春、それは出会いと別れの季節
「えっと、俺の名前は・・・・あった、あった」
大きな掲示板に張られた紙から自分の名前を探し、見つけた悠斗はついでに今日から1年同じ教室で学ぶ学友の名前を確認すると、顔を少ししかめる
「(まじかよ、聖洋中学が誇る5大聖女の内、3人と同じクラスとか。騒々しい1年になりそうだな)」
悠斗はフェイト・T・ハラオウン、月村すずか、八神はやての名前を見つけ、歓喜の声を上げるクラスメイトとなるであろう男子の声を聞き、せめて席は離れていてほしいと切に願ったが
「(この世に神はいないな)」
案の定、3人の聖女と隣、または近い席となった
「ユウ君の近い席か。1年よろしゅうな~」
「よろしくねユウト」
「えっと、よろしくね桜井君」
「・・あぁ、よろしく」
突き刺さる嫉妬と憎悪の視線を無視しながら悠斗は3人に軽く返事を返した。なぜこうなったかというと最初は名字順に別れ席に座っており、3人とも離れていたことから悠斗は安どしていたが、担任となった先生が“早速だが席替えをする”と宣言し、登校早々席替えをおこない、こうなったのだ
「(前途多難だな)」
「今年も全員バラバラのクラスになちゃったわね」
放課後、学校が終わり行きつけの喫茶店で疲れた心をいやそうと思いやってきた悠斗だったが、一つだけ忘れていたことがあった。悠斗の行きつけの喫茶店“翠屋”は聖洋5大聖女と呼ばれる一人の家が経営しているとことだった
「(心が休まる暇がないな)」
「そういえばすずかちゃん。ユウ君と仲良さそうやったな。フェイトちゃんも珍しく男子のことを名字やなくて名前で呼んでたし」
「そういうはやてちゃんも桜井君と仲良さそうだったよね」
「ユウ君とは小学生の時からの知り合いや。お互い料理好きっていう共通点から仲ようなったんや。そういうすずかちゃんは?」
「私は去年の文化祭からかな。偶然、実行委員になって出し物とか他のクラスメイト皆の役割とか話していくうちに自然と仲良くなって。文化祭が終わった後もよく話をしてたよ」
「ほうほう。そんでフェイトちゃんは?この中で一番かかわりがないように思えるんやけど?」
すずかの話を聞いたはやてが話をフェイトに振るう
「私の場合はちょっと特殊だったかな。ほらはやてが私に黙って去年開催したミスコンに出場させたでしょう?」
「あ~~あれは凄かったわよね。フェイトがぶっちぎりで優勝しちゃったんだから」
フェイトの話を聞き、その時の光景を思い出すように少女“アリサ・バニングス”が言う
「あの後から学年問わず結構な男子がフェイトちゃんに告白しては玉砕してたもんね」
当時に事を思い出しながら少女“高町なのは”が苦笑いしながら話す
「それで告白してきたうちの一人にOO先輩って人がいたんだ」
「あ~~その人なら知ってるは。家ほどじゃないけど結構なお金持ちで何不自由なく育って、欲しいものはどんな手段を使ってでも手に入れるって噂があったんだけど、まさか」
「うん。校舎裏に呼ばれて告白されて、断ったら。隠れていた取り巻きの人に道を囲まれて、襲われそうになったんだ」
「その時に現れたのがユウ君ってことやね」
「うん。OO先輩が言った言葉と襲おうとしているところを録画したのを見せてたよ。それを奪い取ろうと取り巻きの人と一緒に襲い掛かったんだけど、一方的にボコボコにやられて、その映像を先生方に見られ、取り巻きの人と一緒に退学になったんだ。そのあとは、逆恨みで襲い掛かってくるかもしれないって言って、数週間の間、一緒に帰ってたんだ。そのあとも会えば軽く話してたりしてたかな」
「へぇ~~~つまり、ユウ君はフェイトちゃんにとって王子様ちゅうことやな」
「お、王子様!?」
はやてのからかい言葉にフェイトは顔を赤くした
「・・・・・」
遠くでその話を聞いていた悠斗はいたたまれずに席を立ちあがり、会計をするためにレジに向かう
「ふふ、モテモテだね。桜井君」
「・・・からかわないでください、士郎さん」
悠斗はこの店の店主を務める男性“高町士郎”のからかい言葉にジト目を向けると代金を払い店から出て行った
「ただいま~~」
「あら、お帰りなさい悠斗君」
「お帰りなさい悠斗」
家に帰宅した悠斗がリビングに入ると2人の女性が悠斗を出迎えた
「ただいま、プレシアさん、リインフォース」