東方破滅録   作:アイス・フレイ

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オリキャラは多く出ますが主人公というものはありませんので…


#2 紅魔館へ

 堂々と戦争を掛けに来たと明かした妖怪ハイネが去ってから約半刻。

 霊夢達はまだ神社にいた。

 何故か、それは…

 

「霊夢が行動を起こすからもう後戻りできなくなっちまったじゃないか」

「別にわたしがどうこうしようがしまいが結局はこうなったわよ」

「そうやって自分のしてしまった事を素直に認めないのは駄目だぜ?」

「なに言ってるのよ、ちゃんと認めてるじゃない。わたしはただ単にこの状況には結局なっただろうって事を言ってるのよ」

 

 魔理沙が霊夢に言った言葉が発端でちょっとした言い争いになっているのだ。

 魔理沙は悪意の類は含めずに言ったのだが、霊夢がそれを違った解釈をした結果である。

 

「二人とも、時間がないんだから言い争いなんかしてる場合じゃないわよ」

「紫様の言うとおりです。あと五刻半しかありません」

 

 紫と藍の言葉に霊夢と魔理沙はようやく現実的な話をする気になった様子で、

 

「そうだな、今はまだ無縁塚から動かないようだけど動いたら面倒だしな」

「その為にはどうしようかしらね・・・。無縁塚の近くには魔法の森と迷いの竹林があるけど、竹林では奴らも思うように暴れられないでしょう」

「しかし、竹林の奥には永遠亭がありますし、そこには警告でもしに行きますか?」

「そうね。魔法の森を抜けた先には紅魔館もあるわ。敵はあそこに真っ先に行きそうね」

「目立つからな」

「なら、紅魔館には早めに行った方がいいかしらね」

「ですが、永遠亭には?」

「そうね。藍。あなたが行ってきて頂戴。その間に私達は紅魔館に行くわ」

「はっ、承知。ではまた後ほど」

 

 そう言い、スキマに消えていく藍を見送ったその時。

          

              空が紅く染まった

 

「こ、これって紅霧異変の時の?!」

「おいおい、あの時と比べものにならない魔力じゃないか…」

「一瞬で幻想郷の端に位置するここまで来たという点からも、前とは比べ物にならないわね」

 

 三人がそれぞれ驚きを表すなか、太陽がゆっくりと赤黒い血の様な霧にのまれた。

 

「まったく…一体あの吸血鬼は今度は何をするつもりなのかしらね」

「どの道行くところだったんだし丁度いいじゃないか」

「ま、そうね。紫。スキマを開いてくれる」

 

 しかし、さすがに異変解決のプロ二人と妖怪の賢者である。早くも次の行動に移ろうとしていた。

 

「……駄目だわ。紅魔館、いえ霧の湖にすらスキマを開けないわ。魔法の森まで行って後はそこから飛ばなくちゃいけないわね」

「結界か?…ならわたしはここから飛んで行くぜ。上から見て分かることもあるかもしれんしな」

「そう、じゃあ頼むわ。紫、そっちはどう?」

「ギリギリまで近くで開くわ。こっちに危険はないと思うけど…。魔理沙、貴女は気をつけなさい」

「ああ、分かってる。じゃ、紅魔館でおち合おうぜ!」

 

 そう言って空へと上昇していく魔理沙をしばし見つめた後、霊夢と紫はスキマに入った。

 

 

 ◆

 

 

                 ー同時刻・紅魔館ー

 紅く染まった空を眺め笑みを浮かべる親友を見てパチュリー・ノーレッジは溜め息をついた。

 

(これはあの男が悪い)

 

 パチュリーは昨夜、紅魔館にやってきた妖怪を内心で毒づく。

 

「言いなりになってると言ってもいいレミィもどうかと思うけどねぇ」

「?何か仰いました?」

「いえ、何でもないわ」

 

 傍らにいる咲夜の質疑を往なし逆に尋ねる。

 

「咲夜。貴女は今の状況をどう見る?」

「どう、とは?」

「レミィの事とか今の状況とかよ」

「お嬢様はいつも通りご自分がなさりたい事をしているだけかと。しかし」

 

 そこで咲夜は割れた窓や崩れた壁を一瞥した後。

 

「しかし、あの妖怪は信用しない方が良いと思います」 

「そりゃそうでしょうね・・・」

 

 パチュリーは咲夜の考えが自分のそれと同じだと分かるレミリアの側に寄り、今後紅魔館はどう動くかを聞くことにした。

 出来れば考えが変わっていればと淡い望みを胸に抱きながら。

 

 

 ◇

 

 

 紅魔館当主にして、既に500年の時を生きる吸血鬼であるレミリア・スカーレットは紅く染まった空を見上げほくそ笑んだ。

 昨晩紅魔館を襲撃したあの妖怪の事を考えると多少の怒りを覚えるものの、先のメリットを考えるとそれも霧散してしまう。

 改めて笑みを浮かべていると、今まで背後で咲夜と会話していたパチュリーが寄って来た。

 

「レミィ、これからどうするの?」

「そうね・・・。どうせ、色々来るだろうからそれを手厚く歓迎してあげればいいのよ」

「そう、分かったわ」

 

 案外あっさりと引き下がったパチュリーに僅かな違和感を感じたものの、別々の方向から接近してくる計三人。東から急速接近してくる白黒の魔法使い。魔法の森の方から飛んでくるのは紅白の巫女と妖怪の賢者だ。

 

「約一名、予想外な奴がいるけど・・・ま、いいでしょう。二人共!!歓迎してやるわよ!」

「承知」「・・・はぁ」

 

 咲夜とパチュリーに命令し、レミリアは自らも空に飛んだ。

 

 

 ◆

 

 

                  ー無縁塚ー

 普段は静寂が支配する場所だが今は多くの妖怪で埋め尽くされてる。その様子を肴にハイネは酒を飲んでいた。

 

「いやあ、皆働き者だねぇ・・・」

「ちょっとあんた。何酒飲んでんのよ」

 

 当然文句を言われた。文句を言ったのは組織的な行動をする集団故にリーダーであるハイネの他に、「四天王」という位があるのだがその一人の、雷廟雲母(らいびょうきらら)だ。

 

「この幻想郷には酒豪が多いらしいぞ」

「だから?」

「それに慣れとこうと思ってな」

「・・・は?」

「ほら、郷に入れば郷に従えって言うじゃん」

「私達ってここに喧嘩を売りに来たのよね。なのに何で酒を飲み合うシチュエーションを想像してイメトレしてんの?!」

「まあまあ、そうカッカすんなって。ほらお前も飲めよ」

「いらない」

「飲めよ~雷神~」

「あ~!もう、他の奴と飲みなさいよ!」

「(飲むのは容認するのか)じゃあ他の奴連れてきてよ」

「えー。・・・シーマンとかで良いよね」

「おう。良いね。えーと何処にいるかな、っと」

 

 ハイネが別の四天王を探そうと立ち上がった時。

 

「リーダー!博麗の巫女、スキマ妖怪、白黒の魔法使いが紅魔館に到着。交戦を開始した模様です!」

「お前ってリーダーって呼ばれるんだな」

「らしいな」

 

 報告より気になった事が雲母も気になっていたらしい。

 

「そんな事より、ここまでは計画通り。次は・・・四刻半後か」

「それまで紅魔館はもつのかな」

「・・・・・・さあ?」

「私が行こうか?」

「いや、お前は当初の通り主力を率いて人里へ行け」

「む、そうか。なら紅魔館は見捨てるのか?」

「んー。まだ失いたくはないしかといって誰かを行かせる訳にもいかないし・・・」

「なあ、そこで酒を飲んでるだけのお前が行けばいいんじゃないか?」

「ここの指揮は?」

「私がやる。お前は紅魔館を延命してこい」

「延命、ね。時間稼ぎならしてこよう。ここは任せるぞ。時間になるまでは動くなよ」

「分かった分かった、行ってらっしゃい」

 

 雲母との会話を終え、ハイネは紅魔館へと飛んだ。

 

 

 ◆

 

 

                 ー紅魔館・門前ー

「美鈴、いつも通り通してくれ」

「出来ません。私は命令は守る主義なので」

「その割りにはいつもわたしを通すじゃないか」

「ま、守る事であって、守り通す事が命令ではありませんので!」

「屁理屈じゃない・・・」

 

 霊夢が呆れ声を出した直後、目の前ひ幾多のナイフが出現し飛来してきた。霊夢は結界で、紫はスキマで、魔理沙は降りきってそれぞれナイフをかわした。

 

「危ないわね。不意打ちなんてせこい真似する様な奴だっけ?」

「命令なので」

「美鈴といいお前といい、命令なら何でもするのかよ」

「しかもルール違反ですわね。どういうつもりかしら?」

「それは、」

「それは貴女には関係ない事よ。八雲紫」

 

 声と共に紫に向かってグングニルが飛んできた。しかし、紫はまたそれをスキマへと吸い込ませた。

 

「・・・紅魔館の意思は理解しました。しかし、一つだけ。何故このような事を?」

「楽しいからよ」

「・・・」「・・・」「・・・」

 

 

「は?」

 




キリが悪いですがここまでで。繋ぎ回みたいなものです。
多分次回はバトル回。
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