この人の言葉、最初からキリングバイツと比べるつもり出したが、此処から先は……原作とは違う展開(悪く言えば劣化)へと進む予定ですので……
2019年7月26日 フィリピン海豪華クルーズ船『獣王』メインダイニング
とうとう始まってしまった
先ずは、前回の優勝プレイヤーであり、
「進むマス目は……4」
「フム。では失礼して、5-1から5-3を経由、6-3へ」
すると、テーブルの人型が移動する。それを観ていた渚があからさまに嫌そうな顔をする。
(止めてぇー!リバースしちゃう!リバースする所見られちゃう!
一方の姫乃は、ただスマホで電話をしていただけであった。
「ん!ん!」
陽湖が咳払いで姫乃を牽制するが、姫乃は気にせず電話を続けた。
其処へ、進行役である篠崎が姫乃に賽を振る事を催促する。
「園藤様、ダイズを振ってください」
「あ、ハイ」
姫乃の空返事に、陽湖がますます不機嫌になる。
で、姫乃が出したマス目は……6。
此処で品田が独白。
(あの場所から『6』と言う事は、このゲームを知る者ならば、指し手は1つ。四方を一望できる絶好の拠点……15-24!ま、そんな事は、素人君には及びもつかないだろうがね)
だが、姫乃は、進める数が決まった途端にまた電話を始めた。
「あの、すいませんが、プレイヤーの持ち時間は、一手につき1分間。長考の局面ではありません。駒を進めて下さい」
だが、気にせずに電話を続ける姫乃。
遂に激怒して立ち上がる陽湖。
「いい加減にして。真面目にやらないなら出て行きなさい!」
姫乃と取っ組み合いの喧嘩になりかけた陽湖を、川辺と渚が遮る。
「
「静かにしな。電話の声が聴こえねぇだろ!」
陽湖と渚が睨み合いをする中、姫乃が漸く宇崎に指示を出す姫乃。
「瞳さんはこれより……15-24に移動します」
それを聞いた他のプレイヤー達が驚いた。まさか、あんな不真面目な指し手で理想の拠点を探し当てたからだ。
不思議そうに姫乃の顔を見る他のプレイヤー達を不思議そうに見る姫乃。
「いくら始まったばかりとは言え……誰もあのモニターを見ていらっしゃらないのですね?」
陽湖にとっては意味不明な言い分だった。
「いい加減にして!これ以上―――」
「それに!」
自身が言おうとした警告を遮られて更に怒りが増す陽湖。
「一手1分と言うのも非常に短くありませんか?」
この言葉で完全に姫乃を侮ってしまった陽湖。
「あっそ。つまり園藤姫乃は救い―――」
だが、姫乃の言葉は
「これでは、『
この言葉で何かを悟った品田が、司会進行役の篠崎に指示を出す。
「
「あっ、はい!」
で、篠崎の後ろにあるスクリーンに映し出されたモノは、3人の鷺宮女子高生徒にスマホを返す宇崎の姿であった。
「無礼を承知で言わせていただくなら、皆さんに『島の地形は把握してるのか?』と訊かれた時、何でそんな『無駄な事』をしなくてはならないのかと思いました。何故なら、現場の現状を最も知っている人物は、その現場に立っている人ですから」
そう、さっきの姫乃の電話の相手は宇崎だったのだ。
働き蜂の数や仕事を決めるのは、女王蜂ではない。
卵の数は、働き蜂同士の「相談」により、女王の食事量を調整する事でコントロールされている。
その役割もまた、女王が命じるものではなく、狩り、幼虫の世話、巣作りや掃除など、様々な仕事に対し、適任と思しき働き蜂が、自主的な判断でその役割を担う。
姫乃が採った作戦を正しく理解した品川が不敵に笑う。
(フフ……考えたな。まさか駒がプレイヤーを動かすとはね。スポーツで言うなら、選手が監督に指示を出すようなもの。前代未聞な戦略だ)
だが、同時にある種の畏怖も感じる品川。
(しかし、そうなると……15-24には、駒が自力で辿り着いたという事になる。データが少なく分析は不十分だが、プレイヤー共々
闇夜の中、何の道標も無く見知らぬ場所を動き回る。
人間にとっても動物にとっても、危険極まりない行為は、ラーテルにとっては日常のものである。
その並外れた胆力を武器に、視界が悪かろうと足場が悪かろうと先客がいよと、まるで意に介さず、縦横無尽に縄張りを拡げ、餌場や寝床を見出す事が、ラーテルの生活基盤となっている。
即ち、未開の地にひとり放り出されるという事は、不利どころか本領発揮。ラーテルの独壇場ともいうべき状況なのである。
漸く席に座った陽湖だが、未だに不機嫌であった。
(な、何て奴……思考を放棄して駒に選択を委ねるなんて、どこまで依存体質なの!?プレイヤーとして……いや、人として恥ずべき行為だわ。この女だけは、絶対に潰してやる!)
陽湖が別のプレイヤーに目で合図をする。
(フフ……サイン交換は、あなた達の専売特許じゃなくってよ。見せてあげるわ。
その後も、参加
(で、結局、誰も現場の
だが、川辺が渚に指で下を見る様指示する。
「ん?」
(姫乃、何であんな渋い顔をしてんだ?というか、画面を見ずに盤面を見てるぞ。一体何が……)
盤面を見て漸く気が付いた。宇崎が三門派
2019年7月26日 フィリピン海炎蹄島崖エリア
炎蹄島に密かに潜入していた『兵士』達が、スマホで姫乃の指示を受けていた。
「はい。了解しました。では、その様に」
宇崎は、電話の内容を聞かずして、『兵士』達が次何を言おうとしているのかが解った。
「敵か?」
「ええ。しかも、2人で挟み撃ち」
宇崎が笑った。
「姫乃の奴、面白い作戦を考えやがったぜ。お陰で……」
宇崎が嬉々として後ろを振り向く。
「誰かがコッソリ忍び寄ったとしても……すぐ分かる」
後ろにいた男性は、余裕の表情で言い返す。
「心外ダナ。忍ビ寄ッタ覚エハ無イゼ。俺ハ忍ビジャナクテ、力士ダカラナ」
「力士?」
近くにいた『兵士』達が、自称力士を見て冗談を言った。
「その割には、岡島さんよりかなりスマートじゃね?」
「こんなに細い力士なんて、サガるわー」
だが、力士は意に介さない。
「能書キハ要ラナイ。悪イガコノ場所ヲ譲ッテモラウ。コナイダノ決着モマダダシナ。
一方の宇崎は、訳も解らず首を傾げた。
「あ?お前誰だよ?」
力士は冷静だった。
「分カラナイカ?」
力士が獣化した。
「ダガ、コノ姿ナラ分カルダロ?」
2019年7月26日 フィリピン海豪華クルーズ船『獣王』メインダイニング
川辺が獣化した力士を視て驚いた。
「ヒグマだわ」
「ヒグマ?」
「ヘラジカやアシカなど大型動物をも襲って食べる恐ろしい奴だよ。優れた嗅覚と聴覚を持つから、追跡者としても優秀だよ。まともに戦って勝てる動物は少ないよ」
川辺の解説を聞いた渚は困惑した。
「それてヤバくね?」
その間、篠崎と観客のテンションが急激に上がった。
「SHOWDOWN!1つのマスに2つの駒乗ったため、1巡目にして、早くも戦闘開始です!
周りの異様な盛り上がりに、姫乃は溜息を吐く。
(1年前のあの悲劇で解っていた事だけど、人間というものが、どんなに平和で調和が取れ、安定した状況にあろうと、必ず、争いを求めるという事を)
そして思い出す谷のあの言葉。
「セレブは、娯楽に飢えているのさ」
(これも、藤本先生が言っていた『政治や軍隊などの中枢機構を男性が占める事による脆く壊れやすい、人類の作る不完全な
「男」であることが犯罪リスクを大きく高めることは、統計的に明らかです。アメリカの調査でも、凶悪犯罪者の9割は男で、人種や宗教、生育環境による差はほとんどありませんでした。唯一、はっきり現れたのが、性差。もちろん、男性イコール犯罪者ではありませんが、「男という性」に攻撃性・暴力性が潜んでいることは間違いありません。
なぜ、男は凶悪犯罪を起こすのか。
進化論的には、男は「競争する性」、女は「選択する性」として「設計」されています。すべての生き物は、できるだけ多くの子孫(利己的な遺伝子)を後世に残すようにプログラミングされており、哺乳類や鳥類の多くでは、オスが競争し、メスが食料や安全などの「資源=支援」をもっとも多く与えてくれるオスを選ぶのが性戦略の基本です。もちろん、ヒトも例外ではありません。
男児は思春期を迎えると、男性ホルモンであるテストステロンのレベルが急上昇します。これによって、他の男たちを押しのけて一人でも多くの女性を獲得するきびしい競争に乗り出すことができるのです。
テストステロンが筋肉質の身体や彫りの深い顔立ち、低音の声などの「男らしさ」に関係するだけでなく、徒党を組んで競争を好み、支配欲や攻撃性を高めることは様々な研究で確認されています。
([[jumpuri:文春オンライン > https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190913-00013997-bunshun-soci]]参照)
2018年6月20日 東京都千代田区霞が関二丁目1番1号警視庁本部庁舎3階留置場
鷺宮女子高銃撃テロ事件では、姫乃の逃亡を手助けしようとした助手の原口を研究者としての本分と好奇心を理由に助長させたため、逃亡幇助と公務執行妨害の容疑で逮捕されてしまった藤本康臣。
其処へ、1人の男性が面会しに来た。だが、その体は包帯でぐるぐる巻きにされており、松葉杖も相まって痛々しそうである。
「大貫さん……でしたかな?生きておられましたか?」
「ええ、まあ……あなたの助手に殺されかけましたけどね」
そう、公安警察特務捜査課に所属していた刑事大貫賢は、姫乃と渚の逃亡を手助けした原口が運転する車に轢かれて重傷を負っていたのだ。
しかも、原口は鷺宮女子高銃撃テロ事件前日に姫乃の『女王』の『針』に刺されて『兵士』化していた。
「今日はその事で来たんですが……何度も理解したつもりだったんですが、どうも解らなくなってしまって……彼女達の……いや、『蜂』の目的は、一体何なんですか?」
藤本は静かに答えた。
「それはですな、ズバリ、理想の社会を作る事です。そのために最も効率的な方法が、社会寄生。スズメバチやミツバチなどの社会性蜂は、女王も兵士も全てがメス。彼女らにとって、オスは全く不要な存在であり、生涯たった1度の生殖活動を終えた後は、メスのみで単一的かつ非常に安定的な社会を作り上げます」
そのまま、藤本は蜂と人間を比較する。
「人類の作る不完全な
そして、藤本は人間社会そのものを否定するかの様な事を言い出し始めた。
「社会性生物としては落第点。人間社会は、その規模や機能性とは裏腹に、非常に脆く壊れやすい。『蜂』にとっては、まさにそこが付け目。社会形成に不可欠な少数の女性のみを支配下に置けば、最小限の変革のみで、全体を乗っ取る事ができる」
2019年7月26日 フィリピン海豪華クルーズ船『獣王』メインダイニング
(15-24は、確かに有利な拠点。でもそれは、チームの連携があればの話よ。ひとりで立っても意味がない。
陽湖がクスッと笑いながら姫乃をチラ見する。
(もっとも、そうなるのは私が二手目を指す前に、
そして、篠崎が熱狂している観客を煽る様に叫んだ。
「
2018年6月20日 東京都千代田区霞が関二丁目1番1号警視庁本部庁舎3階留置場
が、藤本は、
「何故我々は、男と女に分かれているのか。その理由が解りますか?」
質問の意味が解らずに困惑する大貫。
「いえ……全く……」
「太古の昔、原始の生命は、配偶子を二極化する事で、繁殖力を高める方策を思いつきました。それが、精子と卵子です。ですが、巨大で複雑な機構を持つ卵子と単純で生産が容易い精子。どちらがより価値ある存在かは明らかであり、自然界は、常にオスよりメスを優位なものとして生み出してきました。[[jumpuri:オスよりもメスが大きい種も多く > https://www.youtube.com/watch?v=BuYLGVGCkfw]]、[[jumpuri:概して、生命力も強く寿命も長い > https://www.youtube.com/watch?v=xC--vbzSGhU]]」
此処で、藤本がまた人間と他の動物を比べた。
「しかし、人間の場合、オスの方が大きく力が強い。これが過ちの第一歩。おそらくは、狩猟と農耕とにその役割が分かれた事が発端なのでしょう。その後の進化の過程で、膂力の強いオスが社会の実権を握り、メスは社会の中核から外されていきました」
藤本は、また人間社会を否定した。
「
困惑する大貫を置き去りにして、藤本が持論を展開する。
「ハチは違います。完全なる社会を持つ彼女らは、産卵管を変質させた刺殺武器『針』の存在により、戦闘力において雌雄の差を決定的なものにしながら、2億年もの生存競争を生き抜きました。『ハチの世界』の常識で言えば、オスがメスに逆らうなど愚の骨頂。集団ならともかく、1対1で相対すれば……」
2019年7月26日 フィリピン海炎蹄島崖エリア
「雌が雄に敗ける、理由が無い」
観客の盛り上がりに反して、
すれ違いざまに攻撃する同士のぶつかり合いが発生してすぐに
「ナ……ナゼダ……マサカ、アノ時ノ一撃ダケデ、俺ノ技ヲ見切ッタノカ?」
「ま、完璧じゃないけどな。紙一重でこっちが殺られてた。それでも、牙の鋭い方が勝つ。それが『
2019年7月26日 フィリピン海豪華クルーズ船『獣王』メインダイニング
流血必至の戦闘が一瞬で終わったから観客がクールダウン……という事態を防ごうと篠崎が宇崎の大金星を称えた。
「なんと一撃!
一方……
「バ、バカな……私の
が、そんな敗けプレイヤーを無視してモニターを睨む陽湖。
(フン。想定していたよりは、多少、厄介な相手みたいね……早めに片付けたい所だけど、戦況を考えれば、もう1人の仲間と合流するのが先ね)
今度は、姫乃に怒りと敵意の視線を送る陽湖。
(今に見てなさい。園藤姫乃、あんたの駒は、私の駒で完膚無きまでにブッ潰してやるわ!)
その一方、セレナが宇崎の決め台詞を嘲笑う。
「終わったな……これで確信になった」
フード娘は、何の事か判らず首を傾げた。
「確信?何の事だ?」
セレナはこう予見した。
「牙の鋭い方が勝つと言う勘違いに囚われている限り、
フード娘は、自分の頭を指で突きながら反論する。
「あの
それを聞いたセレナが高笑いをした。
「な!?……何が可笑しいんだよ……?」
「ただ勝つのと最後まで生き延びるのとは別問題だ。相手の力量を見極め、無駄な争いを避ける。それが、常勝に生きる『勝者』の戦術だ」
フード娘が白目を剥きかけながらツッコミを入れる。
「それって……カッコ悪くねぇ?」
セレナが呆れながら答えた。
「それは、人間どもの歪な常識が産んだ勘違いよ。どんなに外見を馬鹿にされても、どんなに忌み嫌われても、絶滅せずに存在し続ける。それが……自然界における『勝利』の定義よ」
セレナがクスッと笑いながら姫乃を見た。
「だが、これはこれで好都合。あの
そして、セレナが宇崎をまた侮り嘲笑った。
「ま、私なら
pixivに連載中の私の作品であるヒメノスピア×キリングバイツ(https://www.pixiv.net/novel/series/1143454)を、こちらでも掲載させて頂きます。
内容としましては、ヒメノスピア第11話(https://www.heros-web.com/comics/9784864685900/)以降の園藤姫乃がキリングバイツ第30話(https://www.heros-web.com/comics/9784864684729/)までの野本裕也の役割を担うが、無料では引き受けないぞ!的な内容です。