神の従者となった剣聖の異世界旅行   作:白の牙

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第01話

 

 

 

 

 「・・・ぅ・・・うんん」

 

 失っていた意識が目覚めた悠斗はゆっくりと体を起こす

 

 「・・・ここが次の世界か」

 

 数分かけて意識を覚醒させた悠斗は周囲を見回し、森の仲なのだと理解すると、顔を抑えて右手を顔からはなし、地につけようとすると

 

 -ムニュン-

 

 右手に何か柔らかいものを掴んだ感触を覚える

 

 「ムニュン?」

 

 それが何なのか気になった悠斗は振り向き、固まった。なぜなら今、悠斗が握っている何かは自分の隣で意識を失っている銀髪の美女“リインフォース”の胸だったからだ

 

 「っん」

 

 「(こ、これは!?柔らかさ、弾力、張り、その全てを兼ねそろえた完璧な)って違うだろう!?」

 

 あまりの揉み心地に評論家のまねごとをした自分の一人ツッコミをしつつ、悠斗は慌てて右手を掴んでいた胸から離した

 

 「すぅ~~~はぁ~~、すぅ~~~はぁ~~~」

 

 悠斗は大きくなった鼓動を落ち着かせるために何回か深呼吸を繰り返し、心を落ち着かせ、リインフォースを起こそうとするが、顔を見た瞬間、右手で触った感触が蘇ってくる

 

 「煩悩退散!煩悩退散!」

 

 心に湧き上がる煩悩を地面に頭を打って振り払い、起こそうとするも再び煩悩が浮かび上がり、再び頭を地面に打って振り払う。その行動を何度か繰り返しているうちにリインフォースの目が開く

 

 「ここは?私は確か?ナハトと共に死んだはず・・」

 

 「おぉ、目が覚めたのか」

 

 「おぉ、気が付いたか」

 

 「君は・・・君、額から血が出ているぞ!?」

 

 リインフォースは悠斗を見るや一気に意識が覚醒した。なぜなら悠斗の額からは少量とはいえ血が出ていたからだ

 

 「え?あ~~~気にしなくてもいいっすよ?俺にとってはほんのかすり傷みたいなもんですから」

 

 リインフォースに言われ悠斗は自分が血を流していたことに気づくも前回の転生先で手に入れた技能ですぐに回復すると解っているために問題ないというが、それを知らないリインフォスースは

 

 「すまない」

 

 「へ?」

 

 悠斗に一言謝罪すると、悠斗が羽織っている上着の袖を破り、さらにそれを破って端同士を結び、即席の包帯を作り上げるとそれで額を巻いた。その際、近距離までリインフォースが来たことで悠斗の胸元にリインフォースの双球が当たり、さらに髪から漂ってくるにおいに悠斗は我をわすれそうになるが

 

 「(煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散)」

 

 見ず知らずの自分のことを心配し、怪我の手当てをしてくれている彼女に対し、失礼だと自分の言い聞かせ、必死に自分の煩悩と戦っていた

 

 「・・これでよし」

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 手当てを終え離れるリインフォースに悠斗は一言お礼を言う

 

 「気にしないでくれ、私が勝手にしたことなのだからな。所で君はなぜこのような場所に?」

 

 「気がついたらここにいて、えっと・・・」

 

 「そう言えば自己紹介がまだだったな。私はリインフォース、気軽にリインとでも呼んでくれ」

 

 「俺は桜井悠斗です。名字でも、名前でも好きなほうでどうぞ。ん!話の続きですけど、俺は気づいたらここに倒れていて、リインさんが隣で眠っていたんです」

 

 「そう・・か。だが、なぜ私は・・・・ぐぅ!?」

 

 「リインさん?」

 

 顎に手を添え何かを考えていたリインフォースは謎の頭痛に膝をつく

 

 「(こ、これは?)」

 

 頭に送られてくる膨大な情報にリインフォースは困惑する。そして、数分かけて送られてくる情報を整理し、リインフォースは自分が蘇った理由を知った

 

 「だ、大丈夫ですか?」

 

 「あぁ、大丈夫だ。桜井」

 

 「何ですか?」

 

 「ありがとう。私が再び生を手に入れたのは君のおかげだのようだ」

 

 「っ!?どうしてそれを」

 

 リインフォースの言葉に悠斗は目を見開く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これは・・凄いな」

 

 「俺の自慢の別荘ですよ」

 

 あそこではゆっくり話は出来ないと思った悠斗はリインフォースをダイオラマ球内にある別荘に招待し話をすることにした

 

 「口に合うかどうかわかりませんがどうぞ」

 

 「すまない、頂くよ」

 

 悠斗は別荘内に保管していた緑茶をリインフォースに出すと向かい側の椅子に座る

 

 「それで、なんで俺があなたの復活に関わっていると解ったんですか?」

 

 「さっき、私の頭に膨大な情報が流れてきたんだ。そしてその情報の1つに私が蘇ったことについての情報もあったんだ。神という存在が本当にいることにも驚いたし、君が転生者と呼ばれる存在だということにも驚いた」

 

 「そんな情報まで教えたのかよエルシャさんは」

 

 リインフォースの話を聞き悠斗は軽い頭痛に襲われる

 

 「君のおかげで私は蘇り、新たな生を送ることができる。本当に、本当にありがとう」

 

 「はぁ~~、礼を言うならエルシャさんに言ってください。俺はこれといったことはしていませんから」

 

 「確かに私を蘇らせてくれたのは神だ。だが君が私の復活と書かれた券を当てなければ私は蘇ることはなかった。だから私は君にお礼を言いたいんだ」

 

 「分かりました。そのお礼は一応受け取っておきます。でも、俺が転生者だってことは他の誰かに言うのは・・」

 

 「勿論話さない。恩人に仇を返したくないからね」

 

 「とにかく今日、あっちでは1時間ですが、ゆっくりと体を休めて体調と魔力を整えてください。ここは外と違って魔力が充溢してますからそこそこ回復すると思いますよ」

 

 「・・・言われてみれば確かにここは魔力に満ち溢れている。ふふ、改めて異世界の魔法が凄いということが分かった気がするよ」

 

 「あ~~そうそう、ここには風呂もあるんで入っても構わないですよ。着替えは・・・・俺の服でよければ貸しますが」

 

 「重ね重ねありがとう。じゃあ、一着貸してもらえるかな?」

 

 「了解しました。こっちです」

 

 悠斗はリインフォースを風呂場へと案内すると、着替えの服を取りに自室へと向かった

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