凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー   作:ルチルネリネ

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???「にしし!ここが私の母港となるですね!」

そう言うと彼女は建物の中に入り下駄箱を眺める。

???「……にしし!悪いことを考えちゃったです!」

そう言って下駄箱に入っている靴を取り出して逆さまにして戻す。

???「いっぱいあるからやりがいがあるですね!今度は左右逆にしてみるです!」

彼女は下駄箱を一通り悪戯し終わると今度は廊下、空き教室へと悪戯を拡大していった……。


ユニオンの日常

 

――ユニオン本部:母港学園――

 

 

 エンタープライズは廊下の壁の下を見ていた。

 

 別に彼女にそんな奇怪な趣味はないが、そうせざるを得ない状態が目の前で起きていたからだ。

 

「……なぜ、このポスターは膝の高さに貼られているんだ?」

 

 そう、いつもは彼女の胸の高さぐらいに貼られているポスターが今日は地面に近い膝の高さに貼られている。

 

 駆逐艦の子が貼ったのだろうか?だとしたらもう少し高そうだが……それに隣のポスターは裏表逆になっているのも説明がつかない。

 

「誰かの悪戯か……しかし、いったい誰が?」

 

「――きゃあ、いやぁあ!――」

 

 駆逐艦の生徒玄関で悲鳴が上がる!エンタープライズが走って現場に駆け付けるとそこには複数の駆逐艦達が騒いていた。

 

「わたしの靴が逆さまになってる!このサッチャーさんに悪戯とは思ってもいなかったよ」

 

「誰だよ……わたしの靴を左右逆にしたの……面倒だからこのまま履くか」

 

「いやいや、そこはちゃんと履かないとだめですよフート。それで私の下駄箱には……あら手紙?えーとこの手紙を読んだ者は校庭を十周走らないと不幸になります?フレッチャーお姉さん、不幸の手紙は初めてもらっちゃいました」

 

「うぅ……なんで私の靴にはカエルが入っているの!?泣いちゃいそう……!」

 

「ほらほら、泣かないでスペンス。今フレッチャーお姉ちゃんが取ってあげますから……この不幸な手紙に乗せて……外に持ってきましょうね」

 

「これは悪よ!いじめっ子は誰だ?正義の裁きを下してあげるわ!」

 

「これは一体……とりあえず、敵襲ではなさそうだな。……だが、無法者か侵入者がいるようだな」

 

 駆逐艦が騒ぐ中、エンタープライズは下駄箱の端に脱ぎ捨てられたブーツを見つける。

 

 ド派手なユニオンジャックのブーツ、このような靴を履いている艦船(KAN-SEN)をエンタープライズは知らない。

 

《ジリリリリリ!》

 

 突如、火災報知機が反応して警報が鳴る!

 

 危険を感じたエンタープライズは廊下に戻り、辺りを見渡す。すると、空き教室から煙が出ているのを見つけた。

 

 エンタープライズは煙が出ている空き教室へ急いで駆けつけ中を確認する。

 

 教室の中は火事にはなっていないものの発煙筒の煙を探知したスプリンクラーが消火しようと水をばらまいて水浸しになっている。

 

 その中に一人の少女がずぶ濡れになりながら発煙筒を持って座り込んでいた。

 

「煙幕仕掛けるの失敗したです!火災報知器がうるさいのです!あとスプリンクラーの水が冷たいです!」

 

「何者だ!抵抗するならこちらも反撃させてもらう!」

 

 エンタープライズは艤装を展開して弓で不審者に狙いを定めた。

 

「ひゃっ!?びっくりなのです!その物騒な物はしまってほしいですよ!?」

 

「それは、お前の態度次第だ」

 

「分かったのです!分かったから場所移動してもいいです?スプリンクラーの水で風邪を引きそうですよ……」

 

 エンタープライズは少し考え、教室の外に出ると少女に出てくるように指示を出す。 

 

 エンタープライズから許可を得た少女は、両手を上げながら教室から出てくる。

 

「さて、説明してもらおう」

 

《――ピンポンパンポン――今日着任予定のユナイちゃんユナイちゃん。至急、司令室に来てください》

 

 エンタープライズが問いただそうとした時、放送でユナイちゃんと呼ばれる人物が呼ばれた。

 

 しかし、エンタープライズにはユナイちゃんと言う人物に聞き覚えがない。

 

 改めて尋問しようとしたら少女がこう言った。

 

「えーと、ユナイ呼ばれたみたいですけど行ってもいいです?それとも、ここで尋問を始めちゃいますです?」

 

 少女は自分がユナイだと言って司令室に行かなければならないことをエンタープライズに伝える。

 

 エンタープライズは怪しいと考えてユナイと名乗った少女に言う

 

「分かった、司令室に行っても良い。ただし、私も同行しよう。後ろから狙われていることを忘れるな?もし不審な行動をしたらその時は……」

 

「ぴゃっ!?このお姉さん美人だけど怖いです!」

 

「喋らなくて良いから歩け、呼ばれているのだろう?」

 

 エンタープライズに脅されてユナイと名乗る少女は数歩の距離を歩いて立ち止まる。

 

 疑問に思って警戒していると、少女はロボットのようにゆっくりと振り向きエンタープライズに言った。

 

「司令室ってどこです?道案内をお願いしたいです!」

 

 ユナイの行動を警戒していたエンタープライズは暫し沈黙し、意味を理解すると深いため息を出したのだった。




今回はユニオンの日常パートを書いてみました。
ユナイちゃん……もう察しが付く人は多いと思いますが次まで待ってください。次で自己紹介しますから!
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