けど、兄が「虎」だからか、獣闘士としての格は兄に隠れがち。また、原作ではまだ言われていないが、チーターをモチーフにしたキャラだから長期戦は無理ではと読者に予想されている。
第9話:中西エルザ
2019年6月26日
本当は立ち入り禁止である屋上で昼飯を食べていた宇崎。
「あー……平和だ……
『兵士』がうようよしていると聞いていたが、実際は『兵士』とは名ばかりの平和な毎日に飽き飽きしていた。
特に、
因みに、乃塒はただの女子高生であり、『兵士』でも何でもない。
過去の自分を思い出して溜息を吐く宇崎。
「こりゃ性に合わない。なんせ……私が生きてきた環境とは……違い過ぎる!」
其処へ、鷺宮女子高等学校とは別の制服を着ている女子高生に声を掛けた。
「見つけた」
覗き込む様に見る他校の女子高生を見つけ、驚き半分好戦半分の苦笑いをした。
「立入禁止の屋上に出るなんて、
「だから何だ?」
「私、
「ったく。露出狂の次は覗き魔かよ。八菱にゃ変態しかいねぇのか?」
「変態じゃないよ。私が興味あるのは、あなただけ」
それを聴いてますます好戦的な態度になる宇崎。
「何だよ?こんなトコで闘ろうってのか?」
それに対し、エルザは宇崎の股間を覗き込む。
「そうね……ココでヤッちゃうってのも、アリかも♡」
宇崎は、獣化しながらパンツを脱がそうとするエルザに襲い掛かるも、渾身の右ストレートを躱されて後ろに飛び退かれる。
「あはっ♡パンツGET!」
「てめー……ぶっ殺す!」
完全に獣化した宇崎を見ても余裕のエルザ。
「ひゅー。すごいな。何の迷いも無く戦闘モードに入っちゃうなんて。でも、ノーパンのままじゃ風邪ひくよ?」
一方の宇崎は少々困惑していた。
(こいつ、あの至近距離で、私の爪を受けやがった。その気ならカウンターをとれたはずが、どういうつもりだ?)
その間も、奪ったパンツを回したりと、余裕のエルザ。
「さてと、戦利品も手に入ったし、今日の―――」
「これ程の校則違反……鷺宮女子に関わる『兵士』としては見過ごせないね」
突然現れた川辺。既に『針』を露出させて臨戦態勢である。
「へー。これが『兵士』の『針』かー」
余裕の表情とエルザの体型から、川辺はある推測が浮かび、それを立証する為に『針』でエルザを刺そうとしたが、エルザに簡単に避けられてしまった。
だが、川辺の推測が確信に変わった。
「『兵士』の『針』を初見で躱したな?これで……お前の正体見たり!」
川辺が、カッコ付けながらエルザを指差す。
チーターの最高速度時速120㎞とは、即ち秒速33.3m。
その校則の世界を常とするチーターの動体視力の前には、秒速3mの液体など、空中を漂うシャボン玉の如き浮遊物に過ぎない。
「つまり。その子の元ネタは……」
[[jumpuri:既に、屋上にいるのは川辺だけであった。 > https://livedoor.blogimg.jp/henshinhero/imgs/b/a/ba0f692c.jpg]]
[[jumpuri:「あれ?どこ行った?」 > https://livedoor.blogimg.jp/henshinhero/imgs/6/0/6012b9da.jpg]]
川辺は理解出来なかった。
エルザは納得がいく。自身の正体が暴かれそうになっているからだ。下手すれば殺されていたかもしれない。
だが、宇崎は明らかに変だ。これから戦う敵の正体を知っておく事は、どれだけ優勢か計り知れないからだ。
それ程有益な情報を捨ててまで途中退場の意味が解らなかった川辺。
[[jumpuri:「……あれっ?」 > https://livedoor.blogimg.jp/henshinhero/imgs/a/6/a6929d56.jpg]]
[[jumpuri:驚いた風に後ろを振り向く。 > https://livedoor.blogimg.jp/henshinhero/imgs/7/f/7f9aa3b2.jpg]]だが、屋上にいるのは川辺だけであり、その光景は、かなりシュールであった。
2019年6月26日
エルザをの正体を見破った川辺を屋上に置いてきぼりにした宇崎は、からかいにながら逃げ回るエルザを追いかけ回していた。
「待てこらぁ!」
其処に、間の悪い事に乃塒がいた。
「あれ?ヒトミちゃんはどこに……」
周りをキョロキョロしていた乃塒が宇崎と激突した。
「おわ!?」
「きゃ!?」
「あいたた……」
「ん?」
宇崎の倒れ方が悪かったのか?それとも、乃塒の起き上がるタイミングが悪かったのか?
乃塒がノーパンの宇崎の秘部を観てしまった。
(きゃああああああ♡)
が、宇崎はそれどころじゃなく、乃塒の襟首を掴んで問い質す。
「乃塒!あいつはどこだ!?」
「ヒトミちゃん!ご褒美なんですか!?これは御褒美なんですか!?」
全く噛み合っていない会話に業を煮やしたエルザが、からかう様にしゃしゃり出て来た。
「こっちこっち。ハーイ♡」
乃塒を突き飛ばしながらエルザを追う宇崎。
「てめぇ!パンツ返せ!」
置いて行かれた乃塒は、観てしまった宇崎の秘部を思い出してボーとしてしまったが、ある事に気が付いて頭を抱えた。
「ハッ!しまったーーーーー!スマホを使うの忘れてたーーーーー!」
色々と見当違いな事を考える乃塒であった。
2019年6月26日
一方、取り残された川辺は、エルザの出現と正体をスマホで姫乃に報告。
「はい。それで間違いありません」
「それでは、今から追っても無駄だと?」
川辺は、生物学に詳しい故にある確信があった。
「いいえ。あの子の持久力は大した事はありません。直ぐにその子から手が出ますよ」
2019年6月26日
未だにエルザを追いかけ回している宇崎だが、
(くそ!あの野郎……獣化もしてねぇくせになんて速さだ!)
だが、宇崎は確信していた。もう直ぐ追いつけると。
しかし、それはエルザの正体を知らないから言える誤算であり、エルザの正体を知らない故の判断ミスであった。
(な!?あの速度、あの体勢から、
見事に宇崎の意表を突いたエルザは、仰向けに倒れた宇崎に馬乗りになった。
「あはっ♡たーんじゅん」
エルザは、優位を確信したのか漸く獣化した。
「駄目だよ。そんな力任せの強引な戦い方じゃ」
此処で漸くエルザの正体を知る宇崎。
「
チーター。
哺乳類最高の走行機能を有する、地上最速の肉食動物。
最高速度は120㎞にも達するが、剥き出しの爪がスパイクの役割を果たし、一瞬で静止し方向転換する、『制動力』を生み出す。
さらに、呼吸調整を高めるための大きな鼻腔や軽量化に徹した細長い体躯など、他の猫科動物には見られない、走る事に特化した身体的特徴が多い。
即ち、チーターは、地上最速の
優位に立った余裕からなのか、ただただ上から目線で語り出すエルザ。
「最強の
宇崎は、何を思ったのか黙ってしまった。それは諦めなのか?それとも……
「現に今、あっさり組み伏されて手も足も出ない。
エルザは、宇崎にトドメをさそうとついに手を出した。
「正面からの攻撃に対しては……まるで無力!」
だが、エルザも誤算があった。
「な!?」
慌てて飛び退くエルザ。
「やれやれ……お前もあの川辺とか言うインテリ気取りと同じだな」
宇崎が喰いちぎった肉片を吐き捨てた。
「現実が見えてねえ。スピードだのパワーだの関係無えんだよ。牙の鋭い方が勝つ。それが『
予想外の展開に困惑しながら、噛まれた手を視るエルザ。
(ありえない。目の前に迫る爪の一撃を、避ける事もせず、逆に噛みにいくだなんて……)
ラーテル。
猫目イタチ科に属する小型の雑食性動物。体長は60~80㎝。
その性質は荒く凶暴そのもの。
体格に大きな差のあるライオンや水牛等の大型動物にも、臆する事なく立ち向かうため、「the most fearless animal(世界一怖い物知らずの動物)」としてギネスブックに登録されている。
(やばい。もしかしてこの子、ガチで
だが、エルザは余裕の舌なめずり。
(やっばい惚れちゃいそう♡)
「
だが、姫乃の大声が水を差した。
「其処までです!」
今度は、本気で悔しそうに舌打ちするエルザ。
「チッ!シラケるわー。邪魔しないでくれる―――」
この段階で全てが終わっていた。
姫乃は無数の『兵士』達を引き連れており、『針』も露出して戦闘態勢は万全だった。
「くっ!」
渚が静かに警告する。
「どうする?このまま大人しく捕まるか?それとも、このままブチ殺されるか?」
宇崎が戦闘が白けてしまった事に呆れながら頭を抱える中、エルザは逆に姫乃達を挑発する。
「
姫乃が警告を追加した。
「今日は、どれだけの距離を走りました?もう……貴女はへとへとの筈です!?」
姫乃のこの行動は、チーターの持久力不足を見越した故の行動だったのだ。
だが、そんな姫乃を宇崎が叱り付けた。
「お前は何を聞いてた!そんな浅知恵なんて関係無え。牙の鋭い方が勝つ。それが『
渚がめんどくさそうに遮った。
「はいはい!頭の悪そうな台詞は後にして!」
そんな中、姫乃がエルザを睨んだ。
「
宇崎が姫乃の台詞を遮る。
「てめぇ……これ以上邪魔するなら、もう容赦しないぞ!」
が、宇崎VSエルザを妨害する者は、姫乃達だけではなかった。突然倒れた気が宇崎とエルザの間に割って入ったのだ。
「ちょ、ちょっと……邪魔しないでよ!この子は私が先に―――」
知的に見える小柄な眼鏡男が、
「そうはいかないよ。
獲物を横取りされた気分のエルザが反論する。
「はあ?急に出てきて何言ってんの。こっちは仕事で―――」
三門の使者と思しき少年がとんでもない事言い出す。
「ちょっと事情が変わってね、石田が臨時に雇い入れた
その言葉に驚きを隠せないエルザ。
「!?デ……
「開催は1か月後。それまでは財閥間の協定で、
其処まで言われたら、矛を収めるしかないエルザであったが、宇崎は逆に少年を襲い、少年は近くの木の枝に飛び移り、
「ちょ、ちょっとストップ!あんた、何考えてんのよ!?今の話、聞いてなかったの!?」
宇崎は平然と答えて渚を呆れさせた。
「うん。全然。邪魔だしうるせえから、殺そうかと思って」
「……さっきも言ったが、頭の悪そうな台詞は後にしてくれない?」
一方の少年は、宇崎の凶暴さを嘲笑った。
「いやー、聞きしに勝る凶暴さだね」
そして、木の枝から降りると、何も無かった様に普通に帰って行った。
「用件は伝えたから、僕らは帰るけど、細かい説明はエルザから聞くと良い。喧嘩しちゃ駄目だよ。それじゃ」
他の者達が呆然とする中、姫乃は少年から邪な視線を感じた。
(あれが……園藤姫乃か……)
pixivに連載中の私の作品であるヒメノスピア×キリングバイツ(https://www.pixiv.net/novel/series/1143454)を、こちらでも掲載させて頂きます。
内容としましては、ヒメノスピア第11話(https://www.heros-web.com/comics/9784864685900/)以降の園藤姫乃がキリングバイツ第30話(https://www.heros-web.com/comics/9784864684729/)までの野本裕也の役割を担うが、無料では引き受けないぞ!的な内容です。