凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー 作:ルチルネリネ
虚ろな瞳でこちら側に接近する艦隊を補足する。
???「所属不明艦船(KAN-SEN)補足。データ照合……氷山空母ハボクックと一致」
その無機質な声からは感情を読み取ることが出来ない。
???「会話解析開始……解析完了。ヴィシア及びサディアの離反の可能性大。警戒を強化せよ」
無表情の顔が振り返る。裏切られても変わる事の無い顔は、まるで人形を彷彿させた。
――ヴィシア聖座:聖堂の島・遠洋――
「やっぱり来たわね……」
「ちょっと!荷物が無いじゃない!それに、ロイヤルの連中と一緒に来るなんて……まさか裏切り?」
聖堂の島、遠洋のその奥側。本来、サディアの近海に当たる海域に鉄血の艦船(KAN-SEN)が集結していた。
プリンツ・オイゲンは予想が当たって忌々しそうに、アドミラル・ヒッパーは裏切りに対して怒りの声を上げる。
「会敵はもう少し後と予想していましたが……こうなっては仕方ありませんね。ジャン・バール様、案内ありがとうございました。各員、戦闘準備用意!隔離されている弾薬の装填を急いで!」
ハボクックの指示にアイリスとサディアの艦船(KAN-SEN)が応える。
対して取り囲んでいたヴィシアの艦船(KAN-SEN)達は待ち伏せ艦隊に背を向けてハボクックの前に立ちふさがった。
「……ジャン・バール様。アズールレーンに戻るつもりはありませんか?」
「くどい。欺瞞と偽善の異教徒に従うつもりはない……それが答えだ」
ハボクックの誘いにジャン・バールは即答して拒絶する。
「そうですか……では、致し方がありませんね。もう一度勝たせていただきます。今度は本気で行きますよ?」
「おう、かかってこい!全力で相手をしてやる!」
ジャン・バールの砲塔が再びハボクックを捉える。
「取り巻きは任せてください!私が全て抱きしめ……じゃなくて抑えますので!」
「とにかく進めー!」
「リヨンは巡洋艦、ル・テメレールはその援護!私は駆逐艦を撃破します。等しく破滅をくれてやる……!」
リヨンとル・テメレール、サン・ルイのアイリス艦隊がハボクックの右舷側から前進する。
「挟み撃ちするつもり?ここは通らせないってのっ!」
「全艦、火力全開!Feuer!」
「風に乗って波をかきわけるのだ!Feuer!」
「風に乗って波を……やはり無理ですね。ええ」
「数では有利ですが油断しないように!」
対してアドミラル・ヒッパー、プリンツ・オイゲン、Z1、Z2、Z23が行く手を邪魔する。
「全艦、戦闘陣形、Tiro(ティーロ)!」
「貴方達の最大の間違いは、このリットリオに立ち向かおうとしたことだ!」
「狙い定めた!外しません!」
ザラ、リットリオ、カラビニエーレのサディアの艦隊がハボクックの左舷側から前進する。
「目標視認――殲滅を開始する」
「ヴィシアを守る邪しき剣、参ります!」
「封印解除!さあ、デビルアイドルの力、その目に焼き付けよッ!」
「なんか個性強い配置に付いちゃったなぁ……私も頑張らなきゃ!」
ガスコーニュ、ル・マラン、Z36、ル・マルスがサディアの艦隊に立ちふさがる。
「皆様、無理はなさらないように!危険だと判断した場合は身を引いてください、援護します!」
「オレを相手に余裕だな!その余裕、いつまで続くか見ものだ!」
中央では特殊装甲を展開したハボクックとジャン・バールの戦闘が開始される。
ハボクックの特殊装甲にジャン・バールの砲弾が当たり、弾かれた砲弾は海へと勢い良く吸い込まれては水柱を作った。
瓦礫と化した聖堂を背後にアズールレーンとレットアクシズの小さな海戦が始まる。
通商破壊打撃艦隊
旗艦ハボクック、リヨン、ル・テメレール、サン・ルイ、ザラ、リットリオ、カラビニエーレ。
待ち伏せ艦隊
旗艦アドミラル・ヒッパー、プリンツ・オイゲン、ジャン・バール、ガスコーニュ、Z1(レーベルヒト・マース)、Z2(ゲオルク・ティーレ)、Z23(ニーミ)、Z36(ゼクスウントドライスィッヒ)、ル・マラン、ル・マルス。
更新日付を勘違いしていました!本当に申し訳ございません!
今回はハボクック、アイリス、サディア艦隊と戦うヴィシア、鉄血艦隊を書いてみました。
最近は仕事(運送業)が忙しく、土日だけでは疲れも取れなくて眠ることが多くなってきましたが皆様は大丈夫でしょうか?
コロナの自粛解除は出て一か月?ぐらい経っておりますが、元気に仕事や遊びに励んでいますか?
まだまだ油断を辞さない状態ではありますが、頑張って乗り越えましょう!