邪神様が見ているin米花町   作:亜希羅

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 そろそろ寒くなってきたなー、鍋とかいいかもしれないと仕事帰りにいつものスーパーに立ち寄ったら、キノコのコーナーを思わず二度見した。
 ピンク色の甲殻類によく似た、等身大のみょうちきりんな生物が、パッキングされたキノコを手に取ってるんだが、そのパッキングされたキノコもおかしい。シイタケとかシメジとかじゃなくて、不浄のキノコと書かれているように見える・・・。
 あれえ・・・?しかもあのピンク色のやつが片手に持っているのって、缶詰によく似てるけど、あんなバケツサイズの缶詰ってあったかなあ・・・?
 ええっと・・・脳百パーセント…脳缶?あ、ドーモ、ミ=ゴさん。亜希羅です。え?今晩はキノコ鍋するから一緒にどうかって?新鮮な脳髄シャーベットも付ける?どこのインディー=ジョー●ズ?!
 いやあ、遠慮しておき、あ、ぜひご一緒させていただくんで、その電気銃はおろしてください。
 楽しみですよね!キノコ鍋!
 ・・・遺書したためなくちゃ。


【#16】名探偵ミーツ探索者、お騒がせ夫婦を添えて☆

 いつもニコニコ!ラブ&カオス!米花町の這い寄る混沌こと、私です。人間としては、手取ナイアと名乗らせていただいております。

 

 さてさて、つい先日我が家に居候することになった工藤新一君、改め江戸川コナン君ですが、いやあ、素晴らしい事件吸引力ですねえ。

 

 どこぞの有名メーカーの掃除機、あるいはピンクの真ん丸悪魔を彷彿とさせそうですねえ。

 

 我が家に転がり込まれてからも、たまに出先で死体発見されて、警察呼んでからの捜査開始になるんですよねー。

 

 いやあ、困った困った。

 

 え?本当にそう思うなら、その口元の邪悪な笑いをどうにかしろ?フフッ、すみません、つい隠しきれない邪悪が零れ落ちてしまいまして。

 

 ほほう?その時の私ですか?ええ、もちろん、皆さんの予想通り、笑い転げそうになるのを必死に我慢しながら、コナン君との約束通り探偵役を演じてますよ?

 

 いやあ、皆さん素晴らしい人間性をお持ちですよね!口先では相手を信じるみたいなことを言いながら、真実が暴かれるや「こいつが殺人犯・・・!」みたいな顔をして一歩引くんですから。

 

 しかも動機もまたせこ、ゲフンッ、しょうもな、ン゛ン゛ッ、わかりやすい!悪口言ったとか、ちょっとした誤解とかで・・・。

 

 しかも真偽を確かめもせずにそのまま犯罪一直線ですよ?まあ、不幸な擦れ違いの方が私としては笑えるのですがねえ。

 

 何故こんなに軽々しく犯罪が起こるんでしょうねえ?

 

 ・・・そういえば、7年前にうっかり米花町上空に副王様がご顕現なさったんでしたねえ。まあ、只人があのお方を目の当たりになさればSANもぶっ飛んで正気も削れますよねえ。で、今に至る、ということになるのでしょうか。

 

 正気度が低いから、人を殺すことに抵抗感がないと。

 

 おやおや、この町に滞在する理由がまた一つ増えてしまいましたよ。

 

 え?おやおや言ってるくせに嬉しそうな顔すんな?おや、顔に出てましたか、すみませんねえ、私の悪い癖です。

 

 

 

 

 さて、開幕邪神トークはこのくらいにしておいて、前回の続きをいってみましょうか。

 

 米花美術館で起こった、クローズドシナリオの続きですね?ご高名なピックマン氏の怪画(誤字に非ず)を舞台に起こった、血生臭いシナリオですが、さてどうなることでしょうねえ。

 

 ・・・まだまだ遊び甲斐がありそうなんですから、この程度で潰れてくれては困りますよ、コナン君。まあ、志半ばにくたばられたら、それはそれで面白いんですがねー?(ニチャアッ)

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 さてさて、現状を簡単におさらいしましょう。

 

 プレイヤーは、コナン君、松井君、成実君、青羽君の合計4名。NPCとしてチョビ髭と落合館長。(冒頭で他約一名が騎士に斬り殺されて脱落)

 

 彼らは、ピックマン氏直筆の絵画をきっかけに、異質な空間に放り出され、そこから脱出しようと四苦八苦なさってます。

 

 さっさと脱出しないと、もれなく絵に描かれていたのと同じ騎士に同じように殺されちゃうでしょうねえ。

 

 

 

 

 最初に動いたのは、コナン君です。足元の瓦礫を蹴とばして、鎧騎士の注意を引きつけることにしたようです。

 

 おや、すぐさま松井君が拳銃で注意を向け直させ、「一人で無茶すんな!」と怒声を張り上げてますね。

 

 成実君と青羽君は他2名のNPCのフォローについているようです。できるだけ、鎧騎士の気を引かないように、一定距離を保とうとしているようで・・・おや?フォローにつくのは成実君だけのようで、青羽君は一人どこかへ行ってしまいました。

 

 ふーむ、単独行動というのはあまりよろしくないのですが・・・まあ、何らかの考えあってのことなのでしょう。

 

 では、囮を買って出ている他二人の様子を見てみましょうか。

 

 コナン君は子供ならではの小柄さと瞬発力で騎士を翻弄し、彼が捕まりそうになったら松井君がそれをかばって囮役を交代するという感じでしょうか。

 

 騎士の方は、基本的に攻撃された方を優先的に狙うようにしているようで、今は二人にかかりっきりになっていますねえ。

 

 と、ここで青羽君が戻ってきました。

 

 ・・・途中で倒したゾンビの死骸(ゾンビはもともと死んでいるのでこの言い方には語弊があるでしょうが)を引きずって。

 

 え?字面も絵面も凄まじすぎて笑えない?そうですか?クリーチャーの死骸をどうこうするのは珍しくないと思いますが。

 

 もちろん、青羽君も凄まじく嫌そうな顔をなさってます。嫌なら持ってこなくていいと思うんですがねえ。まあ、必要とご判断なさったから、持ってこられたのでしょうが。

 

 「松井君!江戸川少年!」

 

 青羽君が声を張り上げるや、囮役に徹していたお二人がアイコンタクトを交わし(仲がよろしいですねえ)、松井君が続けて囮を引き受け、コナン君だけが青羽君のところへ行きます。

 

 そうして、何事か彼と言葉を交わし、そのまま再び松井君のところへ行きます。

 

 その動きを察知した成実君が、騎士を刺激しないように戦力外二名を連れて石板のところへ向かおうとしました。

 

 が、ここまで散々追い回されて殺されかけたチョビ髭がとうとう限界に差し掛かったようです。

 

 ギャースカ意味不明な叫び声をあげるや、引き止めようとする成実君を振り切って、一目散に見当違いの方向へ走っていきます。

 

 しかし、彼は間もなく足を止めて震えあがります。

 

 何しろ、似たり寄ったりな騎士が3体ほど彼の前にいたからです。

 

 お代わり入りま~す!

 

 チョビ髭が情けない悲鳴を上げて座り込み、助けようと走り込む成実君をよそに、騎士たちが剣を振り上げ――まあ、そこから先はご想像通りですよ。

 

 頭から三枚に下ろされて、1名、脱落です。

 

 ご愁傷様です。

 

 なお、斬殺現場を目の当たりにした成実君と落合館長君にはSANチェックが発生し(他3名は騎士にかかりきりだったので目にしてません)、かろうじて成実君は成功。落合館長は失敗。失敗した彼はその場で卒倒しました。

 

 蒼褪めながらも成実君は、ここまでの経験もあって胆力を発揮して落合館長を引きずって騎士たちから距離を取ります。

 

 ここで、彼らの危機に気が付いた松井君が拳銃を撃って囮と牽制に出向きます。

 

 ゾンビの死体で細工をする青羽君と、小学生の体をものともせずに必死に騎士に食らいつくコナン君。

 

 いや素晴らしい。やはり人間はこうでなくては。こうでなくては、滅ぼし甲斐がない、というものですよ。

 

 そして。

 

 青羽君の合図を受けたコナン君が、騎士をおびき寄せ、致命の一撃をギリギリ回避します。

 

 躱された刃はそのまま勢い余って、突き立てられました。

 

 青羽君が仕掛けていたゾンビの死骸ごと、その背後の石板に。

 

 

 

 

 種明かしをするならば、件の黒い石柱に仕掛けられていた謎かけの解答がこれです。

 

 石柱を変形させた後の石板に、絵の構図を再現させる。

 

 ただ、それにはどうしても件の騎士以外に、犠牲となる誰かが必要です。

 

 そこで、青羽君が急遽ゾンビの死骸の回収に向かった、というところでしょう。

 

 

 

 

 途端に石板が青白く光ります。

 

 落合館長を二人が狩りで引きずる松井君と成実君が駆け寄ってくるや、そこから放たれた白い煙のようなものが一同を包み込み――。

 

 彼らはその姿を、不気味な空間から消していました。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 さて、シーン転換して、元の場所――米花美術館の『地獄の間』です。

 

 無人のそこに、行きとは異なり助かった5人が、件の絵の前に放り出されています。

 

 ただし、全員血やら埃やらでドロドロに汚れているうえ、囮を買って出ていた松井君とコナン君はかすり傷も拵えています。

 

 相変わらず気絶中の落合館長は回復体位を取らせ、彼らはとりあえず片付けに入りました。

 

 できる限り汚れを落とし、傷の手当てに入ります。

 

 落ち着いた状況になったからでしょう、コナン君はMSO3人組に何者なのか、先ほどのことは何だったのかと尋ねています。

 

 しかしながら、彼ら3人――正確には、松井君が中心となってですが、コナン君にそういうお前何者だよ?と尋ね返して、質問封じをされている始末です。

 

 まあ、相手の秘密を探るなら、自分の秘密を探り返されても文句は言えないでしょう。

 

 とはいえ、危険を協力して乗り切った直後というのもあって、険悪さはなく、むしろ親密さすら感じるように握手を交わしてお礼を言い合ってますね。

 

 おや、松井君。お節介ですねえ。

 

 「気になるのはわかるが、首を突っ込まずに、出来ることなら忘れろ。でないと、俺のように二度と引き返せなくなって、取り返しがつかなくなるぞ。今面倒事に首を突っ込んでるなら、なおのことな。余所見はロクなことにならねえぞ」

 

 なかなか鋭いですねえ。

 

 ぐっとコナン君は言葉を飲み込みました。

 

 思い当たる節、あり過ぎますよねえ。

 

 そうして、電話で絵の処分を打診し終えた青羽君が戻ってきて、改めて落合館長をどうするかということになりましたが、結局そのまま放置を決め込むことにしたようです。

 

 ・・・ちなみに、言いそびれてましたが、落合館長君、例の空間で最初に着こんでいた鎧は動きにくいということで脱ぎ捨ててますので、今はごく普通の格好をなさっているんですよねえ。

 

 まあ、何か必要なら、後日改めて話が通達されるでしょう。

 

 一方のコナン君は、成実君に「ところで君、一人で来たの?ご家族とか、一緒じゃないの?」とツッコミを入れられ、青ざめています。

 

 あっはっはっは!今更ですよねえ!ちなみに、現実時間に換算して、コナン君と別れてから、軽く3時間ほどは経ってますよ?

 

 アワアワと、コナン君は別れの言葉を述べてから、急ぎ私と別れた方へ小走りに走っていきました。

 

 

 

 

 では、中継終了です。

 

 遠視魔術を打ち切り、トイレを出て背伸びします。

 

 うーん。人間に擬態すると活動しやすいのですが、どうしても筋肉や骨格の関係もあって、コリがたまるんですよねー。

 

 ここでコナン君が、あわてて戻ってきました。

 

 はい、お疲れ様でした。楽しかったですか?

 

 おやおや。ジト目になってこちらをにらみあげて、「あんた何があったか知ってやがるな?」とは、言ってくれるじゃないですか。

 

 もちろんですよ!

 

 まあ、正直にそう言ってあげる義理もないので、目線の高さを合わせてニチャアッと笑いながら言ってあげます。

 

 「おや、その怪我の原因を言い触らしてほしいんですか?」

 

 途端に黙り込むコナン君。なかなか賢いですねえ。

 

 まあ、常人なら、あんなこと信じもしないでしょうねえ。人間は自分が信じたいものしか信じない、都合のいい生き物ですからねえ。

 

 では、そろそろ帰りましょうか。

 

 今日のお夕飯はコロッケだそうですよ?ショゴスさんの御飯は美味しいですからねえ。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 さて、そんなことからしばらく後。

 

 コナン君が学校に行ってる最中に、彼らはやってきました。

 

 「こんにちは、手取ナイアさん」

 

 「新一がお世話になってます♡」

 

 ふうむ?TVで時々拝見なさる方々ですねえ。

 

 こんなむさくるしいお店にようこそおいでくださいました。工藤優作様、並びに有希子様。

 

 

 

 

 まあ、大体の事情はお察しですね。

 

 大方阿笠博士から、新一君の幼児化、並びに私のところに転がり込んでいるというのを聞き出したのでしょう。

 

 

 

 

 とはいえ。

 

 とりあえず長引きそうだと判断し、テーブルセットをお勧めした私に、お二人はお構いなくと言いながら、お茶とお菓子を召し上がられながらペラペラと一方的にお話しなさってます。

 

 「事情は博士から聞いた!うちの息子が迷惑かけてメンゴメンゴ!後はこっちで何とかするから!あと息子にサプライズしかけたいから、ちょっと話を合わせてくんない?」

 

 要約してそんなことを言われました。

 

 何というか・・・私が断ることを全くこれっぽっちも想定してない言い方ですねえ。

 

 

 

 

 まあ、この言い方をなさるというのは当然と言えば当然でしょう。

 

 阿笠博士宅で、最初、私はコナン君には非協力的でした。むしろ脇で面白おかしく眺めている気満々でしたしねえ。

 

 阿笠博士も当然私のそんな雰囲気を察し、それもご夫妻にお伝えした、ゆえにこそこんな言動を取っているというところでしょうか。

 

 まあ、私としては“取引”のこともありますし、ここでコナン君がドロップアウトして、改めて私が外野ポジションに転化されようと、構わないんですがね。

 

 ・・・どうせみんな死ぬんですし(ニチャァッ)。

 

 

 

 

 おや、私の対応が気になりますか?

 

 まあ普通にちょっと困ったように笑いながら、相槌打って工藤夫妻に協力の意をお伝えしただけですよ?

 

 ええ。一般人らしくね。

 

 え?お前は一般人じゃなくて、逸般神だろうがって?

 

 皆さん、当て字がお上手なんですねえ。

 

 

 

 

 さて、小学校からご帰宅なさったコナン君がランドセルを置いた矢先のことです。

 

 「ごめんなさいね~!ナイアさん!コナンちゃんってば、こんなところにいたのね~!」

 

 お店の引き戸をガラリンと開けて入ってきたのは、黒髪に眼鏡をかけた小太りの中年女――に変装している有希子さんです。

 

 ふむ、どう見ても別人に見えますねえ。見事なお手前で。

 

 彼女は“江戸川文代”と名乗り、狼狽しまくるコナン君を連れて行こうとします。

 

 彼とくれば往生際悪く、「こんなババア知らねえよ!」とか「おい!わかってんだろ!何とか言えよ!」とかこちらに助けを求めていますねえ。

 

 しかしながら、私は彼にしか見えないように邪悪に笑ってその耳元にボソッと囁きかけました。

 

 「君は、私を何だと思った上で、助けを求めてるんです?」と。

 

 いやあ、その瞬間のコナン君の顔は見物でした。

 

 一瞬呆気にとられたような顔をしてから、絶望と大きく顔に書いて、そのまま力ない体を文代さんに引きずられるように連れて行かれてしまいましたからねえ。

 

 私ですか?ニッコリ天使のごとく笑って、手を振って見送ってあげましたよ?皆さんも一緒に手を振って差し上げたらいかがです?

 

 はっはっは。コナン君のああいう顔もなかなかいい顔でしたが、発狂した時の顔もぜひ目の当たりにしてみたいもんですねえ!

 

 おや皆さん。どうしました?カメムシの大群を目の当たりにしたようなしかめっ面をなさって。え?お前がそういう奴だってのはわかってた、わかってはいたが、やっぱりクソだな、ですって?

 

 ・・・私からしてみれば、この肥溜めのような世界に巣食う皆さん〈人間〉こそ、蛆虫にしてクソのようなものだと思うのですがねえ。

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

 いよいよ大詰めだった。

 

 ホテルの廊下を歩きながら、コナンはここまでくる道中を思い返す。

 

 

 

 

 見知らぬ女が自分の母親を名乗って引き取りにやってきたと知った時には、心底から狼狽した。そんな女知らない。

 

 そもそも、江戸川コナンというのは、架空の存在だ。工藤新一の幼児化を隠すための隠れ蓑だ。そのコナンの母親を名乗って自分を引き取る?何の間違いだ?

 

 現状の自分の保護者に助けを求めたが、そもそもそれは間違いでしかなかった。ニヤニヤ笑って送り出したあの女は、確かに邪神を名乗るにふさわしい性悪ぶりを発揮していた。

 

 見た目は極上の美人だが、中身は性悪・・・どころか人の不幸や苦境を酒のつまみにでもして爆笑しそうな最悪の邪神である。知ってはいたが、本当に最悪だった。

 

 ・・・そんな最悪の相手なのだから、最悪の状況では当てにできないと早々に悟っておくべきだったのだ。

 

 まあ、別にかまわない。本当に当てにできる相手など、自分一人だ。

 

 

 

 

 コナン――工藤新一は知っている。

 

 幼馴染の毛利蘭は守るべき相手であり、周りの大人は、子供言うことなんて、と自分を馬鹿にして言うことなんて聞いてくれない。(蘭の父である毛利小五郎などが代表だろうか)

 

 父はからかい交じりに、自分で考えてごらんとアドバイスはくれど、矢面に立とうとすることなんてほとんどないし、母は男が女を守るのは当然、と言い切るものだ。

 

 だから、何事も、自分が、一人で、成し遂げねばならない。そうできる能力もあるのだから。

 

 知っている。それに、これは自分の詰めの甘さが引き起こしたことでもある。だから、自分が決着をつけるのが当たり前だ。

 

 

 

 

 江戸川文代を名乗る女は、案の定危ない相手だった。自分を小さくした黒ずくめの組織の仲間だったのだ。その上、自分の正体がばれた。

 

 あの邪神の反応からしても、あの女邪神はそうと知ってて引き渡したのかもしれない。

 

 一時は捕まり監禁されたが、こちらが気を失っていると思ったか、相手は仲間との相談がてらに情報をいろいろと吐き出した。

 

 そうして何とか脱出した後、その情報をもとに、取引先にたどり着いたのだ。

 

 どうにか殺人を阻止して、ついでに毒薬を入手する。

 

 そのために、コナンはここまで来た。

 

 だが――。

 

 まずい、とコナンは足を止めざるを得なかった。取引相手らしい大男を尾行していたのだが、何らかの用を済ませたらしい文代を名乗る女が、やってきたのだ。完全に挟み撃ちにされた。

 

 どうする?どうする?

 

 パニックになりそうにだったが、コナンはかろうじて、すぐそばにあった扉――見知らぬ男が出て言ったばかりで少し開いていたそこに身を滑り込ませた。

 

 だが、一難去ってまた一難だった。

 

 「おい、勝手にヒトに部屋に入ってきて何だ?」

 

 「君、どこの子か知らないけど――」

 

 部屋の宿泊客が、入り込んだコナンに気が付いてたのだ。

 

 どう言い訳しようか、騒ぎにするわけにはいかないとたじろぐコナンをよそに、その宿泊客は彼の姿を見るなり大きく息を飲む。

 

 そして、コナンもまた、彼らの姿に驚いた。

 

 「「コナン?!」君?!」

 

 「松井さん?!成実さんも?!」

 

 そう。そこにいたのは、いつかの美術館で出会った、あの男女だったのだ。

 

 

 

 

 

続く。あるいは次回へ。

何と陳腐な文言であるか。

 




【セッションでニヤついて、同居人を売りとばしたクソ邪神のナイアさん】
 引き続き前回からのセッションを眺めてニヤつく。
 NPCが一人犠牲になっただけで、無事脱出した探索者たちに拍手。
 なお、前回から引き続き、洋式トイレの便座の蓋の上に腰かけて、セッションを眺めている。
 そのまま帰ってもよかったかもしれないと、視聴を終えてから思い至るが、あとの祭り。
 帰ってきたコナン君と一緒におうちへ。晩御飯のコロッケも平常運転でいただく。
 後日やってきた工藤夫妻に、笑顔で対応。コナン君への対応についても一応、探偵やるとは言ってるが、全面的に味方になるとは一言も言ってないので、人さらいに遭うようにしか見えないコナン君を笑顔で送り出す。
 やっぱりクソ邪神。多分、目の前で誘拐があっても、表面的には大変だー!とか言ってるふりして、内心で笑い転げるタイプ。邪神だもの。
 ドナドナされるコナン君をよそに、肥溜めのような世界に優雅に思いをはせる。

【初セッションを乗り切ったのもつかの間、ドナドナからのピンチ連打に気が気でないコナン君】
 前回からの続きで、高DEXと【回避】の高さを売りに囮を買って出る。
 普段から幼馴染の空手を回避できてた彼なら、幼児化しようが問題なし。
 最初、彼が囮を買って出るとなった時、他のメンバーはこぞって反対したが、押し切った。ただし、松井さんも一緒にやることになり、お互いにフォローし合うことに。
 どうにかセッションクリア後、一緒に探索・戦闘してくれた3人組と話す。最初こそ、子供?!と低く見られたが、一緒にいるうちに同等の相手として扱われたのは、新鮮な経験だった。
 成実さんに指摘されて、やっとナイアさんたちのことを思い出し、あわてて戻る。
 あ、あの人たちの連絡先とか訊くの忘れた・・・しょうがないか。多分、こんなのこれっきりだろうし。
 突然やってきた知らない小母さんに母親を名乗られ、大狼狽。こんな奴知らん!頼りの邪神には笑顔で売られた。
 そうだった!こいつはこんな奴だった!畜生!
 ・・・原作コミックスとか読んでると、彼は一人で何でも何とかしてしまおうとする悪癖があるが、周囲の環境がこんななら、そりゃ一人で何とかしようとするわな。なまじ年齢の割に頭がよすぎてハイスペックなら、周囲も頼ろうとするわけで。
 その後の流れの詳細については、コミックス5巻を参照。
 大慌てで逃げ込んだ部屋には、この間の松井さんと成実さんが。思わぬところでの思わぬ再会。
 探索者は、惹かれあうのだ。

【久しぶりの出番でセッションを乗り切ったのに、まだ出番は終わらない探索者たち】
 前回から引き続き、クローズドサークルからの脱出シナリオに挑む。
 メンバーはお馴染み松井陣矢さんと浅井成実さん、青羽盗麻さん。
 蛇足ながら、NPC枠にチョビ髭(真中オーナー)、落合館長がいる。
 出会ったコナン君と協力し、最後の戦闘へ。騎士をコナン君と一緒に松井さんが引きつけ、青羽さんが脱出のために必要な死体を取りに、浅井さんはNPCの保護に努める。
 真中オーナーの犠牲こそあれど、最終的に無事脱出完了。
 脱出完了後、後始末しながら、改めてコナン君と会話。見た目は小さな子供だけど、完全に言動が逸脱しちゃってる。下手すりゃ自分たちより頭がいいかもしれない。
 何者かは気になるけど、多分訊かない方がいい。自分たちも訊かれたら困る立場の人間だし。
 好奇心強くて首突っ込んできたんだろうけど、突っ込み先を間違えると致命になるよ?今回はたまたま運がよかっただけ。
 3人そろってそんなことを思ったり。
 ・・・いろいろ力を貸してもらった手前だけど、もうちょっと自分たちを頼ってくれてもよかったんだけどなあ。
 後日、松井さんと成実さんのみの仕事で、依頼人との打ち合わせで行ったホテルで、依頼人が出て行った直後、入り込んできた子供を見て絶句。
 探索者は惹かれあう。望もうと、望むまいと。




 蛇足だが、美術館にあったピックマン氏の絵画『天罰』は、後日MSOによって回収、魔術によって焼却処分されることになる。
 館長さんも魔術で記憶を弄られることになりました。
 美術館の運営に関しては、真中オーナーが失踪しましたが、後日別のスポンサーや地元民の協力もあって、リニューアルオープンの後、運営を続けられることになりました。
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