だからこの話では、登場人物は全てロクでもない目に遭って、のた打ち回って、話の終りまで頭を抱えることになる。
お前もそうなるんだよ。
けれども、古い伝承によれば、ごく稀に選ばれた狂気と啓蒙、信仰の持ち主だけが、ダイスを振って、彼の地への巡礼を許される。
それは旧い支配者たちの地、ルルイエだ。
いつもニコニコ!ラブ&カオス!米花町の這い寄る混沌こと、私です。人間としては、手取ナイアと名乗らせていただいております。
いやあ、前回のセッションは最高でしたね!
え?お前のクソッぷりには反吐が出た?
何かしましたかねー(すっとぼけ)。
嫌だなあ、皆さん。私のやったことといえば、ちゃんと客商売に対応して、お求めになられた書物(『屍食教典儀』の改訂本)を売ったこと、ちょっとばかりセッションを覗き見したこと、あとはちょっぴり呪文を使ってあげただけじゃないですか!
ほら、私は悪くない!
勝手に狂ってやらかして、のた打ち回って首絞めあったのも、全部人間たちでしょう?私が何かやったなんて、言いがかりですよ!ハハッ!
神格の招来も結局松田君を始めとした探索者諸君に阻止されちゃいましたし、黒幕の悪あがきも松田君のクリティカルで止められちゃいましたしねえ!
ええ。そのあと起こった、警察による警察のための醜い隠蔽劇に、清廉にも自首をした松田君がスケープゴートにされちゃったのも、私は一切関係がないんですよ、本当に!
え?じゃあ、そのニチャァッて粘着質な邪悪な笑みをどうにかしろ?
無っ理でーす!私、零君と違ってポーカーフェイスが苦手なんですよ。喜怒哀楽って、ちゃんと面に出した方が好ましいでしょう?
零君も以前「ナイア姉さんの笑顔って、きれいで、僕は好きです・・・」って頬を染めながら言ってくれましたしねえ。
ほら、零君の好きな私の笑顔ですよ?堪能しろよ、お前ら。(笑顔の後ろに、駆り立てる恐怖を従えながら)
さて、零君といえば。
ウッフフフフフ。順調ですねえ。
元々一人になるというのは知ってましたが、目覚ましいですねえ。
この間、ようやくとれたお休みに久々に遊びに来てくれたんですが、いつになく元気がなかったんですよねえ。
話を聞いてみれば・・・ウフフフフフ。
ぽつぽつと、警察学校時代の思い出を語ってくれました。
みんなで遊びに行って馬鹿騒ぎしたり、悪戯を揃って教官に叱られたりしたこととか。
そして・・・彼らのうち、一人が精神病院に入院して、だいぶ良くなってはいますが、いまだに病床についているということ。もう一人は潜入捜査で、行方不明になってそのまま連絡取れず、多分亡くなっているということ。最後の一人が、連続誘拐と殺人までした挙句獄中で自殺したということを。
そんなことする奴じゃなかった、どうして、とポツリと最後に付け加えました。
おやおや、麗しき友情に亀裂ですかあ?やっぱり友情なんてくだらないものにすがれなくなりましたかあ?
とはいえ、こんなこと口に出すのはいけませんねえ。今の零君は、まだ熟成中のワイン、あるいは飼育中の家畜のようなものなんですから。
・・・食卓に並べるには、まだまだ味気ないんですよ(ニチャァッ)
「零君は、自分が今まで見てきたものが信じられないのですか?」
あえて多くは語らず、尋ね返しました。
答えは、自分の中にあるでしょう?という聖母のごとき笑みを添えることも忘れずに!
え?邪神が聖母を気取るなんてチャンチャラおかしい?おや、このAPP18の美貌の持ち主にして、“赤の女王”“膨らんだ女”など女の化身も供えている私を捕まえて、いい度胸ですねえ。
ここにアイホートさんの雛が入った小瓶があるんですが・・・いかがですか?
はい!お分かりいただけたようで、嬉しいですねえ!
おっと、今は零君のお話でしたね。
「そんなことありません!松田は・・・松田は、そんなことをする奴じゃない!」
しかし、椅子を蹴倒す勢いで立ち上がりますが、すぐに零君は意気消沈した様子で座り直してうなだれます。
せっかくメイドのショゴスさんが淹れてくれた紅茶も冷めてしまいましたよ。
「けど・・・松田を陥れたのは、明らかに警察上層部からの工作なんです。証拠も、ねつ造の形跡がある。
でも、独自に調べようとした伊達には、圧力が掛けられたようでした。下手に動けば、僕だけじゃない。他のみんなに危険や迷惑がかかることになる。
姉さん、僕、こう見えて、たくさんの部下がいるんです。彼らも、自分の業務に忙しいだろうに、ほとんど職場にいない僕の力になってくれる、心強い味方で・・・この国を守る同志なんです。大事な、仲間なんです。
彼らに何かあるなんて、僕には、耐えられない」
力なく首を振った零君は、とてもとても悲しげでした。
美人が憂いたっぷりに、うなだれて力なさげにしているのは、それだけで絵になりますね~。実にいい。
「・・・じゃあ、零君は今の仲間のために、松田君の名誉を傷つけた連中を野放しにするんです?」
「違う!そんなことしない!」
「でも現状は、そうするしかないでしょう?」
私の正論に、零君はうっと言葉に詰まりますが、すぐに毅然とした顔になって言い返してきます。
「・・・今は、できません。でも、いつか・・・いつか、真実を明らかにします。奴らを、ぬくぬくとデスクを温められ続けなくしてやります。いつか」
ほほぉ。
ぎらぎらと決意と憤怒に満ちた表情を、ここにはいない誰かたちに向ける零君を、私は温かく見守ってあげます。
いい表情だなあ。赤井君に向けたそれよりかは、数段落ちますが、本当に、彼はこういう表情も似合いますねえ。ま、それよりも絶望して発狂してくれた方が、いい顔をしそうではありますがねえ。ウフフフフ。
「今日はすみません。せっかくのお休みに、こんな話を聞かせてしまって・・・」
しょんぼりとうなだれそうな零君に、私は首を振ってにっこり笑って言ってのけます。
「いえいえ。零君は日本のために普段から頑張ってくれてますからね。愚痴やストレスなんか、吐き出しもせずに自分の中で消化しようと溜め込んでしまうでしょう?
そういうものを吐き出せる、安全な相手と認識してもらっているというのは、嬉しいもんですよ。
私でよかったら、これからもお付き合いしますよ。そのくらいしか、できませんがね。神様なのにねえ」
「・・・神様でも、ナイア姉さんは、ナイア姉さんじゃないですか」
私の自嘲を装った言葉に、零君は頬を染めてポツリッと言った。
それから恐る恐るという様子で、こう付け加えてくれました。
「・・・聞き苦しいものを聞かせてしまうかもしれませんが、またお茶に来てもいいですか?」
「何言ってるんですか。零君でしたら、いつでも、歓迎しますよ」
笑みを深めて言ってみせると、零君は嬉しそうに大きくうなずいて、「はい!また来ますね!」と言ってくれました。
柴犬のピンと立った耳と、パタパタ振る尾がついてるように見えたような気がしましたが、きっと幻覚でしょう。
・・・犬って、痛い目を見たときに「キャウンッ!」って吠えるのが可愛いと思いませんか?(ニチャァッ)
さぁて、残りは一人、でしたかね?
おや、誰です?伊達さん逃げて!超逃げて!なんて戯言を言っている方は。どうせ彼、放っておいても死ぬんでしょう?遅いか早いか、まともか狂ってるかの違いなんですから。
どうせ、人間、理性という薄皮一枚めくってしまえば、誰もが狂ってしまうんですから。
* * *
とはいえ、伊達君の退場まではまだ少し時間がありますからねえ。
ちょっと気分を変えて、久々に攻略本を眺めていると、面白い記述を発見しました。
ふーむ。浅井成実君、ですか。確か。漫画の主人公に良くも悪くも多大なる影響を与える犯人兼犠牲者の一人、でしたか。
・・・前々から思ってましたけど、この攻略本ムラがありすぎません?イケメンに関する記述は妙に細かいところまで行き届いてるのに、女性系になったら一言二言のコメントで終了って、ひどすぎません?
成実君はかろうじて、男性なせいか、それも女装しているということで、食いつきがいいみたいですけど、ヒロインの女子高生なんかひどいですよ?名前以外は角女、空手ゴリラ、ガワだけ清楚、新一ぃぃ!の四言しか記載されてませんからね。本当に偏りがひどいですよ。
製本したの私ですけどね。
ふうむ。零君には直接関係ありませんが、田舎の離れ小島が舞台、と。面白そうな匂いがしますねえ!シナリオの匂いがします!
ちょっと行ってみてきましょうか!
え?どうせチョッカイかけるか、面白おかしく見物するんだろって?
当たり前じゃないですか!私、邪神ですから♪
さてさて。ペットのオカメインコに擬態させたシャンタク鳥を肩に載せ、黒髪黒目、メガネをかけたムチムチ美女(APP18)の私、参上ですよ!
ビジュアルは・・・そうですねえ。デモンベ●ンに出てきたニャル様と同じ感じと思っていただければ。
え?クソアニメ?でも、私の同名個体の素晴らしさは伝わりません?
アニメの演出やストーリーとキャラビジュアルは別でしょう?さあ、リピートアフターミー!ニャル様最高!・・・いい返事だ!
話を戻して、今いるところは月影島の連絡船です。
適当に滞在するのも理由が必要ですが・・・そうですね、麻生圭二君の友人で、彼に久々に会いに来た、ということにしましょうか。
・・・あながち、嘘というわけでもありませんしねえ。(邪笑)
ええ。麻生圭二君は、彼がピアニストとして演奏旅行しているときに知り合いました。
いえ、手取ナイアとしてではなく、有象無象の彼の一ファンとして、ですよ。
なかなか素晴らしい腕前の持ち主でした。
専門家でもない私がこの手のことを語るのはおこがましくはありますが、楽器を“奏でる”ことのできる人間は数多いますが、“歌わせる”事の人間は、それこそ数える程度しかいません。
そういった人間こそ、本物の、人の心を動かせる芸術家、なのでしょうね。
とはいえ、せっかくですので、お近づきの印に、少し面白いことをお伝えしてあげました。
嫌だなあ、大したことはお教えしてませんよ。単に、そのコンサート会場は西アフリカの某地域だったので、このあたりは珍しい鉱石が取れて、お土産になりますよ、ということをお伝えしてあげただけです。
ええ。その鉱石が、一種の神話生物の食料になるということは、お伝えし損ねましたがね。大したことないでしょう?(ニチャァッ)
おやおや。タイミングがいいのか悪いのか。
連絡船の甲板に、見覚えのある人物を始めとした一団がいますね。
おやおや。偽装魔術で、会話を雑談に思わせてますが、内容はなかなか厄介なことを話してますよ。
「いいかな、松井君。再度通達するが、今回のミッションは、君の訓練終了を兼ねた最終試験だ。さほど厄介なことにはならないとは思うが、単独行動は厳禁。
必ず、私か槍田君と行動するように頼むよ」
「了解ですよ、青羽先輩」
横目で見やると、片方は冴えない感じのサラリーマン風の男性に、もう片方は奔放な白髪に革ジャケットの青年ですね。
ええ。白髪の青年の方は、名前が違いますが、あの松田君でしょう。まあ、表向き、松田陣平君は自殺済みですからね。新しい戸籍の獲得に当たり、改名したのでしょう。
対するもう片方の冴えない感じのサラリーマン風の男性ですが・・・これは変装技能を使って誤魔化してますね。偽装魔術を使っているのも、彼でしょう。
青羽と呼ばれてますが、さて、何者なのでしょうねえ?
で、少し離れたところには、ウェーブのかかる髪を束ね、相変わらずなクールな雰囲気をそのままにした、槍田郁美君と、船酔いで少し気分悪そうにしている寺原麻里君がいます。
おやおや、今回のセッションには、羽賀君、蓮希君、藍川君の3名は欠席ですか。
まあ、調査メインのシナリオなら、4名でも十分かもしれませんねえ。
あくまで私の予想の域を出ませんが、この4名は神話性事象安全保障組織MSOからの派遣メンバーでしょう。チラッと聞こえた限り、松田君の訓練が終了したので、実地でどのくらい使い物になるか、という試験でしょうか。
ウフフフ。何というグッドタイミングでしょう!
え?最悪過ぎる?お前、また松田さんに何かやらかすのかって?
そんなことしませんよー。(棒読み)
まあ、面白くなるなら、何だっていいじゃないですか。
さて、引き続いて盗み聞き続行です。
フムフム。どうやら、彼らは9年前の不審死の調査に来た、と。
おやおや。やはり、麻生圭二君は亡くなっていましたか。しかし妙ですねえ。攻略本の情報によると、確か麻生圭二君は麻薬密輸の告発をしようとした矢先、口封じにあって心中に見せかけられた焼死をするんじゃありませんでしたかねえ?
いやあ、死亡原因が妙なんですよ。麻生圭二君の家、床に大穴があいて、中の住民がことごとく干からびて死亡、というね。
・・・本来なら、その時点でMSOの介入が入りそうなものですが、何しろ、誰かが隠ぺいしたか、不審火に見せかけられたか、とにかくその後火災で邸宅が全焼。
ふーむ、本来なら、そのまま心中とかで闇に葬られそうなものですが?
ほうほう。探偵である槍田君のところに、邸宅に火をつけた男(匿名希望)がやってきて?最近島で、住民が干からびたように死んでいるのが見つかって、それが自分が火をつけたお宅で見つけた死体にそっくりで?気になって不安でしょうがなくて、相談に来たそうで。
原因の究明と、できるなら根本解決を望んでいる、と。
・・・ちなみに、火をつけた動機については、かたくなに口を閉ざして語らなかったそうです。まあ、十中八九、例の麻薬密輸絡みなんでしょうけど。
槍田君も、自分はもう警察じゃないし、時効で証拠もないだろうから、とあきれ果てつつ、今は目の前の調査に集中するつもりのようです。
うーん、妙なことになってますねえ。あれですかね?私がちょっかい出したせいで、変なことになったのでしょうか?
ふーむ・・・あの時、麻生圭二君にお土産にいいですよーとおススメした鉱石と、床に大穴があいて干からびていたという死にざまに、いくつか該当生物はいるんですが・・・まあ、解決は私の業務の範疇外ですのでね。
さて、どうなさいます?探索者諸君。
私からの接触ですか?当然しませんよ。
あれらの情報は、私が偽装魔術を看破したから、入手できたというだけで、本来でしたら「あの島何があるー?」「何もないわーマジウケるー」的なクソどうでもいい会話にしか聞こえませんからね。
あそこで私が口をはさんだら、何やねんコイツ、何で偽装魔術が効いとらんねんって不審がられること請け合いでしょう?せっかくのセッションに、今回は私のスパイスはいらないと思うんですよ。ま、ダイスの女神がクソ出目を出さなければ、という注釈が付きますがね。
さて、そろそろ船が到着です。どうなることやら。
さてさて、いくつか経緯は省略してお話しましょうか。
ダイスの女神が荒ぶって、出目がファンブったりクリった話も愉快ですが、まあ、皆さんとしては結果から聞きたいでしょうから、手短に。
今回の事件の真相ですが、まあ、私がおススメした鉱石というのが、地中に住まう神話生物、クトーニアンの御飯だったんですよ。
彼ら、人間の体液を触手で吸収することもしますが、大概その手の鉱石を餌にしてるんですよね。
で、それをもって日本に帰っちゃった麻生圭二君を追いかけて、この島にやってきて、外敵やら致命物質たる水分がないのをいいことに、島の住民を御飯にしてたそうで。
あ、ちなみにクトーニアンという神話生物については、サプリメント“マレウス・モンストロルム”で詳しく解説しています。
ざっくりいうと、地中に棲むイカのようなクリーチャーですね。芋虫のように長く伸びた体は、ねばねばしたものでおおわれています。
え?詳しい描写?SANチェック入りますよ?遠慮したいでしょう?
そういうのはKPの仕事であって、横から面白おかしく眺める邪神の仕事じゃないと思うんですよねえ。
で、島に住みついたクトーニアンは、多分幼体だったと思うんですよ。連中は4回ほど脱皮をして成体になるんですが、成体の方は地球の核近くに住んでいます。それだけ高温に耐えられる生態をしているんですが、幼体の方はそうでもなくて、たまに地表に出てきちゃいますからねえ。
そういう逸れ個体が、たまたま月影島に棲みついたようで。
さて、話を松田改め松井君含む探索者諸君に向けましょうか。
おや?現地で合流するプレイヤーキャラがいましたか。浅井成実君が満を持して、プレイヤブル参戦ですか。
いえいえ、4人があちこちで聞き込みをした際、見つかった変死体の検死もした、島唯一の医師である、成実君に話を聞きに行ったのですよ。
で、成実君は、変死体と実家の変死をつなげて考えたは不明ですが、患者の中にも犠牲者が出た、ということに強く憤っており(少なくとも表面上はそう見えました)、原因解明のために同行を希望してきました。
最初こそ、顔を見合わせましたが、島の事情通でもある成実君がいた方が調査もスムーズになると考えたようで、彼らも同行を許可した、というわけです。
さて、このあたりで、青羽君と成実君の習得技能についてお知らせしておきましょうか。
青羽君、フルネームで青羽盗麻君は、前述通り高めの【変装】技能と、偽装魔術を習得しているようです。
【鍵開け】と【回避】が高いのは置いといて、何です?【芸術〈奇術〉】って。後は・・・【拳銃】技能も持っているようですねえ。
探索技能はというと、基本に忠実に【目星】【聞き耳】もありますね。なるほどなるほど。
あと、MSOの職員の例にもれず、クトゥルフ神話技能も高めですねえ。
浅井成実君はというと、低めではありますが【変装】技能を持ってますね。まあ、女装男子ですからね。当然と言えば当然でしょう。
医師ですから【医学】【応急手当】は当然として、【組みつき】と【武道】って何ですか。加えて、彼、高STRからのダメボ持ってるんですけど・・・。
あとは、患者さんから病状を聞き出すためでしょうか、【精神分析】【心理学】【信用】などの対人技能も持っているようで。
彼もなかなか優秀な人材のようですね。
あ、ちなみに松井君も訓練で、以前よりも技能値がいくつか伸びているようですね。
いやあ、以前から頼もしかったですが、頼もしさがさらにぐっと増えましたね!
では、話を探索者たちの視点に戻しましょう。
いくつか変死の現場検証や証言を聞いて回り、彼らも(と言っても知識のある青羽君と松井君程度ですが)原因がクトーニアンだと思い当ったようです。
で、問題はクトーニアンがどの段階か、と深刻そうに考え込むことになりました。
前述しましたが、クトーニアンは全部で4回の脱皮を経て成体に至ります。加えて、地中を自在に動き回るので、居場所の把握が困難、と。
はてさて、どうしたものでしょうね?
そんな感じで、MSOから来たお二人が頭を悩ませる一方で、成実君は成実君でショックを受けているようです。
クトーニアンのことは知らなかったようですが、調査を進めて行くうちに、彼も事態の異様さと、背後に人間じゃない超常の存在――いわゆる神話生物が絡んでいることを知り、SANチェックが入って、めでたく一時発狂をしてくれました。
ちなみに、引き当てたのは破壊衝動の発露。自分で壁に頭を何度も打ち付けるという奇行に走り、あわてて周囲が止めに入っていましたよ。おかげで今の彼は額に包帯を巻いています。
どうにか寺原君が落ち着かせたようですがね。
で、さらに自分の父親が何気なく持って帰ってきた鉱石が原因、ということも知ってさらにSANチェック(かなりどぎついの)が入ってました(笑)。
加えて、駐在さんから聞き出した、実家の耐火金庫にしまってあった遺言状代わりの暗号楽譜にも、全て記載されてたらしく、泣きながら何か考え込んでもいるようでした。
で、それを他のメンバーが不安そうに見守っていました。
とはいえ、成実君は個人の事情にかかずらっている場合じゃない、先にクトーニアンをどうにかしないと!と思い立ったらしく、改めて協力を約束してくれました。
さて、どうします?探索者諸君。地中を自在に動き回るイカの化物のような神話生物を、たった5人で何とかしないとまずいですよ?
調査していく過程で、クトーニアンが人を襲って回るのは、一定周期ごとというのが判明してて、そろそろその時期が来ているとわかっていますからね。次の犠牲者が出る前に、何とかするべきでしょうねえ。
おや、長くなってしまいましたか。
ふーむ、じゃあここはアイキャッチ風に行ってみましょうか!
後篇に続けますよ(バチコーンとウィンク)!
次回よ!共に、舌を噛み、語り明かそう
明かし語ろう・・・新しい物語、素晴らしき続きを!
【降谷さんをたらしこんで、新しいシナリオにwktkなさるナイアさん】
大体コイツのせい(もはやテンプレート)
前回のシナリオでも、松田さんの苦境の際に愉悦しまくってた御様子。相変わらずのクソッぷりを披露して見せた。
友人が次々旅立って行って傷心気味の降谷さんを慰める。邪神のくせに聖母気取りで、心にもない優しい言葉をかけてみせる。
降谷さんは骨抜きになってしまっているが、くどいようだが彼女の本性は極めて邪悪。本心からの慰めと励ましなんてあるわけがない。
・・・残り1名のSANと寿命にフラグが立った。
製本した攻略本の情報をもとに、月影島へ。
なお、イントロダクションの方でも言っているが、この攻略本のもとになっているのは、転生してきたクズ系オタク女子の知識なので、色眼鏡はもちろん、記述内容にも非常に偏りがある。
新しいシナリオの臭いと訪れた探索者たちにwktkなさる。が、自分の仕込が原因だったというのも早々に思い出した。
なお、探索者たちについては、松田改め松井さんというのは早々に見抜いたが、青羽さんの正体まではまだ見抜けていない。
月影島の住民に明日はあるか?
【ナイア姉さんだ~い好き!な降谷さん】
大丈夫?SAN擦り減ってない?と問われそうだが、仮に問われても、大丈夫だ、問題ないと平然と返すこと請け合い。実際、SANチェックは入ってない。
警察学校の同期達が次々といなくなって、流石に傷心気味。
なお、彼の視点の同期達は以下の状態。
萩原研二さん・・・永久発狂して廃人化したため、入院。あれから大分経ったので、どうにかSANは10台ほどは回復したが、予断を許さない状態。
諸伏景光ことスコッチさん・・・死体すら見つからない。ライが殺したっていうし、あれは多分確実に死んでる。でもナイア姉さんにはそんなこと馬鹿正直に言えない。ライは殺す。絶対だ!
松田陣平さん・・・連続誘拐及び殺人やらかした挙句自殺ってのは、絶対嘘。でも明らかに警察上層部の意図が見え隠れしてて、迂闊につつくとヤバいから手が出せない。陥れた連中、覚えてろ。
一部に関しては、単純に死んだだけの原作以上にひどい有様になっているが、彼がそれを知るわけがない。
ナイア姉さんに、いつまでもメソメソしているかっこ悪い子じゃなくて、かっこいい大人の男だよ!ってアピールしたいのに、姉さんが黙って話を聞いてくれるから、思わず弱音を吐いてしまった。
でも、慰めて、優しい言葉をくれて、応援までしてくれた。やっぱりナイア姉さんは、本性は怖くても、優しいなあ。
・・・慕っている神様に、養豚場の豚、あるいは熟成中のワイン扱いされているとまで、悟っているかは定かではない。
ナイア姉さんに懐いてる場合じゃないぞ、最後の一人がやばいぞ。悟れ、降谷さん。
【晴れて訓練が終了し、一人前のエージェントになった松田改め松井さん】
某SCP財団めいた組織に所属して(表向きは貿易会社の社員)、お勉強と訓練漬けの日々から、今回訓練終了の卒業試験を兼ねた調査となる。
ちなみに、新しいお名前は松井陣矢さん。髪はウィッグじゃなくて、脱色済み。ほとぼり冷めるまでは白髪のままと思われる。
内容が内容なので、警察にいた頃のような単独行動は一切認められず、大抵誰かと一緒に行動するように義務付けられ、そのように訓練されている。
月影島へは、面識もあって、なおかつ今回の調査を持ち込んできた槍田郁美と、彼女の事務所の補佐兼事務員を務める寺原麻里、そして彼にとっては先輩にあたる青羽盗麻という人物と一緒に行くことに。
現地で出会った、女医の浅井成実さんと行動することに。最初こそ、所属のこと隠さなくちゃいけないし、と微妙になっていたが、そのうちいろいろ出てくるあれこれに、もうばらしちまえ、となった。
怪異の原因がクトーニアンというのは、訓練課程で否応なく高くなったクトゥルフ神話技能によって判明した。
どうする、松井君。
【高い変装技能を持つ、先輩探索者の青羽さん】
MSOに所属し、松井さんの先輩にあたる探索者。CV池●秀一の渋ヴォイスの持ち主。
珍しく、ナイアさんはその正体を悟ってない。一応、彼の存在は攻略本にも記載はされているはずなのだが。
高い【変装】技能に、【芸術〈奇術〉】と、高めの【回避】をもっている。
いったい何羽盗一さんなんだ・・・?
自力で死んだふり成功してから、神話生物絡みの事件に遭遇し、MSOに身分隠しを兼ねて所属することになったらしい。
この世界のあの声の持ち主は神話生物を引き寄せるフェロモンでも出しているのだろうか?