神の従者となった剣聖の異世界旅行   作:白の牙

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第19話

 

 

 

 「う~~む、どうやって使えばいいんだ?」

 

 なのはから訓練場の使用許可を貰い、訓練場に来た悠斗だったがどうやってフィールドを出せばいいのか分からずに途方にくれていた

 

 「悠斗」

 

 「悠斗さん」

 

 「フェイトにすずか?どうした?」

 

 「なのはから訓練場の使い方を教えてなかったって言ってたから教えに来たんだ。そのついでに私も訓練していこうと思って」

 

 「私は2人のサポートと訓練の様子を撮りにきたんです」

 

 “変ってください”と悠斗に言うとすずかは慣れた手つきで操作していくとフィールドが起動した

 

 「悠斗さん、希望の場所はありますか?」

 

 「そうだな・・・・・山岳地帯で人1人乗ることが出来る岩場があれば助かる」

 

 「山岳地帯ですね」

 

 悠斗の希望を聞いたすずかは端末を操作していき、訓練場が山岳地帯へと変わった

 

 「本当に便利なシステムだな」

 

 「でも、どうして山岳地帯なの?」

 

 「山っていうのは整備された道と違って凸凹が有ったり、急に上りになったり下りになったりで変化にとんでいる。その道を全身を使って走ることで総合体力アップをはかることが出来る。つけた筋肉をこねほぐしてなじませるそのためには野山を走るが手っ取り早いからな」

 

 「なるほど」

 

 悠斗の話を聞いてフェイトは後でなのはの話そうと思った

 

 「でも、ただ走るのはつまらないな。どうだフェイト、この野山を舞台に俺と鬼ごっこしないか?」

 

 「お、鬼ごっこ?」

 

 子供が遊びでよくおこなう鬼ごっこをしようと言われ、フェイトは戸惑う

 

 「ファルトレク・・・今説明した総合体力アップの方法に遊びを加えただけだ。あ~~いやなら別にいいぞ」

 

 「・・・・やります」

 

 しばし考えた末、フェイトは悠斗と鬼ごっこをすることを決め、小1時間ほど全力で野山を駆け回った(もちろん、魔法や氣による身体強化無し)。そして、フェイトの話を聞いたなのははそれをスバル達の特訓メニューに組み入れることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ、はぁ」

 

 「ふぃ~~~いい汗かいた」

 

 1時間ほど山の中で鬼ごっこをおこなったフェイトと悠斗。汗こそ掻いてはいるもののまだまだ余裕の悠斗に対し、フェイトは両手と両膝を地につけていた

 

 「はい、フェイトちゃん」

 

 「あ、ありがとうすずか」

 

 マネージャーのようにタオルとスポーツドリンクをフェイトに渡すすずか。2つを受け取ったフェイトは失った水分を一気に補充するかのように受け取ったスポーツドリンクを飲む

 

 「どうぞ悠斗さん」

 

 「サンキュー。だが、いくら何でも体力なさすぎじゃないかフェイト?」

 

 「ここ数日、訓練してなかったからかな?」

 

 「なるほど、たった数日でも訓練をサボると体は鈍るからな」

 

 フェイトの話を聞き悠斗は納得する

 

 「30分~1時間でもいいから毎日運動することをすすめるぞ。もしもの時動けなくなって困るのは自分だからな」

 

 「そう・・だね。後でなのはに相談してみる」

 

 フェイトは六課の教導官を務めているなのはにトレーニングメニューの作成をしてもらおうと決めた

 

 「さて、訓練を続けるか」

 

 小休止を終えた悠斗は近くにあった岩場に行き自身の数倍の高さの岩のてっぺんに跳躍すると片手で逆立ちを行い、さらにアイテムボックスに収納していた等身大サイズの岩を片足に乗せると腕立て伏せを始めた

 

 「ゆ、悠斗!?」

 

 「あ、危ないですよ!?」

 

 「11・・・12・・・13・・・」

 

 ほんの少しでも気を抜けば大けが間違いなしの訓練方法に見ていたフェイトとすずかがやめるよう呼びかけるがその訓練に集中している悠斗の耳には届かず、2人は見守ることしかできなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なのはさん、午後の訓練は何をするんですか?」

 

 「いつもと同じで基礎体力アップと軽い実戦だよ」

 

 昼休みを終え、午後の訓練を行うために訓練場へと一緒に向かうなのはとスバル達。訓練内容を聞いてまた同じメニューなのかとティアナが思っていると

 

 「皆にはもうちょっとだけ基礎体力をつけつつ、模擬戦を行ってチームでの戦い方を覚えてほしいからね。個々のスキルアップはもう少しだけ待ってねティアナ」

 

 「え?」

 

 「また同じ訓練なのかって顔に書いてあったよ」

 

 「す、すいません」

 

 なのはに指摘され、ティアナは慌てて謝るも

 

 「気にしてないから大丈夫だよ。あ!それとティアナの午後の練習量はいつもの倍ね」

 

 「気にしてますよね!?」

 

 いつもの量でもきついというのにその倍の量を行えと言われ、ティアナはなのはが自分の考えを気にしていると知り、ツッコミを入れる

 

 「嘘、嘘。さて、悠斗君はどんな場所で訓練をしてるんだろうな~~」

 

 詮議教導官という役職についているからかなのはは少しだけワクワクしていた。そして、5人が訓練場にやってきてみたのは、悠斗と一緒に訓練すると言って追っていったフェイトと2人のサポートをするためにきていたすずかのオロオロしている姿だった

 

 「フェイトちゃん?すずかちゃん?」

 

 「なんか、オロオロしてますね」

 

 2人がオロオロしている方にその場にいる全員が視線を移すと、言葉を失った。視線の先には背中に大岩を乗せて腕立て伏せしている悠斗がいたからだ。しかも大岩には“ラカン印の気合いの岩”という意味不明な文字が彫られていた

 

「2997、2998,2999、3000」

 

 目標の数の腕立てを終えると悠斗は横の転がって乗せていた大岩降ろし、そのまま仰向けで地面に寝そべっている

 

 「ちょっと悠斗君!」

 

 「ん?なのは?来たってことはもう時間か」

 

 「そうだけど。って違う!今やってた訓練は何!?」

 

 「何って、俺の筋トレだけど?」

 

 「あんな1歩でも間違えば大怪我する筋トレなんて聞いたことも見たこともないよ!?」

 

 「確かに俺も最初やらされた時はどうかと思ったが、今ではあれが普通なんだよな。なんていうの、適度な刺激のおかげで集中力が増してはかどるんだよ」

 

 「適度な刺激どころじゃないよね!?フェイトちゃんもすずかちゃんも何で止めなかったの!?」

 

 なのはは訓練を見ていたフェイトとすずかに問い詰める

 

 「と、止めようとしたよ?でも、・・・」

 

 「悠斗さん、すごい集中してて私とフェイトちゃんの声が届かなかったの。だから、見てることしかできなくて」

 

 謝るフェイトとすずかになのははそれ以上2人を責めることができず、悠斗に心臓に悪いからしないようにと言われたが“無理”と言われ、怒るも、悠斗は聞く耳を持たずフォワードの訓練そっちのけで議論が始まり、なのはが折れたことにより話は終わったが、その訓練をするのはスバル達がいないときかつ、自分を含む、隊長陣、副隊長陣の監修のもと行う事が義務付けられた


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