私は護る小人を   作:丸亀導師

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感想、ありがとうございます。


第5話 護るべき者

アノール・ロンド

神々が作りし、神々が住まいし都。

そこにそびえ立つ城の玉座に、一人の壮年の男(グウィン)と、そこに跪く黄金の鎧に身を包む男(オーンスタイン)がいた。

 

「オーンスタインよ、ご苦労であった。あの男は小人の都からかなりの期間離れていたな。我々の準備は整い、儀式は執り行われ、小人に封を施すことに成功した。

奴が気付いた頃には、小人の新たなる者達は力を持つことはないだろう。」

 

「しかし王よ、私にはそこまでして、小人達を恐れる理由がわかりません。」

 

グウィンは苦い顔をしながら言い放った。

 

「お主にはわからぬよ、神の将来を重んじる私の苦労など。」

 

《同時刻》

 

城の中では貴賓溢れる場所があった。

そこには人よりも大きな女性がおり(それでも2m70㎝くらい)椅子に座りカップを持っていた、その前には同じく椅子に座った。一人の男の小人が素顔を下して談笑していた。

二人の知らぬ間に、小人達が力を封じられていたことを。小人の都が荒廃し始めていたことを。

 

 

―――――

 

 

《アルヌスの丘》ウェルス

 

あれから数日が経過した。難民となった者たちには、簡易的と言える住宅が設置されるものとなったが、設置されるまでは、テントでの生活を余儀なくされている。

仕方の無いことだろう、しかしそれでも入浴施設が整っている所を見ると、この民族は余程湯が好きと見える。

 

キャンプから少し離れた所では、この『自衛隊』と言う組織が軍事訓練に明け暮れている。

その動きは非常に独特で、今まで私が見てきた軍隊とはまるで違う。非常に統制の取れた動きをしていた。

 

一部に至っては、古龍大戦時の我々以上に動きに乱れが無いようだった。

それでも、個人個人の戦闘能力はそれほど高くはなく、封をされし小人と何ら変わりはない。

 

それを補うかのように、様々な武器を持ち作り、創意工夫をしている辺り、神々にすがり付いたバカ子息王達とは全く違った者であるな。私も訓練に混ざろうかな?

 

おお、巨大な塊が動いている。何で出来ているのかわからないが、あれもソウルを感じない。

ゴーレムの類いでもないのか。

虫のような物体が空を飛んでいる。あれもソウルを感じない。

凄いな、あれが技術による発展、ソウルを用いない文明の力か。

 

私には良くわからないが、きっと多くの戦争と殺戮の歴史が彼らの世界にもあったのだろう。

こうして我等の世界に介入する余裕がある所を見ると、向こうでは今は戦争をしていないのだろうが。

 

『ここにいましたか。』

 

この声は‥。

 

 

《アルヌス》田崎 抄希

 

まったくあの人何処行っちゃったの?

本当に自由奔放なんだから。教授たちからは、『早く探してきてくれ研究が進まない』なんて言われるから、探してるだけだけど、本当に何なの。

 

あっ自己紹介遅れました。

私は田崎 抄希(たざき さき)ここ特地の言語解読における調査チームの大学院生。言うなれば駒使い。

ここアルヌスでのみ活動を許されている、一応の言語解読の最前線。

 

現在、挨拶や動植物の名前とか色々な名称を集めているものの、それほど解読は進んでなかったわけ。

そんなところに、レレイという少女とウェルスという男が現れて、私たちの仕事は一気に加速しちゃったわけ。

 

《奇跡》とか言うもので私たちの言語と彼らの言語を壁なく、意志疎通することが出来るんだから解読が早い早い。それだけじゃない、文字に関してはレレイさんの手解きで、それはもう全部網羅できた。

 

そこで、私たちの仕事は終了!とはならなかったわけ、自衛隊の人たちにイントネーションとか、色々教えなくちゃならなくなるから。

そんな中、レレイちゃんはまたいなくなっちゃうから、しょうがなく、あの表情に乏しい騎士様といなくちゃならない。

 

あの騎士だって、最初はテュカちゃんから離れたがらなかったけど、テュカちゃんに直接イヤだなんて言われたから渋々、私達に従ったみたいだけど。

まさか、今になっていなくなるなんて。

 

遠くには行って無いと思うんだけど、あの魔法みたいな力(レレイちゃん曰く私たちの扱う物とはまるで違う)

らしいけど、そんなので逃げられた日には、自衛隊に協力してもらうしか無いじゃない。

 

キャンプで見たっていう人の情報で、自衛隊の演習を見れる場所が有るって聞いて、軍人ならそれを見たいんじゃと、思って来てみたら見事的中!

 

『ここにいましたか。もう、いったい何をしていたんですか?』

 

「うん?ああ、貴公か。なに、貴公の国の軍隊を見ていただけだよ。じつに良く命令が行き届いていると思ってね。質はじつに良い、だがあれらの装備では古龍は殺せぬが…。」

 

この人は妄想癖があるのか?この特地にはこの人が語るような場所、住民たちも知らなかったり、伝承でも無いって言ってるから。

 

「またその話ですか?いい加減そんな戯言より、この世界の事をもっと話してください。」

 

「戯言か、貴公等にはそうなのだな。」

 

なに、そんなに構えているんだか。

 

「行きますよ。教授も皆待ってるんですから。」

 

「そんなにしてまで、私のタワゴトヲ聞きたいのか?」

 

「ええ、特地の歴史資料として一応の価値を持っていますから。特に神話として、記録しておいてほしい、と特地歴史学会(いつ造られた)がこっちに圧力をかけて来てますので。」

 

「貴公等も難儀しているのだな…。仕方ない、戻るとしよう。」

 

そう来なくっちゃ。

 

 

《第三偵察隊》レレイ

 

かなり難解、この本は帝国内のどの部族もが使用しない言語によって作られている。

ただ、偽物とは言えない。まず、使用されている文字に規則性があり、そのなかで最も使用頻度が高い文字に置き換えて何とか一部の解読に成功した。

表紙のみだけど。

 

『魔術体型 著ウーラシールのマヌス』

 

おそらくはそのままの意味。ただ、私達が日頃研究しているものとはかなり、かけ離れた物だろうと推測できる。

第一に図で表されている物は私達が使用するあらゆる魔法とは違い、何か得たいの知れない物を触媒にして効果を発揮するのではと考えられる。

 

そして、度々出現する単語?名称?『ソウル』という物、これがこの記された魔法すべてに、書かれていた。ということは、この『ソウル』と言うものが全ての触媒の可能性があるが、そもそもの話をしこの『ソウル』と言うものがわからない。

 

『おい、レレイどうしたんだ。その本を読みふけって。』

 

この声は、伊丹?

 

「何?今取り込み中、研究を続けたい。」

 

「いや、取り込み中の所悪いんだけど、通訳を頼みたいんだ。頼むこの通りだ。」

 

両手をあわせて頼まれたなら仕方がない、断る理由もない、何より今後の生活費がかかっているからやるしかない。

ただ、本のことで最大の疑問があった。あの騎士、あの騎士がこの本を見たとき『ウーラシールか。』と言ったのを覚えている。もしかすると、この本の文字を読むことが出来るのかも知れない。

 

 




誤字、評価、感想等よろしくお願いします。

今後、オリジナルの奇跡、魔術、呪術等が有りましたら設定の方に記載しておきます。
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