凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー   作:ルチルネリネ

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???「今日は風がなく日も出ていて穏やかですね」

彼女はそう言うと日が直接当たる偽物の滑走路に机と椅子を用意する。

現在は十三時、ランチティー。サンドウィッチと熱々のミルクティーを楽しんでいた。

だが、彼女が座っている場所の気温は日が出ていても零(レイ)度を示しておおよそティータイムを楽しめる気温ではない。

???「そう言えば今日は補給部隊が来るかしら?昨日は猛吹雪だったから外に出られませんでしたけど……」

そういいながら彼女は若干凍ったサンドウィッチを頬張り、熱々のミルクティーを楽しんだ。


彼女は氷山

-ロイヤル北方海域:偽物の滑走路-

 

 ティータイムを楽しむ彼女に忍び寄る一つの影……。その者はすぐさま行動を起こした。

 

「ごきげんよう、ハボクック様」

 

「あら、ベルファストさん。ごきげんようですわ」

 

 忍び寄った影……それは、メイドのベルファスト。だがその姿はいつものメイド服ではなく完全防寒の服装だ。

 

「ハボクック様、またそのようなお姿で……風邪を引かれますよ?」

 

「私の情報は知っているでしょベルファストさん?戦闘になったらこんな薄着でも熱いのよ?それこそ、脱ぎたいぐらいに」

 

 そう言うと肩掛けの部分をススッとずらして、肩の白い肌が大胆に強調される。

 

「ハボクック様!ロイヤルの品位を失うような行動はお控えください!」

 

 ハボクックは「冗談なのに……」としょんぼりしながら着崩れた服装を正す。

 

「……わかっているわ、こんなおばさんの体なんて見ても価値はない……いえ害でしかないものね……」

 

「い、いえ!ハボクック様のきめ細やかで白い雪のような肌は同じ女性としてうらやましく思います」

 

 ハボクックは「あら嬉しいわ」と喜んだ。

 

「そうだわ、いま椅子を用意するから一緒にランチでもいかが?」

 

「申し訳ありません自分は次の職務がありますゆえ、ご遠慮させていただきます」

 

 ベルファストに即答されて、ハボクックは「そう……」としょんぼりする。

 

「……では、紅茶一杯だけお付き合いしていただける?」

 

「……はあ、分かりました。ご相伴に預からせてもらいます」

 

 ハボクックは「嬉しいわ」と笑顔になり自身の艤装を外して自分の正面に置いた。

 

「……ハボクック様、これは一体?」

 

「これはとは?……ああ、椅子のことね。すぐに用意できて、寒くない椅子となると私の艤装ぐらいしかなくて……乙女一人ぐらいなら乗っても壊れたりはしないし、ほんのりあったかいから安心してくださいね」

 

「いえ、結構です。無作法ではありますがこのままで頂かせてもらいます」

 

 ハボクックは「温かいのに……」と渋々自分の艤装を回収する。

 

「話は変わりますが、倉庫の方に補給分の食料と燃料を保管しておきました。後でご確認ください」

 

「あら、ありがとうございます。これでまだまだ戦えますね」

 

 そう言うとふくよかな谷間で温めておいたティーカップを取り出し、沸騰した熱々の紅茶をティーカップに淹れる。

 

「……ティーカップをどこから出したのかは追求しないでおきます。それと、女王陛下より伝言です。もっと節約を心掛けなさい!特に燃料!……とのことです」

 

「ふふっ。ベルファストさんの女王陛下の真似は可愛いですね。それも女王陛下の伝言内容ですか?はい紅茶をどうぞ」

 

 ベルファストは「いただきます」と言って紅茶を飲む。その顔は寒さとは若干違う赤みを帯びていた。

 

 そんなベルファストの顔を見てニマニマとハボクックが笑顔になり、ベルファストは白を切る。

 

「陛下に伝えておいてください。お姉さんこれで頑張っていますって、あと今度もベルファストに伝言をお願いしますと」

 

「ハボクック様?」

 

 ハボクックは「冗談よ冗談」と口に手を当てクスクスと笑う。

 

「まったく……ハボクック様はご冗談がお好きなのですから……っ!」

 

「大丈夫ですよベルファスト。あれは私の偵察機ですから」

 

 一機の偵察機がボロボロになりながらもこちらに向かってくる。

 

 その偵察機をハボクックは自身の艤装の滑走路に走らせて止めて、偵察機をなでると偵察機は無数の小さなキューブとなって艤装に取り込まれる。

 

「……申し訳ありませんわ、ベルファストさん。どうやら鉄血の方々が来たようですわ」

 

「いいえ、お構いなく。それよりもハボクック様も速やかに避難を……ここは私が食い止めます」

 

 そう言うとベルファストは艤装を展開して戦闘態勢に入るが、ティーカップを持っているハボクックは椅子から立ち上がらない。

 

 そのことに疑問に思っているベルファストをよそにハボクックはこう言った。

 

「大丈夫ですわ、だって私はハボクック。伊達に氷山空母を名乗っていませんから。……スクランブル!全機速やかに発艦しなさい!」

 

 そう言うとハボクックは自身の二つの滑走路を使って次々と艦載機を飛ばす。

 

「……これがロイヤルの切り札……次元が違いすぎます、私たちと同じ艦船(KAN-SEN)だというのですか……?」

 

 終わる事の無い発艦。空を飛ぶ艦載機達は晴天の空を覆いつくし、次第にその影で一帯が暗くなるのであった。




というわけで、???とはハボクック氷山空母でした!お早い公開な気もしますが、待ちきれない提督のために、自分の出したいという欲望のために出させていただきました!
詳しい内容は今後明らかにしていくつもりです。
現状で公開されているのは搭載機数は百機以上、燃料消費はベルファストの二倍、艤装はほんのり暖かく二つの滑走路から次々と艦載機を飛ばす、人肌恋しいお姉さん的な空母です。
これからドンドン情報を公開して戦闘を盛り上げていくつもりなので、これからもよろしくお願いします!
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