凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー   作:ルチルネリネ

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クック「――はい、了解しましたわ。楽しみにしておきます――」

ハボクックは通信を切るとフフッと笑う。

その様子を見たリヨンは「どうしましたか?」と尋ねる。

クック「数年ぶりに彼女達に会えると思うと楽しみで、つい」

リヨンは「彼女達?」と頭を傾げた。

誰なのかを訊ねるリヨンに対してハボクックは「会ってからの楽しみです」と言って話さない。

その後、説明が不十分だったためその彼女達とひと悶着があったが無事合流できたのであった。


サディアとの合流

 

――自由アイリス教国:南方海域――

 

 

「ハボクック様も意地悪な方ですね!まさかサディアの方々を連れてくるなんて思ってもいませんでした……」

 

 警戒態勢を解除したリヨンはハボクックに怒っていた。

 

「ハボクック様が攻撃中止と撤退をフォーミダブルに指示した時は気が狂ったかと思ったわ」

 

「私はハボクック様だけで終わらせるつもりなのかと思っていましたが、これは予想外でしたわね」

 

 ウォースパイトとフォーミダブルが合流した彼女達を見ながら言った。

 

「さあ皆、喜ぶがいい!何故ならこの無敵なるリットリオがこれから護衛に加わるからだ!」

 

「チャオ。皆様、ハボクックお姉さま。重巡洋艦ザラ、この艦隊に勝利と栄光を。よろしくお願いよ」

 

「サディア帝国所属、総旗艦ヴェネト様の護衛、カラビニエーレであります!己が使命を果たし、忠実に任務をこなす覚悟であります!」

 

 サディアからリットリオ、ザラ、カラビニエーレが挨拶する。

 

 だが、挨拶しない艦船(KAN-SEN)が二隻こちらを睨んでいた。

 

「ハボクックお姉さま。彼女達は輸送船の護衛と私達の監視を兼ねていた重桜の艦船(KAN-SEN)、航空母艦の蒼龍と飛龍よ。彼女達は一応は捕虜だから今作戦には参加しないわ」

 

 ザラがハボクックに説明をした時、蒼龍と飛龍の敵意はハボクックに向けられた。

 

「……IcePhantom(アイスファントム)、やっぱりあの情報は間違いではなかったんだな」

 

 飛龍が忌々しそうに口を開く。

 

「初めまして蒼龍様、飛龍様。ハボクック氷山空母です。お会いできて嬉しいですわ。三笠様は元気でいらっしゃるでしょうか?」

 

 ハボクックの質問に蒼龍と飛龍は答えない。

 

「……答えませんか。分かってはいましたが少し寂しいですね。では、これを持ち帰って三笠様に渡してください」

 

 そう言うとハボクックは手紙の入った瓶を蒼龍に手渡そうとする。

 

「私達が貴方の命令を受けるとでも?」

 

「そうだ!寝言も大概にしろ!」

 

 蒼龍は腕を組んで拒絶し、飛龍はハボクックの持っていた瓶を叩き落とす。

 

「ハボクック様になんて無礼を!?許しません!」

 

 リヨンを含めて数隻の艦船(KAN-SEN)が砲塔を蒼龍と飛龍に向けるが、それをハボクックは手を横に出して制する。

 

「皆様、落ち着いてください。私なら大丈夫です」

 

 そう言うとハボクックは瓶を拾って再び蒼龍の前に差し出した。

 

「蒼龍様、これを一刻も早く三笠様にお渡しください。お願いします。これには重桜の未来も関わってくるのです」

 

 しつこくハボクックが手渡そうとすることに蒼龍は呆れ、飛龍がもう一度叩き落とそうとした時、ウォースパイトがその瓶を取り上げる。

 

「ウォースパイト様?それは重桜への手紙ですわ。女王陛下のご指示でもあります。何故取り上げたのでしょうか?」

 

「女王陛下が……?私にはそのような話は一切通ってなかったわ。では、この手紙は一体何かしら?」

 

 ハボクックがウォースパイトに笑顔で質問する。それに対してウォースパイトは怪しんでいる。

 

「では、手紙の内容を話してもらえないかしら?私が度忘れしているだけかもしれませんから。勿論言えない……なんてことはないわよね?」

 

 ウォースパイトがハボクックに問いかける。

 

「ここではアイリスとサディアの方もいますし問題が……ですが、分かりました。耳元で話させていただきますね」

 

 そう言ってハボクックはウォースパイトの耳元で手を当てて話す。

 

 話を聞いたウォースパイトは驚いた表情をした。

 

「……それは、本当に女王陛下の指示なのかしら?こんな事を許可したとは思いにくいわ」

 

「間違いありませんわ。ですが、今この場で話せ無い理由は分かりましたよね?」

 

 ウォースパイトはハボクックを疑っている。だが、疑われているハボクックは堂々としていた。

 

「……悪いけど、疑わしいわ。これは作戦が終わって確認が取れるまで預からせてもらうけど、不満はないわね?」

 

 ウォースパイトの言葉にハボクックは「かしこまりました」と返す。

 

「あと、忘れそうになっていたけどサディアの艦船(KAN-SEN)は私達と同じ作戦に参加するってことで良いかしら?」

 

「勘違いしないでください。私達はハボクックお姉さまの手助けをするために参加するのであって、ロイヤルとアイリス……アズールレーンに合流するとは言っておりませんので」

 

 ウォースパイトがサディアの面々問いかけるとザラが笑顔で言った。

 

「……色々と問題がありそうだけど。まあ、いいわ。これより、第二作戦に移る。艦隊、南東に移動!目標はヴィシア!」

 

 ウォースパイトの指示に捕虜となっている蒼龍と飛龍、サディアの面々以外の艦隊の全員が応える。

 

 ハボクックが先頭を航行すると、それに付いて行こうとサディアの面々が後に続きそれに引っ張られて蒼龍と飛龍が航行する。

 

 ハボクックが重桜の三笠に渡そうとしていた手紙……それは後に大きな役割を果たすのであるが、それはまだ先の話。




今回はサディアの艦隊がハボクック達と合流するシーンを書いてみました!
サディアはあっさりとレットアクシズを裏切りアズールレーンに入ったと見えましたがロイヤルやアイリスにはまだ敵対しているようなそぶりがありますね。
ハボクックを手助けするために参加すると言っていましたが、サディアにも何やらハボクックとの過去がありそうですね。
それと、手紙の内容も気になりますが今は作戦に集中すると言うことで……。
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