「がぁ!?」
「き、貴様ら、こ、こんなことをして、ただで済むと思って、いるのか?」
「黙れ」
「がは!?」
武装した集団がとある世界にある管理局の拠点を襲撃し壊滅させた
「リーダー、ここに保管されていた物を調べましたが我々が求めている物はありませんでした」
「・・・そうか。ならここにもう用はない。撤収する」
『Ja』
リーダーの指示に他の者たちは頷き、撤収を始めた
「ま、待て。お前・・たちは・・一体・・何者・・なん・・だ?」
「・・・・我らはお前達、腐った管理局に恨みを持ち、鉄槌を下す者。それだけだ」
意識がまだ残っていた局員の問いにフルフェイスを被った者が静かに、だが怒気を含んだ声で答えながらその場から撤収した
「“管理世界にある管理局の拠点に襲撃。犯人の目的は何なのか!?”ねぇ」
悠斗の家の地下にある端末で管理世界で起こった事件の記事を読んでいた
「取材に協力した局員の話では、基地と局員を襲撃しつつ、何かを探していたと書かれているけど、いったい何を探していたのかしら?」
「ロストロギアだということは間違いないのでしょうが」
悠斗と共に記事を見ていたプレシアとリインフォースが首をかしげる
「とにかく、犯人の狙いが管理局員ならここ(地球)にも来るかもしれないな」
「それはないんじゃないかしら?確かにここにも拠点は存在するけどこれまでに襲われた管理世界の支部に比べれば小さいし、保管されているロストロギアもない。ここを狙う理由は・・・」
「あるじゃないですか。ここにとんでもない物が」
「・・・夜天の魔導書・・ですね?」
「正解だ。それと俺のリュウソウルもな」
リインフォースの返答に悠斗はリュウソウルを手でいじりながら頷いて答えた
「まぁ、俺のリュウソウルに関しては問題ないだろう。ガイソーグとして活動していて、何処を拠点に行動しているか知っているのは2人のみ。だが、夜天の魔導書については持ち主も所在地も判明している。来る確率は高いだろう」
悠斗がリインフォースとプレシアと襲撃犯のことに関して話しているのと同時刻、管理局海鳴支部でなのは達を呼んだクロノが同じことを話していた
「っと、言うわけだからはやては十分に気を付けてほしい。外出は控え、もし出るときはなのは達と一緒に行動してくれ」
「了解や」
「でも、この襲撃犯の目的って何なんだろうね?」
「解らない。でも、厄介な相手だということだけは確かだろうね」
なのはの問いにクロノがため息をつきながら答えた
「(なんでこうなった?)」
悠斗は目の前にいる武装した集団を見て人知れずため息を吐く
「(確か、頼まれていたアクセサリー作りに疲れ、息抜きがてら散歩をしようと外に出て、公園にやってきたらなのは達に遭遇して、嫌な予感がしたからとっとと別れようとしたら公園全体に結界が張られて、ニュースに出てきた管理局襲撃犯のやつらが出てきた・・・なんでさ?)」
「転移して早々、地球の管理局員に出会えるなんてついているわね」
「・・・ふん」
「フェイトちゃん、はやてちゃん!」
「「うん」」
「レイジングハート・エクセリオン」
「バルディッシュ・アサルト」
「「セットアップ!」」
「行くでリイン」
「はいです」
「「ユニゾン・イン」」
なのは、フェイト、はやての3人は防護服、騎士甲冑と魔導杖を展開し、はやては自身のサポートを務める融合騎の“リインフォース・ツヴァイ”とユニゾンする
「はやてちゃんはアリサちゃん、すずかちゃん、悠斗君の護衛をお願い」
「あの人たちの相手は私となのはがやる」
「了解や。3人には指一本触れさせへんで」
3人のことをはやてに託すとなのはとフェイトは3人の襲撃犯との戦闘を開始した
「(戦況は五分五分・・か)」
「あんた・・随分と冷静ね」
「・・・冷静に見えるようにしてるだけだ(嘘)」
悠斗が戦況を確認しているとアリサが声をかけてき、悠斗は答える
「ごめんなアリサちゃん、すずかちゃん、ユウ君、私らの事情に巻き込んで」
「別に気にしてないわよ。それにこんなこといちいち気にしてたらアンタたち3人の友達なんて務まらないわよ」
「そうだよはやてちゃん」
「アリサちゃん、すずかちゃん・・・・・おおきに」
「友情を深め合っているところ悪いがあの2人ピンチだぞ?」
「「「え?」」」
悠斗の指摘に3人が前を見ると悠斗の言う通りなのはとフェイトの2人が2人の襲撃犯に劣勢を強いられていた
「そ、そんななのはちゃんとフェイトちゃんの2人が押されるやなんて」
長い間一緒にいたことから2人の実力を一番よく知っているはやては目の前の光景を疑う。悠斗の言う通り2人が押されているのだ
「きゃ!?」
「あぅ!?」
そして、3人の襲撃犯の内。リーダー格と思われる女性の一撃を食らい、2人は悠斗たちのいる場所まで吹き飛ばされてきた
「なのはちゃん!フェイトちゃん!」
「・・・2つ名を得ているからどれほど強いのか楽しみにしていたが・・・弱すぎる」
「馬鹿にしてはだめよK。戦うことのできない子達に被害が行かないように力をセーブしていたみたいだから」
「ふん、守るべきものが近くにあるときこそ人はいつもの倍の力を出せるというもの。だというのにその守るべきものに気を取られたのはその2人が弱者だからだ」
弓を持った女性の言葉に槍を持った少年がなのはとフェイトを伐倒する
「な、なんで、私達、管理局を襲うの?」
「ほぅ?まあ意識が有ったとわな。認識を改める必要があるそうだ」
自分の攻撃を受けて気を失っていなかったなのはに少年は感心する
「お前達管理局を襲うわけだったか?他のやつらは知らんが俺は貴様たち管理局をつぶすために行動している。貴様たち管理局はロストロギアは危険だからという理由だけで回収を行っている。本当に危険なものかどうかも調べずな」
「それってどういう・・・」
「これ以上話すことはない。恨むのなら弱者である自分を恨むことだな。デモンズセイバー!」
少年は持っている槍の矛先をなのは達に向けると槍から奔流とも呼べる魔力砲を放った
「させへん!クラウ・ソラス!」
護衛にまわっていたはやてが杖から魔力砲を放ち、相殺させる
「確か・・・ロストロギア“闇の書”今は“夜天の書”だったかか?その主だったか?貴様の力この俺に見せてみろ」
「言われへんでも見せたるわ」
はやてが持つ書のページが自動的に捲られ、あるページで止まる
「『バルムンク!』」
はやての周囲に魔力で形成された8本の剣が設置され、少年に向け放たれる
「ふん!」
飛来する8本の剣を少年は回転の力を加えた横薙ぎですべて薙ぎ払った
「M、手を出すなよ」
「しょうがないわね」
「いくぞ!」
少年は素早い動きではやてに近づき槍による突きを繰り出すも。はやては書に蒐集された魔法の一つ“ブリッツアクション”で少年の背後に移動すると、蒐集された魔法“フラッシュインパクト”で攻撃するも少年は槍を後ろに回し攻撃を防いだ
「あの金髪の速さに比べれば止まって見える。デモンズディザスター!」
少年ははやての杖を弾き飛ばすと槍による連続攻撃を繰り出す
「きゃあ!?」
最初こそ連撃を防いでいたはやてだったが、少年の怒涛の攻撃を防ぎきれず突きによってなのは達のいるところまで突き飛ばされ、さらにユニゾンも解除された
「どんなに膨大な魔力や魔法を持っていようとも使いこなせないのであれば意味はない。ジークセイバー」
少年を槍を頭上に掲げると槍から魔力で形成された刃が噴き出る
「「「さ、させない/へん」」」
痛む体に鞭を撃って立ち上がったなのは、フェイト、はやての3人は少年を睨む
「・・・いい目だ。だが、もう遅い」
少年は笑みを浮かべると一切の躊躇なく魔力刃を振り下ろした。なのは、フェイト、はやての3人は協力して強固な防御壁を形成して少年の攻撃を防ぐ
「「「ぐぅうううう!」」」
「俺の強さの前にひれ伏せろ!!」
少年が魔力刃に更に魔力を注ぎ込む、3人も負けじと魔力を盾に注ぎ込む、均衡していた状況は飛来した矢によって崩された
「あう!?」
「「フェイトちゃん!?」」
一瞬の気のゆるみ、それによって保たれていた均衡は破れ刃が盾を砕き、刃が迫りくる。絶体絶命の瞬間、なのは達の前に一つの人影が現れ
「肆の型 断空」
迫りくる凶刃を両断した
「こいつらに何かあったら悲しむ人が多くいるんだ。だからやらせんねぇ」
右手に剣を持ち、5人を守るように前に出た悠斗がそう告げた
「やはりな。貴様を一目見たときから貴様が力を隠していたことには気づいていた」
「あらら、そんなに早くからばれてたとはな、まだまだ修行が足りないってことか。大丈夫かなのは、ハラオウン、八神」
少年の言葉に悠斗は乾いた笑みで笑うと、剣を肩に担ぎ、3人に安否を尋ねる
「ゆ、悠斗君?」
「さ、桜井?そ、その剣は」
「ま、まさか」
「ん?あ~~~咄嗟だったからこっちを取り出しちまったか」
悠斗は3人の視線が自分ではなく持っている剣に行っていることに気づき、見ると苦笑いをすると剣を左手に持ち替えながら少年をみる
「悪いがばらしたくないもんをばらさせた憂さ晴らしも兼ねて相手をしてやる」
「・・・一目見たときからただ者ではないと思っていたがここまでとはな。貴様、何者だ?」
「俺か?俺はどこにでもいる普通の学生。そして・・・騎士だ」
少年の問いに悠斗はリュウソウルをソウルモードからナイトモードにさせながら答え、ソウルを剣の口部分に装填する
『ガイソウチェンジ』
重低音の声が周囲に響く
「鎧装」
剣を再び右手に持ち替え、口を閉じると、悠斗の周囲に鎧のパーツが現れ、悠斗の身体に装着された
「不屈の騎士 ガイソーグ。お前に敗北を与えてやる者の名だ。よーく覚えておけ」