「少し強引に行くってどうやって研究所内に入るつもりだ?まさか、ヴィータが言ったように正面突破で入るつもりか?」
『少し違うな。クロノ・ハラオウン、そちらで戦える局員はこの場にいる以外でと何人いる?』
シグナムの問いを否定した後、悠斗はクロノに尋ねる
「艦にあと10人にほど待機させているが」
『ならその10人を今すぐこの場に呼べ。その10人が到着し、準備が整い次第。高町なのは、一瀬拓也、鉄槌の騎士にあのバリアを攻撃してもらう』
「何であたしら3人だけでバリアを破壊しなくちゃいけないんだ?ここにいる全員でやればあっという間だろう」
『あのバリアを完全に破壊する場合、魔力の大半を消費することになる。勝てはするだろうが多少は苦戦するだろう。俺がお前達、3人にやってもらいたいのはバリアの完全破壊ではなく人1人通れるだけの穴を開けてもらうことだ』
「穴・・・ですか?」
『そうだ。その穴から研究所内に侵入し、敵魔導師及び研究員の捕縛、バリアの解除を行う』
「だが、その方法で研究所内に入れたとしても、入った瞬間に敵から一斉攻撃されるおそれが・・・」
『その点は問題ない』
悠斗は自分がたてた作戦を伝えると、クロノがその作戦の問題点を挙げるも、悠斗は問題ないといい、右腰のホルダーか1つのリュウソウルを取り出し、見せる
『これは周囲に溶け込み、身を隠すことができるものだ。これを使って周囲と一体化し空いた穴から中に入る』
「君はそんなものまで持っているのか。それは僕たちも使うことは・・・」
『出来ない。これは俺にしか使えない』
「まさか1人で行くつもりですか?」
『ならば逆に聞こう。敵にばれずに侵入する手立てをお前たちは持っているのか?』
「そ、それは」
悠斗の言葉にフェイトは口ごもってしまう。悠斗の言う通り自分たちには相手にばれずに中に入る手立てがないからだ
『まぁ、研究所内にいる魔導師と研究員の捕縛にロストロギアの回収、それらすべてを1人でできるほど俺は万能ではないからな、お前達にも手伝ってもらう』
「え?でも、私達は一緒に中に入れないから・・・」
『確かにお前たちは中に入れない。なら中に入った俺がお前たちを中に入れればいいだけの話だ。この場に来た時と同じようにな』
『ここでいいか。“界穿”』
研究所内に侵入した悠斗は人気がない場所までやってくると透明化を解除して手をかざし空間に穴を開ける。そして、その開いた穴からフェイト、はやて、リインフォース・ツヴァイ、シグナム、シャマル、ザフィーラの6人が入ってきた
「姿が消えていてわからなかったが、侵入は成功したようだな」
『当然だ。出来ない作戦を立てるはずがないだろう。本番はここからだ、俺達潜入組がバリアを破壊しつつ、敵を捕縛するのが先か、相手が逃げるのが先かのな』
「はい」
「気合入れて行かなあかんな」
悠斗の話を聞き、フェイトは力強く頷き、はやては頬を軽く叩いて気合を入れた
「誰かここにいるのか?サボってないで逃げる準備・・・・を?」
するとドアが開き、研究所で働いている研究員が入ってきた
『丁度いいタイミングでいいものがきたな。湖の騎士、奴の捕縛を』
「任せて」
悠斗に言われ、シャマルは魔力の糸でつながったペンタグルで入ってきた研究員を捕縛した
『“絶界”』
悠斗は不可視の空間遮断型の結界を入り口に張って、空間を遮断した
『さて、お前にはいろいろと話してもらおう』
『コタエソウル』
悠斗はガイソーケンから入れているソウルを取り出し別のソウルを装入し、数度口の開け閉めを行うと力を発動させる
『さて、話し合いを始めようか』
そして悠斗はコタエソウルの力を使い脱出用の艦の場所、バリアを解除する方法、ロストロギアの保管場所等々、様々な質問を研究員にし、答えさ情報を得た
『貴重な情報ありがとよ。もう眠っていいぞ』
「・・あ!?」
悠斗は研究の肩に手を置き、スタンガン並みの電気を流し気を失わせた
『っということだ。ここは3手に別れ手行動したほうがいいだろう』
「せやね。なら私とリインはバリアを解除するほうに行くわ。シグナムは私と、ザフィーラとシャマルは艦のほうをお願いするな」
「はいです」
「解りました」
「はい」
「承知しました」
『なら残った俺とフェイト・T・ハラオウンは研究員達を捕縛しつつロストロギアの回収だな』
「よ、よろしくお願いします」
『それじゃあ行くか』
悠斗は空間遮断の結界を解除する。そして、部屋を出て3手に別れ行動を開始した
「金色の閃光!?なんでここに!?」
「摑まえるぞ!!そんで後で可愛がるぞ!!」
『“縛煌鎖”』
「な、なんだ!?」
悠斗が魔法を発動させるとどこからともなく無数の光の鎖が現れ、敵魔導師達に巻き付き縛り上げる
『っふ、いろんな意味で人気だな』
「・・うれしくないです」
敵の言葉を聞いていたフェイトはその言葉に素直に喜べないでいた
『(丁度いい少し聞いてみるか)フェイト・T・ハラオウン、お前はなくなった母親、プレシア・テスタロッサをどう思っている?』
「え?」
悠斗のいきなりの問いかけにフェイトは答えられなかった
『何、それなりに長い付き合いだからな気になっただけだ。まぁ、答えたくないのなら答えなくていい』
「・・・今でも母親だと思っています」
『ほぅ』
「母さんにとって私はアリシアになれなかった出来損ないでいらない存在なのかもしれません。でも、私にとっては今でも母さんなんです」
『・・・そうか。すまないなつらいことを思い出させてしまった』
震える声で語るフェイトに悠斗は心の底から謝る
『もし、もしだ。お前の母親、プレシア・テスタロッサに会えるとしたらお前はどうする?いや、どうしたい?』
「分かりあいたいです。あの時に行ったことをもう一度言って、娘だと、家族なんだと伝えたいです。解ってくれるまで何度でも、私の想いを伝えたいです。なのはが私にしてくれたように」
『・・・強くなったな。初めて会ったあの時よりも』
「皆のおかげです。その中には貴方も入っています」
『そういわれるほど俺は何もしていないがな。先を急ごう』
「はい」
聞きたかったことを聞き終えた悠斗は先を急ぐべくテンポを上げ、それに着いて行くべくフェイトもテンポを上げた
『もうすぐだな』
「はい。ロストロギアの保管庫」
敵を捕縛しながら進み続けた悠斗とフェイトは研究所内のロストロギアが保管されている区画にたどり着いた
『・・・妙だな』
「何がですか?」
『ロストロギアはここの者たちにとっても大事なもののはず、持って逃げるのにも誰かしらいると思ったが、誰一人いない』
「・・言われてみればそうですね。もしかしてもう全部持って艦のほうに行ったんじゃ」
『かもしれないが、確認だけはしておこう』
最後の曲がり角を曲がった悠斗とフェイトが見たのは、ロストロギアを取りに来た研究員とその護衛を務めていた魔導師達が大勢床に伏して倒れていた
「これって」
『・・・脈はある。気を失ているだけだろう。まさか、俺たち以外にこの研究所に入り込んだ奴がいたとはな』
悠斗は魔法で気を失った者達を縛り上げると、保管庫の前に立つ
『ご対面といこうか、俺たち以外の侵入者のな』