凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー   作:ルチルネリネ

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???「あの噂は本当だったのですね……」

???は窓外に見えた複数の艦船(KAN-SEN)達を上から見ていた。

???「あのお姿は紛うことなきハボクック様です……。私が恋焦がれたあのままのお姿でこの地に再び舞い戻られるなんて」

気が付くと頬に一線の涙が伝ってこぼれ落ちる。

???「今度は…今度こそは絶対に守って見せます……!」

???はグイッと裾で涙をぬぐうと目を閉じて小さく深呼吸をする。

???「……さぁ、演目を始めましょう」

執務室の扉がコンコンとノックされる。???は静かに目を開けた。

普段の笑顔とその黄色い瞳に決意の炎が灯る。


チッタ エテールナ

――サディア帝都:チッタ エテールナ――

 

 

「ヴェネト、私だ。美しい方々を連れてきた」

 

「はい、どうぞお入りください」

 

 リットリオが扉を開けてハボクック達が室内に入る。

 

「ようこそ、我らが帝都チッタ エテールナへ!世界で一番美味な料理と世界一美しい景観しかないところだが、歓迎しよう!」

 

「まあ、補給作業が完了するまでの間ですけどね……。精一杯の歓迎をさせていただきます」

 

 リットリオは大声で盛大に歓迎するのに対して、それとは対照的に落ち着いて歓迎するのは青い髪、黄色い目の艦船(KAN-SEN)。

 

「お久しぶりです、ハボクック様。それと、初めましてヴィシアの皆様。私はサディア総旗艦のヴィットリオ・ヴェネトです」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトと自己紹介した艦船(KAN-SEN)はハボクック達に握手を求めて、一人一人握手を交わしていく。

 

「お久しぶりです、ヴィットリオ・ヴェネト様。今回は港への駐在及び燃料弾薬等の補給までしていただきありがとうございます」

 

 ハボクックはヴィットリオ・ヴェネトにお辞儀をする。それに対してヴィットリオ・ヴェネトは頭を上げるようにハボクックに言った。

 

「大恩あるハボクック様に少しでも力になれることは私達にとっても名誉なことです。本当なら変わった街並み等を見ていただきたいので一緒に観光でも……とお誘いしたいのですが、流石に今はお時間がありませんよね」

 

「全くだ。戦時中でなければ我らが自慢の料理を振る舞おうと思ったのだがな……」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトに続くようにリットリオが愚痴をこぼす。

 

「せっかくのお誘いではありますが、私達には大切なお役目がございますゆえ……申し訳ありません」

 

 ハボクックが深々と頭を下げる。

 

「謝罪は受け取りません。その代わり、この作戦に私達も参加することを条件に許しましょう」

 

 ハボクックはハッと頭を上げる。

 

「元々その気だったくせに……良い口実を見つけたなヴェネト」

 

「そうですねリットリオ。ですが、貴方はここでお留守番です。私がここを離れている間、艦隊の士気を任せます」

 

 リットリオは何か言いだしそうになるのをヴィットリオ・ヴェネトが人差し指で口をふさぐ。

 

「まさか、そのような兵装で戦いたいだなんて……言いませんよね?」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトに言われてリットリオは苦虫を噛んだように黙る。確かに今の彼女は戦える状態ではない。

 

「分かった分かった……今回は大人しくしているさ。だが、今回だけだからな!」

 

 リットリオはそう言って顔をプイッとそっぽ向く。

 

「補給が終わるまでの間に今後について話しましょう。敵の情報はある程度把握しております」

 

 執務室の机にヴィットリオ・ヴェネトが鉄血近海の地図を広げる。

 

 その地図の上に船の形をした消しゴムを置いていく、そこにマジックで船の名前を書いていく。

 

「今、分かっている鉄血近海の水上艦がこの数。そこに鉄血ご自慢の空軍機と潜水艦、それに加えて量産型艦船を加えると……おおよその敵勢力はこのぐらいかしら?」

 

 次々と書かれていく敵勢力によって鉄血近海はマジックの書かれた消しゴムが並び真っ黒に染まる。

 

「我々は鉄血艦隊の半数以下……それでも行く覚悟がありますか?」

 

「勿論です。鉄血の航空母艦建造は周辺勢力である私達の脅威そのもの……。これ以上の戦火を増やさないためにも、何としても阻止せねばなりません」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトの言葉に間髪入れずにハボクックが応える。

 

「それでは各員、燃料弾薬の補給と簡易な整備を行うように!出撃は日没してすぐ、ロープを使ってお互いにはぐれないように出撃する!解散!」

 

 艦船(KAN-SEN)達が敬礼をすると次々と退出していった。

 

「……上手く誘導出来たなヴェネト」

 

 執務室の扉の鍵を閉めたリットリオがヴィットリオ・ヴェネトに話しかける。

 

「まだ安心はできません。ですが、ここまでは作戦通りです」

 

「だが、作戦通りいけば我が艦隊と鉄血艦隊でロイヤルとアイリスは挟み撃ちできる。そこで我々も戦果を上げれば鉄血も重桜も我々の事を無視は出来ないだろう?」

 

 リットリオの言葉にヴィットリオ・ヴェネトは「そうね」と答える。

 

「ロイヤルに二度は負けたが次は負けん!最後に笑うのは私達サディアだ!」

 

 復讐の闘志に燃えるリットリオ、ヴィットリオ・ヴェネトは感情の無い仮面のような笑顔で鉄血近海の地図を撫でるのであった。




皆様お久しぶりです!大変長らくお待たせいたしました!
そして、一週間以内に一話どころかここ三か月間、一話も上げれなかったことを深くお詫び申し上げます!
この三か月間何をしていたかと申しますと、まず六月から七月の間に結婚しました。
手続きが終わり、ようやく一息ついたところに活動報告にも記載した通り免許更新を忘れてしまい、九月の十八日まで自動車学校に通うことに……。
猛勉強(模擬テストで落ちまくった)かいあってか技能見極め試験と普通免許MTの筆記試験に一発で合格し、なんとか一か月で初心者ドライバーになれました!
これからは所帯持ちと言うことで、父親だという自覚をもって家族にも皆さんにも迷惑をかけないようにしっかりと頑張っていきたいと思います!
これからもよろしくお願いします!
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