「あれは俺が高2になって1か月ぐらい過ぎた日だったかな?その日、俺は俺の世界の裏の関係者とお茶をしていてな、1年前の夏休みに行った魔法世界で起きた大冒険のことを話しながら今年の夏休みについてのどうするかを話し合っていたんだ」
淹れたお茶を一口飲んでから悠斗はなのはとフェイトに生前に起きた第2の大冒険について語り始めた
「魔法世界?」
「あぁ。人間に加え、獣人やら、竜やら有名なRPGに出てくるモンスター等がいる文字通りのファンタジー世界だ」
「「へぇ~~」」
悠斗の話を聞き、なのはとフェイトは興味を少し興味を抱く
「だが、その実体は火星という星に創られた幻想世界なんだけどな」
「「・・え?」」
「何でも始まりの魔法使いが創造したらしいが、何のために創ったのかは知らん、そこまで興味がないからな」
「「・・・・」」
重要なところに興味がないという悠斗に2人は何も言えなかった
「話を戻すぞ。話も終え、帰ろうとした矢先、俺の足元に見たことのない魔方陣が突然浮かび上がった。いきなりのことに唖然としていた俺はその魔方陣の放つ光に飲み込まれ、気が付いたら異世界にいた」
「「異世界!?」」
「何でもその世界の神とやらが呼んだらしくてな俺のほかにも別世界の地球から31人の生徒と1人の教師も呼ばれた。呼んだ理由は世界を救うために魔人族と呼ばれるものと戦ってほしいんだと」
「悠斗、戦うってことは」
「そうだ、呼び出した俺達に戦争、人殺しだな」
「「っ!?」」
「別世界の地球から呼び出された教師は生徒達にそんなことさせられない、元の世界に返してくれと言ったが、帰る手段がないとほざきやがった」
悠斗はお茶を飲んで一息つくと、話をつづけた
「そんな時、1人の生徒が自分達には力がある、何があっても自分が皆を守って見せると言っちまったのさ。そいつはクラスでも影響力が高く、そいつの言葉に感化され、1人、また1人と戦うことを決めて行った。自分達がこれから何をするのか、何をさせられるのかも知らずにな」
「悠斗君はどう答えたの?」
「1人でも生かすために現実を教えてやった、自分達が何をやらされるのかをな。まぁ、そんなに効果はなかったけどな」
悠斗はその時の事を思い出しため息を吐く
「結局、生徒たちは戦争に加担するという流れになり、戦闘訓練が始まった。俺はその時点で強かったから訓練に参加する必要はなかったんだが、いつの間にか俺がその世界の騎士団を鍛える側になってた」
“どうしてあんな流れになったのかね~”と呟きながら悠斗はお茶を飲む、その様子になのはとフェイトは苦笑いする
「俺が鍛えた騎士団のことはどうでもいいな。んで、訓練を初めて2週間がたったころ、実戦を経験させるためにとある迷宮に入ることになった。非戦闘員も含めてな」
「「・・え?」」
戦えないものまで戦場に連れて行くことになのはとフェイトは自身の耳を疑った
「俺も戦えない者は連れて行く必要はないといった。騎士団長も同じ考えだったらしいが上からの命令に逆らえず連れて行くことになった」
「悠斗君はどうしたの?」
「当初は行かない予定だったんだが、嫌な予感がしてな一緒に行くことにした。数日をかけて迷宮のある街へとたどり着き、迷宮に挑むことになった。その迷宮は100階層まであるらしく、実戦を積ませることが目的だったからそこまで奥まで降りるつもりはなかったらしい。20階層にたどり着いたとき、1人の少女が見つけた鉱石を捕ろうとした馬鹿な男のせいで罠にかかり、強制的に50階層まで移動させられ、前後から現れた骸骨兵士と1体の強力な魔獣が出てきて一気にピンチになった。突然の出来事に俺と騎士団以外の者達は混乱した。混乱する者達に檄を飛ばし、指示を出した俺は自分の力におぼれ、言うことを聞かない自称勇者とその勇者の言うことは絶対だと信じてやまない馬鹿で脳筋な男を上の階まで上がる階段まで放り投げた後、一人の男と一緒に殿を務めた」
「・・・結果は?」
「その魔獣以上のものと戦ったことがある俺にとってはそこまで強く感じず、さらに一緒に殿を務めてくれた男のおかげで楽に倒せた。だが、ここで一つの問題が起きた、後方から放たれた魔法の一つの軌道が男に向かって曲がり、男に魔法が当たって、吹き飛んだ。そして、それと同時に俺達がいた橋の崩壊が始まった。戦闘の疲れと魔法によるダメージで男はうまく体を動かすことが出来ず、崩壊した橋の残骸と共に落ちて行った」
「「・・・・・」」
「俺は手を伸ばして落ちていく男を助けようとしたが、届かなかった。そして、その男のことが好きだったであろう女の子を気絶させて戻ろうとした矢先、俺達がいた場所も崩壊してな、俺とその女の子の親友の子と一緒に落ちて行ったのさ」
“我ながら情けなかったな~~”っとぼやきながら悠斗は少し冷めたお茶を飲む
「奇跡的に生きていた俺達は迷宮からの脱出、落ちた男の探索を始めた。道中色々なことがあったが長くなるから飛ばさせてもらう。探索をしていくうちに俺達は落ちた男を見つけた」
「よかった」
「生きていたんだ」
「見つけたはよかったんだが、男は変ってしまっていたんだ」
「「変っていた?」」
「優しかった性格はなくなり、自分の目的を邪魔するものは容赦なく殺すという風にな」
「「っ!?」」
男の変貌ぶりを悠斗から聞いた2人は眼を見開く
「一番の救いだったのは完全な外道になっていなかったことだな。だが、今でもこう思うことがある、あの時、男の手を掴んでさえいれば男は優しく、思いやりのある性格のままでいたはずだってな」
悠斗の表情と声色には後悔の念があった
「これが俺の失敗談だ。この話を聞いてどう思い、どう行動に移すのか見届けさせてもらう。盗み聞きさせている者達も含めてな」
「盗み聞きさせてるって何のこと?ここには私とフェイトちゃんしか・・・」
「惚けるな。デバイスの通信回線を開いて、フォワード達とロングアーチ以外の面々に今の会話を聞かせてたんだろう?」
『・・・いつから気づいてたんや、ユウ君』
観念したのかテーブルに置かれている紅い宝玉からはやての声が聞こえてきた
「最初からだな。ごくたまに息をのんで鳴る喉音が宝玉から聞こえてからな」
『聞き取れるかとれるか微妙な音が聞こえるってどんだけ耳がええねん』
悠斗の聴覚の良さにはやては呆れる
「さて、明日も早いことだしそろそろ寝るとしようぜ」
「そうだね。悠斗君」
「ん?」
「話してくれてありがとう」
悠斗に話をしてくれてことへの礼を言うとなのははフェイトと共に隊舎へと戻っていった
「・・・誰一人欠けることなくこの1年過ごしていけることを願いたいな」
2人がいなくなったのを確認すると悠斗は空に浮かぶ3つの月を見上げながら呟き、隊舎へと戻っていった