凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー   作:ルチルネリネ

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鉄血から電文を受けた赤城は黙り込んでいた。

赤城「そんな……でも、間違いないわ。これは、そういう意味なのね」

何度も読み返し、意味を確認する。そして読み返す毎に赤城は厳しい顔つきになっていった。

赤城「……加賀、二航戦と五航戦、長門様と陸奥様、あと三笠様も呼んで貰えるかしら?場所は本殿横会議室。今すぐに」

加賀は赤城の重々しい口調に怯えながらも駆けていった。

赤城「許さない……ロイヤル!」

赤城は電文の書かれた紙をくしゃくしゃに握りしめて言った。


重桜南方海域攻防戦
重桜緊急会議


 

――重桜本部:本殿横会議室――

 

 

 重桜内の聖域が一つ、本殿の横に設けられている会議室に複数の艦船(KAN-SEN)が集まっていた。

 

 そのメンバーは赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、長門、陸奥、そして三笠だ。

 

 誰一人として口を開かないがその顔つきは真剣そのもので、集められた理由を今か今かと待っている状態。

 

「今朝方、鉄血より電信がありました。内容はロイヤルの航空母艦を含む艦隊と戦闘、敗走し援軍として重桜の航空母艦の派遣と航空母艦建造技術を要求してきました」

 

「航空母艦建造技術を要求って鉄血には優秀な空軍が居るはずですが?それがあるから航空母艦は必要ないとかで一隻にとどまっていたはずですが……どちらにせよ無茶苦茶な内容には変わりはありませんね」

 

 赤城の言葉に蒼龍が切り返す。確かに同盟国とは言えいきなり最高機密を渡せと言っていることには変わりないこの要求は無礼だ。

 

「しかし、何故このような場を設けたのでしょうか?普通にお断りするか、ぼくらが援軍として行く報告を後ですればいいだけなのに……まさか」

 

「そのまさかですわ飛龍。私達重桜はこの条件を飲み、航空母艦の援軍として私達一航戦と航空母艦建造技術を提供します」

 

 飛龍の言葉に対して放たれた赤城の言葉にみんなが驚いた。

 

「正気ですか赤城先輩!?なんで技術提供をするんですか!」

 

「そうです!それに赤城先輩達が自らいかなくても私達五航戦が出撃します!」

 

「口を慎め五航戦!姉様の判断を聞かずに口を開くな!」

 

 翔鶴、瑞鶴と異議を申し立てるが、それを加賀が怒鳴って制する。

 

「……正気か?お主たちは連合艦隊の旗艦。それを承知で言っておるのか赤城?」

 

「納得できる理由と言うものを聞かせていただきます赤城さん」

 

 長門の表情が硬くなり、蒼龍が眼鏡をくいっと上げて問いかける。

 

「この要求には二つの対価が交換条件となっているわ。一つはビスマルク級二番艦、最新鋭戦艦ティル・ピッツの派遣。……もう一つが先の大戦で味方殺しを行ったハボクック氷山空母の情報提供よ」

 

 赤城の最後の言葉に加賀、長門、三笠が反応する。

 

「姉様、何故今になって過去の亡霊の話を?」

 

「なんも脈略がないとは思ったが、まさかそういうことだったのか……」

 

「えっと、三笠様?ハボクック氷山空母?って何方でしょうか?味方殺しって陸奥怖いです……」

 

「赤城、まさかお前が出向く理由はそれが関係しているのか?」

 

 長門の問いに対して赤城が「はい」と答えて続ける。

 

「先の大戦で活躍し鉄血の艦隊を殲滅した航空母艦。三笠様は何度か会われていらっしゃると思われますが……」

 

「もちろんだ、彼女には何度も助けられた。だが、彼女は協定の対象として真っ先に■■■■が決まっていたはずだが……そうか、ロイヤルは最初から協定を守る気が無かった訳だな」

 

「馬鹿な!ならば何のために我々が航空母艦になったと思っている!?それに天城さん、私達の妹達の犠牲は何だったというのだ!」

 

 加賀が戦局版を強く叩きつける。彼女の怒りは当然、条約を破ったロイヤルへと向けられていた。

 

「ええ、これは決して許されることではありません。なので私達一航戦が赴き、ロイヤルに手を下さなければならないのです」

 

 赤城の表情はいつにもまして険しく、揺るがない表情だった。

 

「……長門。そろそろ我らも隠すのを止めないか?」

 

「三笠様……もしかして、あの方々のことを申されているのでしょうか?」

 

「そうだ、切り出すなら今しかない。そうしなければ赤城がここを離れる事態になる」

 

「……分かりました。陸奥よ、皆に玩具をお披露目して欲しいから連れてきてもらえるか?」

 

「え?長門姉?良いの?じゃあ、急いで連れてくる!」

 

 長門に指示されて陸奥が部屋を退出する。

 

「長門様?いくら神子と言えど全く関係のない話をしないで頂けますか?」

 

「まあ、待て赤城。お主の意見も最もだが玩具を見てからでも構わないだろう?」

 

「三笠様、今はそれどころの話ではありません。一刻も早くロイヤルへと行ってハボクック氷山空母を潰さなければ気がどうにかなってしまいそうです。止めるのであれば貴方を倒して行ってしまいそうなほどに……!」

 

「ちょっと!加賀先輩!それはいけません!冗談ですよね!そうですよね!?」

 

「ただいま!長門姉!連れてきたよ!」

 

 赤城加賀と長門三笠が対立している中、出ていった陸奥が帰ってきた。

 

「これを見たら気が変わるじゃろう。陸奥よ、入るが良い」

 

 陸奥が「はーい」と言って扉を開ける。

 

 そのあと、誰しもが言葉を失うのであった。




はい、と言うことで重桜の方に鉄血から電文が届いてそれに対する重桜の対応を今回は書かせていただきました!
もう察しのよい皆さんは分かっているとは思いますが、ついに!あの方々がご登場です!
次回を楽しみにしていてください!
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