自分の罪と子供達の未来の為に。

 

 

《???》

 

何処とも知らない場所に飛ばされたスコーラー一行は、この世界の断りにほとほとあきれていた。

先程まで共にいた人間達はいったい何処へと行ったのかと、少し頭を傾ける。

 

『初めまして、お待ちしておりました。貴方達が、終わりを告げるもの、でよろしいのでしょうか?』

 

声が聞こえるが全くと言って良いほど、姿が見えない。いったい誰が、話しかけているのか。

一行は尋ねた、あなたは誰なのかと。

 

『私は最後の神、この世界を終わらせることを使命に今まで生きてきた神です。』

 

始皇帝は、神頼みが大嫌いなようで息吹かしんでいるが、宇右衛門はそういう神もいるのかと納得し、後の二人はそんな事どうでも良いから、話を進めろと言う。

 

『私も、このような事は別にどうでよもかったのですが、長い間話をしていなかったので、少しだけ話をしてみたかったのです。それで、貴方方はこの世界を終わらせたいですか?』

 

それに対してスコーラーは言った、少し待ってくれと、この世界に有るものを入れたいそうすればいつでも消滅させてくれて構わないと。

 

女神は嬉しそうにニコニコと、笑い言った。

 

『では、その少しの間暇なのでゲームをしましょう。』と手元に将棋盤が現れる。ただし、異様に目の数が多い。

なんぞやと、問いかければ大局将棋と言われる。どうやらこれで遊びたいらしい。四人の背中には嫌な汗が流れた。

 

 

 




誤字、感想、評価等よろしくお願いします。

後数話で完結します。次話は、苦手な戦闘シーンでも入れようかと、まあつまらないものですがよろしくお願いします。
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