邪神様が見ているin米花町   作:亜希羅

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 主人公の偽物が現れてひと騒動というのは、漫画あるあるだと思います。
 青山ワールドにおいても、毛利小五郎しかり、怪盗キッドしかり、赤井秀一しかり。
 で、工藤新一もありましたけど、あの事件ってすごく良方向の解決をしてましたよね?
 ・・・ただ、それは平次君やコナン君という推理力のある人間が居合わせたらということで。
 仮に本物の新一君が現れなくても、服部平次君とコナン君が二人がかりで(しかも偽物と最初から特定済み)化けの皮剥がしにかかられていたでしょうし。
 黒の組織がかぎつけてたら、絶対ひどいことになってたでしょうね。
 ハードモード確定の本作で、自殺行為でしかない行動なんですよねえ、この騒動。
 工藤新一ことコナン君はもちろん、彼と秘密を共有する面子としても、気が気でないでしょうねえ。


【#34】騒動発生。工藤新一は汚名に塗れました☆

 いつもニコニコ!ラブ&カオス!米花町の這い寄る混沌こと、私です。人間としては、手取ナイアと名乗らせていただいております。

 

 さてさて、先日は素晴らしいですが、いまいちだったセッションが終わりました。

 

 途中経過は素晴らしかったんですよ?人間と周囲に失望した巫女が、だいこうふ様の慰めを放棄しようとなさったんですからねえ!

 

 おかげで、島の住民である深きものとその眷属たちは、だいこうふ様こと“すべてのサメの父”に大勢が、ガブガブモグモグテッチーンポーンされまくってたわけですしね。

 

 いやー、手に汗握るスペクタクルというのは、ああいうのを言うのでしょうね?

 

 ポップコーンとジュースが進んだ進んだ。

 

 ですが、後日談がいただけませんでした。

 

 コナン君が、私が仕掛人だと見抜かれるのはいささか想定外ではありましたが、どうとでも言いくるめられる自信はありました。実際、彼は悔しそうに黙り込むしかできませんでしたしね。

 

 

 

 

 

 そのあとですよ!問題は!

 

 米花町についたころに、無事でしたー!とかサプライズテレフォンされても困るんですよ!

 

 何ですかー!折角、頑張って仕込んだってのに、みんなまとめてほっこりなさって、よかったよかったって!SAN回復までなさって!

 

 私の長年にわたる仕込みの苦労を返してください!

 

 求めているのはそういうものではないんですよ!帰れ帰れ!塩投げますよ?!

 

 え?ハッピーエンドを素直に喜べないのはお前くらいだ?黙ってろクソ邪神?

 

 何ですかー!皆さんまで!

 

 はあ・・・なんか、しらけちゃいましたよ、本当に。ここらで口直しに面白いことはないですかねー?

 

 コナン君も、通学する足取りが軽い軽い。

 

 まったくもう!そんなだから生意気だって言われるんですよーだ!

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 はー、もう、やってられませんよ!ショゴスさん、紅茶をお願いします!アールグレイのいい奴があったはずです!それで!

 

 本当は酒でもかっ食らいたい気分ですが、お昼間からそれはやめておきましょう。昼間から仕事場でそんなものをかっ食らうのは、本当に底辺の人間がすることですのでね。

 

 まあ、いやなことはニュースでも見て忘れましょう。

 

 昨夜は、帰ってきて疲れもありましたしね。お夕飯とお風呂を済ませてそのまま寝てしまいましたよ。

 

 だから、帰ってきてからニュースは初めて見るということになるんでしょうかね?

 

 ま、東都〈この街〉のことです。私を楽しませてくれる素敵なニュースがきっとすぐに見つかるはずです♪

 

 リモコンを取り上げて、あ、ピコッとな。

 

 ちょうど時間はニュースの時間です。毎度おなじみの、幸薄そうな男性ニュースキャスターが、事件ニュースを読み上げて・・・ン?何ですと?

 

 ・・・あ・・・あーっはっはっはっはっは!さ、さすがです!この街は・・・ぐっぶう、混沌に満ちています!

 

 グッジョブとしか言いようがありませんよ、“工藤新一”君!

 

 おや、何が起こったか、ですか?

 

 実に単純な、刺殺事件です。現状、トリックらしきトリックはなさそうです。

 

 が、容疑者の名前が問題なんですよ。

 

 なんと、“工藤新一”君ですよ?!

 

 おや、概要ですか?場所は、東都郊外の東奥穂村です。そこを訪れられていた東都新聞記者の河内深里君が、“工藤新一”君に刺殺されたそうですよ。

 

 第一発見者は、新一君同様、高校生探偵の時津潤哉君です。どうあがいても現行犯だと、“工藤新一”君はその場で逮捕されてしまいましたとさ。

 

 ですが。皆様ご存じですよね?

 

 工藤新一君は、我が家に居候している江戸川コナン君と同一人物なんです。

 

 刺殺事件が起こった時間、コナン君は福井県美國島で七転八倒なさってたわけですから・・・おやおや、これはどういうことでしょう?(ニチャァッ)

 

 フフッ。実に面白そうなことになりました。

 

 同一人物の別場所に同時存在というのも、確かに我々の方では、いくつか該当存在はいるでしょうが・・・果たして、こちら側の存在による所業ですかね?

 

 いえいえ、私の邪神としての勘が、これはごく普通の事件だといってます。

 

 ですが、フフッ、実に興味深く、そして面白いことになりました。

 

 不特定多数に発信するニュース番組で、“工藤新一”の生存が大々的に放送されたわけです。本当に、面白いことになったではありませんか!

 

 さてさて、どうなるんでしょうね♪実に楽しみですねえ♪

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 「先生!おなかが痛いから早退します!」

 

 「あ、江戸川君?!」

 

 言うだけ言い捨て、コナンはランドセルを担いで飛び出すように1年B組の教室を後にする。

 

 新任の小林教諭の慌てふためく声が聞こえるが、残念ながら現在のコナンに彼女を気にかけられるほどの余力はない。

 

 授業の合間に、スマホでこっそりネットニュースをチェックしていたコナンは、そのニュースを目の当たりにするなり、顔面が蒼白になったのを感じた。

 

 やばい。

 

 蘭が、博士が、高校のクラスメートが、目暮警部が・・・工藤新一の周囲の人間が、やばい!

 

 

 

 

 

 なお、飛び出したのはコナン一人である。

 

 湯川理央は、学校でスマホをいじるなんて不良学生の行動はとらないし、必要以上にコナンに近寄りたがりもしないので、ニュースで何が報道されたか全く知らなかったのだ。

 

 ・・・もっとも、工藤新一の関係者が抹殺されようが、現在進行形で無関係の人間にしかかかわってない彼女には、まったくもって無関係でしかないのだが。

 

 

 

 

 

 急ぎ上履きを履き替え、コナンは裏門から飛び出す。さすがに正門は、以前の事件以降設置されるようになった守衛さんに見とがめられるようになったので、面倒でも開け閉めをきっちりして、裏門の方が時間がかからないだろうと踏んだのだ。

 

 走りながら、急ぎスマホをタップして、電話をかける。数コールもしないうちにつながった。

 

 「竜條寺さん?!」

 

 『名探偵か?!見たんだな?!』

 

 「そっちも?!なんであんなことに?!」

 

 『それについては仁野――馴染みのジャーナリストと槍田が今、裏取りをしている。

 

 お前、今どこだ?!』

 

 「学校出たところだ!」

 

 『・・・お前、それ、思いっきり不審行動・・・』

 

 「んなこと言ってる場合じゃねえだろ!蘭たちが!」

 

 『馬鹿野郎!焦るのは分かるが、だからって・・・ああっ、くそ!

 

 って、おい!?』

 

 『コナン、そのままどこ行くつもりだ?』

 

 「松井さん?!・・・毛利探偵事務所に行こうと」

 

 『ダメだ。このタイミングでそこに行くのは、工藤新一の関係者で事情を知っていると遠回しに宣言するようなもんだ。

 

 ついでに、Twi●terで流れてるが、野次馬が人殺しの幼馴染の家だと包囲してやがるそうだ。お前の実家の方もだ。

 

 誰が混じっているかわかったもんじゃねえ。行くな!』

 

 「嘘だろ?!」

 

 茫然とコナンは足を止めてしまう。

 

 どうして。どうして、こんなことに。

 

 組織の連中が動き出しかねない。さらには、コナンにはまったく意味が分からない状況で、幼馴染が苦しむ羽目になっている。

 

 何もできなくても、駆け付けたかったが、それさえも許されないというのか。

 

 そうだ!

 

 ハッと、コナンは首元を触る。

 

 今日は、江戸川コナンのスタンダードスタイル――青いジャケットと赤い蝶ネクタイに半ズボンという格好だ。蝶ネクタイはもちろん、変声機だ。

 

 これを使って、蘭に連絡を・・・だめだ。この状況では、絶対に電話回線は盗聴されている。以前以上に、強力に。

 

 うかつな接触は、かえって首を絞めることになる。

 

 『コナン!今、そっちに行く!うかつに動き回るな!どこにいる?!』

 

 無力さに項垂れるコナンの耳を、松井の声が穿つ。

 

 力なく、居場所を告げて通話を終えたコナンは、そのまま立ち止まった。

 

 どこのどいつだ。どうして、こんなことを。どうして、こんなことに。

 

 ぐるぐると、コナンの脳裏を、そんな言葉がマイムマイムを踊っている。

 

 いや、そんなことを言ってる場合ではない。

 

 フルフルと首を振って、コナンは無力感を取り去ろうとする。

 

 しっかりしろ!この程度でめげてどうする!くじけてどうする!周囲が危なくなるのは、承知だったはずだろ?!

 

 ペシンッと自分の頬を両手でたたいて、弱気になりそうなのを鼓舞する。

 

 現在のコナンがすべきなのは、情報の収集と整理だ。ホームズだって、パズルのピースがそろわなければろくに推理も行動も起こせないのだ。

 

 今のコナンには、わからないことが多すぎる。後手に回ろうと、何もできず蹂躙されるよりましだ。

 

 コナンが顔を上げたところで、すぐわきにシルバーのスバル・レガシィが止まり、助手席の窓が開く。

 

 「乗れ!」

 

 顔を覗かせ、サングラス越しに言った松井に、コナンは遠慮なく、後部座席のドアを開けて、車内に乗り込んだ。

 

 コナンが乗り込むなり、車が動き出す。

 

 「どこに行くの?!」

 

 「槍田探偵事務所だ。あそこが一番、情報を整理するのには向いている。

 

 お前の博士のところには、成実が今朝早く、土産物を渡しに行く名目で会いに行って、おとなしくしておくように釘刺しておいた。無事でもあるようだった。だから、そこに関しては安心しておけ。

 

 お前、実の両親には連絡したか?」

 

 「ううん。けど、今の状況を考えたら、接触しない方がいい、だよね?

 

 一応、あの後――湯川の件の後に、お世話になっているおじさん・おばさん宛てにって、国際郵便で暗号形式に現状報告はしておいたけど・・・」

 

 「工藤優作が噂にたがわぬ賢明さを持っているなら、多分ヘタに動くのは悪手だと判断するはずだ」

 

 「だが、息子の醜聞を前に、無実を証明したがらない親もいないはずだ。

 

 日本警察に連絡を取って、“工藤新一”の事件の詳細を聞き出すくらいは」

 

 「それはしないと思う」

 

 松井の言葉をさえぎって、コナンはきっぱりと言った。

 

 「「は?」」

 

 思わず前にいた男二人――ハンドルを握っていた竜條寺と、助手席の松井は聞き返していた。

 

 「おいおい・・・お前の親だぞ?なのに、無実の証明なんかしないってのか?!」

 

 「・・・自分で切り抜けられねえと、いけねえんだよ。

 

 多分、ヒントくらいはくれるかもしれねえけど、さ」

 

 ぎょっとした様子で問う竜條寺に、コナンは遠い目をして答えた。

 

 「工藤優作の息子なんだから、必要なことは教えたはずだから、このくらいできるはずだろうって。

 

 ・・・できなかったら、失望されたように溜息吐かれるんだ。一回だけ、そうだった」

 

 なるほど、これは根深い。

 

 通りで、コナンが大人に頼るという選択肢を最初からなしにしているはずだ。

 

 最近では、ずいぶんとこちらを頼りにしてくれるようにはなったし、コナン自身にも、多少大人への反抗や、プライドがあるのだろうが、根本的な部分にこれがあるのだろう。

 

 思わず黙り込んだ大人二人に、コナンは首をかしげた。

 

 自分は何かおかしなことを言っただろうか?コナンとしては、普通のことを言っただけなのに。

 

 「松井さん?竜條寺さん?」

 

 「・・・あー・・・、はっきり言っておくぞ、コナン」

 

 どうにか気を取り直した竜條寺は、ハンドルを握りなおしながら言った。

 

 「お前は人間だ。人間ならできないことがあって当たり前だ。それに、実年齢も二十歳にもいかないだろうが。むしろそんな奴が一人で何でもできるスーパーヒーローだったら、俺たちの立つ瀬がなくなるぜ。

 

 漫画の主人公じゃあるまいし」

 

 「コナン。厳しいことを言うようだが、お前の手はどんなにうまくしようとしても、所詮は2本だ。俺の手も、竜條寺の手も・・・義手を含めてな。

 

 だから、誰かの力を借りるのは当たり前だろ。ま、俺もこの職に就き始めてから、ありがたみを真剣に感じ始めたくらいだがな。

 

 手が足りないなら言え。俺たちの手くらいなら、貸してやる。耳も、目もな」

 

 どこか皮肉気に言い放つ竜條寺に、松井も苦笑するように言う。

 

 「・・・っ・・・あれれー?竜條寺さん、ボクは夢の主人公じゃなかったのー?」

 

 「夢は夢だ。実際のお前は夢以上にクソ生意気だが・・・ま、嫌う要素もあんまりねえんだよ」

 

 あえて子供言葉で尋ねるコナンに、ニヤッと口元を歪めて答える竜條寺。

 

 「ああ。俺も、お前も、実際に生きて、そこにいるんだ。

 

 神がいようが魔術があろうが、好きに生きてやるさ」

 

 「・・・よくわからんが、なんか吹っ切れたようだな?」

 

 「まあな」

 

 松井の言葉に、竜條寺は軽く頷いた。

 

 「・・・ありがとう、二人とも」

 

 蚊の鳴くような声で、うつむいたコナンがつぶやいた。

 

 「ん?」

 

 「何か言ったか?」

 

 「っ・・・バーロォ!何でもねーよ!」

 

 からかうように尋ねる大人二人に、コナンは顔を真っ赤にして叫んだ。

 

 「話を戻すが、お前、東奥穂村について、心当たりはあるか?

 

 “工藤新一”が偽物と判断するなら、そこで事件を起こした理由があるはずだ。

 

 ま、有名税なんて言葉もあるし、逆恨みも含めりゃキリがないんだろうが・・・どうなんだ?その辺」

 

 小さく笑った顔をすぐさま真剣なものにした竜條寺の言葉に、コナンは顎に手を当てて考え込む。

 

 「あるにはあるけど・・・けど、あの事件は・・・・」

 

 「心当たりがあるようだが・・・そろそろつくぞ。続きは中でだ」

 

 少々離れたところにある駐車場に車を止めながら、竜條寺が言った。

 

 

 

 

 

 「あ、おはよう、コナン君」

 

 「おはようございます!槍田さん!寺原さん!

 

 その・・・」

 

 「状況は分かっているわ。座って」

 

 パソコンをカチカチ動かしながら言った槍田に、コナン、松井、竜條寺は、それぞれの定位置につく。

 

 いてもたってもいられなかったというのは、成実も同じらしく、彼もすでに定位置に座っていた。

 

 「さすがに環さんね。仕事が早いわ」

 

 カチカチとマウスをクリックした寺原は、デスクを立つとプリントアウトされた用紙をもって、応接テーブルに近寄る。

 

 「たまきさん?」

 

 「仁野環。懇意にしているジャーナリストよ。警察では手に入れにくいアングラな情報や、より細かな情報を探り当ててもらったりしてるの。たまに、こっちから彼女に情報提供もしているわ。持ちつ持たれつって関係ね」

 

 説明した寺原から用紙を受け取ったコナンは、素早くそれに目を通す。

 

 竜條寺と松井も同様に、用紙を手に取り、回し読みしていく。

 

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

 

 仁野環が調べ上げたことによると、おおよそこういうことらしい。

 

 事のきっかけは、工藤新一の推理ミス。

 

 1年前に日原滝徳前村長と、その家族――早い話奥方が、養子で長男の誠人青年と、実子の日原大樹を除いて亡くなった。奥方は刺殺され、村長は投身自殺。家に遭った金品がゴッソリなくなったという、強盗事件の様相をもって。

 

 しかし、当時村を訪れた新一はそれを、癌が発覚して自棄になった滝徳氏による無理心中と推理した。

 

 だが、その癌が良性で手術すれば回復可能ということが、滝徳氏が通っていた病院の看護師の口から発覚。

 

 動機が崩れてしまえば、無理心中は通らない。つまりは、推理ミスであるとされたのだ。

 

 これに目を付けたのが、熱烈なアンチ工藤記者(要は悪質なパパラッチ)の、河内深里であった。

 

 

 

 

 

 真実を明らかにするという名目で、工藤新一と懇意にしていたという幼馴染の毛利蘭、そしてその保護者である療養から回復したばかりの毛利小五郎、さらに高校生探偵として実力は折り紙付きという時津潤哉を連れて、河内は東奥穂村に乗り込んだ。

 

 そこで、同様に推理ミスだという手紙をもらったらしい工藤新一と会う。

 

 奇妙なことに、工藤新一は事故か強盗にでもあったか、川から全裸で、さらには記憶喪失、風邪でも引いたのか喉を痛め、さらに両手にひどい火傷の痕がある状態で発見される。

 

 彼の顔を知る、毛利小五郎、さらに毛利蘭の証言もあり、彼はまず間違いなく工藤新一であろうと判断された。

 

 だが、推理ミスの実証をしようという段階になるや、異常が発生した。

 

 悲鳴が聞こえ、駆け付けるや、包丁片手に血まみれで呆然としている新一と、血まみれで絶命している河内が発見された。

 

 新一が言うには、突然わけのわからないことを言われてつかみかかられたため、無我夢中で気が付けば――ということ。

 

 その場に登場した時津潤哉は、新一の現行犯として糾弾。警察に彼を引き渡す。

 

 毛利親子は彼をかばおうとするものの、あまりに状況が整いすぎ、ろくにかばうこともままならず、時津探偵の言うがままになってしまった。

 

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

 

 「・・・これだけか?

 

 肝心の推理ミス云々について書いてねえぞ?」

 

 「書いてないんじゃないの。書かせてもらえなかったのよ」

 

 報告書から顔を上げた松井が苦虫を噛み潰したような顔で問いかけると、パソコンから顔を上げたそうだが、険しい表情で吐き捨てた。

 

 「時津潤哉。東北出身の、自称:高校生探偵よ」

 

 「自称、なんだ」

 

 「ええ。はっきりと言って、私は彼を同じ探偵だなんて、天地がひっくり返っても、認めないわ」

 

 成実のツッコミに、槍田が吐き捨てる。ここまで苦々しい反応をしているのは珍しいと、全員が怪訝そうにする。

 

 「彼、探偵としては相当、問題があるのよ。

 

 私のように刑事事件をメインに扱う探偵が最も優先しなければならないのは、何かわかる?」

 

 「えっと・・・真実?」

 

 「だめだよ。それだけじゃだめだ」

 

 「ええ。確かに、それは必要よ?けどそれ以上に、依頼人と、巻き込まれた人たちの心を、守らなくちゃいけないのよ」

 

 成実の首をかしげながらの言葉に、コナンと槍田は首を振った。

 

 「真実は残酷なのよ。時には一部を伏せなければならないこともある。

 

 それが依頼人の心を守ることにつながるならね」

 

 そう言って、槍田はクルリクルリとペン回しをしながら言った。

 

 「時津自称探偵は、中途半端な推理で警察やマスコミをひっかきまわしまくるのよ。

 

 以前、たまたま一緒に捜査したことがあって・・・その時、まだ証拠が出そろってないっていうのに、中途半端な推理をこれ見よがしに発表してたの。

 

 ・・・別に、それで私のことを馬鹿にされるのはいいわ。まだ許せる。真相にたどり着けないのは、私の力不足なだけだもの。

 

 ・・・けど、それでまだ確定されてない容疑者が、さも犯人のように扱われ、圧力がかけられるようになったのは、許せないのよ。私がかばったら、私まで犯人呼ばわりしてきてね。

 

 ようやく私が真犯人を特定して、確保したら自分は何も彼が犯人だと断定したわけじゃない、なんて言い逃げしたのよ?しかも、それで自分の名が広まったら犯人扱いしていた自分たちも困るだろうと、警察とマスコミに隠ぺいを依頼してね。

 

 ・・・あとから調べてわかったけど、あちこちでそういうことをやらかしているそうよ。おかげで未解決・犯人取り逃がしに終わった事件が何件あることか・・・!

 

 推理と探偵を何だと思ってるのかしら?自分を輝かせる舞台装置が欲しいなら、役者にでもなるべきね。まあ、売れない三流俳優どころか、学芸会の劇の木の役で終わりそうだけど」

 

 バキョンッという固い音は、途中回されるのを辞めて握りしめられたペンが、槍田の握力で砕き折れた音だ。

 

 「・・・たちが悪いってのは、理解した」

 

 「あら。私の後輩にあたる検視官が、あの男に事件をひっかきまわされた結果、ノイローゼになって警察を辞めたってのに?たちが悪いの一言なの。

 

 七槻だって、そう。

 

 きっと他に大勢いるわよ?あの男の被害者は」

 

 松井が、ちょっと引いた様子で言うが、壊れたペンを叩きつけるように置いた槍田は小さくフフッと笑うにとどめた。

 

 

 

 

 

 「あー・・・時津潤哉についてはその辺にしておいて。

 

 そんな奴が伏せたがるってことは・・・推理ミスじゃなかったんだな?」

 

 竜條寺の言葉に、コナンは大きく頷いた。

 

 「東奥穂村の日原村長の事件は、間違いなく、無理心中だ」

 

 「でも動機が・・・」

 

 「・・・さっき、槍田さんが言ったとおりだよ。

 

 真実は、残酷だからね」

 

 静かにうなずいたコナンは、しかし顔を伏せた。

 

 「一応、本当のことを知らせている人は、いるにはいるんだけどな・・・」

 

 「誰に?」

 

 「日原誠人さんっていって、日原村長の養子だよ。あと、村に駐在されてる城山数馬巡査と、一緒に捜査した警察関係者も。

 

 誠人さんは、オレ〈工藤新一〉のファンだったらしくて、捜査に加わった時すごく喜ばれたよ」

 

 「・・・ねえ、コナン君。あなたまさか、その誠人さんって人に口頭で知らせておしまい、なんてことしてないでしょうね?」

 

 「え?」

 

 「えじゃないでしょう!

 

 家族が無理心中したってなったら、相当ショックを受けてるはずよ?!そんな中、本当の事情だ何だ聞かされても、頭に入らないわよ!」

 

 はーッと槍田は頭を抱えて、ため息を吐く。

 

 知ってはいたが、コナンはどうも人の機微に甘いところがあるのだ。これから身につけていけばいいかもしれないが、探偵を続けていくなら、それはいつか致命になる。今のうちに、身につけさせねばならない。手遅れになってからでは遅いのだ。

 

 「あ・・・!」

 

 「で、そんな奴なら、推理ミスして犯人逃がした工藤新一憎さに、今回の事件の仕掛人やってもおかしかないか。推測の域は出ないが」

 

 さっと顔を青ざめさせるコナンに、竜條寺が唸る。

 

 「とにかく、現状やるべきは二つ。

 

 一つ、“工藤新一”の無実の証明、無理なら正体を暴く。

 

 二つ、日原村長夫妻の無理心中の真実を解明すること。

 

 例の犯罪組織が動く、その前に」

 

 松井がいつの間にか吸いだしていた煙草から煙を吐きながら言うと、コナンが立ち上がる。

 

 「それは!」

 

 「残酷でも、知りたがる人がいるなら、知らせるべきでもあるんじゃないかしら。

 

 ・・・たぶん、あなたが本当に知らせたくないのは、ごく一部の人間だけなんでしょう?」

 

 「・・・槍田さん、察しがよすぎだよ」

 

 「これでも、あなたより探偵としての活動歴は長いつもりよ?

 

 このくらいは、当然よ」

 

 くすっと笑うと、槍田はスマートフォンを手に取る。

 

 「私が行ってもいいけど、時津自称探偵がいるなら、彼女の方が適任かしら?

 

 暴走する可能性があるから、お目付け役はいるでしょうけど。

 

 名目は・・・そうね、親戚の新一兄ちゃんを慕っている、我が事務所の最も若手のホープに泣きつかれて、というところね」

 

 「越水か?」

 

 「ええ。福井から戻ってきてそうそうで申し訳ないけれど、そろそろ彼にも引導を渡した方がよさそうだからね。

 

 また、いもしない犯人や、ありえもしない犯行をでっちあげて、それに引っ張りまわされるのはうんざりなの。

 

 彼女には、それを暴く一番の権利があるはずだもの・・・コナン君、お目付け役をお願いしていいかしら?」

 

 「・・・ひょっとして、七槻さんも、その時津潤哉って人の被害に遭ったの?」

 

 「小耳にはさんだ程度だけど、友人が被害に遭ったそうよ。

 

 私と知り合った時、その犯人を血眼で探し回ってて・・・。

 

 だから、ちょっと不安なのよ。探偵としての腕前はかなりのものなんだけどね・・・」

 

 「うん。美國島でも頼りになったよ」

 

 この間行ったあの島でも、情報整理の際に、島袋弥琴の秘密を、越水七槻はコナンとほぼ同時に見抜いた。もっとも、あの時は、松井や敦子も、同じように勘づいていたようなのだが。

 

 槍田はスマートフォン越しにいろいろ言い渡し、「くれぐれも、探偵として自覚を持って行動するように」と、くぎを刺してから通話を切った。

 

 

 

 

 

 「・・・ちなみに、組織の連中は、“工藤新一”をどうすると思う?」

 

 話題を変えた松井の問いかけに、竜條寺は肩をすくめた。

 

 「その場で暗殺とかなら御の字だな。

 

 一番やばいのは、テロに紛れて拉致パターンだ。

 

 シェリーの居所を吐け、組織のことを誰に話した、どうやって毒薬から生き残った、どこに潜伏してた、思いつく限りの拷問をされるだろうよ。

 

 ご丁寧に、シェリーがコイツのデータを書き換えたのを、監視に筒抜けにしてくれやがったからな。グルだって思われてるぞ、絶対」

 

 「シェリーって、理央ちゃんだよね?何でいないの?」

 

 「工藤新一の周囲がどうなろうが、あの女にゃ直接被害はねえだろ?

 

 むしろ、一緒に慌てふためいた方が怪しいしな。

 

 話を戻すが、あの“工藤新一”が整形しただけの偽物なら、死亡が確定するようなもんだな。ただ死ぬだけじゃなくて、散々痛めつけられ、下手すりゃ自白剤づけにされてな」

 

 苦々し気に吐き捨てる竜條寺に、事務所内は静まり返った。

 

 

 

 

 

 「とにかく。

 

 私は、逮捕された“工藤新一”についてもう少し調べてみるわ。

 

 あっち側が絡んでないとしたら、相応の出現ルートがあるはずよ。

 

 麻里、あなたはマスコミの方をお願い。新しくニュースがあったら知らせて」

 

 最初に動いたのは槍田だった。

 

 グッと猫のように伸びをしてから、再び彼女はパソコンのキーボードをたたきだした。

 

 「足がいるんじゃないか?コナン」

 

 「先輩、蓮希さんと一緒にいないで大丈夫なんです?」

 

 「あー・・・あいつ、作曲に挑戦するって、今連絡してこないように言い渡されてんだ。

 

 あれからすっかり元気になったらしくてな。

 

 どうせ、今は非番だ。それに、何かあった時、一緒に動けた方が都合がいいだろ?」

 

 ニッと笑う松井と成実は、すでにソファから立ち上がっている。

 

 「竜條寺さんは?」

 

 「俺は残念だが、パスだ。裏方に徹させてもらう。

 

 何度も言うようだが、俺は組織に面が割れてる。

 

 組織が動き出したなら、俺の生存がばれる公算も高くなるんでな。

 

 悪く思うな。・・・俺の方でも、伝手を当たってみるが、期待はするな」

 

 ぼりぼりと頭を掻きながら、竜條寺はソファを立った。

 

 そうして、彼はコナンを見るや、口を開いた。

 

 「・・・残酷なことを言うようだが、最悪の事態は覚悟しておけよ」

 

 「最悪って・・・」

 

 「“工藤新一”が殺人犯としての汚名が雪がれないまま、組織に殺されるパターンだ。

 

 ま、個人的には、その方が組織の目を欺けるから、おすすめではある」

 

 「竜條寺さん!それは、オレに化けてるやつに、影武者を押し付けて殺すようなもんだぞ!わかってんのか!!」

 

 「意図せずそうなる可能性もあるってことだ。

 

 ・・・今回は、時間との勝負だ。工藤新一の名前は封印して、辻褄が合うように解決、組織が“工藤新一”に手を付ける前にという、条件付きでな」

 

 怒声を張り上げるコナンに、竜條寺は冷徹に言い渡した。

 

 言外に、かなり難しいと。

 

 同時に思う。結局のところ、どこまで行ってもコナンはお人よしなのだ。

 

 自身の名誉より、自分に化けて不名誉をもたらそうとする何某の身を案じるというあたり、如実だ。

 

 「・・・急いだほうがよさそうだな」

 

 「うん!槍田さんと、寺原さん、竜條寺さんも、お願いします!」

 

 ピョンッとソファから、コナンが立ち上がった。

 

 

 

 

 

 最初、コナンは自分の正体が彼らにばれてしまった時、心底焦った。

 

 頼っていい、頼れる大人たちに、とんでもないリスクを背負い込ませてしまった。御免なさい、と。

 

 だが、彼らは特に怒るでもなく、しょうがないな、と苦笑しただけだ。

 

 そして今、彼らはコナンのことを、わが身のように心配して、力になろうとしてくれている。

 

 正体が知られたのが、この人たちで、本当によかった。

 

 同時に思う。

 

 自分もまた、彼らの信頼に応えられるよう、頑張ろう、と。

 

 

 

 

 

 だが、そんなコナンの懐で、ヴーヴーとマナーモードにしたままのスマホが震えだした。

 

 出鼻がくじかれたと少し不満そうな顔で画面をのぞき込んだコナンは、ゲッと嫌そうに顔をゆがませた。

 

 そこには、手取ナイア、と発信主が表示されていた。

 

 

 

 

 

 

 

「続く」亜希羅は光った。




【不機嫌だったけど、新しい騒動を察知してやっぱこの街が好き♡なナイアさん】
 前回セッションのエピローグがいまいちだったので、不機嫌。
 ハッピーエンドなどお呼びではない。I♡混沌な邪神なので。
 不機嫌の口直しに、ニュース番組(彼女にとってはコント番組)を見ようとしたら、面白そうなニュースを察知した。
 工藤新一が刺殺事件を起こした?!え?!でもコナン君はその時、美國島でセッション参加中だったよね?!
 何より、生きてるってニュースで流れたら、組織が動くんでない?
 あっはっはっは!面白いことになりそうだなー!楽しみ楽しみ。
 ・・・始動を決めた槍田探偵事務所のコナン君に、電話をかけてきた。どういうつもりなのかは次回に。

【いろいろ気が気でないけど、とにかくできることからやっていこう!なコナン君】
 美國島の出来事で、邪神にはいいようにされたけど、でも最終的には負けてないことは証明できた。次も負けないし、できるなら今度こそ化けの皮を完全に引っぺがしてやる!と気合を入れる。
 が、間もなく行った学校で授業の合間にニュースチェックしてたら、自分の名前で刺殺事件の容疑者になってて絶句。
 これやばくね?組織に生存バレて、周辺皆殺しフラグ立ったんじゃね?
 学校早退して、馴染みの面子に連絡入れて、槍田探偵事務所に転がり込む。
 迎えに来てくれた松井&竜條寺の頼れる大人たち筆頭が、すでに周囲にも手を回したり、コナン君自身のことを心配してくれたり、頼っていいからな!と言ってくれたりして、照れくさいけど嬉しい。
 いつもの事務所に行ってみて、詳細聞いてみれば、自分のそっくりさんが、昔事件解決した場所に出現して、推理ミス疑惑が持ち上がってたうえ、聞いたこともない自称高校生探偵がさらに事態をひっかきまわしてたらしい。
 ・・・槍田さんがここまで誰かをこき下ろすって聞いたことないんだけど。噂だけで判断するのもどうかと思うけど、時津ってやつ、ろくな奴じゃなさそうだな。
 槍田さんに、気遣いが足りないと怒られて反省。今更だけど、落ち着いたころに、もう一度手紙くらい出しとけばよかったかな?
 気を取り直して、今後の方針を模索。
 こうなった以上、東奥穂村の事件は真相を明かすしかないのかなあ。でもなあ。・・・やっぱり、槍田さんって、大人なんだな。オレももっと精進しないと。
 以前この事務所で正体ばれた時、不可抗力とはいえ、正直かなり申し訳なかった。否応なしにリスクを抱え込ませることになったわけだし。
 でも、みんな、そんな状態に文句御言わずに、むしろ笑って手伝ってくれてる。
 不謹慎だけど、この人たちに知ってもらえてよかった。
 この人たちの信頼に応えられるよう、できることからやっていこう!
 まずは、七槻さんや松井さん・成実さんと一緒に、東奥穂村だ!
 と思ってたら、クソ邪神から電話がかかってきた。台無しだよ!

【全力でコナン君をサポートする所存の槍田探偵事務所御一行】
 メンバーとしてはいつも通り、所長の槍田郁美、事務員兼補佐の寺原麻里、非常勤の松井陣矢、浅井成実、竜條寺アイルの合計5名。
 実は、一番最初にニュースのことに気が付いたのは槍田さんだった。昨日の夜中に気が付いたため、急ぎ馴染みのジャーナリストである仁野環さん(原作登場は劇場版『瞳の中の暗殺者』)に、詳細調査を依頼。
 翌朝出勤と同時に、馴染みのメンバーに連絡を取り、コナン君がやべーから、やる気があるなら手ぇ貸せと呼びかけた。
 成実さんは、阿笠博士宅へ向かう途中に連絡を受け取り、隣家の混雑具合を見ながら、裏口からお邪魔させてもらう。そして、こっちでも調べるけど、監視が強化されてる可能性があるからヘタに動かないように、と改めて釘を刺した。
 松井&竜條寺は、コナン君から泡食った様子の連絡を受け取り、そのまま彼を迎えに行った。
 車内でのコナン君との会話で絶句。こりゃコナンが大人を頼りにしなくなるわけだ。
 同時に、竜條寺さんも気が付く。
 自分が生きているこの世界は紛れもなく本物で、コナン君はハイスペックではあっても、完全無欠のヒーローではなく、まごうことなき人間なのだと。自分も、一介の人間でしかないように。
 『名探偵コナン』にこだわって、目の前の人物を、あんまりよく見てなかったのかもしれない。
 あの邪神に好きにされるのも困るけど、一番は自分がどうしたいかということなのだ、と吹っ切った。
 その後、到着した槍田探偵事務所から、馴染みのジャーナリストが調べ上げた事件の詳細を受け取る。
 いつにない、槍田さんの時津潤哉(原作登場はコミックス54~55巻『服部平次との3日間[2]』こと、探偵甲子園編)に対するディスり具合に、全員ちょっと腰が引けた。
 ・・・本シリーズ独自設定だが、時津潤哉は口留めや情報封鎖をしても、人の口に完全に戸は立てられてないので、あちこちでこんな感じに同業や警察、マスコミ連中に信用を無くしたり、捜査をかく乱したと嫌われている。ぶっちゃけ、彼が地方警察からの探偵不審を加速させる一端を担ってもいたり。
 槍田さんもその友人(警察の後輩や、七槻さんなど)が、それで迷惑をこうむったことがあり、かなり腹を立てている。
 こちらも捏造だが、槍田さんの探偵活動歴は高校1年の夏休みデビューとなる新一君よりも、当然長い。ゆえにこそ、人の機微に少々疎い所のある新一君に、先輩として叱責・助言ができる。新一君も、それを素直に聞き入れる。実績もあって、推理力もある、頼れる大人の一人だから。
 その後、みんなで行動方針の模索。
 東奥穂村の現地には槍田さんが行ってもよかったけど、自分より因縁持ってるだろう越水七槻さんに任すことにした。
 でもそのままだと暴走しそうだから、コナン君と松井&成実チームにお目付け役を任す。
 竜條寺さんが、結構きつい忠告をする。・・・彼は、組織に所属していた分、その手口を知り尽くしている。最悪のパターンが容易に想像できるがゆえに、忠告をする。
 もちろん、それをお人よしのコナン君が受け入れられるわけがない。そして、人死にが少ない方がいいというのは竜條寺さんも同じ。
 だから、かなり厳しい条件ながら、動く。少しでも、事態を好転させるために。
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