凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー   作:ルチルネリネ

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???「予定通りに来たぜ!サディアの艦隊だ!」

???「急いでビスマルクのアネキに報告しなきゃ!」

太陽の光が僅かに差している日没直後、暗い海に出ている四つの頭が鉄血へと進行しているハボクック達を捉えた。

???「発射諸元、コンパスに縮尺をカチャカチャ……あー今、最高のポジションなのに撃てないのかー………魚雷撃ちたいなー!」

???「本当に撃ったらシャレにならないからやめて……やらかさないよね?私の不運で間違ったりしないよね……?」

艤装を触りながら魚雷は正確に敵を狙い続ける艦船(KAN-SEN)を宥めるが、心配のあまり本人が不安に駆られていた。

???「しっ!静かに……。大丈夫だ、アタシ達の出番はちゃんとある。それまで大人しく敵を追跡すればいいさ」

短いツインテールの艦船(KAN-SEN)が不敵に笑う。

???「ワタシ達VIIC型潜水艦には誰も逃れられないさ!追跡するよ!潜航開始!」




Schicksal des Rückkampfs(再戦の運命)作戦

 

――鉄血本土近海:鉄血海軍港――

 

 

 ヴィットリオ・ヴェネトが日が暮れた暗闇を先行し、迂回ルートを航行しながら鉄血近海に侵入したハボクック艦隊。

 

「あまりにも静かすぎます……」

 

 身体をブルッと震わせて不気味そうにリオンが呟く。

 

 鉄血の海域に入ってから一度たりとも発見されず、当然交戦もなく遠くで航空機の警戒飛行の音だけが聞こえていた。

 

 確かに複雑な迂回ルートで警戒網の穴を抜けるために陽動の航空機を飛ばして切り抜ける場面もある。

 

「……っ!ハボクック様、ぼんやりとしか確認できませんが恐らく鉄血艦隊の輸送船です。鉄血の輸送船は予定通りの地点に停泊しています」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトが立ち止まり、暗闇の中で目を凝らして確認する。

 

 ハボクックはすでに用意していたソードフィッシュ艦爆隊を直ちに発艦させた。

 

 十機からなる編隊は暗闇の中をまるで昼間の訓練飛行のごとく目標に向かって一直線で飛行し、輸送船に爆撃を行う。

 

 歴戦のソードフィッシュ爆撃隊にとって停泊中の六隻の鉄血輸送船はただの的でしかなく、次々と爆撃を成功させてその中の一隻の輸送船が燃料に引火して大爆発を起こした。

 

「全艦隊回頭!この海域より急ぎ離脱します!」

 

 号令を出しつつも随時ソードフィッシュを発艦させ撤退に取り掛かるハボクック艦隊。

 

 けたたましく鳴る警報を背に艦隊は回頭を行い撤退を開始しようとしたその時、撤退するはずの前方より轟く発砲音!

 

「前方から発砲音っ!?」

 

 リオンが驚きの声を上げ、黄色に鈍い光を放つ光弾はハボクック艦隊の前方に落ちる。

 

 誰もが偏差を間違えたと思ったその時、光弾が落ちた地点から引きずり込むような渦巻きが発生。その中央を黄色の光のドームに黒の稲妻がとぐろを巻くような不可思議な現状が発生しハボクック艦隊を引きずり込もうとする。

 

「す、吸い込まれるぅ!?」

 

 ドームの一番近くに居たル・テメレールが逃げ切れず引きずり込まれてドームは爆散!引きずり込まれたル・テメレールが吹っ飛び、ハボクックの真横に落ちる。

 

「ル・テメレール様っ!大丈夫ですか!?」

 

「な、何とか。でも、もう戦闘は無理だよ……」

 

 艤装がダメージを全て吸収し、ボロボロになった代わりにル・テメレールは何とか命拾いをした。

 

「今の一撃で彼女を倒せれば良かったのだが……流石に高望みか」

 

「ビスマルク様、私の戦果を奪わないでください。ハボクック氷山空母を仕留めるのはこの私です」

 

 パンッ!と軽快な音が鳴り前方と後方から探照灯がハボクック達を照らし出す。

 

 前方には鉄血の主力艦隊が、後方には軍港から鉄血の艦船(KAN-SEN)が海上に姿を現す。

 

「やはり罠でしたか……ヴィットリオ・ヴェネト様。何故、今になって裏切ったのですか?」

 

 ハボクックの問いに対してヴィットリオ・ヴェネトは悲しそうに黙る。

 

「小生が代わりに答えよう。この世界において君の戦力は過剰なのだよ」

 

「貴方の力は世界勢力の均衡を壊すもの……全ては平和の海の為にっ!」

 

 コンテ・ディ・カブールとジュリオ・チェザーレが発砲!避ける間もなくサン・ルイに直撃し小さく苦痛の声が上がる。

 

「残ったのは貴方達二隻だけです。投降してください。貴方達の身柄は私が保証させます。お願いします」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトが頭を下げて降伏勧告を発する。

 

「……残念ですが、お断りします。私はロイヤルネイビー所属の元ロイヤルガード……あらゆる恐怖から海を守るためにここで屈するわけにはまいりません」

 

 ハボクックが「それに」と言葉を続ける。

 

「私は誓いました。必ずサディアの青い海と空を守ると……。鉄血に屈して平和な海が訪れるはずがありません。私は私のやり方で貴方の約束を守ります!」

 

 ハボクックの言葉にヴィットリオ・ヴェネトは辛そうにしながらも口を開く。

 

「……全艦隊、発砲はじめ。最優先目標、ハボクック氷山空母っ!」

 

 ヴィットリオ・ヴェネトの合図でサディアの艦隊がハボクックに発砲を開始する。

 

 ハボクックはすぐさま氷壁を展開して大破したル・テメレールとサン・ルイの前に立ち塞がり守った。

 

 リオンはコンテ・ディ・カブールとジュリオ・チェザーレの二隻の戦艦を相手にハボクックの方に砲弾が向かないようにと立ち回る。

 

 こうして、鉄血近海での戦闘が幕を開けた。




十時半にネットが切れるのが痛すぎる!
皆さん、こんばんわ。結婚して幸せに暮らしている(はずの)作者です。
ここ最近は仕事量も多く、忙しい時期を過ごしていますが皆さんは体調を崩していないでしょうか?
私はある意味で健康的な暮らしを送っています。
しかし、しかしですね……ネット回線を十時半に切られて寝る時間を指定されて超がつくほど辛いです!
元々夜型の人なので早くに寝るのに理解と共感が得られない……。
小説も夜になってからスイッチが入り、資料を調べたり、書いては直してを繰り返したりと本当に時間がかかる作業なのですが、その時間が足りません!
仕方が無い事ではありますが、それでも……辛いです。
そんな作者の為に頑張れるような感想をお待ちしております……。
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