凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー 作:ルチルネリネ
敵艦載機による空襲を受けながら加賀は叫ぶように赤城に報告する。
赤城「三十七キロ、意外と近くに居ましたわね……今すぐに天城姉様に無線で伝えて!」
赤城は魚雷を華麗に回避しながら艦載機を発艦させていく、並外れた練度と度胸が無ければ出来ない。
加賀「もうすでに伝えております!我々も航空援護いたしましょう」
加賀は最後の急降下爆撃機を撃ち落とし、艦載機を発艦させる。
赤城、加賀が発艦しているのは燃料と弾薬満載の艦上爆撃機だ。
赤城「さあ、反撃するわよ加賀?艦載機達行きなさい!」
赤と白の航空母艦から放たれた艦載機達は、敵航空母艦へと轟音と共に飛んで行く。
――ユニオン南方海域:南東西海域――
「えーい!逃げるなです!あーもうっ!ちょこまかと動きやがるなです!」
航空攻撃をしているユナイが回避されては文句を言っている。
「なるほど……敵も考えたな。回避行動をしつつ対空防御をすることによってこちらの攻撃を避けつつもばらけた弾によって効率よく弾幕が展開されて墜としていく。まさに理にかなった戦法だ」
エンタープライズが冷静に解析しつつ敵戦艦に爆撃を行う。
だが、エンタープライズの攻撃は何回も防がれ回避されて内心ではかなり焦っていた。
「さらに言うなら、近くに居る駆逐艦も厄介ね。特にあの3隻は対空性能が高いから注意が必要ね~」
そう言いつつサラトガは雷撃機を敵戦艦に向かわせて飛ばしていたが、噂にしていたその駆逐艦の主砲と、機銃によって墜とされる。
「対空レーダーに反応あり!一機だけ……?観測機だな、撃ち落とすか?」
「今すぐに落として!敵に情報を与えたらダメ!」
ネバダの言葉にすぐにサラトガが即答した。
勢いに押されながらもネバダが「おう!」と答えて対空防御を始めた。
「てきぱきやっちゃいましょ!」
「うるさい艦載機だ……さっさと堕ちな!」
「姉に続いて撃ちまくるよ~!」
続いてオクラホマ、テネシー、カリフォルニアが高角砲と機銃を打ち鳴らし敵観測機を撃ち落とす。
「ありゃダメだな……敵に情報が渡った可能性が高い」
「だよね~と言うことは、敵艦隊がこっちに殺到するってことだよね……逃げるわよ!全艦隊全速力で前進!前衛艦隊にも撤退を指示して!」
ネバダの判断に賛同したサラトガは艦隊全員に撤退の指示を出す。
「エンタープライズ、敵との距離は?」
「約三十六キロだな。まだ距離があるとはいえ、油断ならない距離だ」
「まだユナイ達の距離です!全力航行しながら艦載機を飛ばしますですよ~!」
サラトガがエンタープライズに距離を訪ねて、エンタープライズが答える。
ユナイは大きな走行甲板から次々と発艦させる。
「最新鋭の空母は器用ね~こんな波が立っていても次々発艦できるなんて凄いわ」
「流石は大型航空母艦と言ったところか……我々がこの状態で発艦させようとすれば誤って海に落としそうだな」
サラトガとエンタープライズがユナイを褒める。それに対してユナイは嬉しそうにしていた。
「さあ、発艦ですよ~艦載機達行きなさいです!」
ユナイが五十機もの艦載機を上空に旋回させ、一斉攻撃をしようとしたときにそれは起きた。
「全機攻撃かい――うわぁっ!?な、なんです!?」
「くぅっ!砲撃だ!警戒しろ!」
ユナイの近くで水柱が上がり、近くを航行していたエンタープライズが被弾する。
しかし、周りを見ても近くに敵の姿はない。
「ま、まさか……敵はこの距離で当ててくるです!?」
ユナイが驚き、サラトガとエンタープライズの表情が強張る。
「戦艦は反転!戦闘準備!航空母艦を逃がすだけの時間を稼ぐぞ!」
ネバダの指示でオクラホマ、テネシー、カリフォルニアが反転して突撃する。
こうして、重桜とユニオンの戦艦同士の戦いが始まろうとしていた。
ユニオン艦隊
左側前衛艦隊、旗艦クリーブランド、コロンビア、モントピリア、デンバー、フレッチャー、ラドフォード、ジェンキンス、ニコラス
右側前衛艦隊、旗艦ポートランド、インディアナポリス、チャールズ・オースバーン、フート、スペンス、オーリック
機動部隊、旗艦サラトガ、エンタープライズ、ユナイテッド・ステーツ、ラングレー、レンジャー、ボーグ、ネバダ、オクラホマ、テネシー、カリフォルニア
今回は重桜から砲撃を受けたユニオンの機動部隊の視線で書かせていただきました!
次回は戦艦同士の戦いを書きたいと思います!次回を楽しみにしてくれると嬉しいです!