凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー 作:ルチルネリネ
そう言うとユナイはエンタープライズやサラトガを焦らせる。
エンター「ユナイ、貴様の艦載機は最新鋭で早いだろうが私達はそうではない。もっと集まって行動しなければ前のように護衛機に墜とされるぞ?」
それを聞いたエンタープライズはこう切り返してユナイを「うっ!」と言葉詰ませる。
サラ「まあまあ、その辺にしておいて……さて、ここから巻き返すわよ!全艦載機突入!」
サラトガの号令によって六隻から飛び立った約二百五十機もの艦載機は、天城艦隊に突入するのであった。
――ユニオン南方海域:南東西海域――
「対空電探に表示あり!来ました!敵機動部隊の艦載機です!」
第四警戒航行序列、最前列に位置している航空戦艦こと土佐が敵の艦載機が来たことを艦隊全員に報告する。
本来であれば主力艦である戦艦は後方に構えて遠方射撃するのが第四警戒航行序列だが、今作戦では航空戦艦土佐を先頭に航空巡洋戦艦天城、周りを駆逐艦と軽巡洋艦がカバーするような配置になっている。
「零式通常弾は間に合いそうにありませんね……各員、対空戦闘用意。土佐、合図を任せますね」
土佐の後ろに続いていた天城が前衛艦隊全員と土佐に指示を出す。
「任せてください!対空電探からの情報によりますと敵機は百を超えてなおも増加中!相変わらずの物量ですね……」
「大丈夫です、土佐。仲間を信じなさい」
天城がそう言うと後方より轟音と共に艦載機が前へと踊りでる。
「赤城さんと加賀さんの戦闘機!前に教えてもらった機体より大きい気がする……」
「確か……十七試艦上戦闘機と言うらしいですね。まだ試作はありますが零式艦上戦闘機より重武装で運動性を重視した最新型の戦闘機らしいです」
敵機の中にへと飛び込んでいく十七試艦上戦闘機によって、編隊を組んでいた敵機が次々と墜とされ追い回されて編隊が崩れていく。
しかし、ユニオンの直掩機の追撃により、十七試作艦上戦闘機から逃げれた艦上爆撃機と艦上攻撃機が再び編隊を組んでこちら側に向かって来る。
「やはり、直掩機によって阻まれてしまいましたか……それでは次の作戦です。土佐、号令をお願いしますね」
「はい!副砲撃ち方はじめ!続いて高角砲、機銃掃射はじめ!」
土佐の号令により対空兵装が火を噴く。空は花火のように激しく粒子が炸裂し黒い小さな花を沢山咲かせる。
「続いて、各員自由回避行動はじめ!」
土佐が続けて号令を出した。すると前衛艦隊全員が不規則な回避行動をとり始める。
「さて、この回避行動がどれほどの戦果をもたらすのか……」
「衝突に十分に気を付けてくださいね!敵艦載機来ます!」
敵の艦上爆撃機は急降下爆撃のために急上昇を始める、逆に艦上攻撃機は高度を下げて魚雷投下準備を行う。
「敵機直上!その角度は当たらないわ!」
「なるほど……不規則に動くことによって魚雷の予測も困難になると……」
土佐、天城及び駆逐艦と軽巡洋艦は次々と来る敵艦載機を回避する。
「これならいけますね!この調子で回避を続け――っきゃあ!」
「油断してはいけません土佐!しっかりと回避を――っくぅ!」
しかし、いくら数が減ったとはいえ、それでも百を超える艦載機が殺到し次第に艦隊の被害を増やしていく。
「この程度の攻撃では沈みませんよ!それよりも天城さんは大丈夫ですか!?」
「ええ……至近弾でしたからそこまで被害はありません。しかし、分かってはいましたが、なかなか熱烈な歓迎ですね」
天城は冗談をついてフフッと笑う。どうやら、まだまだ余裕があるようだ。
「皆さん!今が踏ん張り時です!頑張ってください!」
土佐の号令に前衛艦隊の艦船(KAN-SEN)全員が「おー!」応える。
天城艦隊は激しい空襲に合いながらも前進するのであった。
天城艦隊(前衛艦隊)
旗艦天城、土佐、川内、神通、那珂、長良、五十鈴、阿武隈、睦月、如月、卯月、水無月、文月、長月、新月、春月、宵月、伊百六十八、伊十九、伊二十五、伊二十六
航空戦艦二隻、軽巡洋艦六隻、駆逐艦九隻、潜水艦四隻、合計二十一隻
赤城艦隊(主力艦隊)
旗艦赤城、加賀、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、綾波、雪風
航空母艦二隻、重巡洋艦四隻、駆逐艦二隻、合計八隻
今回は土佐、天城を視線で書かせていただきました!
航空戦艦を前衛艦隊に置くと言う前代未聞の陣形配置でしたがいかがだったでしょうか?
この配置にはまだ意味がありますが、それは次回のお楽しみと言うことで……。
次回はユニオン目線で書く予定です。ユナイちゃん出せるかなぁ……。
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