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この日、魔法界には二つの良いニュースと悪いニュースが駆け巡り、魔法省から一般市民に至るまで全ての魔法使いが騒いだ。
まず良いニュース。
悠久の智者、リーゼロッテの帰還。長らく姿を消していたリーゼロッテは既に死んでいるのではと噂されていたのだがそれを信じる人間は少なかった。
一部に熱狂的な信者が存在するリーゼロッテの存在はダンブルドア並みに世間の間では有名だったのだ。
そして、もう一つの悪いニュース。
闇の帝王を倒したとされる少年、ハリー・ポッターが行方不明であるというものだ。
口さがない者なんかは例のあの人の報復に遭ってすでに死んでいるのではと囁き合っていた。
リーゼロッテの帰還とハリー・ポッターの失踪。
この二つを結びつける者がいないわけではなかったが、そういった者達は不思議と声高に言うのではなく、むしろひっそりと声を潜めて話し合った。
そして二つの事柄を結びつけた一人の老人がここにいる。
ホグワーツ魔法魔術学校校長、アルバス・ダンブルドア。
一面の記事となっている日刊預言者新聞を厳しい顔で見つめている。その傍らには黒衣の男。魔法薬学を担当するセブルス・スネイプだ。
「セブルス。お主に行ってもらいたい所がある。恐らくそこに……ハリーもおるじゃろう」
「ハリー
「リーゼロッテ・ヴィラン」
「!悠久の智者が何故、」
「どうやら彼女が連れ去ったようなのじゃ。否、連れ去ったと言うかより、ハリーが着いて行ったと言う方が正確かのう……」
「なっ……」
ハリーが闇の帝王を倒してから、ハリーを保護して優秀な闇祓いへ育て上げようとしたする者やそれこそ報復のために近付こうとした者がいた。
ダンブルドアはハリーが利用されるのを避けるために自らが持ちうる権力を使い、闇祓いや魔法省から距離をとらせることに成功した。
そうして預けられることになったダーズリー一家で、ハリーは正しく厄介者扱いされていた。
赤ん坊のうちから従兄弟のダドリーと差別され、食事や衣服に至るまで差が付けられていた。
そんな両親を見て育ったダドリーもまたハリーを差別的に扱うようになり、暴力まで振るうようになった。それを肯定する両親がいれば尚更のことである。
食事も満足に与えられず、家族ではなく使用人のように扱われる日々に少しずつ磨耗し消耗していったハリーはある日不思議な女性とであった。それは奇しくもハリーの四歳の誕生日、七月三十一日の出来事である。
近所の公園でいつものようにダドリーに追い掛け回されていた。
やめてと言っても聞いてくれるわけもなく、一緒にいるダドリーのお友達は一緒になって追いかけてくるかニヤニヤと嫌らしい笑みをむけてくるだけだ。
まともに食事を取れていない六歳児の体力なんてかたが知れているわけで……案の定すぐに疲れ果ててしまい捕まりそうになった瞬間。
背後でどさりと音がして見てみれば、ダドリーとそのお友達が揃って地面に倒れていたのだ。
驚きで目を丸くしたハリーが辺りを見渡すと見知らぬ女が木の棒を持って立っていた。
「
女は肩で切り揃えられた銀色の髪をかき上げながら微笑んでこう言った。
「
そして、こう付け足す。
君を迎えに来た、とも。