不思議の墳墓のネム   作:まがお

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前回のあらすじ

「闘技場で勉強だ!!」
「武技を習得したでござる!!」
「ネムと一緒だと、イベント遭遇率高いな」
「皇帝の眼は誤魔化せない。あの少女には裏がある!!」

今回はあのアイテムが登場するおふざけ回です。


不完全なる狂騒

 優秀過ぎる部下の手腕により、さしたる問題もなく日々を過ごすナザリック地下大墳墓。

 その絶対的支配者たるモモンガは、大層な肩書きに似合わぬ軽い業務を行っていた。

 

 

(承認。承認。こっちのは、何だこれ? 一応アルベドが一度見てるはずだし…… よし。承認だな)

 

 

 ナザリックの運営に関わる書類――アルベドによる精査済み――の決裁である。

 

 

(働く時間すら自由って、俺だけホワイト過ぎるな。まあ今の俺は社長みたいなものだし、責任は営業時代の比じゃないが……)

 

 

 詳細を一部でも理解していれば、あるいは内務に長けた部下の補助がなければ、モモンガが感じる重みも違ったものになっただろう。

 しかし、軽快なリズムで押されるギルドマークの判子は、モモンガの晴れやかな心情とリンクしているようだった。

 

 

(地下農場計画と虫籠計画? 農場はいいとして、虫なんか育ててどうするつもりだ。誰かの餌か? 発案者は――ですよね)

 

 

 実質的な運営を部下に任せっきりな事に対して、モモンガも多少の負い目はある。

 しかしながら自分にそういった能力はなく、逆に自分が先頭に立って指示を出せばナザリックが崩壊する未来が見える。

 

 

(絶対デミウルゴスは働き過ぎだろ。営業一本だった俺からすれば絶対真似出来ないし、あいつはいつ休んでるんだ?)

 

 

 そう。つまりこれは適材適所。

 自分の適所が支配者かどうかは甚だ疑問だが、仕方のないことなのだ。

 

 

(上司である俺が率先して仕事をしない姿を見せれば、周りも休みやすいと思ったんだけどなぁ)

 

 

 ついでにネムと遊んだり、冒険者として活動するための自由な時間は捨て難い。

 精神の健康は仕事の効率を高めるというし、全くもって仕方のないことなのだ。

 

 

(……俺が遊んでたらより熱心に働くってどういうことだよ。もう休みを強制する気もないけどさ)

 

 

 完璧な自己弁護を頭の中で繰り返した後、モモンガは再度の手元の書類に意識を戻した。

 

 

「フィース。次の書類を」

 

「はい。モモンガ様」

 

 

 モモンガは支配者ロール兼部下へのサービスとして、必須ではない小さな命令を時々与える事がある。

 労力を伴わない自分の言葉一つで部下の笑顔が見られるなら安い物だ。

 

 

(転移直後ならまだしも、こんな調子で何故俺の評価は一向に落ちないんだ?)

 

 

 フィースが背中を見せた瞬間、モモンガは形だけの溜め息を吐いた。

 心情を悟られにくいアンデッドの肉体は本当に便利なものだ。

 その後も疲労しない体を良いことに、自分に出来る範囲の仕事として――責任だけは果たすため――モモンガはひたすら書類に目を通し続けた。

 

 

「モモンガ様。パンドラズ・アクター様がお目通りを希望されています。……これは私見ですが、かなり動揺されているようにも見受けられました」

 

「あいつが?」

 

 

 決裁を終えた書類のファイルを六つほど机に積み上げた頃、部屋付きのメイドがモモンガへ意外な来訪者の名を告げてきた。

 

 

「至高の御方にして我が創造主たるモモンガ様。急な来訪の無礼をお許し下さい。至急お耳に入れたいことが御座います。ですが……」

 

 

 畏まった態度で敬礼する軍服姿のNPC。

 この時点で薄々嫌な予感はしていたが、パンドラズ・アクターを部屋に招き入れるや否や、それはより確実なものとなる。

 部屋付きのメイドや護衛を下がらせなければ話せない内々の話があると言われ、モモンガは即座にそれを聞き入れた。

 

 

「さて、人払いは済んだ。極秘で伝えたい事があると聞いたが…… そもそもお前が宝物殿から出ているのは珍しいな?」

 

「いえ。今は指輪もありますので、結構好きに行動させていただいております」

 

 

 パンドラズ・アクターと改めて顔を合わせたモモンガは、少しばかりの安堵と疑念を覚える。

 ――大人しい。

 あのオーバーアクションの化身のようなパンドラズ・アクターが、控えめな言動をしているのだ。

 

 

「……そうか。すまない、話の腰を折ってしまったな。それで、一体何があった?」

 

「じ、実はですね――」

 

 

 何かあると感じたモモンガは、早々に本題を聞き出す事にした。

 決まりが悪そうなパンドラズ・アクターが口を開きかけた時、その背中からひょっこりと見慣れた顔が現れる。

 

 

「にひひー、驚いた?」

 

「えっ」

 

 

 パンドラズ・アクターの体をよじ登って登場したのは、十歳くらいの女の子。

 不可視化の魔法でも使われていたのか、モモンガは今の今まで全くその存在に気がつけなかった。

 ――どう見てもネムだ。

 自分を驚かせたのが嬉しかったのか、ネムはいつになく悪戯っ子な表情で笑っている。

 

 

「よいしょ、よいしょ」

 

「申し訳ありません、モモンガ様!! 処罰は後程、如何なる内容でもお受けいたします!!」

 

「待て、早まるな。とりあえず説明をしてくれ」

 

 

 さらに、ネムは無造作にパンドラズ・アクターの頭を掴むと、そのまま勝手に肩車の体勢に移行していた。

 如何にも子供らしい自由奔放さと天真爛漫さだが、遠慮のなさにモモンガは違和感を覚える。

 

 

(前に一緒に遊びはしたけど、ネムとパンドラズ・アクターってここまで気安い関係だったか?)

 

 

 ネムは元からナザリックに住まう異形種にも、そこまで怯える様子はなかった。

 よほど恐ろしい姿をしていなければ、とりあえず自分から挨拶していたくらいである。

 

 

「あぁっ、ネム様。私のアイデンティティですので、軍帽は取らないようにお願いします」

 

「はーい」

 

(基本的にどのNPCとも良好な関係だったとは思うけど、今の態度は変だよな)

 

 

 ただしいくら肝が据わっていても、流石に断りもなく人の体をよじ登るほど不躾ではなかったはずだ。

 ナザリック内や冒険中に限らず、村でもネムのそんな姿は一度も見た事がない。

 

 

「話は数時間ほど前に遡ります。日課であるマジックアイテムとのふれあいを終えた私は、とあるアイテムの作製、改良をしておりました」

 

(俺の書いた設定通りのアイテムフェチだな)

 

「しかし、基となった『完全なる狂騒』は精神に作用する非常に複雑なアイテム!! ……作業は難航。纏まらぬ思考。己の無力さに私は咆哮!!」

 

「ふむふむ」

 

「様々な方法を試みましたが、望む効果を持たせる事は中々出来ませんでした」

 

 

 肩車されたネムが視界に入って非常に気になるが、モモンガはパンドラズ・アクターの言葉に耳を傾ける。

 集中して聞いているつもりだが、今のところ話にはネムのネの字も出てこない。

 

 

「そのまま行き詰まっていたところ、ふと思ったのです。そうだ、ネム様に話を聞こう!!」

 

「ふむ…… ん?」

 

「新たなインスピレーションを得るべく、招待したネム様と談笑しながらアイテムをあれやこれやと弄っていたのですが……」

 

 

 ――と、思っていたら何の脈絡もなく登場した。

 外部との交流を推奨したのはモモンガだが、下手をすれば自分以上にネムはNPC達からの相談を受けているんじゃないだろうか。

 あの人間嫌いのNPC達から信頼を勝ち取るなど、どんなコミュニケーションをすればそうなるのか教えてもらいたいくらいだ。

 

 

「試作品が暴発しました」

 

「えぇぇぇっ!?」

 

 

 モモンガは予想外の奇襲を喰らい、凡人らしく思いっきり叫んでしまった。

 思考が僅かに脱線していたとはいえ、起承転結の展開速度が早すぎる。

 雲行きが怪しくなったかと思えば、身構える前に一瞬でこのオチだ。

 

 

「え、ちょ、暴発だと!?」

 

「はい。特殊な条件を満たすと自動で発動してしまう隠し機能が元からあったようで…… 誠に申し訳ありません!! アイテムフェチとして一生の不覚でございます!!」

 

 

 ネムを肩車したまま、器用に土下座を披露するパンドラズ・アクター。

 肩に乗っているネムは上下するアトラクション気分で少し楽しそうだ。

 だが、アイテムの暴発と聞かされたこっちはそれどころではない。

 変な仕様作りやがってクソ運営と、モモンガは心の中で盛大に罵った。

 

 

「あぁ、私は、なんと罪深い事をしてしまったのでしょう。まさか、ネム様にあのようなことが起こるなんてっ!!」

 

「おい、それで結局ネムに何が起こった!? そのアイテムの効果はなんだ!!」

 

「はっ。確認したところ、精神の高揚とカルマ値の変動が起こっております」

 

「なんだとっ!? ……ん? 精神の高揚と、カルマ値の変動?」

 

「はい。『完全なる狂騒・改(試作)』により、ネム様の欲望が増幅し、カルマ値がマイナスになってしまったのです!!」

 

 

 いつの間にかパンドラズ・アクターの言動も普段の派手なものに戻っている。

 ネムはパンドラズ・アクターの頭に指で角を生やして遊んでいる。

 モモンガはそれらを努めて無視し、説明を頭の中で咀嚼して変化が起きた点を整理していった。

 

 

(つまりは、悪い子になったってことか?)

 

 

 別に大丈夫じゃないだろうか。

 命に関わるような緊急性はないし、多少理性のタガが外れても大した問題は起こらない気がした。

 ――だってネムだし。

 これがアルベドやシャルティアなんかだったら、自分は即座に宝物殿での籠城を決定したかもしれないが。

 

 

「あー、なるほど。それが今のネムの状態なのか。思ったより喫緊の危険はなさそうだな?」

 

「副作用もなく、永続性もありません。時間が経てば元に戻ることは保証いたします」

 

 

 もちろん、巻き込まれたネムにとっては迷惑極まりないだろう。

 だが、少なくとも時間が経てば元に戻るのだ。それを思うと、モモンガはほんの少しだけ気が抜けた。

 

 

「ねー、二人だけのお話長いよー」

 

 

 パンドラズ・アクターの肩車に飽きたのか、スルリと滑り降りたネムは口を尖らせる。

 

 

(状態異常を強制解除するアイテムも有るにはあるが……)

 

 

 精神への介入は繊細なものだ。無理に解除すればどんな変化が起こるか分からない。

 バッドステータスを治しさえすれば、何もかもが即元通りのゲーム時代とは違うのだ。

 

 

「ごめんごめん。せっかく来たんだし、ちょっと遊んでいくか?」

 

「うん!!」

 

「僭越ながら、私も経過観察のために参加させていただきます。こうなった責任がありますので!!」

 

 

 それならばネムの状態を見守りつつ、一緒に遊んだ方が有意義だろう。

 普段より割り増しでテンションの高いネムの了承もとれた。

 パンドラズ・アクターの参戦とポーズも決まった。

 

 

「よろしい。今日の仕事はここまでだ!!」

 

 

 こうして、モモンガの午後の新たな予定が決定したのだった。

 

 

 

 

 昼夜を問わず侵入者を警戒する、二十四時間営業のコンビニエンスな大墳墓。

 そんなナザリック内を闊歩するのはネム、モモンガ、パンドラズ・アクターの三人だ。

 先頭を歩いているのはネムで、モモンガ達が付き従う形となっている。

 

 

(本当に誰とも遭遇しない。どうやったんだ?)

 

 

 こんな姿を誰かに見られたら多少なりともトラブルが起こりそうだが、その点に抜かりはない。

 パンドラズ・アクターが他のシモベに遭遇しないよう根回しをしたため、周囲に自分達以外の姿はなかった。

 

 

「ふふん。今の私は悪い子だから、遠慮なく我が儘を言うよ。いいよね、モモンガ?」

 

(そこで確認を取るあたり、悪い子になり切れてないけどな)

 

 

 第九階層の廊下のど真ん中を我が物顔で歩くネムは、振り返りながら上目遣いでモモンガを見てきた。

 一応パンドラズ・アクターからの説明で、自身に起きた変化は自覚しているのかもしれない。

 

 

(カルマ値がマイナスになったって言っても、辛うじて程度じゃないか、これ?)

 

 

 元の性格故か。それともカルマ値がそれ程大きく変化していないのか。

 ネムの言動に隠し切れない遠慮が見える。

 多少のカルマ値が変動しようが、ネムはやっぱりネムだと確信した。

 

 

「もちろんだ。パンドラズ・アクターが迷惑をかけたようだし、お詫びも兼ねて何でも聞かせてもらおう」

 

「私も全身全霊でお付き合いいたします!!」

 

「やった!! じゃあ、最初はね――」

 

 

 むしろいつもより本音が出やすいネムが何を言うのか、モモンガはそちらの方に興味を抱いていた。

 そして、自称悪い子のネムにせっつかれて向かったのは――

 

 

 

 

「マスターさん、カクテルが飲みたいです!!」

 

 

 第九階層にあるショットバー。

 いきなり現れた支配者と領域守護者に副料理長が困惑している中、ネムは遠慮なくドリンクを注文した。

 どうやら前回飲んだカクテルがよほどお気に召したらしい。

 

 

「かしこまりました。どうぞ、モモンガ様とパンドラズ・アクター様もこちらのお席へ」

 

 

 困惑していてもそこはプロ。

 副料理長の立ち振る舞いは、バーのマスターとして微塵も動揺を感じさせない。

 完璧なポーカーフェイス――元から顔の造形はキノコなので、動揺が顔に出ることはまずあり得ないのだが――を貫いている。

 

 

「お待たせいたしました。こちら、シンデレラでございます」

 

「しゅわしゅわしてないし、見た目は普通の果実水みたい。でも色が濃い?」

 

「はい。こちらは炭酸を使用しておらず、果実の果汁のみで作られております。その分炭酸で割ったものや果実水より濃厚なフルーツの味わいを楽しんで頂けます」

 

 

 さらに副料理長は素早くネムの要望を把握し、今のネムに相応しいノンアルコールのカクテルを作った。

 ネムは受け取ったグラスをしげしげと眺めると、味を確かめるように一口だけ口に含む。

 

 

「……ぷはぁっ!! 甘くてさっぱりしてて凄く美味しい!!」

 

 

 好きな味だったのだろう。

 以前はちびちびと飲んでいたノンアルコールカクテルを、ネムはそのままゴクゴクと豪快に飲み干した。

 さらに、一度モモンガの方を向いたかと思えば――ニヤリとした笑みを浮かべた。

 

 

「お代わりが欲しいです!!」

 

 

 副料理長に空となったグラスを掲げ、ネムは堂々とお代わりを要求する。

 その様子を温かい目で見守りながら、モモンガは無言で頷いた。

 ジュースくらい好きなだけ飲むがいいさ。

 

 

「軍服とバー。粋なマスターに可憐な少女。そして偉大な父上と語らうカッコいい息子の私!! どれも中々絵になる組み合わせですね。それにどうですか私のお酒選びのセンス!!」

 

「少し声量を落とそうな」

 

 

 何気にパンドラズ・アクターもバーを満喫しているのか、「ブルドッグ」や「ラモス・ジン・フィズ」等のお洒落な名前のカクテルを注文していた。

 自分の書いた設定をどう解釈すればこうなるのか、本気でこの世界の運営に問いたい。

 

 

「モモンガ様とネム様に向けた私の心からの気持ちでございます!!」

 

「へぇ」

 

「まぁ飲むのは私ですし、味の違いは分かりませんけど」

 

「あっそ」

 

 

 自分は父親という存在を知らないに等しいが、息子と酒を飲む父親の気持ちは、絶対こんな羞恥に満ちた感覚じゃない事だけは分かる。

 キザったらしくグラスを持つポーズと目配せが気持ち悪かったので、モモンガは華麗にスルーし続けた。

 

 

「カクテルって何種類くらいあるんですか?」

 

「私が作れる物だけでも千種類以上ございます。僅かな違いやオリジナルも含めれば、無限にあると言っても過言ではないでしょう」

 

「すっごーい」

 

 

 隣はバーとは思えない和やかさだ。出来れば自分もそちらへ交ざりたい。

 副料理長もネムとの会話に付きっきりと見せかけて、パンドラズ・アクターを若干無視しているのではないだろうか。

 

 

「ごちそうさまでした。モモンガ、次はやってみたいことがあってね」

 

 

 二杯目を飲み干したネムは副料理長に笑顔でお礼を告げると、元気よく椅子を飛び降りた。

 喉を潤し気分も乗ってきたのか、ここからネムは新たな願いを次々と口にしていく――

 

 

 

 

「コーラに『めんとす』を入れたい!!」

 

「どこで知ったんだそんな遊び」

 

 

 自称悪い子ネムのお願い第二弾は、リアルの人間なら誰もが知る――勿体なくて貧民には絶対出来ない――実験、もとい遊びだった。

 

 

「前にアウラお姉ちゃんが教えてくれたよ。シャルティアさんがそれをやってすっごく噴き上がったんだって!!」

 

「コーラもアウラから教えてもらったのか?」

 

「うん。アウラお姉ちゃんとハンバーガー食べた時に飲んだよ。ナザリックの飲物って、甘くてしゅわしゅわしてて美味しいよね!!」

 

 

 ネムはどんな光景を想像したのか、身振りで山のようなサイズの噴水を伝えてくる。

 友達の期待を裏切りたくはないが、そこまでいくと飲み物ではなく兵器だ。

 

 

「冗談なのか本気なのか、シャルティア様がやったと言われると微妙に判断がつきませんね」

 

「流石に人が吹き飛ぶ程とは思えないが、ユグドラシル産ならもしかしたらありえる、のか? あの運営だしなぁ。変なフレーバーテキスト書いてたりして……」

 

 

 守護者最強は違う意味で信頼があるのか、NPCであるパンドラズ・アクターは神妙な表情で考え込んでいる。

 その様子に釣られて、モモンガも運営の数々の悪ふざけを思い出した。

 

 

「モモンガも知らないならやってみようよ!!」

 

「コーラはともかく、メントスはナザリックにあるのか?」

 

「お任せください。ネム様のなさりたい事は概ね把握いたしました。必要なお菓子でしたら、すぐにご用意させて頂きます!!」

 

 

 流石は自由度がウリのユグドラシル。

 ナザリックも無駄に作り込んだだけあって、娯楽施設や飲食物ならなんでもあるようだ。

 パンドラズ・アクターはピシッと敬礼すると、指輪を見せつけるようにして一足先に転移していった。

 

 

「――お待たせいたしました。こちら準備は万端でございます!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

(仕事に関しては有能なんだよなぁ)

 

 

 ところ変わってナザリック第九階層のどこかにある実験室風の部屋。

 作業台の上には少し温められたコーラと、白くて丸い菓子が積み上げられていた。

 

 

「……じゃあ、入れるね」

 

 

 ネムは緊張と期待に満ちた表情で、コーラの中にメントスのような物をそっと落とす。

 モモンガはなんとなく予想がついていた。

 パンドラズ・アクターは未来を確信していた。

 ネムは心臓が高鳴っていた。

 

 

「流石はナザリック産のコーラ。炭酸の勢いが違いますね」

 

「私も初めてやったが、予想より噴き上がったな」

 

「ちょっと勿体無いけど、すっごく面白かった!!」

 

 

 そして三人は仲良くコーラを浴びた。

 ちなみに床に零した分のコーラは、後で恐怖公の眷属(スタッフ)が美味しくいただいた。

 

 

 

 

「モモンガのお腹の玉に触ってみたい!!」

 

「これか? 触る程度なら別にいいぞ」

 

 

 モモンガが普段から腹部に装備している世界級(ワールド)アイテム、通称"モモンガ玉"。

 実験をする事で探究心が膨れ上がったのか、次なるネムのお願いは至極シンプルなものだった。

 

 

「んー、思ってたより普通。ツルツルした石みたい」

 

「ははは、少し期待外れだったかな。一応世界に二つとない希少な物ではあるんだがな」

 

「そんなに凄い物なの?」

 

「自分で言うのもなんだが凄いぞ。まあこれの真価は能力を発動させないと分からないものだ。とっておきだから流石に能力は見せられないけどな」

 

「ふーん」

 

 

 好奇心旺盛なネムのことだ。もしかしたら初めて出会った時から、球体の正体が気になっていたのかもしれない。

 しかし長い間期待していた分、ペタペタとモモンガ玉を触るネムはちょっぴり残念そうだった。

 

 

「モモンガ様!! 私も、私も触ってもよろしいでしょうか!?」

 

「お前はダメだ。なんか息が荒いし手つきが怖い」

 

「Noooッ!! なんとご無体な……」

 

 

 そして腕をワキワキとさせたパンドラズ・アクターは、辛辣な断りに膝から崩れ落ちていた。

 

 

 

 

 再び場所は変わって、第十階層の玉座の間。

 長く伸びた絨毯の先に段差があり、その最上に巨大な玉座が鎮座している。

 

 

「あの大っきい椅子に私も座ってみたい!! ……けど、やっぱり駄目?」

 

 

 カルマ値がマイナスに変化しても、やはり元の性格や分別はしっかり残っているようだ。

 流石に玉座ともなれば自重があるのだろう。

 最初の勢いが直ぐに消え、もじもじとしたネムの様子がそれを物語っている。

 

 

「誰にも言わないならいいぞ」

 

「っ!! ありがとう、モモンガ!!」

 

 

 モモンガの返答を聞いたネムは顔を輝かせると、両手を広げて玉座に向かって走り出した。

 

 

「……パンドラズ・アクター。お前も口外は禁止だ」

 

「モモンガ様がそう仰るのであれば」

 

 

 その後をゆっくりと追いながら、パンドラズ・アクターにも釘を刺す。

 モモンガは玉座に飛びつくネムに既視感を覚えて、吐息に近い自嘲的な笑いが小さく漏れた。

 

 

「あぁ、私はなんと恐ろしいアイテムを生み出してしまったのか。まさかネム様が『諸王の玉座』に座ると言い出すとは……」

 

「何も減る訳じゃない。人払いは済んでいるし、座るくらいならいいだろ」

 

 

 自分の機嫌が悪くない事は伝わっているはずだが、事の発端であるパンドラズ・アクターはかなり取り乱している。

 一般的な王様にとって玉座を他人に座らせるなど、普通は言語道断だからだろう。

 

 

「なるほど。己の在り方こそが重要であり、真なる王は玉座に執着しないのですね。確かに誰があの玉座に座ろうが、モモンガ様の御威光は微塵も揺らぎません」

 

「ああ。そんなところだ」

 

「正しく至高の王!! その海よりも深く空よりも広い度量に、このパンドラズ・アクター心より敬服いたします!!」

 

 

 モモンガも頭では理解している。

 自分に忠誠を誓ってくれるシモベ達の心情を考えれば、他のNPCの前ではこんなこと絶対に出来ない。

 未だに彼らの前で支配者ロールを崩せないのと同じだ。

 

 

「それはそれとして、モモンガ様が今お座りになられる椅子がございません。どうぞ、私にお座り下さい!!」

 

「やだ」

 

 

 ――が、バレなければ良いのだ。

 元よりモモンガにあるのは王としてのプライドではなく、ギルドマスターとしての責任感だけである。

 生粋の支配者ではなく、自身にその器すらないと思っているモモンガは割と軽く考えていた。

 

 

「なんかすっごーい!! でも私には大きすぎるね。ちゃんと奥まで座ったら全然足がつかないよ」

 

 

 諸王の玉座は装備して使う物ではなく、常時効果を発揮している設置型の世界級アイテム。

 ネムが触れたところで特に何かが起こるわけもなく、玉座に座ったネムは興奮した様子で足をプラプラさせている。

 もう使えないのが悔やまれるが、スクリーンショットを撮りたい衝動に駆られる光景だ。

 

 

「なんという悪逆っぷりでしょう。あれ程の所業、カルマ値マイナス五百では足りません。まるで王位簒奪者のようです!!」

 

「悪逆か? エクレアより可愛げがあるし、どう見ても大きい椅子にテンション上がってるだけだと思うが」

 

「あんな涎が出るほど羨ま――不敬な事を…… 不敬過ぎて辛抱たまりませんね」

 

「本音がダダ漏れだぞ」

 

 

 モモンガは段差の下からネムを眺めていたが、四つん這いから立ち上がったパンドラズ・アクターが非常に騒がしい。

 無類のマジックアイテム好きとして、今日だけで二つも世界級アイテムに触っているネムが羨ましいのだろう。

 

 

「くぅぉぉ、この生殺しのような仕打ち。宝物殿の管理者でありながら、アイテムの効果一つ見抜けなかった私に相応しい罰ですねっ」

 

(NPCの性格は創造主に似るところもあるけど…… まさか俺、心の奥底ではこんな奇行に走りたいと思ってるのか?)

 

 

 パンドラズ・アクターはネムには見えない位置で拳を握り、悔しそうに体をくねらせている。

 自分は本当にこんな行動を起こさせるほど、濃い設定をこいつに書き込んだのだろうか。

 

 

「モモンガの目線ってこんな感じなんだ。椅子に座ってるのに他の人を見下ろすって、不思議な感覚」

 

「ハッ!? 普段から至高のマジックアイテムに囲まれてる私にとって、目の前にあるのに触れられないというのも新たな愛で方なのでは!?」

 

(いやいや、ないわー。絶対にない。軍服は今でもカッコいいと思わなくもないんだけどさ)

 

 

 はしゃぐネム。

 騒ぐ黒歴史。

 考える骸骨。

 モモンガはNPCの性格と設定について、何度目かも分からない自問自答を繰り返していた。

 

 

「ふぅ、満足。ねぇねぇ、モモンガも座ってみて」

 

「ん、これでいいのか?」

 

 

 モモンガが自らの過去に向き合うこと数分。

 玉座を堪能してご機嫌なネムが急に降りて来て、モモンガの手を取った。

 そのままネムに促されるまま、モモンガは体に染み込ませた支配者らしい座り方を披露する。

 

 

「うん。やっぱりこれはモモンガが一番似合うね!!」

 

「……面と向かって言われると照れるな」

 

「あぁあぁぁっ!! 至高のアイテムと至高の王の織りなすハーモニィッ!! まごうことなき究極の芸術。最高でございます、モモンガ様!!」

 

「騒々しい。静かにせよ」

 

 

 そしてネムは理想の支配者の姿を見た。

 

 

 

 

「モモンガの一番凄い魔法が見てみたい!!」

 

 

 王様気分を味わったネムはもう止まらない。

 今度のお願いは魔法の実演だ。それもただの魔法ではない。

 モモンガは魔法詠唱者(マジックキャスター)なのに戦士ロールで冒険しているため、ネムが意外と見る機会のなかった本気の魔法である。

 

 

「それは良いですね。第八階層を使えるように手配しましょう。私も中々目にする事がないので、是非ともお願いいたします!!」

 

「お前はどっち側だ?」

 

 

 頭が良いと明確に設定されているNPCなだけあって、理解も行動もとてつもなく早い。

 ネムに向けてナイスアイディアとばかりに指を鳴らし、パンドラズ・アクターはそそくさと何処かへ転移した。

 

 

「雷がビリビリするやつより、もっともっと凄いの見せてね!!」

 

「いや、うん。良いんだけどさ」

 

 

 ナザリックで一番偉い支配者を置き去りにし、とんとん拍子に準備が整っていく。

 有能な部下が勝手に物事を進めていることなど、モモンガはもう慣れたものだ。

 

 

 

 

「第八階層って初めて来たよ。けど、何もないんだね?」

 

「何も無いわけではないんだが、まあそうだな」

 

 

 ナザリック第八階層――『荒野』

 その名が示す通りの景色を前に、ネムは意外そうな顔をしていた。

 今まで見てきた他の個性豊かな階層に比べて、ここがあまりにも殺風景だからだ。

 一応領域守護者が待機している場所は華やかで建物もあるのだが、この階層のほとんどは実際荒野である。

 

 

「我々もほぼ利用する事のない階層です。現在は実質封鎖状態ですし、モモンガ様の許可無く立ち入るのは危険なエリアでもあります」

 

「お願いしたのは私だけど、魔法を見るためだけに使って良かったの?」

 

「第六階層でもいいのですが、周りの影響を考えればこちらの方が都合が良いのですよ」

 

「一度魔法の実験にも使っているから大丈夫だ。さぁ、巻き込まれないように少し下がっていてくれ。早速始めるとしよう」

 

 

 二人がほんの少しだけ離れると、モモンガは超位魔法の立体魔法陣を展開した。

 自身を囲む円形の魔方陣は、複雑な模様を描きながら形を変え続ける。あとは発動までの時間をただ待つだけ。

 狙いはだだっ広い荒野にぽつんと設置された一体の案山子である。

 

 

「すっごく綺麗!! モモンガの一番凄い魔法ってキラキラする魔法だったんだね。でも何の効果があるの?」

 

「ネム様。確かに綺麗ですが、これはまだ予備動作です」

 

 

 モモンガは既にネムが目を輝かせている気配を背中に感じていた。

 その様子がまるでゲーム初心者のようで、自分が初めて〈次元断切(ワールドブレイク)〉や〈大災厄(グランドカタストロフ)〉を見せてもらった時のことを思い出す。

 

 

「その通り。本番はこれからだ!!」

 

 

 ――時間だ。

 絶えず形を変え続けていた魔法陣の輝きが増し、より高く大きく広がりを見せる。

 モモンガは期待以上のものを見せようと両腕を振り上げた。

 

 ――超位魔法〈失墜する天空(フォールンダウン)

 

 選択したのは純粋に高火力な攻撃魔法。

 莫大な熱量がモモンガの前方に光と共に降り注ぎ、円形の効果範囲のみを案山子もろとも焼き尽くす。

 巨大なエネルギーの衝撃で地鳴りを起こしつつ、白くなった視界から段々と光が収束していった。

 光が完全に消えた後、荒野に残された巨大なクレーターは一部がガラス状になるほど熱せられていた。

 

 

「どうだ? これが私の使える最高火力の魔法だ」

 

 

 見栄えする派手なゲームの技も、現実になると凄まじい破壊の爪痕を残している。

 超位魔法自体は魔法職のプレイヤーなら誰でも使えるのだが、モモンガはつい得意げになって後ろを振り返った。

 

 

「……」

 

「っ素晴らしい。至高なる御方のお力、しかとこの目に焼き付けました!!」

 

 

 ネムは小さな太陽が落ちる光景に度肝を抜かれ、口をポカンと開けたまま目が点になっていた。

 パンドラズ・アクターはモモンガの超位魔法に感動し、涙を流さんばかりに震えて盛大に拍手していた。

 

 

「あ、あの時も出来るって言ってたけど…… 聖王国の壁を壊したのって、やっぱりモモンガだったの?」

 

「違うぞ!?」

 

 

 そしてモモンガは冤罪をかけられた。

 

 

 

 

 幾つもの願いを叶え、るんるん気分な普通の少女。

 ある時から家族に迷惑をかけまいと頑張り続け、日頃から抑圧された気持ちがあったからだろう。

 いつも以上に気兼ねなく遊んでいるその表情は、年相応でとても晴々としていた。

 

 

「じゃあ次は…… っ!?」

 

「どうした、ネム?」

 

「何か忘れ物でもございましたか?」

 

 

 この調子なら当分やりたい事も尽きまい。

 ずっと付き合うのもやぶさかではないが、遅くなれば家族も心配する。夕暮れまでに家に帰せるか、モモンガはそちらの方が心配なくらいだった。

 しかし、急に立ち止まりこちらを振り返ったネムは、顔を紅潮させてぷるぷると震えだした。

 

 

「モモンガぁ。私、どうしよう……」

 

 

 この我に返ったような表情。

 おそらくアイテムの効果が切れ、今までの振る舞いが急に恥ずかしくなってきたのだろう。

 

 

「ネム、何も気に病むことはないぞ」

 

「でも……」

 

 

 これはモモンガの本心だ。

 元々ネムに何か非があった訳でもないし、されたお願いはどれも可愛いものだった。

 だが当の本人はそうはいかないのだろう。

 きっとこのままでは友達に迷惑をかけたと、ネムの中に罪悪感が残る。

 一応記憶を弄る魔法もあるが、そんなものをネムに使いたくはない。

 

 

「ははは、本当に気にすることはない。なぜなら――これは全て夢なのだからな」

 

「えっ? ゆ、め……?」

 

 

 ――〈魔法無詠唱化(サイレントマジック)睡眠(スリープ)

 そんな思いから子供騙しのような手段をとった。

 

 

「急に切り上げてごめんな。今度は元のネムのままで、また続きをしよう」

 

 

 意識を失い崩れ落ちそうになったネムを、モモンガはそっと受け止める。

 ネムは元々不思議な夢を見る才能があった。

 ならば夢オチにしてしまう――仮にこれでネムが納得しなくても、支配者特権で無理やりゴリ押しすればいいのだ。

 

 

「パンドラズ・アクター」

 

「はっ」

 

「ネムにアイテムの効果が発揮してから、今まで見た事の全ての口外を禁ずる」

 

「畏まりました。ネム様はアイテムの暴発に巻き込まれ、眠ってしまわれた。そういう筋書きにさせていただきます」

 

 

 なにせモモンガがカラスは白であると言えば、ナザリックではそれが真実となる。

 世界中のカラスを塗り潰せと言えば、ナザリックは本気でそれを実行しようとする程だ。

 特に今回は事実を知っているのがパンドラズ・アクターだけだし、なんとかなるだろう。

 

 

「うむ。全てが無かったことになるのだから、お前に対する罰も無しだ。分かったな?」

 

「それは…… 承知いたしました。副料理長とも口裏を合わせておきます」

 

 

 同じくこの流れでゴリ押しし、パンドラズ・アクターに与える罰も面倒なので帳消しにしておいた。

 パンドラズ・アクターがごねる事はなかったが、明らかに消化しきれていない本人のためにモモンガは妙案を思いつく。

 

 

「では、罰の代わりに一つ仕事を命じる。今日の時間を無駄にしたネムに対するお詫びを考えておけ。――なにせ、ずっと寝てしまっていたのだからな?」

 

「なるほど。モモンガ様の仰せのままに」

 

 

 愉しげなモモンガにつられて、パンドラズ・アクターも思わず声を弾ませる。

 表情がないはずの死の支配者(オーバーロード)二重の影(ドッペルゲンガー)は、血の繋がりを感じさせる揃いのニヤリとした笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

「……あれ? モモンガは?」

 

「おや、お目覚めになられましたか」

 

 

 最初に通された応接室のソファーで、ネムはパチリと目を覚ました。

 さっきまでモモンガ達と一緒に色々遊んでいたはずなのに、場所も変わっているし側にはパンドラズ・アクターしかいない。

 しかも自分の体には肌触りの良い上質なタオルケットがかけられ、頭の下には枕まで用意されていた。

 もしかしたら、自分は結構な時間を寝ていたのかもしれない。

 

 

「誠に申し訳ありません。こちらのアイテムが暴発してしまい、ネム様は今まで深い眠りに落ちておられました」

 

「私、ずっと寝てたの?」

 

「はい。ずっと寝ておりました」

 

「……本当に?」

 

「モモンガ様に誓って本当でございます」

 

 

 なんとなく違和感はあるが、自分は夢を見ていたようだ。

 パンドラズ・アクターも嘘を言っている風には見えないし、モモンガの名前はナザリックにおいて特別だ。きっと本当のことなのだろう。

 

 

「本人の望みに近い夢が見られるアイテムらしいのですが、体に不調などはございませんか?」

 

「そっか…… うん、大丈夫です。楽しい夢が見られたよ。でも夢だったのは残念だなぁ」

 

 

 まるで以前に見た夢のように妙にリアルで、とても楽しい体験だった。

 夢の中だからか、自分はちょっと我が儘にはしゃぎ過ぎていたが。

 しかし、どれほど楽しくとも夢は夢。誰とも共有出来ないのは少し寂しくもある。

 

 

「貴重な時間を浪費させてしまい、本当に申し訳ない。つきましてはお詫びがしたいのですが、何か御希望はありませんか?」

 

「何でもいいんですか?」

 

「はい。私に叶えられる範囲なら」

 

「じゃあ――」

 

 

 パンドラズ・アクターの表情はモモンガと同じで全く変化しないけど、申し訳なさそうにしているのが分かる。

 夢の中ではモモンガと三人で、あんなに楽しそうだったのに。

 

 

「コーラに『めんとす』っていうのを入れてみたいです。モモンガも呼んで一緒に!!」

 

 

 だからもう一度現実にしてしまおう。

 

 

「っ承知いたしました。ネム様がお望みとあらば!!」

 

 

 パンドラズ・アクターも少し呆気にとられていたが、ビシッと敬礼までして了承してくれた。

 ネムから見たその顔は、心から喜んでいるような気がした。

 

 

 

 

「流石はナザリック産のコーラ。この実験は()()()行いましたが、炭酸の勢いが違いますね」

 

「私も()()()やったが、予想より噴き上がったな」

 

「ちょっと勿体無いけど、やっぱりすっごく面白かった!!」

 

 

 そして夢と同じ結果になり、ネムはコーラ塗れになりながらも楽しい思い出を共有出来たのだった。

 

 

 




今回も色んなところからネタをぶっこみました。気づいて笑ってもらえたら幸いです。
モモンガの対応ですが、友達の家でやらかしたことって、相手は気にしてなくても本人からすれば黒歴史になるよね。
という、現在進行形で黒歴史に苦しんでいるモモンガならではの気遣いでした。
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