凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー 作:ルチルネリネ
レキシントンは送られてきた補給艦からの情報と、生き延びて帰ってきた護衛艦隊の情報を整理する。
敵艦隊は二分隊、航空母艦に隻を主軸とする機動部隊と未知の戦艦二隻を主軸とする主力艦隊。合計二十五隻。
レキ「これは重桜本土の防衛が手薄になっているっていう事でもあるわよね~」
艶やかで魅惑的な瞳が地図の重桜本土を見つめていた。
――ユニオン南方海域:南東東海域――
晴天の下、それぞれ赤と白の衣装をまとった二隻の航空母艦は敵の索敵を行っていた。
「……姉様。こちら側に異常はありません」
「うーん、こちら側にも何もいないわね……」
白い衣装をまとった加賀が東側を、赤い衣装をまとった赤城が南側を索敵機を出して警戒している。
だが、広い海で頻度良く敵も現れることはなく空振りに終わった。
「今日は敵がいないのだ?なーんだ、つまらないのだ……雪風様はもっと戦いたいのだ!」
「うんうん、てきがいないといたずらできないもんね」
「水無月ちゃんのじょーだんなの?およ?じょーだんじゃないの?」
「ピー子のでばんがないの……ワイワイもりあがりたいの!」
赤城達の言葉に雪風は落胆して、水無月がそれに乗っかる。
文月は水無月が本当に悪戯したがっていることに困惑して、長月はピー子(ブザー)を鳴らしたそうにしていた。
「前の戦闘は皆にご迷惑をおかけしたので、今のうちに直せるところは直しておかないと……」
「今日戦闘がないのは、きっとカミサマのご加護があってのことですね!」
「今のうちに装備の点検でも……他の艦船(KAN-SEN)の皆さん、宵月にできることはありますか?」
新月が前回の戦闘の反省点を思い返している。
春月は神に祈りをささげて、宵月は次の戦闘に備えて装備の点検を開始した。
「今日は敵が来ないのか……早くしなければ何かを斬ってしまいそうだ」
「今夜の献立はなにがいいでしょうか……補給艦から拝借した物を見るにはトンカツでしょうか?」
潮風に髪をなびかせながら摩耶は自分に酔っている。その隣には鳥海が今夜の献立を考えていた。
「たまには少しズル休みして、サボっちゃってもいいよね?まあ、敵がいないからだけど」
「姉さん、あて達は周辺の警戒しよう?魚雷とか、怖いから……」
「戦うより護衛任務の方が好き……だから、何もない日はあては好き。周辺の警備付き合うよ」
長良がサボることを提案するが、五十鈴が周辺の警備を提案した。
阿武隈は五十鈴に賛同して周辺の警戒をする。
「さぁ、大物を狙うわよ!伊十九、伊二十五、伊二十六!もうひと潜りするわよ!」
「伊十九、頑張っちゃうよ~」
「伊二六?道を間違えないようにね?」
「あの時はちょっとうっかりしていただけだもん!今度は大丈夫!」
伊百六十八が他の潜水艦達を鼓舞して、それに伊十九が乗っかる。
伊二十五は妹の伊二十六を心配するが、伊二十六は大丈夫だと笑顔で返した。
「……しかし、なかなか騒がしい艦隊ですね。姉様はどう思いますか?」
加賀の発した一言に他の艦船(KAN-SEN)達がビクッ!と反応する。
赤城、加賀は重桜の中ではかなり偉い立場にいる。そのような艦船(KAN-SEN)から疎まれれば帰還した後にどうなるか分からない。
「あら、そうかしら?私は賑やかで良い艦隊だと思うけど……ただし、私達だけ働いているというのはどう映るでしょうね?」
赤城の最初の言葉で他の艦船(KAN-SEN)達はホッとするが、あとに発せられた言葉によって蜘蛛の子を散らすように警戒任務を始めた。
魚一匹も逃さないような警戒態勢は天城と合流するまで行われたのであった。
今回は敵補給艦隊が来ないか警戒する南東東艦隊、通称赤城艦隊の様子を書いてみました。
おそらく十人以上の艦船(KAN-SEN)を喋らせたのは今回が初めてだと思います。書いていて「これ文字数大丈夫かな?」と心配しましたが一言だけなら意外と何とかなるもんですね。
ただし、内容が薄い感じになってしまい、話も全然進まないのでやっぱり代表が喋ってもらうのが一番良さそうな感じがします……。
今度はユニオン視線で書く予定なので、ユナイちゃん大好き指揮官の人は楽しみにしていてください!