地球に運び込まれたロストロギアを封印、回収した翌日、なのは達前線メンバーは街を観光したり、ご当地グルメを堪能したり等々、のんびりと過ごしていた。そして、悠斗はというと
「う~~~~んやっぱり、青よりは黒のほうがいいかしら?」
「俺はどっちも同じに見えるがな~~?」
アリサの家で夜に行くパーティーで着用するスーツ選びをしていた
「つーか、俺のよりも自分が着ていくドレスのほうはいいのかよ?」
「大体は決めているわ。それより悪いわねこっちの事情につき合わせちゃって」
昨晩、父親からの電話で今日、行われるパーティに出席して欲しいと頼まれたアリサは悠斗に自分の彼氏のふりをして一緒にパーティーに出てほしいと頼まれたのだ。理由はパーティーに出席すると必ずと言っていいほど出席している他企業の社長やら変わり出来たぼんくら息子達から交際を申し込まれるのだ
「大会社の社長令嬢も大変だな」
「本当よ。会社とかそういうの関係なく私のことを見てくれているなら考えてもいいけどどいつもこいつも下心が丸わかりなのよ」
「そこで、今日俺と一緒にパーティーに行って彼氏ですって言っておけば今後、そう言った輩が近づてこなくなるっか?」
「そういうこと。やっぱり黒にしましょう」
悠斗の問いに頷くとアリサは悠斗が着ていくスーツを決めると今度は候補に挙げていたドレスのうちどれを着ていくかに悩み始めた
「ここがパーティーをおこなうホテルよ」
夜になり、執事兼運転手の鮫島の運転する車に乗ってホテルにやってきた悠斗とアリサ。悠斗はホテルの大きさにため息を吐く
「うちで経営するホテルで52階~67階までがホテルになってて68階と69階はレストラン、最上階の70階には2つの会場があるわ」
「・・・帰っていい?」
「だめに決まってるでしょう?ほら覚悟を決めなさい!」
「でぇ!?」
帰ろうとする悠斗の背中をアリサはおもいっきり叩いた
「はぁ~~~しゃ~ない。では行きましょうかお嬢様」
「えぇ、エスコートは任せたわ」
「アリサお嬢様、桜井様行ってらっしゃいませ」
ごく自然に悠斗に左腕に抱き着いたアリサと共に悠斗は鮫島に見送られながらホテル内へと入っていった
一方そのころ、昨日に引き続きコテージの外でバーベキューを楽しんでいる六課一同
「・・・・・・・」
「すずかちゃん、どうしたんだろう?今日1日ずっと上の空みたいだけど」
バーベキューには参加せず、椅子に座ってボーっとしているすずかを見てなのはが心配そうな顔をする
「あ~~~気にせんほうがええでなのはちゃん」
「え?何で?」
「今日の朝、アリサちゃんの話聞いたやろ?今後悪い虫が寄ってこないように悠斗君に彼氏のふりをして貰ってパーティーに出席するって。ふりとはいえすずかちゃんからしたら気が気でしょうがないんや」
「どういうこと?」
はやての言っていることが分からず、なのはは首を傾げる
「はぁ~~~鈍感すぎなのも考えもんやな。あっちは・・・」
なのはの鈍感さに呆れ、はやては別のほうをみると
「エリオとキャロは今日何処に行ったの?」
「フェイトさんと一緒にオールストン・シーっていう臨海テーマパークに行って遊んできました」
「遊園地のほかにも水族館があってすごく楽しかったです。だけど・・」
スバルに今日1日どうしていたのかを尋ねられたエリオとキャロはフェイトとアルフと一緒にテーマパークに遊びに行ったと言うと肉を焼いているフェイトに視線を移す
「フェイト」
「・・・・」
「フェイト!!」
「ア、アルフ!?大きい声出してどうしたの?」
「どうしたのって、何度呼んでも返事をしてくれないから大声で呼んだんだよ」
「ご、ごめん」
「遊園地で遊んでるときもずっとボーっとしてたけどどうしたんだい?まさか、どこか悪いのかい?」
「何処も悪くないから大丈夫だよ」
「本当かい?」
「本当だよ」
どうやらフェイトも今日一日上の空だったらしく家族であるアルフに心配されていた
「(ふむ、どうやらフェイトちゃんも無意識とはいえ悠斗君を恋愛対象としてみとるみたいやね)応援したいけど私もそうやからな~~~。料理で腕と味で好感度を上げようとしたけど、いまいちやったし別の手を考えなあかんな~~」
はやてもはやてで自分への好感度を上げるための策に頭を悩ませていた
「こりゃまた随分と豪勢だな」
最上階のパーティー会場に到着した悠斗は内装、参加している企業代表、出されている料理の数々を見てネギまの世界で出席したことのあるパーティーを思い出してしまった
「えっと、受付の人が言うにはもう来てるはず何だけど・・・・いた。行くわよ悠斗」
会場に入るとアリサは周りを見回すと、目的の人物を見つけたのか、引っ張る形で悠斗と一緒にその人物の下へと赴く
「パパ、ママ」
「ん?アリサ!それに桜井君」
「あらあら」
アリサが声をかけたのは実の父であり大企業“バニングス社”の社長を務めるデビット・バニングスとその妻でありアリサの母親であるジョディ・バニングスである。2人は話していた者に声をかけて、話を一時中断させる悠斗達の下にやってくる
「久しぶりねアリサ。元気そうで安心したわ。悠斗君も久しぶりね」
「お久しぶりですジョディさん、デビットさん」
「今日は娘のわがままを聞いてくれてありがとう。お詫びになるかどうか分からないが今日のパーティーを楽しんでいってほしい」
「まぁ、楽しめるかどうか回り次第ですかね?」
悠斗は周囲からの視線と聞こえてくる話し声に耳を傾け、早速効果が出ていることに安堵する一方、若い男性陣の射殺そうと言わんばかりの視線に呆れる
「ふぅ~~~~」
「お疲れ様」
パーティー会場を離れ休んでいるとアリサに声をかけられ、手に持っていたカクテルを渡された
「・・・・・」
「心配しないでもノンアルのカクテルよ。アルコールを試してみたいけどパパ達がいるからね」
「俺はアルコール入りのカクテルでもいいんだけな」
受け取ったノンアルカクテルを一口飲むとアリサも悠斗の隣に腰掛、カクテルを飲む
「しかし、俺がいても大して変わらなかったんじゃないのか?」
「いつもよりはマシだったわ。それに、さっきあんたが言った言葉で近づいてこなくなったしね」
悠斗がパーティー会場を離れる少し前、アリサの会社と同じ中小企業の息子が声をかけてきた。アリサ曰く“パーティーに毎度参加してはしつこく自分に声をかけて気、付き合ってほしい”と言ってくるそうだ。男は悠斗と腕を組んでいるアリサを見て、悠斗が誰なのかを尋ね、アリサが“私の彼氏よ”と言うと、悠斗にどこの会社の息子なのかと尋ねた。悠斗は取り合えずアリサと同じ大学に通っている学友で最近付き合い始めたと言う。悠斗が企業の息子ではなく一般家庭だと知った男は逆玉を狙っている男などアリサにはふさわしくないと周りの参加客に聞こえるようわざと大きな声で言うが、逆に
『確かに第3者から見れば俺はアリサがバニングス社のご令嬢だと知って付き合い、玉の輿を狙っている男なのだと認識されるんだろうが、俺はそんなこと一度も考えたことはない』
『俺はアリサがバニングス社の令嬢だから告白し、付き合おうと思ったんじゃない。アリサ・バニングスという1人の女性が好きになったから告白したんだ』
「まったく、あんなことをよく咄嗟にしかも恥ずかしげもなく言えたわね」
「俺は本当のことを言っただけだ」
悠斗の言葉を聞いて呆れると、悠斗のことをじっと見る
「(よくよく思えば悠斗ってかなりの優良物件よね~。顔は私がこれまであった事のある男子の中でも上位、ぶっきらぼうだけど気が利くし、何かあった時には守ってもらえるほど強い。大企業の令嬢だって知っても何処にでもいる普通の女の子として扱てくれるし・・・ってなんでこんなに悠斗のこと考えてるのよ!?これじゃあまるで・・・)」
「アリサ?顔が赤いが大丈夫か?」
「え!?えぇ、大丈夫よ」
「そうか?」
「そ、それより、そろそろ会場に戻りましょうか」
考えていたことを忘れようとアリサは残っていたカクテルを一口で飲み切ると、立ち上がり、会場に戻るよういう
「そうだな、そろそろ会場に」
戻ろうと言おうとしたとき、悠斗は嫌な気配を感じる
「悠斗?」
なかなか来ない悠斗に不信がり、アリサが戻ってくるとエレベーターが到着した音が鳴る。そしてドアが開くと同時に武装した複数の男たちが会場へと突撃していった