「「行ってらっしゃいませ」」
悠斗とリインフォースがすずかの家でお世話になって早、2週間。悠斗はともかくそういったことに不慣れだったリインフォースは最初こそミスなどをしていたが今ではすべてをそつなくこなせるようにまで成長した
「今日は何時ごろ迎えに行けばいいんだ・・んん、ですか?」
「ふふ、いつもの口調でいいですよ悠斗さん」
「そういうわけにはいきません。今の俺は居候のみにして執事の1人。それに今は仕事中ちゃんとした口調で話さないといけないんです」
車を運転しながら悠斗はあまり使わない丁寧語ですずかに話す
「今日はアリサちゃんが家まで送ってくれるってメールで教えてくれたから帰りの迎えは大丈夫です」
「畏まりました」
すずかの答えを聞き悠斗は頷く。さて、何故こちらでの免許がないのになぜ悠斗が車を運転で着ているのか、答えは簡単、“運転免許証再交付申請書”と“運転免許証紛失始末書”の2つを提出してこの世界の免許証を作ったのだ(その際、魔法を使って担当した人の意識を誘導したが)
「到着いたしました」
「ドアは自分で開けるから大丈夫です」
エンジンを止め、ドアを開けようとするがすずかを自分で開けるというので悠斗は動きを止めた
「すずか――!」
「アリサちゃん。おはよう」
「おはようすずか。桜井もおはよう」
「おはようございます、アリサ様」
「・・・アンタの敬語は何かなれないわね」
金髪の少女 アリサ・バニングスがすずかと悠斗に近づき挨拶を行う
「それではすずか様、私はここで」
「うん。また家で」
「はい。では」
すずかとアリサに一礼すると、悠斗は車に乗り込み、車を家へと走らせた。その道中
「あ~~~丁寧語は疲れるな~~」
口調をいつもの砕けたもの戻していた
月村邸に戻ると悠斗は部屋の掃除、買い出し、庭の花の手入れ、飼っている猫たちへの餌やりなど沢山のことを行い、気が付くと夕方になっていた
「ただいま~」
「お邪魔します」
「お帰りなさいませすずか様。そしていらっしゃいませアリサ様」
夕食の仕込みを終わらせ一息入れているとすずかが大学から戻ってき、アリサも家へに上がってきた
「悠斗さん、ここは家ですし。いつもの口調でお願いします」
「ですが」
「私達しかいないからいいって言ってるのよ。普段のアンタの口調を知ってるこっちからしてみれば、何ていうかむず痒いのよ」
「・・・・解りま・・・んん、解った」
すずかとアリサにせがまれ悠斗は普段の口調に戻し、お茶とお菓子を用意するために厨房へと向かい、準備してすずかの部屋へと向かい、ドアを数回ノックし、返事が聞こえるとドアを開けて部屋の中に入る
「今日作ったスコーンと数種類のジャム、それに合う紅茶だ」
「「「「「ニャ~~~」」」」」
「これお前たちは食えないから」
部屋に入った途端群がってきた猫たちから持ってきたものを守りながらテーブルの上にお茶と菓子を置く
「ったく、俺を見ればすぐに餌をねだって来るようになったな」
「ふふふ、悠斗さんの作るご飯がおいしいからだと思いますよ」
「この家の猫全員、あんたに餌付けされてるものね」
足元でじゃれついてくる猫たちに悠斗は呆れため息を吐き、すずかとアリサはその光景を笑いながら見ている
「そういう2人もそうなんじゃないのか?」
「う~~~ん否定できない所が怖いわね。家で雇ってるコックも確かに1流でおいしいのはおいしいんだけど、あんたの料理を食べた後に食べると何か物足りないのよね」
アリサは悠斗の作ったスコーンを食べながら答える
「悠斗さん、今日の夕ご飯は何ですか?」
「今日は八百屋でいいキャベツが売っていたからな。ロールキャベツにしようと思っているが」
「あんたのロールキャベツ」
「食べていくか?」
「いいの?」
「作るのに4人前も5人前も大して変わらん」
「じゃあ、食べていくわ」
すでに胃を捕まられているアリサは悠斗の問いに返答する。アリサの答えを聞いた悠斗はしばらくの間すずかとアリサと他愛もない話をした後、夕食の仕込みをする為に部屋から出て行った
「898、899、900、901・・・」
夕食を食べ終え、車で帰るアリサを見送り、執事としての仕事を終わらせた悠斗は外で刀と同じ重さの木刀を使って素振りを行っていた
「995、996、997,998,999,1000」
目標の数の素振りを終えると悠斗は椅子にかけていたタオルで掻いた汗を拭き、水分補給を行うと
「1、2、3、4・・・・」
今度は虚空に向かって正拳突きを始めた。木刀と同じように1000回の正拳突きを終えると今度は蹴りの練習をおこなう。全てを終わらせるころには時刻は10時をまわっていた
「ふぅ~~~~」
「毎日、精が出るな」
「リインフォース」
ほでった身体を冷ましていると寝間着の上に上着を羽織ったリインフォースが悠斗に声をかける
「日課だからな。本当だったら拳と蹴りの練習には巻藁を使いたいが、それだと当てるたびに音が鳴って迷惑になるからな」
水分補給をしながらリインフォースに話す悠斗
「そういえば、八神はやてだったか?連絡はとれたのか?」
「すずかお嬢様曰く、連絡はして次元漂流者が2名いて保護しているから直接受け取りに来てほしいといったようだが、主も忙しいらしくてな、もう少し先になりそうだ」
「そうか。リインフォースとしては早く会いたいんじゃないか?」
「・・確かに成長した主と私を救ってくれた小さな勇者2人に騎士達に早く会いたいが、恩を返してないまま行くのはどうかと思うんでね。主たちがこっちに来れる日まで待つとするさ」
「あんたがそういうのなら俺もう何も言わない。さて、風呂にでも入ってくるか。あぁ、そうそう」
リインフォースに答えを聞いた悠斗は屋敷に戻ろうとしたが何かを思い出したのかリインフォースに振り返り
「おやすみ、リインフォース。いい夢見ろよ」
「ふふ、お休み悠斗。君もいい夢を」
悠斗の言葉にリインフォースは笑みを浮かべて言い返し、しばらくしてから屋敷に入り、貸してもらっている部屋に戻っていった