凍える航海の悪魔 -彼女はただこの海を守りたかったー 作:ルチルネリネ
私達は神話の終わりに突入したのかもしれない。
追い詰めていたはずの私達は今や格好の的になっている。
凍らないはずの近海は厚い氷に覆われ、氷を砕く手段を持たない者は動けず。
また、動けた者も移動と速力の自由を奪われ次々と刈り取られていく。
朝日が昇る時間だが空は無数の艦載機によって暗い。
私は夢に誘われるように瞼を閉じた。
――鉄血本土近海:鉄血海軍港――
「これは一体……!?」
背後に現れたロイヤルと北方連合の伏兵に対処していたシュヴェーリンは急激な温度の低下に違和感を感じ、冷気を感じた方を向いて愕然とした。
「私達の海が凍り付いている!?」
自国の遠海に近いシュヴェーリンまでは届いてはいなかったが、軍港を含む近海がハボクック氷山空母を中心に氷の層で覆われていた。
「これはヤバいんじゃねぇか?無傷なシュヴァ-リンは引き返してくれ」
「後の事は私達に任せてシュヴェーリンさんは急いでビスマルク様の援護に向かってください!」
シャルンホルスト姉妹の後押しでシュヴェーリンはビスマルクの元へと急ぐ。
「見た目以上に表層の氷が厚い……中心部では身動きが取れなくなるかもしれないですね」
徐々に分厚くなる氷の層を難なく砕きながらシュヴェーリンはビスマルクの元へとたどり着く。
「ビスマルク様!お怪我はありませんか!」
シュヴェーリンの言葉に氷を砕いたビスマルクは「大丈夫だ」と返答を返す。
「ビスマルク様、これは一体なんですか?」
その問いに対してビスマルクは遠方に見えるハボクックを睨みつけながら答える。
「見ての通り、ハボクック氷山空母の本気というやつだ。かの大戦……いや、あの作戦もまたこのような光景だったと記述が残されている」
「これがハボクック氷山空母の本気……」
ビスマルクの言葉にシュヴェーリンはブルッと身震いをした。
「我々は氷山空母の真の姿を見た。凍らぬ海は氷壁に閉ざされ、航海もままならずに無数の艦載機によって殲滅されていく様は正しく悪夢だ。つまり、次に来る災厄はハボクック氷山空母の艦載機だと言うこと……シュヴェーリン、分かっているな?」
ビスマルクの言葉に対してシュヴェーリンは「勿論です」と答えてこう言った。
「不敬ではありますが、私は今心から喜んでおります。あのハボクック氷山空母を追い詰められたと言うこと、本気にさせれたと言うことを。そして、最高のステージで戦えると言うことを!」
シュヴェーリンのことばにビスマルクは苦笑いをしたが真剣な顔に戻り「行けるか?」と問う。
「当然です!私はシュヴェーリン!ハボクック氷山空母を葬る者として、ここで戦わずしていつ戦うというのか!」
シュヴェーリンの表情は新しい獲物を見つけた狼のようにギラギラと輝き、今にも飛びつかんとしている。
「楽しい会談の時間はここまでのようね……敵機が来たわ」
無数の艦載機が朝日を浴びて影は魔の手の如くシュヴェーリン達に伸びてくる。
「全て叩き墜として見せましょう。ビスマルク様はどうなさいますか?」
「そうね、私も付いて行くとするわ。対空は心もとないし、攻撃は無理でしょうけど、時間稼ぎぐらいは出来るわ」
シュヴェーリンは重桜の技術によって出来た特注の特殊弾を装填してビスマルクに問い、ビスマルクは主砲を真上に向けながら答える。
「それでは行きます!Der Sieg liegt in uns(勝利は我らにあり)!」
朝日に向かって厚い氷を砕きながらシュヴェーリンは主砲を発砲、特殊弾はハボクックの艦載機を次々と墜としていく。
ハボクック氷山空母と大型戦艦シュヴェーリン、因縁の戦いが幕を挙げた。
皆様、アズレンイベント頑張っておりますか?
私はと言いますと、全くイベントを進めておりません。
今回のイベントは復刻イベントで仮加入のハンター、累計ポイント報酬のハーディ、イベント海域ドロップのZ2(ゲオルク・ティーレ)が目玉となっておりますが、私のアカウントではレベル七十以上で突破が全て終わっているので正直あまりやる気が起きないイベントです。
どちらかと言えば今の間に委託を頑張って回してキューブと資源(主に燃料)を集める期間となっております。
燃料で海軍カレーを作って寮舎を快適にする……海軍カレーの在庫が七百以上ありますがまだまだ作るのです!
話は長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回は十一月二十一日に投稿予定です。
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