「悠斗さん、大丈夫ですか!?」
ヴィータの少し後になのは達の下に戻ってきた悠斗にすずかが駆け寄り安否を確かめる
「この通りピンピンしてる。シグナムさん、これ。貸していただきありがとうございます」
「それはこちらもだ。いい物を見させてもらった」
シグナムが悠斗から長剣を受け取ると、長剣が光、チェーンの付いた剣のアクセサリーへと変わった
「所でヴィータさんは?」
「ヴィータならあそこで治療を受けながら高町に説教を受けている」
「解ってるのヴィータちゃん、いくら模擬戦だからってあれはやりすぎだよ」
「何もなかったから問題ねぇだろう。むしろのこっちのほうが痛手を負ったっての」
シグナムの目線を追うと、言われた通りなのはがヴィータに説教をしているが、ヴィータはその説教を聞き流していた
「さて、私は仕事があるのでこれで失礼する」
そんな2人に呆れながらもシグナムは気持ちを切り替えると隊舎の方へ歩いていくが途中で止まり、振り返ると
「今度は見るのではなく手合わせを願いたいものだ」
「いいすよ。強い人との手合わせは俺としても願ったりかなったりなんで」
「っふ」
悠斗から手合わせの約束を取り付けれたシグナムは気分よさげに隊舎へと歩いて行った
「悠斗さんって、もしかして戦闘好きですか?」
「ん~~どうだろうな、自分ではそうじゃないかもしれないが、他者から見たらそうなのかもしれないな」
悠斗の問いに苦笑いすると、すずかは予備で持ってきていたタオルとスポーツドリンクを悠斗に渡す
「さ、桜井さん」
「ん?」
すずかから渡されたスポーツドリンクを飲んでいるとスバル、ティアナ、エリオ、キャロの4人が悠斗の話しかけてきた
「どうした?」
「あ、あの、ヴィ、ヴィータ副隊長との模擬戦凄かったです」
「ありがとう。それで、話はそれだけじゃないんだろう?」
「ど、どうやったら桜井さんのように強くなれますか?」
「俺のように・・か。そうだなぁ・・まずは基礎を身に着けることだな」
「基礎・・ですか?」
悠斗の返答に4人が首を傾げる
「何事においても基礎っていうのは大事なことだ。基礎をしっかりとやっていれば応用が利くようになるからな」
『ん~~~』
「はは、言葉だけじゃ解らないか。なら実際に見せたほうがいいかな。高町、この4人借りていくぞ。それとシャーリー、さっきのガジェットを数体ほど用意してくれるか?」
「分かりました。設定はどうしますか?」
「動かない的で頼む。じゃあ、行くぞ」
悠斗はシャーリーに頼みごとをすると4人を連れて再び訓練場へと向かった
「まずはこれだ」
4人を連れて訓練場にやってきた悠斗はガジェットを的に正拳突きを繰り出し、粉砕する
「普通に拳を突き出しただけじゃ今の威力は出せない。踏み込み、重心、力の伝達、引き手による腰の回転、拳の螺旋回転の力を正確に拳に乗せることで今の威力を出せる」
悠斗は4人に解るようにゆっくりと動きながら一連の動きを教える
「最初はゆっくりと正確にやる。慣れてきたら少しづつスピードを上げて行くのがベストだ。そして、今の動きが自然と出来るようになれば」
悠斗はガジェットに背を向けると、空に向かって拳を突き出し、後ろに引いて拳の肘でガジェットを粉砕した
「今みたいなことが出来るようになる。何せ原理は最初に見せた正拳突きと同じだ。ただ違うのは踏み込み、力の伝達を拳ではなく肘のほうに伝えただけだ」
驚く4人に悠斗は原理を教える
「す、すごい」
4人の中で拳や蹴りを主体として戦うスバルは悠斗の一連の動きに感服する
「今は拳を使って見せたが、槍でも同じことが出来る。だが、それをするには基礎をしっかりと身に着けることが大前提だ」
「あの桜井さん、私やキャロはスバルやエリオとは戦い方が違うので必要な・・・」
「基礎っていうのは、体力も含まれている。どんなに優れた技術を持っていても身体が付いてこないのなら意味はない」
ティアナが自分の思ったことを言い切る前に悠斗が基礎とは今の動きだけでなく体力も含んでいると伝える
「まぁ、動きだけを見るなら必要ないかもしれないな。俺が言いたかったのはどんなことでも基礎が大事ってことだ」
『皆~~、そろ揃訓練を再開するよ~』
4人に伝えたかったことを伝え終えると丁度いいタイミングでなのはから訓練再開の通信が届いた
「訓練が始まるようだから俺は失礼するな。頑張れよ~~」
4人にエールを送ると悠斗は訓練場を後にし、アリサのことが気になったすずかと共に隊舎まで戻ていった