提督物語   作:タガラシ

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初めて小説書きます。よろしくお願いします。

もはや小説なのか怪しいですが、拙い文章ながら書いていこうと思います。


卒業①

…いよいよ、ここまで来たか

 

「今日この良き日に卒業する生徒の皆さん、大変おめでとうございます」

 

お手本のような謝辞が入る。

 

そう、俺は何よりこの日を待ち詫びていた。

 

ここ、提督養成学校一一ーーーーーもとい地獄からの卒業ーーーーーーもとい解放を心底待ち詫びていたのだ。

 

「卒業証書を授与されるものーーーー」

 

そんな解放感やらなんやらに浸っている内に、卒業証書授与が始まる。

 

「新垣 海士」

「はいっ!」

 

呼ばれると同時に溌剌とした返事を返し、きびきびと、しかし所作はしっかり行なって登壇していく海士。

相変わらず良い返事だなぁ…

 

「菊地 杏璃」

「はいっ!!」

 

海士よりも通る高い声で元気よく返事をする杏璃。卒業生唯一の女子である。もちろん性格はヤワではない程度では済まない。

 

「田口 洋」

「はい」

 

落ち着いているがしっかり全体に聞こえる声で返事をする洋。

登壇していくだけの所作ひとつ取っても、微塵も緊張が感じられない。

何というか…いつも思うけど、本当に同い年かというくらい落ち着いているなぁ。

 

「浜松 天理」

「っはい!」

 

少し詰まって返事をして登壇していく天理。

いやぁ……相変わらず可愛げあるなぁ、小柄な体格に童顔も相まって尚更だ。

少し顔を赤らめつつも登壇していく様子に、会場の雰囲気が少し柔らかくなったのは気のせいではないはずだ。

っと、次は俺の番か。

 

「山田 敬一朗」

「はい゛っ!!」

 

噛んだ。それも盛大に。

舌痛ぇ~…

 

っと、噛んだものは噛んだでしょうがない。さっさと登壇して証書を貰わなきゃね。

 

何事もなかったかのように登壇して卒業証書を沙原先生から受け取る。

 

 

あ、佐原先生…!何でちょっと口角上がってるんだ、天理のときは厳かな表情崩さなかったのに!

 

証書を授与して、これまた何事もなかったかのように席へ戻る。

 

 

「以上で海軍提督養成学校、一期生5名の卒業証書授与を終わらせて頂きます。続いてーーーーーー」

 

卒業証書授与終了のアナウンスが流れる。

 

そう。俺たちはこの学校を初めて卒業する生徒だ。

入った当時は200人くらい居て、クラスも5つに別れていたのに…

まぁ当然理由はあるんだけど

 

そんなこんなで式は恙無く進み、プログラムは卒業生退場を迎えた。

 

式場を出ると、そこはいつもの廊下で、なんだか安心した。

…少し緊張していたのを自覚した。

 

「はぁあ~…緊張したぁ…」

 

「お疲れ様、天理」

 

「うん…ありがとう、洋くん」

 

「気にすることねぇぜ天理、敬に比べりゃマシ……でもないか」

 

「絶対「噛んだのはしょうがない」くらいにしか思ってないものね、なんで盛大に噛んでおいて平時と変わらないのかしら…」

 

「そんな人を恥を知らないみたいな言い方する?俺だって緊張してたんだけど?」

 

玄関へと向かう道中、緊張から解放されたからか、天理が脱力し、それに対し洋が労い、海士がフォローしそびれ、杏璃が俺へ皮肉を投げてくる。

 

「確かに緊張するよね、来賓の方達が尋常じゃないし」

 

「洋が言っても説得力ねーよな、いつも通りに見えたぞ」

 

「いつも通りだったからね」

 

洋の言う来賓の方が指すのは、現在横須賀、舞鶴、呉、佐世保の各々の鎮守府で最前線で戦っているはずの4人の提督と、本営の元締めである海原元帥のことだろう。

 

確かに凄い人達だ…とはいえ、主となってこの学校を創った人達だし、戦線に問題がなければ式に出席するには妥当な人達だとは思う。

 

「話には聞いていたけど、事前に言われていても緊張したよ…」

 

天理は式場の雰囲気を思い出したのか、また緊張が蘇って来ているようだ。

 

「そうね、確かに座っているだけで圧を感じたわ」

 

「え、杏璃が圧感じるとか…」

 

「えぇ、流石に只者じゃーーー」

 

「そんな繊細な感覚が、杏璃にあったなんて…!世界が震撼すぶぅっ!?」

 

痛ぁ!

 

「私だって繊細な女の子なのよ、分かる?」

 

繊細な女の子はこんな腹に響くボディーブローを容赦なく叩き込まないと思うんだ…ッッ!

 

「…ふふっ」

 

あ、天理が笑った。癒し。

 

そんなこんなで何でもないやり取りをしてるうちに、玄関口まで着いた。靴を履き替えて外へ出ると、6つの人影があった。

 

こちらに気付いたのか、振り返ってこちらへ歩いてくる。見えるのは担任の沙原先生と…あれは…

 

「マジか」

 

「まさかとは思っていたけど…」

 

海士と洋が口を開く。洋は勘づいていたが、それでも驚きといった感じだ。天理と杏璃は固まっている。

そしてその人達は玄関のちょっとした階段を登り、俺たちの居る踊り場まで来た。

 

「やぁ栄えある卒業生諸君、この度は本当に卒業おめでとう。私は海原 勇人、本営で元帥を務めている者だ」

 

『はっ!有り難きお言葉、恐悦至極に存じます!』

 

5人キレイに揃って敬礼、返事も一糸乱れず行なえた。

海原元帥は驚いた様子で少し固まってから言葉を紡いだ。

 

「あー……既に知っているかもしれないがこの4人は今の横須賀、舞鶴、呉、佐世保、各々の鎮守府で深海棲艦と戦っている提督達だ。こちらから、田中くん、佐藤くん、仲川くん、佐倉くんだ。君たちは、これからこの提督たちの下について提督としての働きを学び、ゆくゆくは鎮守府を引き継いで貰いたい。」

 

ごくり、と誰かが生唾を呑む音が聞こえた気がした。

こんないきなり世間で英雄と言われている人達がここまで揃っているうえ、この人達の後継ぎとして期待されているんだ、無理もない。

 

…ん?でも待てよ?

 

俺がその疑問を感じると同時に、杏璃がおずおずと挙手して発言する。

 

「海原元帥、そうなると1人余ってしまいませんか…?」

 

そう、どう考えても配属先は鎮守府に1人が限界だ。

 

今の戦線にどのくらい余裕があるかは不明だが、この学校を創ったということは、そこまで優勢な訳でもないだろう。

 

誰か1人、下につく人数を増やしてそこだけに負担を掛けるわけにもいかないはず。

 

「あぁ、それについては…沙原くん」

 

杏璃が質問した後の一瞬、海原元帥と4人の提督達が少し申し訳ないような表情をしてたような…気のせいかな?

 

呼ばれて前へ出てきたのは、2年間俺たちの担任を受け持った沙原先生だ。

…全く物怖じしていない、いつも通りの雰囲気だ。やはり気のせいか。

 

「えー、それじゃ、配属先を発表するぞ」

 

そしていつも通りのテンションでさらっと発表へ移った。…沙原先生も只者じゃないよな…

 

「先ず、横須賀の田中提督の下に新垣、舞鶴の佐藤提督の下に浜松、呉の仲川提督の下に田口、佐世保の佐倉提督の下に菊地が配属となる。そして山田はーーーー」

 

残ったのは俺か…どうなるんだ…?

 

少し間を空けて、沙原先生は口を開いた。

 

「…山田は戦線の最前線上にある無人島の鎮守府、「孤島鎮守府」と名付けられた鎮守府に着任してもらう」

 

…………………は?

 

「…………は?」

 

あっ、ヤベ、口に出た。




一体どうなるんだ…(見切り発車)

簡単な紹介おば。

海軍提督養成学校
海原元帥と4人の提督が主軸となって設立した学校。職員は本営から人員を割いて運営している。
設立の目的は単純で、戦線を強化するための人員を育てる為と、今居る提督の後釜を選ぶためである。
そのため、教育内容は肉体的、精神的共に厳しく、卒業まで漕ぎ着ける人はあまり居ない。

山田 敬一朗(やまだ けいいちろう)
本作の基軸となる予定の人物。体格は若干筋肉質。身長は175くらい。性格は凡人的。かなり鋭い訳でもなく、頭が高速回転するわけでもない。しかし、一度覚悟を決めると動きが良くなる。

新垣 海士(あらがき かいし)
卒業生の1人。敬一朗のことを「敬(けい)」と呼ぶ。体格は敬一郎よりも一回り大きい。身長は185くらい。基本的には明朗快活。しかし口はいいとは言えない。捲し立てて相手を煽るような言動をとることも。かなり頭が回る。

菊地 杏璃(きくち あんり)
卒業生唯一の女子。身長は165くらい。性格は不器用で心配性。直情的で、カッとなりやすい。しかし本人はその性格を自覚しており、後になって後悔することもしばしば。

田口 洋(たぐち ひろし)
卒業生の1人。身長は170くらい。体格は敬一朗から多少筋肉を落とした感じ。分析家で冷静沈着。一見した印象は寡黙そうだが、案外お茶目なところもある。卒業生の中で一番頭が回る。

浜松 天理(はままつ てんり)
卒業生の1人。身長は162くらい。体格は華奢だが、しっかりと鍛え上げられている。童顔。人の感情に敏感。敬一朗と同様、覚悟を決めたら強いタイプ。
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