PARALLEL WHITE ALBUM2(仮題)   作:双葉寛之

14 / 29
急遽、新しい住居を探すことになりてんやわんやの週末。

だから遅くなった私は悪くない(開き直り)


EPISODE:10

 ――周りの視線が痛い……。

 

 隣に座る、色んな意味で数々の修羅場をくぐってきたであろう親友、武也も顔を引き攣らせながらも必死に笑顔を作っているように見える。

 

 人間とは常に何かしらの”妬み”という感情を――授業で例と出された古文で、愛憎故に想い人を奪い取らんと他人を殺める話があったように。昔から根底に、本質的に備えていると考えたことがある。

 

 かつて隣の水の豊かな”ムラ”を妬み支配下に置こうとした時代。中央集権の力が崩れ、各地の豪族が盛んに争うようになった時代。世界でいえば夢の胡椒や新大陸を求めて駆け抜けていった大航海時代に、近代では列強による帝国主義の時代。

 

 何時の時代だって人間は隣の芝生を羨み自分こそ幸福に、豊かにと妬んだ結果、今の人類の発展があったということは決して否定出来ない。人間の欲深さが今日の恩恵を与えてくれるのは皮肉なものだ。そう考えた中二病真っ盛りの頃の自分ももちろん否定出来ない。

 

 そんな原始的な感情である”妬み”だが、出来ることなら自分がそれを買うようなことはしたくない。したくないのだが、今この学食で浴びてる周囲からの視線は――まさに”妬み”そのものであり、まっさきに否定したいものだった。

 

――ご飯が味気ない。そういや先月もこんな視線はあったけど今程じゃなかった。周囲を見たくない。昼食に集中したい。

 

 だけど、春希の所属する軽音楽同好会の女子、そしてその友達の女子の3人は決してそれを許してくれなかった。

 

 

 

 

「――えぇー。じゃあ北原くんって期末テストの前から1日6時間ギター弾いてるの!?」

 

 雪菜の、周囲に気を使っておとなしく微笑んでいた今までとは違った、明瞭な印象を与える素の混じった驚く声が春希に向けられる。

 

 ついでに、「すごいすごーい。この玉子焼きご褒美にあげちゃうね!」と自前の弁当から手作りのそれを箸で春希の定食の皿に乗せる。

 

 周囲からの、特に今まで雪菜に取り囲むように集まっていた男子からいっそ殺意と思えるくらいの視線を浴びた春希は、あとで保健室に行こうかなと真剣に思い始めた。

 

「あ、あぁ。その結果学年成績が30位程落ちてさ、これまでの記録が灰塵に帰してしまった」

 

「北原は1日10時間でもしないと追いつかないのにこいつはギターに勉強に中途半端に――」

 

 かずさに師事した結果、試験勉強の枠を寝る前の僅かな間しか設けることが出来ず、結果学年成績10位以内を保持という記録が終わったことを嘆く春希。

 

 一方かずさといえば音楽に関してはさすが厳しいといったところか、成績なんか関係ないね。ギターだけしているべきだったんだと春希に非難をあげる。

 

「冬馬さん……。さ、さすがにそれは」

 

 6時間でも驚く時間なのにさすがにそれは酷というものだと依緒は春希を擁護しようとかずさを諌めるものの、ダメだ、こいつは今後寝ることさえ許さん。と取り付く島もないかずさ。もっとも音楽科ではなく、普通科の生徒なのだということを理解しての冗談ではあるのだが。

 

「……それでも40位代かよ」

 

「あんたは春希を羨む資格なんてないんだからね、武也」

 

「どういうことだよ依緒」

 

「べっつにぃ。ちゃらんぽらんしてるあんたへの、あたしの率直な感想ですけどぉ」

 

「やけに突っかかってくるな。何が言いたいんだ」

 

「べっつにぃ!後輩から地区大会のあと武也にナンパされたって話を聞かされただけですけどぉ!」

 

「いっ!?」

 

「やっぱり飯塚君って、”あの”飯塚君なんだね……」

 

 試験日前日の女子バスケ地区大会終了後に、依緒の最後の試合の日にあろうことかその後輩をナンパしていた事が暴露される武也。

 

 噂に聞くその節操の無さに思わず雪菜は自分の弁当箱をすっと武也から遠ざける。

 

「やはり、お前は種馬なんだな」

 

 その横に座るかずさも倣ってトレイを遠ざける。

 

「そりゃ俺も擁護出来ないな」

 

 武也の横に座る親友――春希もトレイを遠ざけた。

 

 

「う、うおおおおっ――」

 

 

「きゃっ!」

 

 

 身から出た錆だがいたたまれなくなった武也が涙を切るような勢いで振り返り立ち上がろうとする。

 しかしその勢いは顔を柔らかい感触の中に埋めることによって防がれることとなった。

 

「何すんのよ!」

 

「――北原の時とは思えない反応だね」

 

 その柔らかい感触の持ち主、千晶は普段と違い怒りの感情を露わにした武也の頬を叩きっぷりにかずさは感嘆する。

 その賞賛に似た視線を向かられている当の本人は隣に座ろうとしていたのを取りやめ、向かいの依緒の横に座りに回った。

 

 

 親友の、これまた自業自得とはいえ。ちょっと今回は可哀想かなという事態に同情しつつも春希は千晶に遅かったなと尋ねる。その千晶は今度は先ほどとは違う別の種類の怒りを含ませた声で、その訳をテーブルを乗り出すように春希に近づくと愚痴を始めた。

 

 

「拓未を探しに行っても姿を消してるし。遭遇したウザいやつ(諏訪先生)に捕まって小言を言われるし。学食についたらもう目当ての物は売り切れて売店でパンだけしか残ってなかったし。今しがたセクハラには合うわ春希のチキン南蛮は一切れだけになってるしぃ!」

 

「っておい俺の最後の一切れ!!」

 

 楽しみに最後まで残していたそれを後から来た略奪者に取られる春希。思わず子供のようにムキになって文句の声をあげるも、なんだかスッとしたぁ!と千晶にまるで相手にされていない。

 

 

「そういや、確かに昨日武也が昼食を誘っていたね」

 

「……」

 

 

 やっぱりアイツ性格悪いしガラ悪いし付き合い悪いよ。依緒がそう言葉を続ける一方、拓未が避ける事情を知ってる雪菜は顔に影を落とす。

 

――何か知っている?

 

 その雪菜の表情を見逃さなかったかずさは、自分の知らないところにある二人の関係に、なんともいえない胸のモヤモヤを感じることになった。

 

 

 

 

 

 

 

「浅倉、あんた今日学校どうしたのよ」

 

 放課後、第一音楽室に現れた拓未に、引退したので遊びに来ている依緒がまっとうな人間になったんじゃなかったの?と文句をつける。

 

 

「おう、水沢。今日も元気がいいな!」

 

「っ!あんた、馬鹿にしてんの?」

 

「そう怒るなよ。ほら、通れねぇからどけって」

 

 かっかしなさんなよ。飯塚がビビるぞ。そうからかいながら楽器の準備を初めている同好会のメンバーのところに向かう。

 

 

「よぉ、おはよう」

 

「あぁ、拓未。おはよう」

 

 学校に何時に登校しようが何も問題はあるまい。とさも当然のように挨拶をかわすかずさと拓未。

 

 

「かずさ、なんだか良く眠れたって顔してるなー」

 

「そういう拓未は、あまり眠っていない?」

 

「もう、拓未くん? 夕方におはようはおかしいよ?」

 

 

 あまりの違和感の無さに一瞬納得しかけたが、やはりその挨拶はおかしいと雪菜はツッコむ。

 

 

「ははは、しらねーの? 雪菜、ヤックのクルーは出勤時は何時でも「おはよう」なんだぜ?」

 

「働いたことないじゃん!」

 

 冗談を言い合いながらも、拓未は鞄からプリントを取り出し春希を呼ぶ。

 

 

「おい、北原」

 

「なんだよ、遅刻魔」

 

「遅刻魔だってな、一生懸命生きてるんだ!ってンなことはどうでもいいんだ。お前さ、もう”WHITE ALBUM”のコード弾きは出来るんだよな?」

 

「一応、原曲テンポで完奏は出来るようには」

 

「結構、んならさ。お前次からはバンドのエレキギターパートを覚えろよ」

 

「え、アレじゃダメなのか?」

 

「お前アレでいいと思ってたのかよ。アレじゃピアノとギターによるアコースティックコンサートにしかなんねぇぞ……」

 

 

 ほらっ、と言って手に持っていたプリントを渡す拓未。春希はそれを怪訝に受け取りつつもページを開いてめくると、そこには拓未の手書きであろう――春希はあまり詳しくない5線譜と、ここ数ヶ月で覚えた為よく知っている6線譜――つまりはTAB譜だった。

 

 

「お前、これ……」

 

「ほい、これはかずさのコピー分。明日は放課後二人で練習するんだろ?

 ちょっと昨日帰っていろいろ編成考えていてな。”WHITE ALBUM”はギターが1本だけだったから北原用のパートを作ってきた」

 

「ふーん、拓未。割とバランスとれてるじゃない」

 

「殆どアドリブから崩して考えたようなもんだからな……手癖とかを指摘されると辛いが」

 

 かずさが読んだその楽譜。そこには春希の腕前を考えたような――つまり現時点じゃ弾けないだろうが着実にレベルアップしていけば弾ける程度の内容が記されてあった。

 

 

 適度に2拍、4拍と伸ばした音を中心に、カッティング混じりの伴奏とアルペジオを混ぜた構成。今後、エレキギターをする上で必要不可欠になる要素、他弦のミュートやキレのある弾き方。そして弦の分離を加えたパートだった。

 

「手書き……なのか?だから今日は――」

 

「いや、確かに手書きだが午後には終わってたさ、後は昼寝してた」

 

 だからお前が気にすることじゃねー。そういって春希の肩を叩くと、ロン毛をグッディーズで見せたようにアップで束ねながら、今度は拓未は武也を呼ぶ。

 

 

「おい、飯塚。お前曲は覚えてるのか?」

 

「いや、”WHITE ALBUM”をやることになるだろうと思ったのは昨日だったからね。途中まで軽くしたやってない。途中っていうかサビのところだけだが」

 

「そいつぁ殊勝な心がけだな。サビんとこできりゃ大体大丈夫だからな」

 

 そう言って武也のギターを借りると拓未は春希のパートのお手本を弾く。最初は普通の速度で、次はゆっくりと。そしてまた速度を戻し。三回程特徴的な部分を披露する。

 

 

「まぁこういう感じの弾き方だ。どうせかずさと後日練習するんだからとりあえず今日は他のメンバーのを見て、さっきの演奏をそれに重ねてイメージしてみておけよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 以前の楽器屋デート、そして昨日の春希との練習時のかずさを見た拓未はさすがかずさ。こいつは間違いなく本物だなと実感する。

 

 おそらくお遊びで取り組んでいたことがあったのだろう。ピアノだけでなくキーボードのパートも難なくこなしたその姿は、ごくごく自然に、それこそ呼吸をするように扱えるくらい身の回りに音楽というものを浴びて育ってきたのだろうという印象を与えた。

 

 教室備品のキーボードに加えて、自身が持ってきたであろう自前のキーボード2台構成で音色の幅を広げてプレイするかずさ。拓未は今回、リズムの安定に重みをおいたためドラムを叩いているが、しっかりベースパートを補うかのような弾き方は、かずさとプレイをしたらどんなに楽しいだろうか。そう期待させるのに十分な旋律を奏でてくれた。

 

 一方で、苦労しているのが春希より遥かに楽器に対して経歴もセンスもある部長、武也だ。ウワモノの部分でリズムが狂うからであろう。雪菜もつられるようにリズムを乱しがちになり歌いづらそうなシーンが多々有った。

 

 

「小木曽、人間が演奏するところで歌うっていうのは他人にリズムを持っていかれることもあるってことだよ。

 逆に自分だけのリズムを強要して周りの調子を崩すこともある。意識を同じ方向に合わせることや自分のペースを変える必要性ってのもあるんだよ」

 

「う、うん。カラオケとは全然違うんだね。いろんな楽器と合わせるのがこんなに難しいんだなんて初めて知ったよ……」

 

 音楽に関しては饒舌になるかずさ。そして拓未も武也に注意点を伝える。

 

 

「飯塚、お前そこそこ弾けるみたいだが。バンドっていうのは初めてだったりするか?」

 

「あ、あぁ。浅倉。同好会結成してからだよ、合わせるのは。それもすぐに空中分解したわけだが」

 

「なるほど、おおかたCDとだけ合わせるのが多かったわけだろうな……。

 だいたい判った。お前さ、ドラムとリズムを合わせる大事さはわかってるよな?」

 

「あ、当たり前だろ。なに当然のことを言ってるんだ」

 

 

「じゃあさ、ドラムの何処と合わせればいいワケ?」

 

「えっ……それは、ドラムの叩くところと……」

 

「そ、叩くところと合わせなくちゃいけない。そりゃ誰でも思うわけだ。だけど漫然と理解したっぽい状態と、しっかりと指摘されるとじゃ全然違うからな。ギター置いてこっちこいよ」

 

 仮にも部長、仮にも入部一日目。生意気なことを言う。と武也は腹を立てるものの、具体的に反論できない事実があるため、憮然とだがギターを置いておとなしく従う。

 

 

「お前さ、俺の代わりにココに座って、これ握って……。

 あとさ……。キモいことするけど決して他意はないからな。気にするなよ?」

 

 

「きゃっ!」

 

「っ……!」

 

「え、えぇぇぇぇ?」

 

 

 まるでお耽美なシーンを見たと口に両手を当てる雪菜。

 

 武也に殺気を向けるかずさ。

 

 最近友達に読まされたBL系がここに!?と焦る依緒。

 

 

 立ち上がった拓未のかわりにドラムスローンに座りスティックを渡される武也。

 

 キックペダルに足を乗せろと言われ素直に従う。

 

 そしてあろうことか拓未は背後から腕を回してスティックを握る武也の手を取ると、ペダルを踏む武也の右足に沿うように自らも足を置く。

 

 

「お、おい浅倉。ちょっ、うぁっ!」

 

 混乱する武也に、いいから落ち着いてろと耳元で落ち着かせる――雪菜いわく可愛いバージョンの拓未。……明らかに落ち着かせるには逆効果ではあるが。

 

 

「だぁ、黙れ!……いいか、ドラムってのはな、大体お約束が決まってるんだ。まずはバスドラム。いろいろパターンはあるが、最初の1拍目に踏むことが多い。そして3拍目はドドンと連符で。2小節目は1拍目は同じように、3拍目が同じく連符かもしくはオモテかウラかどちらかに一回だ」

 

 いち、にー、さん、し。と数えながら実際に踏む拓未。武也にもわかってきたなら自分も一緒に踏んでみろ。と数回繰り返す。

 

 

「そして、クローズのハイハットがそれぞれ4拍刻む事が多いんだが、その3拍目がスネアと一緒に叩くことが多い。これが3拍目をカウントするポイントだ。

 わかるか?ゆっくりやるからな、こうだ」

 

 シャッ、シャッ、タンッ、シャッとゆっくり繰り返し武也にも一緒に動かさせながら身体で覚えさせていく。

 そして次は先ほどのペダルを踏みながら手も加えてゆっくりと、慣れてきたらまた武也にも……とお約束のパターンを叩き込む。

 

 

「んでな、一番の極めつけのポイント、これは簡単だ。つまり、だ。AメロBメロ、そしてサビ。各パートの入るところにはかならずクラッシュシンバルがなるんだ。これで次のパートに入ったところが戸惑うことはない」

 

 

「お、おぉ!そうなのか!」

 

 拙いながらも今までの動作を染みこませるように反芻し身体に叩きこむ武也。その表情は新たな発見に喜びをだしたように。ニヒルに、クールに見せてる普段と違って無邪気さを感じさせて、依緒は何か懐かしい気持ちを感じながらその姿を眺めていた。

 

 

「飯塚もなんとなくはそのことを知ってたはずだ。ただ理屈つけて説明されるのとじゃ理解が違うだろうと思ってな。恥ずかしいことさせて悪かったな。

 んじゃギター持って、バスドラの1拍目、スネアの3拍目、シンバルの1拍目に気をつけて弾いてみろよ。次は少しゆっくり叩くからよ」

 

 先程よりも遥かに安定してカッティングを刻む武也。わからなかったことがわかるのは余程楽しいのだろう。驚くほど素直に拓未に礼を言って逆に拓未を驚かせてしまっていた。

 

 再び気分を変えてドラムとキーボード、そしてギターで合わせ、歌を乗せる雪菜。初めての時よりだいぶ歌いやすそうなその表情に、一歩上達したことを武也は感じていた。

 

 

 その光景を羨ましく見る春希。嫉妬というよりも羨望。俺もバンドで合わせられるようになりたい。かずさのピアノに合わせて、雪菜に歌って欲しい。自身の腕前の無さに情けない表情を作るもしっかり拓未に見られる。

 

 ある程度形になったのを見計らって、今度は武也のギターを拓未は借りると、かずさの伴奏と共に今回のTAB譜のポイントの説明に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「俺、なんか浅倉のこと見なおした」

 

「確かに、あの格好はすごく恥ずかしかったけど、音楽知らない私にもわかるくらい丁寧だったね……」

 

「いやー、おかげで合わせることの楽しさがわかってさ、俺今自分がすげぇガキっぽいって自覚出来るぐらいテンション高いんだぜ?」

 

 末次町で雪菜、拓未ペアと別れ。南末次町でかずさと自宅レッスンを受ける春希と別れ。二人電車に残る依緒と武也。

 

 最初は興奮していた武也だったが、話を続けるに次第、今日の出来事でこれまでのワルガキというイメージが崩れ、どうしていいかわからない。そんな雰囲気を二人は醸し出していた。

 

 

「親身に教えてくれるヤツなのに、アイツどうして2年まであんなに荒れていたのかな」

 

「さぁ、それはわかんないけどさ、依緒。やっぱり何か理由があったんじゃないのか?」

 

「まぁあって数日のあたし達がわかるはずもないか」

 

「そういうことだな」

 

 

 まだ深く突っ込むような間柄じゃない。きっといつかわかるんじゃないのか。そういう日が来るさ。そう話して帰路につく二人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 今日も冬馬邸での個人レッスンを終え、コンビニへカスタードプリンを買いにいくかずさと一緒に駅方面まで歩く春希。

 

「なぁ、冬馬……。小木曽とさ、浅倉が仲良く話してるところを見ると不機嫌そうになるだろ?それってやっぱり……」

 

 意を決して今まで気になっていたことを尋ねる春希にかずさは顔を真赤にしながら食って掛かる。

 

 

「なっ!? それがお前に何の関係がっ……。

 いや、そうだな。確かに拓未には助けてもらったこともあるし、学園外とは言え初めて仲良くなった男性だからな。

 それよりも前に知り合って仲の小木曽と話しているのを見ると、なんというか変な感覚を起こすのは否定しないよ。

 けど、北原。お前も学園内で孤立している劣等生のあたしを面倒みてくれて、こうやってギターを教えるくらいになっている。

 お前に他の子が話しかけてるのを見ても似たような気持ちになるのは……あたしは、欲張りなんだろうかな。そういう嫌悪感を感じることはあるよ」

 

 思いの外、素直に心情を打ち明けるかずさにうまく声が出ない春希。

 

 

「……そっか。……素直にそう言われると少し恥ずかしい感じもするけど嬉しいかな。だから嫌悪感とか感じるなよ」

 

「……あぁ」

 

 コンビニに辿り着き、自動扉の前で今日もありがとう、またよろしく。と挨拶し別れる二人。

 

 

 

 駅まであと少し、踏切が目の前に見えた交差点で背後から思わぬ声がかかることとなった。

 

 

「北原先輩……?」

 

 

 えっ、と振り返ったその先には、かつて軽音楽同好会を崩壊寸前……、いや崩壊に導いたその元凶の女。一つ後輩であり去年の峰城大付属の準ミス――柳原朋がそこにいた。




ようやくエピソード上の10話に到達。

2週間ですか?長かった……。

推敲は……明日でいいよね?誤字見つけても生暖かく微笑んでて下さい。おねがいしますなんでもしますから。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。